(54)【考案の名称】光学的読取装置

(73)【実用新案権者】mediriver株式会社

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、光学的読取装置に関する。とくに、バーコードまたは二次元コードを読み取るだけではなく、磁界発生ユニットが発生する磁気信号を用いて情報を発信することができる光学的読取装置に関する。

【従来の技術】

【0002】
バーコードや二次元コードは伝達する情報量が多いという特徴が有る。当初は実物への印刷での使用が多かったが、スマートフォンやパーソナルコンピュータのディスプレイの高解像度化と読取装置の進化により、ディスプレイ画面上に表示されたコードを読み取るという利用方法が多くなってきた。二次元コードの代表であるQRコード(登録商標)を使った店舗における決済、物品の確認などへの利用が増えている。
【0003】
一方、スマートフォンには多様なセンサが搭載されていて、アプリケーションソフトウェアからセンサの測定値を呼び出して使えるようになっている。そのうちの1つである地磁気センサは方位を検出するために使われている。いわゆる徒歩ナビゲーションアプリケーションソフトウェアや山岳ナビゲーションアプリケーションソフトウェアでは方位情報が必須である。
【0004】
この地磁気センサは、一般的な磁気を測定するためにも使うことができ、磁気通信を行うなどの技術が開示されている。例えば、自動車の運転中などに、携帯電話を手から離して使うために、電磁結合を利用する近距離無線通信システムを使うものが提案されている。この近距離無線通信システムは、基礎ユニットおよび携帯装置で構成されており、誘導磁界の振幅変調を通して双方向に通信するもので、信号は、音声、オーディオ、データ、映像のいずれでもありうる。(特許文献1)
【0005】
この技術は磁気通信で双方向通信を実現している点は評価できる。しかし、通信する情報をバーコードや二次元コードに変換する手法を含んでいないので、盗み聞きや盗み見などに対してセキュリティー上の課題が有る。
【0006】
また、携帯端末が、相手の通信装置の発生する磁気の強度を検出する磁気検出部と、自身の姿勢を検出する姿勢検出部を備えており、磁気検出部は磁気の強度を検出して、相手との距離が赤外線通信可能状態になる距離であるように、さらに、姿勢検出部が検出した姿勢情報から、自身と相手の赤外線通信部の光軸の向きが合うように、自身をどちらに向ければ良いかを使用者に通知する技術が提案されている。(特許文献2)
【0007】
しかし、この技術では通信するのは姿勢の情報に限定されており、汎用性という点で課題が残る。
【0008】

【効果】

【0019】
二次元コードを使ったデータの伝達を、片方向ではなく双方向とすることができるので、受信側の認証などセキュリティー向上や、あるいは受信側に関する情報収集などが可能になる。
【0020】
簡単な事例として、二次元コードを読み取った側(受信側)から二次元コードを表示した側(発信側)に、続けて別の二次元コードを表示するように促す情報を返す場合に使える。
【0021】
また、送信側と受信側が直接に接続されていないので、特に高度なセキュリティーが必要な場合、例えば個人情報を扱う病院内のシステムと外部のシステムとの接続に使うことができる。あるいは店舗における決済や催し物の会場での入退場券の確認などに使用できる。

【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】磁界発生ユニットを具備した光学的読取装置を用いた情報伝達システムの全体構成を示す概念図
【図2】磁界発生ユニットを具備した光学的読取装置の構成を示す概念図
【図3】スマートフォンの構成を示す概念図
【図4】文字コード化パルス列を説明する図
【図5】誤り訂正符号を説明する図

