(54)【考案の名称】異形基板の端材分断装置

(73)【実用新案権者】株式会社シライテック

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図3

【概要説明】

【分野】

【0001】
この考案は、例えば、車載用表示パネル等に用いられる異形基板の端材を分断する装置に関する。

【従来の技術】

【0002】
車載用表示パネル等の表示用の基板は、周知のように、液晶基板に加えて有機EL基板が用いられてきており、基板に異形切断線をスクライブしたのち、この切断線の周外部分の端材を分断する(分断にともない撤去する)ことで異形基板を得る(上述の端材分断方法としては、例えば特許文献1及び2参照)。
【0003】

【効果】

【0009】
以上のように、この考案による異形基板の端材分断装置によれば、テーブル上に載置した基板を吸引保持手段により吸引保持し、この保持基板の長辺縁の端材両端部の縁を双腕ロボットアームのチャックにより挟持し、また長辺縁の端材の中央部分をセンタ掴み爪により挟持したのち、ロボットアームのチャックを捩り揺動させ、またセンタ掴み爪を揺動手段により捩り揺動して端材をスクライブ線の部分で分断し、上記以外にテーブルを約45°旋回させて、斜め前方に向く一方の端辺と斜め後方に向く他方の端辺の短辺両端を双腕のロボットアームの掴み爪により挟持して分断し、上記以外に短辺端材の端材が前後方向に向くようテーブルを旋回手段により旋回させたのち、片方の短辺端材をセンタ掴み爪により揺動手段で捩り揺動させて分断し、残る短辺端材を旋回手段により位置変更し、かつセンタ掴み爪で揺動手段を介し捩り揺動させて分断し、残る長辺の端材は、前後のロボットアームの掴み爪の揺動と、センタ掴み爪の揺動手段による捩り揺動とで分断する。
【0010】
このため、テーブルの周囲で、ロボットアームのチャックとセンタ掴み爪との両者や片方の使い分け、勿論テーブルの旋回にともなう基板の辺縁の位置変更で極めて効率的に端材の分断が可能となる特有の効果がある。
【0011】
そして、ロボットアームのチャックやセンタ掴み爪による端材の分断の際、チャックやセンタ掴み爪による捩りが、テーブルの上面に設けてある下り勾配の斜面部で端材の捩り分断が阻害されることなくスムーズに端材の捩り分断ができて、分断縁にガジリが、またクラックが入ることなく、製品不良となる分断面の発生をなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この考案の端材を分断処理する基板の平面図である。
【図2】端材を処理するこの考案の実施例を示す平面図である。
【図3】同上の側面図である。
【図4】基板の短辺側端材の分断例を示す平面図である。
【図5】基板の長辺側端材の分断例を示す平面図である。
【図6】端材の分断前を示す一部切欠側面図である。
【図7】端材の分断時を示す一部切欠側面図である。
【図8】端材の分断終了を示す一部切欠側面図である。
【図9】端材の分断センタ掴み爪を示す縦断拡大側面図である。
【図10】センタ掴み爪の捩りを示す一部切欠拡大側面図である。
【図11】センタ掴み爪による捩り終了を示す一部切欠拡大側面図である。
【図12】基板の長辺側端材の分断を示す平面図である。
【図13】基板の両短辺側端材の分断を示す平面図である。
【図14】基板の各辺の端材の分断を示す平面図である。

