(54)【考案の名称】管理記録カレンダー

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、日々の一般的衛生管理やHACCPにおける重要管理の実施結果を記録するためのめくり式のカレンダーに関する。

【従来の技術】

【0002】
HACCP(ハサップ)とは、「Hazard Analysis and Critical Control Point」の頭文字からなる略称であり、「危害要因分析重要管理点」と訳される。HACCPは、食品等事業者が、食中毒菌汚染や異物混入の危害要因(ハザード)を自身で把握するとともに、全行程(原材料入荷から製品出荷まで)のうち、食中毒などの危害要因を除去・低減させるにあたり特に重要となる工程を管理して、製品の安全性を確保する衛生管理手法である。この手法は、国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格(コーデックス)委員会から発表されている国際的な手法である。
【0003】
この手法では、従来の抜取検査などによる衛生管理方法に対して、危険性を含む製品の出荷を未然に防止し得る、また、原因の追及が容易になるなどの利点を有する。その一方で、HACCP導入施設では、教育や訓練を受けた作業者により、HACCPで定めた項目が適切に管理運用されるように、該項目、すなわち製造過程における所定の手順や方法が、継続的に遵守されることが不可欠である。
【0004】
ところで、リテールHACCP(HACCPの考え方を取り入れた衛生管理)について、2018年6月13日に食品衛生法改正が公布され、原則として、すべての食品等事業者に、一般衛生管理(PP)に加え、HACCPに沿った衛生管理の実施が求められることになった。ここで、規模や業種を考慮した一定の営業者(喫茶店や移動販売などの小規模な飲食業)については、取り扱う食品の特性などに応じた衛生管理をすることとしており、これを上記したリテールHACCPという。公布から2年以内に施行され、当該施行時より猶予期間の1年を経て完全施行される。このリテールHACCPは、一般衛生管理(PP)の実践の他、重要管理点(CCP)という食中毒を起こす危害要因のポイント(食品別の冷蔵または加熱するポイント)を設定し、モニタリング(記録)も課せられる。
【0005】
従来、このようなHACCPの実施記録に使用できる、規格化された資料の作成管理支援システムとして、特許文献1が提案されている。特許文献1の管理支援システムは、診断チェックリストや資料の雛型ドキュメントを備えた少なくとも一つの支援センタサーバと、この支援センタサーバと所定の通信網を介して接続された複数のクライアントとから構成され、これらの間で電気通信回線網を利用して診断結果などを送受信するオンラインシステムである。
【0006】

【効果】

【0016】
本考案の管理記録カレンダーは、一般衛生管理やHACCPにおける重要管理の実施結果を日々記録するための、紙面からなる頁を複数枚積層しためくり式のカレンダーであり、各頁において、それぞれの管理に係る複数のチェック項目が予め表記されるとともに、該カレンダーの使用者が該チェック項目に対する記録を残すための欄または部分を有するので、多くの作業者が容易に利用でき、簡易化、習慣化、効率化が図れ、記録保持に貢献できる。
【0017】
各頁において、上部に分離用のミシン目を有し、かつ、側部に綴込み用の穴を有するので、頁を綺麗に切り離せるとともに、これらの頁を他ファイルなどを利用して容易に保管して管理できる。
【0018】
このカレンダーの頁は、1日毎に設けられるので、習慣化が図りやすく、1日当たりに多くの情報を記録できる。
【0019】
(1)各頁の全てに、(2)各頁のうちのいずれか特定の頁に、(3)各頁とは別の頁に、複数のチェック項目の個別評価または総括評価を記載するための欄または部分を有するので、日めくり式としながらも、全体的な評価を確認できる。また、将来の原因追及の際にも有用である。特に、個別評価または総合評価を記載する部分は、複数段階の評価が所定日数分、縦横軸に配列された表であるので、全体的な評価を把握しやすくなる。
【0020】
また、個別評価または総合評価を記載する部分である上記表が、1か月分の頁において同箇所に設けられ、該表は各頁の該当日の部分と罫線以外が透過的な表であるので、1か月分を重ねたときに、1か月間の全体的な評価を把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】管理記録カレンダーの一例を示す斜視図である。
【図2】管理記録カレンダーの頁の一例を示す概要図である。
【図3】管理記録カレンダーの頁の他の例を示す概要図である。
【図4】管理記録カレンダーの評価頁の概要図である。
【図5】管理記録カレンダーの頁の他の例(総合評価欄)を示す概要図である。