【0023】
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本考案の磁界発生ユニットを具備した光学的読取装置を用いた情報伝達システムの全体構成を示す概念図である。
【0024】
情報伝達システムは、磁界発生ユニット12を具備した光学的読取装置1と、磁気センサ231を備えたスマートフォン2で構成されている。
【0025】
スマートフォン2のディスプレイ21の画面に、アプリケーションソフトウェアによって伝達したい情報が準備され、情報をコーディングした二次元コード4がディスプレイ21に表示される。
【0026】
光学的読取装置1はパーソナルコンピュータ3に接続されており、図示していない人間の手に握られていて、図で左側にあるスマートフォン2のディスプレイ1に対向している(図では分かりやすさのために、スマートフォン2は紙面に直角の方向を向いている)。
【0027】
光学的読取装置1のハンドル15の上部付近に有る読取ボタン13を押すと、破線で示してある仮想的な視野内に有る二次元コード4を読み取ることができる。読み取られた二次元コード4はパーソナルコンピュータ3に送られて、元の情報がデコードされる。
【0028】
図2は、磁界発生ユニット12を併設した光学的読取装置1の構成を示す概念図である。図2の下部に描かれている撮像ユニット11は、レンズ112を通して2次元撮像素子111に二次元コード4の画像が像を結ぶ。制御回路113は、2次元撮像素子111を制御して、電気信号に変換された画像信号をパーソナルコンピュータ3に送る。
【0029】
図2の上部に描かれている磁界発生ユニット12は、図1から見て取れるように、撮像ユニット11の上部に併設されている。併設する位置は撮像ユニット11の上部に限定されない。磁界発生ユニット12は、コイル121、コイルに電流を流すためのスイッチング回路122、短時間にコイル121に必要な電流を供給する電池124、スイッチング回路122を制御してパルス状の波形を生成する制御回路123からなっている。
【0030】
コイル121は、パルス状の電流を繰り返して流すことで、通信に使う連続したパルス状の磁界を発生する。電池124はパーソナルコンピュータ3から供給される電力を使い、充電制御回路125によって充電され、コイル121でパルス状の磁界を発生するための比較的大きな電流を流すことができる。
【0031】
コイル121が発生する磁界は、近傍に存在するスマートフォンの磁気センサが感知できる強度である。
【0032】
スイッチング回路122はコイル121を接続した回路に通電と遮断を繰り返すパルス状の電流を流すのに使われる。制御回路123は、パーソナルコンピュータ3からパルス信号を受け取って、スイッチング回路122を駆動する。また、そのとき一定の時間だけパイロットランプ14を点灯させる。
【0033】
図3は、スマートフォン2の構成を示す概念図である。スマートフォン2はディスプレイ21、無線通信を行うための無線回路22、プロセッサーIC、画像処理IC、DRAM、電源管理ICや各種のセンサを搭載した制御回路23、メモリ24ならびに各部に電力を供給する電池25などで構成されている。図で各部をつなぐ配線は省略してある。
【0034】
磁気センサ231は、制御回路23に搭載されており、ホール素子などで構成されており、3次元の磁界の強度を検出する。磁気センサ231は、通常は電子コンパスとして地磁気の検出に使われている。地磁気から測定される方位は、通常はナビゲーションアプリケーションソフトウェアなどによって使われている。磁気センサ231は、直流磁界の他に交流磁界も測定できる。
【0035】
磁気センサ231は、図2に示した磁界発生ユニット12が近傍にあるとき、それが発生した磁界を検出する。
【0036】
以上に説明した構成からなる情報伝達のシステムの動作について、スマートフォン2の或るアプリケーションソフトウェアがディスプレイ21に二次元コード4を表示した時点から説明する。読取作業を行う人間が光学的読取装置1のレンズ112をスマートフォン2のディスプレイ21に対向させると、2次元撮像素子111で撮像した画像信号がパーソナルコンピュータ3に送られて、画像がそのディスプレイに表示される。
【0037】
読取作業を行う人間が二次元コードの画像が視野内に入っていることを確認して、光学的読取装置1のハンドル15の上部に有る読取ボタン13を押すと、破線で示してある仮想的な視野内に有る二次元コード4を読み取ることができる。
【0038】
読み取られた二次元コード4の画像がパーソナルコンピュータ3に送られて、情報がデコードされる。このとき一部に誤りがあっても二次元コードの持っている誤り訂正符号を使って正しい情報が得られる。
【0039】
二次元コード4が正しく読み取られると、パーソナルコンピュータ3から磁界発生ユニット12に磁気信号の発生を指令する制御信号が送られる。このときの制御信号は単に受信したことを通知する信号か、もしくは複雑なテキストを含む信号である。
【0040】
磁気信号を発生する制御信号の指令によってスイッチング回路122が駆動されて、コイル121にパルス列をなす電流が流れて、磁気信号が磁界発生ユニット12の外部に広がる。
【0041】
このとき同時に、光学的読取装置1のパイロットランプ14を一定の時間点灯する。読取作業をする人がパイロットランプ14によって、磁気信号が発生したことを知ることができる。パイロットランプに限らず、表示、音響、振動で磁気信号が発生したことを知らせる方法であれば任意の方法を使える。
【0042】
図4は、文字コード化パルス列を説明する図である。磁気信号が単純なパルスであると外部の磁気雑音が有るときエラーとなりやすい。一定のパターンをなすパルス列であれば、磁気雑音と区別して信号であるかどうかを判別しやすい。
【0043】
図4(a)は、参考に連続した8個のパルスの列を示したものである。各パルスの下に「1」と書いてあるのは、その位置にパルスが有るということである。パルスが無い場合は「0」と書く。
【0044】
図4(b)は、例として「受信」という単語の先頭の漢字の「受」をシフトJISでコード化した場合の、パルス列を示している。日本語の漢字は2バイト(16ビット)で1文字を表しており、「受」は16進数で表現すると、8ef3で表現されるパルス列である。パルス列の下部には、上で説明したように、パルスの有る位置には「1」、パルスの無い位置には「0」と書いてある。
【0045】
1文字以上のテキスト情報の場合は、このような2バイトでコード化された文字をつなげたものが出力される。単に受信したことを発信側に返すのであれば、7ビットでコード化されているアスキーコードの数字、記号もしくは制御文字を使う。
【0046】
図5は、誤り訂正符号を説明する図である。誤り訂正符号とは、回路の雑音などで、情報伝達時にその一部が化けてしまうことに備え、情報の誤りを発見しかつ訂正するために、伝達される情報とは別に付加される符号のことである。図5(a)は、例として送信される本来の8ビットの信号を示したものである。図5(b)は、図5(a)に示した8ビットの信号に4ビットを付加して12ビットとしたものである。
【0047】
図5(b)は、図5(a)の信号を定められた規則で演算して得られたものであるので、元の信号とは全く違うものになっている。図5(b)を別の規則で演算すると誤りの有無が判り、かつ正しい信号が復元される。
【0048】
磁界発生ユニット12の外部に広がった磁気信号は、近傍に存在するスマートフォン2の磁気センサ231で検出され、誤りがあった場合は誤り訂正符号を使って正しい信号が復元される。この信号は磁気センサ231がプロセッサーICに対して発生する割り込み動作で処理されて、レジスタやメモリに記録される。
【0049】
これで双方向のデータ伝達が終わり、スマートフォン2のプロセッサーICは次の処理に入る。すなわち、例えばアプリケーションソフトウェアが今まで表示していた二次元コード4を消去して、続いて別の二次元コードを表示する手順などが自動的に行われる。
【0050】
このようにして、磁気信号を発生する磁界発生ユニットを具備した光学的読取装置を使った双方向の情報伝達のシステムが実現できた。