【0013】
次に、この考案の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
この考案の実施形態の各辺の端材を分断する基板Aは、図1に示すように、周知の単板及び液晶基板に加えて有機EL基板が用いられており、例えば、下側にガラス板を、この下側のガラス板の上に多層のフィルムを積層したものがあり、ガラス板の下面と多層フィルムの上面とに合致した異形切断線Bがスクライブされている。
【0014】
なお、矩形状の基板Aは、周知のように、大判なパネルの両面にX方向、Y方向の切断線をスクライブして、この切断線を分断して多数枚に単個割して得られる。
【0015】
勿論、切断線Bの各コーナー部分で、切断線Bから基板Aの周縁に向け各辺の端材Cを分断しやすくする半裁線B′がスクライブされている。
【0016】
また、図2、3に示すように、前後方向のガイド手段Dにより走行ガイドされると共に、走行手段Eにより進退走行する走行体6を設ける。
【0017】
上記のガイド手段Dは、図示の場合、二条の平行するレール1と、このレール1にスライド自在に係合するように走行体6の下面に設けたスライダ2とで構成したが、その他の構成のガイド方式で前後方向に走行するようにしてもよい。
【0018】
上記の走行手段Eは、図示の場合、レール1間でモーター3の運転により可逆駆動するように設けた雄ネジ4と、この雄ネジ4にねじ込んで走行体6の下面に支持した雌ネジ5とで構成し、モーター3の運転により雄ネジ4をドライブして走行体6を進退走行するようにしたが、限定されず、例えば走行体6をリニアモーターで進退走行させることもある。
【0019】
さらに、上記の走行体6上には、旋回手段Nとしてのモーターの可逆運転により平面上で旋回する基板Aの載置用テーブル7が設けてある。
【0020】
このテーブル7は、基板Aの面積よりもやや大きい平面積で、このテーブル7には、(人手や移載機で供給して)載置した基板Aを上面に吸引保持する吸引保持手段Gが設けてある。
【0021】
上記の吸引保持手段Gとしては、図示の場合、テーブル7を中空の扁平なボックスとし、このボックス内を吸引ホース(図示省略)を介し吸引すると共に、ボックスの頂壁に無数の小孔8を設けて、ボックス上に基板Aを吸引保持するようになっている。
【0022】
また、テーブルAの前縁手前には、左右から前方に突出する多関節の双腕のロボットアーム9、9が設けてある。
上記のロボットアーム9、9は、据え付け座10から前方に双腕に突出させてある。
【0023】
上記両ロボットアーム9の先端には、基板Aの端材Cの上下面を挟持する開閉自在なチャック11が設けてある。チャック11は、例えば上下一方に固定爪と他方にシリンダなどの作用機構で開閉する可動爪(いずれも公知につき図示省略する)とで構成されている。
【0024】
さらに、ロボットアーム9間の上方には、昇降手段12により昇降する支持部材13が設けてある。
【0025】
この昇降手段12としては、図3に示すように、シリンダが用いられ、昇降手段12は、図示のように定置水平な梁14に設けた前後方向のレール15に昇降手段12の上端側のスライダ16を前後方向にスライドするように係合すると共に、レール15に並行してモーター17の可逆運転によりドライブされた雄ネジ18を設けて、この雄ネジ18に昇降手段12の上端に設けてある雌ネジ19をねじ込んで、昇降手段12と共に支持部材13を前後方向に位置調整することができるようにしてある。
【0026】
この位置調整できるようにした要因は、支持部材13側にセンタ掴み爪を設けるが、このセンタ掴み爪の具備構成は、後述する。
【0027】
すると、基板Aの対向二辺の長辺縁間の寸法に変更があって、長辺縁の位置が変わった場合でも、長辺縁の変更位置に支持部材13を合致させて、センタ掴み爪による長辺縁の確実なクランプを可能にすることにある。
【0028】
また、支持部材13には、ガイド手段Iにより前後方向にスライドガイドされ、かつ進退走行手段Jにより前後方向にスライドするスライドベース21が設けてある。
【0029】
上記のガイド手段Iは、図示の場合、例えば支持部材13に設けたレールと、このレールにスライド自在に嵌め込み係合した突条とで構成され、上記の進退走行手段Jは、図示の場合、例えば支持部材13とスライドベース21とに両端を連続したシリンダを用いたが、限定されない。
【0030】
さらに、スライドベース21には、上下に配置すると共に、開閉手段31により開閉する端材Cのセンタ掴み爪Fが設けてある。
【0031】
上記のセンタ掴み爪Fは、下側のセンタ掴み爪Fを固定し、上側のセンタ掴み爪Fをシリンダの開閉手段31に支持させて開閉するようになっている。
【0032】
また、上記のセンタ掴み爪Fは、捩り揺動手段Kにより端材Cのクランプ後に下方に揺動させて捩り折りするようになっている。
【0033】
上記の捩り揺動手段Kとしては、例えば、図10、11に示すように、スライドベース21から下方に突出する突出材22と、この突出材22のテーブル7側面に設けた凹入する弧状ガイド面23と、この弧状ガイド面23に弧状突面24を重ねたスライド揺動体25と、このスライド揺動体25の上下部分に両端が上下方向に向く上記弧状突面24と同心円の長孔26と、この長孔26に貫通するように突出材22に支持させたピン27と、スライド揺動体25を上下方向にスライドさせるためのスライドベース21とスライド揺動体25に両端を接続したシリンダ28とで構成され、スライド揺動体25に支持させた上下のセンタ掴み爪Fがスライド揺動体25のスライドにともないスライドして掴んだ端材C捩り分断するようになっている。
