(54)【考案の名称】一輪運搬車

(73)【実用新案権者】株式会社カインズ

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、一輪運搬車に関する。

【従来の技術】

【0002】
運搬物の重量に応じてタイヤの取付け位置を変えることができる一輪運搬車が広く知られている(例えば下記特許文献1、2及び3)。
例えば、下記特許文献1、2の手押し運搬車は、車輪とフレームとを連結させる軸受プレートを備え、当該軸受プレートの筒部がフレームに沿って前後に移動することにより、車輪の位置を前後に移動しうるよう構成されている。
【0003】
また、下記特許文献3の一輪運搬車は、車輪とフレームとを連結させる軸受プレート、及び取り外し可能な車輪軸を備え、車輪軸に備えられたレバーを操作することで車輪軸を軸受プレートに嵌合させる又は軸受プレートから解放して、車輪の位置を前後に移動し得るよう構成されている。
【0004】

【効果】

【0011】
本考案の一輪運搬車は、車輪軸の位置を容易に変更することができ、車輪軸の位置を変更した後も車輪軸が強固に固定されるため、安全に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本考案の一実施形態の一輪運搬車を示した左側面図である。
【図2】本考案の一実施形態の一輪運搬車を示した平面図である。
【図3】本考案の一実施形態の一輪運搬車を示した背面図である。
【図4】本考案の一実施形態の一輪運搬車を示した正面図である。
【図5】本考案の一実施形態の一輪運搬車を示した底面図である。
【図6】図1の一輪運搬車の車輪部分の部分拡大図である。
【図7】本考案の一実施形態の一輪運搬車の変形例を示した部分拡大図である。