【0022】
HACCPの導入には、下記表1に示す7原則12手順が必要とされる。
【表1】[fig000003]


【0023】
ここで、一般衛生管理(PP)の実践の他、原則1〜原則7は重要であり、危害要因を分析し、それに基づく重要管理点を決定し、これをモニタリングし記録・保管することで、改善、検証などが図れる。正確なモニタリングと記録・保管は、HACCPの本質的な部分であるといえる。本考案の管理記録カレンダーは、この部分を担うものである。
【0024】
本考案の管理記録カレンダーを図1に基づいて説明する。図1は、本考案の管理記録カレンダーの一例を示す斜視図である。
図1に示すように、管理記録カレンダー1は、紙面からなる頁2を複数枚積層した、いわゆる「めくり式」のカレンダーである。壁面などに掛けて使用できる他、作業台に載置して使用できる。頁2の一部に、年月日などの日付に関する日付欄3を有する。頁2の日付間隔は適宜設定できる。例えば、1日毎に1枚(日めくり)、1週毎に1枚(週めくり)、1か月毎に1枚(月めくり)などに設定できる。日々継続的な確認ができ、習慣化が図りやすく、また、1日当たりに多くの情報を記録できることから、1日毎に1枚設ける「日めくり」式のカレンダーにすることが好ましい。また、頁総量は、1か月分、1年分など任意に設定できる。
【0025】
頁2において、管理に係る複数のチェック項目欄4と、カレンダーの使用者が該チェック項目に対する記録を残すための記録欄5を有する。また、頁2において、上部に分離用のミシン目6を有し、かつ、側部に綴込み用の綴じ穴7を有する。日めくり式であるため、毎日の記録後に頁(紙面)をミシン目6に沿って切り離す。この切り離した紙面は、綴じ穴7を利用して、別の記録用ファイルに綴じ込みできる。これにより、各日の管理記録を保管して管理できる。その他、通常の頁に加えて、各日における複数のチェック項目の総括評価などを記載する評価頁を設けてもよい。
【0026】
本考案の管理記録カレンダーは、切り離した頁を保管して管理する目的で使用される。このため、一般的な日めくりカレンダーのように金具部分を紙の切断として使わず、上記のとおり、全ページにミシン目6を入れて、毎回の保管用として綺麗に切り離せる構成としている。
【0027】
頁を構成する紙面(用紙)の種類は、特に限定されず、例えば、複写用紙、アート紙、コート紙、マット紙、上質紙、耐水用紙、防汚用紙などの任意の用紙を使用できる。用紙は、単独でも複数種を組み合わせて使用してもよい。例えば、上記のように通常頁の他に、評価頁を設ける場合は、当該評価頁には複数日にわたって何度も記録を行うものであるため、通常頁よりも耐久性に優れる用紙を用いてもよい。
【0028】
本考案の管理記録カレンダーの頁の一例を図2に基づいて説明する。図2は、リテールHACCPにおける一般衛生管理(PP)の実施内容を記録するためのカレンダーの任意の1頁の概要図である。
図2に示すように、このカレンダーの頁には、一般衛生管理に係る複数のチェック項目欄(図1の符号4)が予め表記される。具体的には、左側から「原材料受入」、「手洗い」、「器具等 洗浄・消毒」、「トイレ 洗浄・消毒」、「従業員 健康管理」、「交差汚染 二次感染」の6項目が印字されている。一般衛生管理に係るこのチェック項目は、特に限定されず、管理対象や使用時の利便性に応じて、その内容や表記を適宜変更したものとできる。また、空欄として使用者側において記入できる方式としてもよい。このチェック項目は、通常、食品衛生法で定めている「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」の食品取扱施設等における衛生管理の事項などが対象となる。
【0029】
チェック項目欄の直下には、カレンダーの使用者がそれぞれのチェック項目に対する記録を残すための記録欄(図1の符号5)を有する。カレンダーの使用者は、該カレンダーに対して情報を記録する者であり、主に作業者、現場責任者、上位責任者などである。