【0034】
勿論、端材Cの捩り分断方式は、図示の構成に限定されることなく、目的を達成するその他の方式で行うこともできる。
【0035】
また、上記の進退走行手段Jにより前後方向にスライドするセンタ掴み爪Fを有する支持部材13を昇降手段12により昇降させて、全体の位置変更ができるようにしてあるが、限定されず、単腕ロボットにより支持部材13を吊り下げ方式とすることもある。
【0036】
さらに、テーブル7の上面周縁から内方に基板Aのスクライブされた半裁線B′(分断線に向く範囲迄)に、テーブル7の上面から周縁に向け下り勾配の斜面部29が設けてあり、この斜面部29によりチャック11やセンタ掴み爪Fの捩り揺動(降下揺動)をスムーズに行うことができる。
【0037】
また、テーブル7の辺縁のチャック11やセンタ掴み爪Fの端材Cの掴み位置には、チャック11やセンタ掴み爪Fの掴みにともないチャック11やセンタ掴み爪Fの掴み動作の際、チャック11やセンタ掴み爪Fの進入の際の衝突を回避する切欠き部30が設けてある。
【0038】
上記のように構成すると、まずテーブル7上に(人手や移載機などで)供給した基板Aを載置すると共に、吸引保持手段Gによりテーブル7上に基板Aを保持する。
このとき、基板Aの並行する長辺縁を前後に位置(図2参照)するようにする。
【0039】
その後に、基板Aの手前側長辺縁の両端部の端材Cを双腕のロボットアーム9、9のチャック11により長辺側両端部を掴み、またモーター17による雄ネジ18のドライブにより支持部材13を前進させながら、開いているセンタ掴み爪F間(上下間)に長辺縁の中央部分を嵌入したのち、開閉手段31によりセンタ掴み爪Fを閉じて端材Cのセンタ部分を掴む。
【0040】
次いで、両ロボットアーム9の降下動作にともない長辺縁の端材Cを、図4に示すように捩り分断し、また分断端材Cは、落下にともないシュート41からボックス42に投入して回収する。
上記の端材Cは、半裁線B′の部分でも分断される。
【0041】
上記のセンタ掴み爪Fも、捩り揺動手段Kにより捩り作用して、捩り分断するので、チッピングや分断面にクラックが入ることなく、良好に分断することができる。
【0042】
また、斜面部29によりロボットアーム9のチャック11やセンタ掴み爪Fがテーブル7の上面に当接して捩り分断を阻害することがない、すなわち斜面部29は衝突を回避するためにあり、その作用は、図6、図7に示す通りである。
【0043】
また、基板Aの両短辺側の端材Cは、図4に示すように、両ロボットアーム9、9のチャック11を用いて分断する以外に、テーブル7を旋回手段Nにより90°旋回させて、前後に位置する片方短辺側端材Cをセンタ掴み爪Fにより分断し(半裁線B′も分断して)、残るもう片方の短辺側端材Cをテーブル7の90°旋回後分断する。
【0044】
そして、残る長辺縁の端材Cは、図5に示すようにテーブル7を旋回させて、据え付け座10側に向くようにし、然るのち、両ロボットアーム9のチャック11やセンタ掴み爪Fを用いて分断する。
【0045】
各辺の端材Cの分断後の基板Aは、払い出し機を用いてテーブル7上から取り下ろす。
なお、基板Aの寸法を変更する場合、その都度基板Aの寸法に応じたテーブル7を交換する。
【0046】
A 基板
B 異形切断線
B′ 半裁線
C 端材
D ガイド手段
E 走行手段
F センタ掴み爪
G 吸引保持手段
I ガイド手段
J 進退走行手段
K 捩り揺動手段
N 旋回手段
1 レール
2 スライダ
3 モーター
4 雄ネジ
5 雌ネジ
6 走行体
7 テーブル
8 小孔
9 ロボットアーム
10 据え付け座
11 チャック
12 昇降手段
13 支持部材
14 梁
15 レール
16 スライダ
17 モーター
18 雄ネジ
19 雌ネジ
21 スライドベース
22 突出材
23 弧状ガイド面
24 突面
25 スライド揺動体
26 長孔
27 ピン
28 シリンダ
29 斜面部
30 切欠部
21 開閉手段

(57)【要約】

【課題】異形基板の分断において、クランプ爪により掴んだ部分に捻りを加えて分断することで、分断縁にクラックが入る不都合の発生をなくす端材分断装置を提供する。【解決手段】前後方向に進退走行する走行体6と、走行体6上で旋回し異形切断線のスクライブずみ基板Aを吸引保持するテーブル7と、テーブル7の手前から左右に突出する双腕のロボットアーム9と、ロボットアーム9の先端で基板Aの端材の両面を掴むためのチャック11と、ロボットアーム9間の直上で昇降する昇降体の下端に設けた前後方向に進退走行するスライドベースに設けた上下の挟持先端が前方に向いた端材掴み用のセンタ掴み爪Fと、センタ掴み爪Fを上下方向に揺動させる捩り揺動手段と、テーブル7の辺縁面から内方に設けたチャック11及びセンタ掴み爪Fが嵌入する切欠き部と、テーブル7の上面から周縁に向けて下り勾配の斜面部とからなる。


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【インターネット特許番号リンク】

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