(54)【考案の名称】空気浮上式振動制御システム

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(73)【実用新案権者】株式会社三誠AIR断震システム

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、空気浮上式振動制御システムに関し、詳しくは、システムの高性能化、構成要素のコンパクト化、振動時の相対変位の抑制及び固有周期調整の多様化を図った空気浮上式振動制御システムに関するものである。

【従来の技術】

【0002】
従来、各種構造物の振動に関する対象入力要素として、台風による強風、地震、交通振動、超長周期地震動、渦励振等の振動源を想定する時、このような振動源により励起される構造物の強制加振や共振現象による振動に対して住居等の安全性や居住性等の確保には免震・制振装置(TMD或いはAMD)・制震ブレース・炭素繊維等による本体補強により対処している。
【0003】
しかし、このような手段では水平変形が大きい場合、構造物は大変形を起こし安全性や居住性に問題が生じる。
【0004】
また、減衰が小さく低い卓越振動数を持つ構造物は基本的にはアスペクト比が大きく変形時に曲げ・せん断変形する。
【0005】
更には、従来例においては装置の摩擦の影響に伴う性能の面での問題が有り、また、応答変位が大きくなるのでシステムが大きくなり価格が高くなる等の課題を包含している。
【0006】
特許文献1には、空気噴出機構を免震テーブルの下面に設け、更に、空気噴出の受面を空気供給装置収容箱の上面とし、空気供給装置は、圧力空気を溜める圧力空気タンク、圧力空気を供給・遮断する電磁バルブ、圧力空気の圧力を調整するレギュレータ、その間を接続する空気配管、振動センサから構成した免震装置が開示されている。
【0007】
しかし、特許文献1の免震装置の場合、空気漏洩防止用のシール材が無く、空気供給装置収容箱の上面への空気噴出に関して空気漏洩防止の対策が不十分であり、また、積載機器等の重心位置が中心でない場合回転運動が生じるおそれもあり、更に地震のための停電時に空気浮上動作を実行できない等の問題を包含している。
【0008】

【効果】

【0011】
請求項1記載の考案によれば、空気バネ体を採用し空気漏洩を無くした構成でシステムの高性能化、構成要素のコンパクト化、振動時の相対変位の抑制及び固有周期調整の多様化を図ることができる空気浮上式振動制御システムを実現し提供することができる。
【0012】
請求項2記載の考案によれば、請求項1記載の考案と略同様な構成で、かつ、空気の下方噴出方式として、システムの高性能化、構成要素のコンパクト化、振動時の相対変位の抑制及び固有周期調整の多様化を図ることができる空気浮上式振動制御システムを実現し提供することができる。
【0013】
請求項3記載の考案によれば、空気バネ体を構成する空気バネを垂直多段配列とし構造物に対する浮上力をより強大としつつ請求項1又は2記載の考案と同様な効果を奏する空気浮上式振動制御システムを実現し提供することができる。
【0014】
請求項4記載の考案によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の考案において、前記基台、架台間には、架台用の移動誘導・回転防止機構、振動復元機構、振動減衰機構、振動復元機構及び振動減衰機構を含み前記基台、振動制御対象物間の中央部で鉛直配置とした振動復元・減衰機構、架台のレベリング機構の各要素のうちの単数若しくは複数又は全ての要素が組み込まれることから、請求項1乃至3のいずれかに記載の考案の効果を奏するとともに、架台の移動誘導・回転防止、振動復元、振動減衰、架台のレベリングの各機能をも発揮する空気浮上式振動制御システムを実現し提供することができる。
【0015】
請求項5記載の考案によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の考案において、前記空気バネ体を構成する滑り材の外周領域には、外部への空気漏洩を防止するシール材を備えることから、請求項1乃至4のいずれかに記載の考案の効果を奏し、かつ、より高性能の空気浮上式振動制御システムを実現し提供することができる。