図2に示す頁では、「作業前」、「作業時」、「終了時」の3つの時間帯における実施内容と、「その他」の時間帯などにおける実施内容を記録できるようになっている。それぞれの時間帯において、3つの四角枠が配列されている。使用者(作業者)は、実施内容に応じて、それぞれの四角枠を塗り潰す、チェックマークを付ける、シールを貼るなどして記録する。記録は、問題がある場合にチェックする(記録のある部分に問題あり)、問題がない場合にチェックする(記録のない部分に問題あり)、のいずれとしてもよい。このような方式とすることで、四角枠にチェックする等のみの簡易な作業で記録できる。
【0030】
チェック項目の記録欄の下には、任意コメント欄を有する。このコメント欄には、上記チェック項目で問題ありとされた場合における該問題内容、処置内容、改善内容などを記録する。通常、これらの内容は多岐にわたり、記載量も多くなることから、チェック項目の記録欄(チェック方式)と比較して、広めの空間を確保した欄とすることが好ましい。チェック項目の記録欄に加えて、任意コメント欄を設けることで、具体的な内容も漏れなく記載でき、管理、改善に有用な情報となる。
【0031】
本考案の管理記録カレンダーの頁の他の例を図3に基づいて説明する。図3は、リテールHACCPにおける重要管理点(CCP)の実施内容を記録するためのカレンダーの任意の1頁の概要図である。
図3に示すように、このカレンダーの頁には、HACCPにおける重要管理に係る複数のチェック項目欄が予め表記される。具体的には、左側上1段目から「冷蔵庫1温度」、「冷蔵庫2温度」、「冷蔵庫3温度」、「冷凍庫1温度」、「冷凍庫2温度」の5項目が印字されている。また、同項目欄内に、「作業前」、「作業時」、「終了時」の3つの時間帯における具体的な庫内温度の記載欄を有し、その下に「適」「不適」の欄を有し、その下に、任意コメント欄を有する。使用者(主に作業者)は、実施内容に応じて、温度を記録するとともに、予め設けられた温度基準から判断して「適」または「不適」を判定して記録する。
【0032】
また、左側上中段から「非加熱」、「加熱」、「加熱後 高温保管」、「加熱後 冷却再加熱」、「加熱後 冷却」の5項目が予め印字されている。また、同項目欄内に、「作業前」、「作業時」、「終了時」の3つの時間帯における具体的な食品温度の記載欄を有し、その下に「適」「不適」の欄を有し、その下に、任意コメント欄を有する。庫内温度の場合と同様に、使用者(主に作業者)は、実施内容に応じて、食品温度を記録するとともに、予め設けられた温度基準や保管基準から判断して「適」または「不適」を判定して記録する。
【0033】
重要管理に係るこのチェック項目は、特に限定されず、製造工程などに応じて、その内容や表記を適宜変更したものとできる。また、空欄として使用者側において記入できる方式としてもよい。HACCPにおいては、原料から持ち込まれる危害要因(ハザード)を、調理・加工の規格を定めて運用管理する手順の構築が求められる。図3の例では、重要管理点(CCP)として、食中毒を起こす危害要因のポイント(食品別の冷蔵または加熱するポイント)を設定し、これを記録するものである。
【0034】
図2の一般衛生管理(PP)と、図3の重要管理点(CCP)とは、1つのカレンダーにおいて同日分を2枚重ねて配置してもよいし、管理毎に分けて2つのカレンダーとしてもよい。
【0035】
図2や図3に示す通常の頁に加えて、各日における複数のチェック項目の個別評価または総括評価を記載する評価頁を設けてもよい。本考案の管理記録カレンダーの評価頁の例を図4に基づいて説明する。図4は、本考案の管理記録カレンダーの評価頁の概要図である。