【0013】
以下、図を参照して本考案の一輪運搬車の一実施形態について説明する。
なお、特に断りのない限り、明細書中で示される「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」は、以降で説明する荷受台を載置したフレーム部材の持ち手部を持って荷受台を向く方向に視た場合の各部の相対的な位置又は向きを示している。
【0014】
図1に示すように、本考案の一輪運搬車1は、荷受台2と、フレーム部材3と、車輪4とを備えている。
【0015】
荷受台2は、運搬する物を収容し、フレーム部材3に支持される容器である。
図1及び図2に示すように、荷受台2は、底部2a、底部2aから前方に延びる前方傾斜部2b及び底部2aから後方に延びる後方傾斜部2cを備えた底面部2Tと、底面部2Tの左右両側端から立ち上がる側面部2d,2dとを有して平面視矩形に形成され、上方に開口している。
底部2aと前方傾斜部2bとの間及び底部2aと後方傾斜部2cとの間は、側面視で略円弧を描くように前後方向に滑らかに湾曲しており、互いの間の明確な境界の区別なく一連に形成されている。
【0016】
前方傾斜部2bは、底部2aから前方に向かって上方に傾斜しながら略偏平に延びている。
後方傾斜部2cは、底部2aから後方に向かって湾曲しつつ上方に延びた後、後方側上方に傾斜しながら略偏平に延びている。
前方傾斜部2bは、後方傾斜部2cよりも傾斜角度が小さくなるように形成されている。
【0017】
図3に示すように、側面部2dは、底部2aの左右両側端から上方に向かってやや広がるように立ち上がっている。
このように、荷受台2は、図2に示すように、底部2aから前方傾斜部2b、後方傾斜部2c、側面部2d,2dが上方に向かって拡開するように広がることで内部がくぼんだ収容部Sを形成している。また、荷受台2の前方傾斜部2b、後方傾斜部2c、側面部2d,2dは、それぞれの上端部で外側に張り出したフランジ部2fを有している。
荷受台2は、プラスチック又は金属製等で適宜成形することができる。
【0018】
図1に示すように、フレーム部材3は、荷受台2を嵌め込んで保持する嵌入フレーム5、嵌入フレーム5の下方前方側で車輪4を保持する車輪フレーム6、嵌入フレーム5の下方後方側で荷受台2の後方側を支持するスタンド7及び嵌入フレーム5の後方に延びる持ち手部8を有している。
【0019】
図2に示すように、嵌入フレーム5は、一輪運搬車1の進行方向の前後(即ち矢印Lで示す前後方向)に対し左右方向に延びるフロントフレーム5a及びリアフレーム5b、前後方向に延びるサイドフレーム5c,5cを備え、平面視で矩形の枠をなしている。
【0020】
図1又は図2に示すように、フロントフレーム5aとリアフレーム5bとは、一輪運搬車1の前後方向(矢印L方向)に対し略直交する水平方向に、ほぼ同じ高さで互いに略平行に延びている。
サイドフレーム5c,5cは、フロントフレーム5a及びリアフレーム5bに略直角に延び、フロントフレーム5a及びリアフレーム5bの両端間を連結して全体として平面視矩形を形成している。
【0021】
嵌入フレーム5は、荷受台2をそのフランジ部2fの直下まですっぽりと嵌め込み、フランジ部2fをその下方から支持して荷受台2を保持できる大きさに形成されている。
サイドフレーム5c,5cのそれぞれの前方側には、荷受台2を安定して載置するための留め部5eが備えられている。
【0022】
留め部5eは、図3に示すように、サイドフレーム5c,5c間の外側から上方に延び、更に荷受台2のフランジ部2fの上面側にやや回り込むように延び、フランジ部2fを両サイドから固定できるようになっている。
【0023】
嵌入フレーム5に荷受台2が嵌め込まれ、フランジ部2fがフロントフレーム5a、リアフレーム5b及びサイドフレーム5cにおいて下方から支持されるとともに、留め部5eにフランジ部2fが嵌められることにより、荷受台2が安定的に固定されている。
【0024】
また、図1又は図3に示すように、サイドフレーム5cの前方部には、サイドフレーム5c,5cの下方前方側に設置される車輪4のホイール両サイドに向かって先端が互いに接近するように下方に向かって延びる前側支持棒部9を有している。
【0025】
サイドフレーム5cの中央部には、下方に向かって互いにわずかに近接する方向に延び、下端部で更に内側に折れ曲がって延びる中央支持棒部10を有している。
リアフレーム5bよりも後方側には、サイドフレーム5cがそのまま後方に延在して持ち手部8を形成している。
【0026】
図2に示すように、持ち手部8は、サイドフレーム5c,5cの後端から後方に向かって互いに平行に延びている。持ち手部8の端部には、グリップ12が設けられている。持ち手部8は、図1に示すように、嵌入フレーム5のリアフレーム5bからやや斜め上方に屈曲した後、持ち手部8の中間からグリップ12にかけて略水平に延びている。