【0016】
請求項6記載の考案によれば、請求項2乃至4のいずれかに記載の考案において、前記下面側から基台に向けて空気を噴出する空気噴出穴を備える空気バネ体には、前記空気噴出穴の外周領域に、外部への空気漏洩を防止するシール材を備える構成としていることから、請求項2乃至4のいずれかに記載の考案の効果を奏し、かつ、より高性能の空気浮上式振動制御システムを実現し提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本考案の実施例に係る空気浮上式振動制御システムの概略構成図である。
【図2】図2は本実施例に係る空気浮上式振動制御システムにおける基台、架台、複数の空気バネ体の配置を示す概略平面図である。
【図3】図3は本実施例に係る空気浮上式振動制御システムにおける基台上に配置した空気バネ体の拡大正面図である。
【図4】図4は本実施例に係る空気浮上式振動制御システムにおける空気バネ体の拡大平面図である。
【図5】図5は本実施例に係る空気浮上式振動制御システムにおける空気バネ体の作動時での架台及び構造物の浮上動作図である。
【図6】図6は本実施例に係る空気浮上式振動制御システムにおける基台、架台、複数の空気バネ体の変形例の概略構成図である。
【図7】図7は本実施例に係る空気浮上式振動制御システムの別の変形例に係る基台、架台、複数の空気バネ体、復元要素、減衰要素の配置例を示す概略平面図である。
【図8】図8は本実施例に係る空気浮上式振動制御システムの更に別の変形例を示す概略構成図である。
【図9】図9は本実施例に係る空気浮上式振動制御システムの更に異なる変形例に係る基台、架台、複数の空気バネ体、及び、基台、架台の中央部の振動復元・減衰機構の配置例を示す概略平面図である。
【図10】図10は本実施例に係る空気浮上式振動制御システムにおける空気バネ体の具体的構成例を示す概略斜視図である。
【図11】図11は本実施例に係る空気浮上式振動制御システムにおける基台、架台、及び、基台上に複数の空気バネ体のみを配置した例を示す概略平面図である。

【0018】
本考案は、空気バネ体を採用し空気漏洩を無くした構成でシステムの高性能化、構成要素のコンパクト化、振動時の相対変位の抑制及び固有周期調整の多様化を実現することが可能な空気浮上式振動制御システムを実現し提供するという目的を、構造物を含む振動制御対象物の振動制御を行う空気浮上式振動制御システムであって、設置面上に配置される基台と、前記基台、振動制御対象物間に垂直配置されるとともに、上面側に空気噴出穴を備え、かつ、前記振動制御対象物下面に接合する滑り材を具備し、空気配管からの空気供給に応じた前記空気噴出穴からの振動制御対象物下面側への空気の噴出によりこの振動制御対象物とともに定位置から上方に浮上させつつ滑り移動させ、かつ、空気漏洩防防止用シール材を備える複数の空気バネ体と、前記各空気バネ体に対して空気配管を介しての空気の供給又は供給停止が可能な空気源と、前記基台側又は振動制御対象物側の振動を検出する振動センサと、前記振動センサの検出信号に基づき、前記空気バネ体に対する空気源からの空気の供給又は供給停止を制御するコントローラと、を有する構成により実現した。
【0019】
以下、本考案の実施例に係る空気浮上式振動制御システムについて図面を参照して詳細に説明する。
本実施例に係る空気浮上式振動制御システム1は、図1、図2に示すように、設置面G上に配置される平坦な基台2と、振動制御対象物である構造物Mが載置される振動制御対象物の一部となる平坦な架台3と、前記基台2、架台3間に垂直配置されるとともに、上面側に空気噴出穴9を備え、かつ、前記架台3の下面に接合する滑り材8を具備し、後述する空気源11からの空気供給に応じた膨出により前記空気噴出穴9からの架台3の下面側への空気漏洩を無くした空気の噴出によりこの架台3を構造物Mとともに定位置から上方に浮上させるとともに、最上面に摩擦係数の小さいステンレス材、合成樹脂材等からなる前記滑り材8を備える1又は2以上複数(例えば4個)の荷重支持機構として機能する空気バネ体4と、前記各空気バネ体4に対して空気配管12を介しての空気の供給又は供給停止が可能な空気源11と、前記基台2側又は架台3側の振動を検出する振動センサ15と、前記振動センサ15の検出信号に基づき、任意に設定可能なトリガーレベルをもって前記空気バネ体4に対する空気源11からの空気の供給又は供給停止を制御するコントローラ13と、前記各空気バネ体4における滑り材8の外周領域に配置した円筒状で外部への空気漏洩をより効果的に防止するためのシール材10と、を有している。