この評価頁は、本考案のカレンダーに一体または分離可能に含まれる頁であり、1年分の各日の総合評価の一覧を示すものである。総合評価を記載する部分は、複数段階の評価が所定日数分、縦横軸に配列された表とされている。具体的には、縦3行(評価:優、良、可)、横31個(1か月分)の表である。例えば、毎日の温度管理(3つの時間帯)を全て問題なく実施できれば「優」の欄を塗り潰し、2つの時間帯であった場合は「良」の欄を塗り潰し、1つの時間帯だけの場合は「可」の欄を塗り潰すことで記録ができる。なお、図2におけるチェック項目欄と同様に、チェックマークを付ける、シールを貼るなどして記録してもよい。また、各日の温度管理が複数対象ある場合には、そのいずれかの評価(個別評価)をピックアップして記録してもよい。
【0036】
評価一覧を設けることで、管理作業を見える化し、後々フィードバックできる点、作業者の習慣化を推進させることができる点、万が一、食中毒などが発生した際に原因(温度管理の時間帯)を効率的に発見できる点、などに有効な効果を発揮できる。
【0037】
図4では、各頁とは別の頁を評価頁として、複数のチェック項目の個別評価または総括評価を記載しているが、これに限定されず、(1)各頁の全てに、(2)各頁のうちのいずれか特定の頁に、複数のチェック項目の個別評価または総括評価を記載するための欄または部分を有する形態としてもよい。例えば、図5に示すように、各頁の下部(1か月分の頁)に、その頁の日の属する月全体の総括評価を記載するための表を設けることができる。表は、1か月分の頁において同箇所(重なるように)に設けられている。この構成において、該当日の部分と罫線以外が透過的(物理的に穴が空いている場合を含む)な表とし、各頁においては、その日の総合評価を該当日の部分に記録しておく。これにより、1か月分を重ねたときに、先頭頁(例えば各月の「1日」)において1か月間の全体的な評価を把握できる。
【0038】
近年の携帯などの端末による進化は目覚ましく、本件と同様の記録・保存作業をスマートフォンなどの端末で実施することは、工程によっては有効であるとも考える。これに対して、本考案のカレンダーは、壁掛けなどで生産現場に掲示するため、「日めくり」という記入と行動により記録の失念が防止でき、また、書く(記入する)という作業が習慣化に役立つ。
【0039】
以上、各図などに基づき管理記録カレンダーの形態を説明したが、本考案の管理記録カレンダーの構成は、これに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本考案の管理記録カレンダーは、日々の一般的衛生管理やHACCPの重要管理の実施結果の記録について、多くの作業者が容易に利用でき、簡易化、習慣化、効率化が図れ、記録保持に貢献できるので、HACCP導入時のツールとして有効に利用できる。特に、小規模飲食事業者におけるリテールHACCPの導入と実施に特に有用である。
【0041】
1 管理記録カレンダー
2 頁
3 日付欄
4 チェック項目欄
5 記録欄
6 ミシン目
7 綴じ穴

(57)【要約】

【課題】主に小規模飲食事業者において、日々の一般的衛生管理やHACCPの重要管理の実施結果の記録について、多くの作業者が容易に利用でき、簡易化、習慣化、効率化が図れ、記録保持に貢献できるカレンダースタイルの記録ツールを提供する。【解決手段】管理記録カレンダー1は、一般衛生管理やHACCPにおける重要管理の実施結果を日々記録するための、紙面からなる頁2を複数枚積層しためくり式のカレンダーであり、上部に分離用のミシン目6を有し、かつ、側部に綴込み用の綴じ穴7を有し、それぞれの頁2において、管理に係る複数のチェック項目の欄4が予め表記されるとともに、このカレンダーの使用者がチェック項目に対する記録を残すための記録欄5などを有する。


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