【0027】
図1,図4及び図5に示すように、リアフレーム5bには、その両端部近傍から下方かつ前方に向かって略V字形に折れ曲がって延びるスタンド7が固定されている。
スタンド7は、リアフレーム5bの両端部近傍から前方に向かって斜め下方に延びた後、V字に折れ曲がって更に前方に向かって斜め上方に延びたV字部13と、V字部13の先端間に亘って水平に延びた下側中央杆部14とが、一本のパイプで形成されている。
【0028】
V字部13の折れ曲がっている最下点は、地面に接する設置部15となっており、地面に接する面がやや平らになっている。この設置部15には、薄い鋼板が溶接されており、肉厚が大きくなっている。
V字部13の下端側には、スタンド7のV字部間に亘って補強棒19が取り付けられている。
【0029】
図1に示すように、設置部15から前方に向かって斜め上方に延びたV字部13は、嵌入フレーム5に保持された荷受台2の底部2aに略接する位置まで延びている。
これにより嵌入フレーム5に固定された荷受台2の底部2aに下側中央杆部14が接し、荷受台2の底部2aを支持できるようになっている。
【0030】
図1及び図4に示すように、V字部13のリアフレーム5b側の上端部と持ち手部8の延在方向の略中央との間には、補助杆16が取り付けられており、スタンド7の姿勢の安定性及び剛性を強化している。
V字部13の設置部15よりも前方に延びた上端部には、サイドフレーム5cの略中央から下方に延びた中央支持棒部10の下端部10bが連結している。
【0031】
図5に示すように、車輪フレーム6は、スタンド7の下側中央杆部14において互いに間隔を置いた2点から前方に向かってほぼ平行且つ略水平で直線状に延びた直線部6aと、直線部6aの先端間で円弧状に湾曲した湾曲部6bとを有し、略U字形に延びている。
【0032】
車輪フレーム6の下側中央杆部14と連結した直線部6aの基端部の2点間の距離は、車輪4を間に配置し、車輪4の中心から突出させた車輪軸17との連結位置を考慮して設けられている。
直線部6aの前方寄りには、前側支持棒部9の下端部9bが固定されていて、車輪フレーム6の水平姿勢が保持されている。
【0033】
図1に示すように、車輪4は、タイヤ部4a、ホイール4b及び車輪軸17を備えている。
車輪4とフレーム部材3の車輪フレーム6との連結構造として、車輪軸17を係止させる軸受プレート20が用いられている。具体的には、軸受プレート20が車輪フレーム6の直線部6aに固定され、軸受プレート20に車輪軸17を嵌合させて固定することで、車輪4と車輪フレーム6とが連結している。
【0034】
軸受プレート20は、鋼板のプレート材を概略Y字形状で厚さ方向に打ち抜いて形成されており、打ち抜かれた部分が切欠き21になっている。
図6は、図1の車輪4の部分を拡大し、更に車輪軸17に螺合させるナットを省略して切欠き21の全体を示した図である。
図6に示すように、切欠き21は、略水平に延びた水平空間部22と、水平空間部22から上方即ち荷受台2方向に延びた凹所23と、凹所23,23間の略中央で下方に延び軸受プレート20の下端縁を貫いた開口部24とにより形成されている。
【0035】
水平空間部22は、車輪軸17よりも大きく図1に示すナット25よりも小さい上下幅の寸法でプレート部材の前後方向に延び、車輪軸17を水平方向に移動させることができるようになっている。また水平空間部22は、車輪軸17を軸受プレート20に嵌合させた状態で、軸受プレート20の両面をナット25で締め付けたときに、ナット25が軸受プレート20の平坦面からはみ出さないように、軸受プレート20の側端縁から所定の間隔をおいて内側に形成されている。
【0036】
凹所23は、車輪軸17よりも大きく図1に示すナット25よりも小さい水平幅寸法又は径寸法で形成され、車輪軸17を嵌合させることでフレーム部材3に対する車輪軸17の位置を決められるようになっている。
凹所23は、水平空間部22の両端に2か所形成されている。凹所23は水平空間部22のどの位置に形成されていてもよく、例えば中央にも形成することもできる。軸受プレート20の大きさによっては、凹所23は、3又は4つ以上形成されていてもよい。
【0037】
開口部24の大きさは、車輪軸17の直径よりやや大きく形成されている。
軸受プレート20は、図5に示すように、車輪フレーム6の直線部6a,6aの双方に固定され、車輪4を間に挟みこむように備えられている。
なお、本実施形態において軸受プレート20の形状は長方形であるが、長方形に限定されず、正方形、円形、楕円形等であってもよい。
【0038】