なお、前記空気バネ体4には、空気バネ体内の空気が外部への漏洩防止のためのシール処理が施こされていれば良く、図示する例に限定するものではない。
【0020】
また、本実施例の空気浮上式振動制御システム1は、前記基台2、架台3間に、2軸方向の移動誘導・回転防止機構として機能するXYレールユニット14を組み込んでいる。
【0021】
なお、前記2軸方向は、図2に示すX方向、Y方向のように定義して以下の説明を行う。
【0022】
前記XYレールユニット14は、前記構造物Mの全体重量の一部(約0〜30%)の荷重支持の他、前記架台3、構造物Mの移動誘導と回転防止機能も発揮する。
【0023】
なお、摩擦板を併用することにより、例えば本実施例の空気浮上式振動制御システム1の作業性向上と振動振幅の減少、価格の低減化等の効果を実現可能である。
【0024】
また、前記XYレールユニット14は、前記架台3、構造物Mが空気浮上する時、この浮上に伴い上下方向に自由に移動可能な機構を配置し、前記架台3、構造物Mの移動誘導と回転防止機能を支障なく発揮させるようにすることが肝要である。
【0025】
更に、前記空気バネ体4等に万一トラブルが発生した時には、前記XYレールユニット14によって前記架台3、構造物Mの全体重量を支持することができるように構成するとともに、地震等のため停電が生じ前記空気バネ体4が作動しない場合にも前記架台3、構造物Mの移動誘導と回転防止機能を発揮し得るように構成している。
【0026】
また、前記4個の空気バネ体4は、図2に示すように、前記基台2、架台3間においてこれらの四隅部に各々配置し、各空気バネ体4に接続した空気配管12を経て空気源11からの空気を各空気バネ体4に供給するように構成している。
【0027】
前記空気バネ体4は、図3、図4に示すように、基台2上に配置する円盤状の空気供給盤5と、この空気供給盤5上に配置する下面側、上面側に空気流通穴を備える弾性係数が目的に応じて選定される空気バネ(ベローズ)6と、空気バネ6上に配置する円盤状の空気吐出盤7と、この空気吐出盤7の上面に貼着されるとともに前記架台3の下面に接合させる合成樹脂材シート等からなり空気を噴出可能とした滑り材8と、空気バネ6上で前記空気吐出盤7、滑り材8の外周領域に配置した例えば合成ゴム材、弾性合成樹脂材等を用い円筒状に形成したシール材(例えばオイルシール材)10と、を具備し、このシール材10の上面高さを前記滑り材8の上面高さより僅かに大きくして、空気バネ6の膨出時、架台3の下面に弾性をもって圧接し、空気噴出穴9から噴出される空気の外部への漏洩防止を図っている。
【0028】
そして、前記空気源11から空気配管12を経て供給される空気を空気供給盤5から空気バネ6内に送ってこの空気バネ6を膨出させ、更に、上面側の空気流通穴から空気吐出盤7、滑り材8の一部を貫通して設けた所定径の空気噴出穴9を経て前記架台3の下面側に空気を噴出し、前記シール材10により外部への空気漏洩を防止しつつ架台3及び構造物Mを上方に浮上させるための空気力を作用させるように構成している。
【0029】
前記シール材10としては、空気吐出盤7の上面部において、図10に示すように、滑り材8の外側領域に所定径の円形溝(又は角形溝)の加工を行い、その中に円環状のシール材10を埋め込む構造例を挙げることができる。
【0030】
前記円形溝(又は角形溝)の数は一つではなく複数個加工することにより、空気漏洩をより効果的に防ぐことが可能となる。
【0031】
なお、前記シール材は標準品(例えば合成ゴム製)が存在するので、そのサイズに合わせて機械加工による前記各溝の径やサイズを選定する。
【0032】