【0051】
1 光学的読取装置
11 撮像ユニット
111 2次元撮像素子
112 レンズ
113 制御回路
12 磁界発生ユニット
121 コイル
122 スイッチング回路
123 制御回路
125 充電制御回路
124 電池
13 読取ボタン
14 パイロットランプ
15 ハンドル
2 スマートフォン
21 ディスプレイ
22 無線回路
23 制御回路
231 磁気センサ
24 メモリ
25 電池
3 パーソナルコンピュータ
4 二次元コード




(57)【要約】

【課題】バーコードや二次元コードが情報の発信側であり、受信側がそれを光学的に読み取って情報を伝達するという既存の光学的読取装置を使う情報伝達システムにおいて、逆に受信側から発信側に情報を伝達することができる光学的読取装置を提供する。【解決手段】レンズ112、2次元撮像素子111、並びに制御回路113を構成要素として有する光学的読取装置であって、これら構成要素に加えて、磁気信号による情報を発信するためのコイル121、スイッチング回路122、制御回路123、充電制御回路125及び電池124を構成要素として有する磁界発生ユニット12を具備する。このことによって、スマートフォンに表示された二次元コードを光学的読取装置で読み取った場合などに、磁界発生ユニットから磁気信号を発信し、それをスマートフォンの磁気センサで受信することによって双方向での情報伝達を可能とする。


【パテントレビュー】

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