次に、軸受プレート20の凹所23に車輪軸17をセットする方法と、その作用、機能及び効果について説明する。
【0039】
軸受プレート20の凹所23に車輪軸17をセットするには、ホイール4bの中心から延びている車輪軸17の基端側にナット25を一つ螺合しておいた上で、軸受プレート20の前方側又は後方側の凹所23に車輪軸17を嵌合させる。
その上で、軸受プレート20の外側を向いている面、すなわちホイール4bに対向する面と反対側の面に接するように、車輪軸17に更にナット25を螺合する。
【0040】
そして、軸受プレート20の内側に螺合しておいたナット25と軸受プレート20の外側に螺合したナット25とをそれぞれ軸受プレート20の表面を押圧するように緊締する。
ホイール4bの他方側についても、上記と同様にして軸受プレート20を挟んで螺合したナット25を緊締する。なお、ホイール4bの他方側の車輪軸17は、ホイール4bの一方側に嵌合させた凹所23と同じ前後位置の凹所23に嵌合させる。
【0041】
以上の作業により、車輪軸17に対する軸受プレート20の固定が完了する。車輪軸17に対して軸受プレート20の固定が完了した後は、持ち手部8を持ってスタンド7の設置部15を浮かすことにより、一輪運搬車1を自由に移動させることができる。
【0042】
一輪運搬車1の持ち手部8と車輪軸17との間隔を変更させたい場合には、軸受プレート20を挟み込んでいる二つのナット25の緊締を解き、車輪軸17と軸受プレート20との相対的な位置を変えることができる状態にする。そして、凹所23から車輪軸17を外し、水平空間部22内を移動させて、他方の凹所23に車輪軸17を嵌合させる。その上で、上記に説明したのと同様に、軸受プレート20に対してナット25を緊締する。
【0043】
このように、一輪運搬車1は、車輪軸17の軸受プレート20に対する位置を凹所23,23間で変更することで、荷受台2に載置した荷物の重量、使用者の身長や力に合わせて重心を容易に変えることができるという効果を奏する。
そして、車輪軸17は、ナット25の緊締によって軸受プレート20に確実かつ非常に容易に固定することができるため、重心を変更した後も、安全かつ安定して一輪運搬車1を使用することができるという効果を奏する。
【0044】
また、切欠き21が軸受プレート20の下方に向けて開口しているため、軸受プレート20を緊締している全てのナット25を緩めて車輪軸17を開口部24に通すことで、非常に簡便に車輪4とフレーム部材3とを分離することができる。したがって、フレーム部材3又は車輪4を交換したい場合に、フレーム部材3と車輪軸17との分離を非常に簡単に行うことができるという効果を奏する。
【0045】
また、車輪軸17を変更する構造として、軸受プレート20と車輪軸17とナット25を用いた非常にシンプルな構成を採用しているため、一輪運搬車1の製造が極めてシンプルでかつ安価になるという効果を奏する。
【0046】
なお、本考案の一輪運搬車1は、軸受プレート20に凹所23を3以上形成していてもよい。凹所23が多く形成されていれば、車輪軸17の位置を細かく設定することができる。
また、軸受プレート20の前後方向の長さ(幅寸法)を大きく形成しておき、軸受プレート20における凹所23,23間の寸法を大きく設定すれば、一輪運搬車1の重心をより大きく変更することができ、又は一輪運搬車1の持ち上げやすさを変えることができる。
【0047】
また、図7に示すように、軸受プレート20の上下方向の長さを大きく設定し、凹所23の上方への切込みを凹所23によって変えることでも、一輪運搬車1の持ち上げ易さを更に変えることができる。
【0048】
1 一輪運搬車
2 荷受台
3 フレーム部材
4 車輪
5 嵌入フレーム
6 車輪フレーム
8 持ち手部
20 軸受プレート
21 切欠き
22 水平空間部
23 凹所
L 進行方向
S 収容部

(57)【要約】

【課題】タイヤの取付け位置を容易に変えることができ、フレームと軸受プレート及び車輪軸がしっかり嵌合される一輪運搬車を提供することを目的とする。【解決手段】本考案は、物を収容する収容部を有する荷受台2と、荷受台2を嵌め込む嵌入フレーム5、車輪4を保持する車輪フレーム6及び持ち手部8とを有したフレーム部材3と、車輪4とを備え、車輪4とフレーム部材3との連結部分には、車輪4の軸受プレート20が設けられ、軸受プレート20には切欠き21が形成され、切欠き21は、車輪4の進行方向に延びて車輪軸17を水平方向に移動させる水平空間部と、水平空間部から荷受台方向に延びて車輪軸17を嵌合させ位置決めする2以上の凹所とを形成している一輪運搬車1に関する。


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