前記架台3及び構造物Mの上方への浮上と同時に、前記各空気バネ体4における空気バネ6の選定した弾性係数に応じた膨出時には、前記空気吐出盤7の上面に貼着した滑り材8が前記架台3の下面に接合しつつ上方に変位するので、前記空気源11からの空気は基本的にはいずれの箇所からも外部に漏洩することがなく、これにより、前記シール材10の機能と相俟って本実施例の空気浮上式振動制御システム1の性能を高めている。
なお、前記滑り材8は上述した場合の他、前記架台3又は構造物Mの下面に配置する構成とすることもできる。
【0033】
次に、図5を参照して本実施例に係る空気浮上式振動制御システム1における前記空気バネ体4の作動時での架台3及び構造物Mの浮上動作について説明する。
【0034】
本実施例に係る空気浮上式振動制御システム1において、前記基台2側(又は架台3側)の振動を検出する振動センサ15が例えば設置面Gの地震等に伴う振動を検出し検出信号をコントローラ13に送ると、コントローラ13はその検出信号を基に予め設定しているトリガーレベルを超えているか否かを判定し、トリガーレベルを超えている場合には前記空気源11に対して空気供給信号を送る。
【0035】
前記空気源11は、空気供給信号を受けて図示しない空気供給バルブを開け、空気配管12を経て各空気バネ体4の空気供給盤5から各空気バネ6内に空気を供給する。
【0036】
これにより各空気バネ6は定常状態より膨出し、更に、上面側の空気流通穴から空気吐出盤7、滑り材8の一部を貫通して設けた所定径の空気噴出穴9を経て前記架台3の下面側に空気を噴出し、架台3及び構造物Mを上方に浮上させる。このとき、前記シール材10により外部への空気漏洩が防止される。
【0037】
上方に浮上した架台3及び構造物Mは、設置面G側の振動に伴って振動する基台2や各空気バネ体4に対して相対的に異なる振動周期をもって前記滑り材8上を滑りつつ変位する。
【0038】
このとき、前記架台3及び構造物Mは、前記XYレールユニット14により回転動することなくX方向又はY方向に移動誘導される。
【0039】
また、前記空気源11からの空気は既述したようにいずれの箇所からも外部に漏洩することは無い。更に、前記滑り材8は、振動の有無に関わりなく前記架台3の下面に接合した状態を維持するので滑り材8の上面に塵埃が溜まることもない。
【0040】
本実施例によれば、空気バネ体4を採用し空気漏洩を無くした構成で構造物Mの振動を制御し、その制振又は免震を図り、システム自体の高性能化、構成要素のコンパクト化、振動時の相対変位の抑制及び固有周期調整の多様化を図ることができる空気浮上式振動制御システム1を実現することができる。
【0041】
なお、上述した実施例における空気バネ体4の配置個数は、4個に限定されるものではなく、前記基台2、架台3の寸法、構造物Mの重量等に応じて任意個数(3個、6個、10個、N(Nは正の整数)個等)とすることができる。
【0042】
また、前記空気バネ体4の空気バネ6を垂直方向に2個、3個等複数個重ねて前記架台3に作用する空気力をより強大とする構成とすることも可能である。
【0043】
(変形例)
次に、図6を参照して本考案の実施例の変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Aについて説明する。
【0044】
なお、変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Aにおいて、上述した実施例に係る空気浮上式振動制御システム1の場合と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0045】
図6は、変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Aにおける基台2、架台3、XYレールユニット14、及び、前記空気バネ体4を変形した空気バネ体4Aを示すものである。
【0046】
前記空気バネ体4Aは、基台2上に配置する空気噴出穴7bを備える円盤状の空気吐出盤7Aと、前記空気吐出盤7A上に連結配置する空気バネ(ベローズ)6と、前記空気バネ6上に空気供給盤5Aを配置し、この空気供給盤5Aの上面に前記架台3の下面に接合させる合成樹脂材シート等からなる滑り材8Aを貼着配置するとともに、前記滑り材8Aの外周部及び前記空気吐出盤7Aの外周部に各々円筒状のシール材10を配置し、かつ、前記空気配管12を空気供給盤5Aに連結して構成し、この空気バネ体4Aを上述した実施例の場合と同様前記基台2、架台3間に4個配置した構成としている。
【0047】
なお、前記空気吐出盤7Aの下面に図示しないが滑り材を配置する構成とすることもできる。この他の構成は実施例に係る空気浮上式振動制御システム1の場合と同様である。
【0048】
また、前記空気浮上式振動制御システム1Aの平面図は図示省略する。
【0049】
図6に示す変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Aによっても、空気の下方噴出方式の基に、前記空気噴出穴からの基台2の上面側への空気の噴出により前記架台3及び構造物Mを定位置から上方に浮上させつつ滑り移動させることができ、かつ、前記各シール材10により架台3の下面、基台の上面領域への空気漏洩を防止でき、実施例の場合と同様な効果を発揮させることができる。
【0050】
(別の変形例)
次に、図7を参照して本考案の実施例の別の変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Bについて説明する。
【0051】
なお、別の変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Bにおいて、上述した実施例に係る空気浮上式振動制御システム1の場合と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0052】
図7に示す別の変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Bは、実施例に係る空気浮上式振動制御システム1と略同様な構成であるが、前記XYレールユニット14に替えて、前記基台2、架台3間に復元力付与機構を構成するコイルバネユニット21、及び、減衰機構を構成するコイルダンパーユニット31を組み込んだことが特徴である。
【0053】
前記コイルバネユニット21は、詳細な取り付け構造は説明を省略するが、前記基台2、架台3間にX方向配置に2本のコイルバネ22を直列配置に組み込み、Y方向配置に2本のコイルバネ22を直列配置に組み込んだ合計4本構成としている。
【0054】
また、前記コイルダンパーユニット31は、詳細な取り付け構造は説明を省略するが、前記基台2、架台3間に、X方向配置で、かつ、図7において左右分離配置に2個のコイルダンパー32を組み込み、Y方向配置で、かつ、図7において上下分離配置に2個のコイルダンパー32を組み込んだ合計4個構成としている。
【0055】
この他の構成は実施例に係る空気浮上式振動制御システム1の場合と同様である。
【0056】
この別の変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Bによっても、実施例に係る空気浮上式振動制御システム1と同様な効果を発揮でき、かつ、地震等の振動時において前記コイルバネユニット21による振動復元効果、前記コイルダンパーユニット31による振動減衰復元効果を的確に発揮させることができる。
【0057】
図8に示す更に別の変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Cは、実施例に係る空気浮上式振動制御システム1と略同様な構成であるが、前記架台3を省略し、前記空気バネ体4を直接振動制御対象物である構造物Mの下面に当接させ、前記空気バネ体4を採用し実施例の場合と同様にして空気漏洩を無くした構成で構造物Mの振動を制御し、その制振又は免震を図り、システム自体の高性能化、構成要素のコンパクト化、振動時の相対変位の抑制及び固有周期調整の多様化を図ることができる空気浮上式振動制御システム1Cとしたものである。
【0058】
更に別の変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Cにおける前記架台3を省略する構成は、実施例の空気浮上式振動制御システム1、変形例の空気浮上式振動制御システム1A、別の変形例の空気浮上式振動制御システム1Bに関しても同様に適用可能である。
【0059】
図9に示す更に異なる変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Dは、実施例に係る空気浮上式振動制御システム1と略同様な構成であるが、前記XYレールユニット14に替えて、コイルバネのような振動復元機構42及び減衰ダンパーのような振動減衰機構43を含み前記基台2、振動制御対象物である架台3又は構造物Mの中央部で鉛直配置とした振動復元・減衰機構41を配置したことが特徴である。
【0060】
図9に示す更に異なる変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Dによっても、前記空気バネ体4を採用し実施例の場合と同様にして空気漏洩を無くした構成で構造物Mの振動を制御し、その制振又は免震を図り、システム自体の高性能化、構成要素のコンパクト化、振動時の相対変位の抑制及び固有周期調整の多様化を図ることができる。
【0061】
また、図9に示す更に異なる変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Dの構成によれば、振動復元・減衰機構41を最低限1ユニット配置しただけでも構造物Mの制振又は免震が可能となる。
【0062】
上述した図9に示す構成は、既述した実施例の空気浮上式振動制御システム1、変形例の空気浮上式振動制御システム1A、別の変形例の空気浮上式振動制御システム1B、更に別の変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Cに関しても同様に適用可能である。
【0063】
次に図11を参照して基台2上に複数の空気バネ体4のみを配置した空気浮上式振動制御システム1Eについて説明する。
【0064】
図11に示す空気浮上式振動制御システム1Eは、実施例の空気浮上式振動制御システム1の構成に対してXYレールユニット14を省略したものであり、残余の構成は実施例の空気浮上式振動制御システム1の場合と同様である。
【0065】
図11に示す空気浮上式振動制御システム1Eによれば、前記空気バネ体4を採用し、実施例の場合と略同様にして空気漏洩を無くした構成で、地震時等における構造物Mの浮上によってその制振又は免震を図り、システム自体の高性能化、構成要素のコンパクト化、振動時の相対変位の抑制及び固有周期調整の多様化を図ることができる。
【0066】
なお、前記空気浮上式振動制御システム1Eにおいても、図6に示す空気浮上式振動制御システム1Aの場合と同様に、空気の下方噴出構造を採用したり、図8に示す更に別の変形例に係る空気浮上式振動制御システム1Cの場合と同様な構成とすることが可能である。
【0067】
次に、既述した実施例に係る空気浮上式振動制御システム1について更に詳述する。
【0068】
実施例に係る空気浮上式振動制御システム1は、振動防止対策が行われる建築・土木・機械構造物が適用対象であり、前記構造物Mとしては、特に戸建住宅、半導体機器、精密機器、風力発電機、鉄塔、アンテナ塔、観光タワー等の塔状構造物や、マテハン(マテリアル・ハンドリング)設備等も含まれる。
【0069】
すなわち、実施例に係る空気浮上式振動制御システム1は、建築・土木・機械構造物・電機機器等を適用対象としたものであり、当該構造物に外部から地震や台風及び設備機械等からの振動外力が加わった時に、構造物が大きく揺れるのを防止する制振システム、免震システムとして機能する。
【0070】
更に付言すれば、当該構造物Mの上部や基礎部に、復元機構や減衰機構と同時に、単独或いは複数の空気バネ体4を設置し、前記構造物Mの安全性・居住性を確保するために構造物の相対変位・絶対加速度を低減するものである。
【0071】
また、万一、前記空気バネ体が故障した場合でも、振動制御装置としての機能は確保できる
【0072】
実施例に係る空気浮上式振動制御システム1の更なる構成要素について言及すると、構造物Mの加重支持要素としては、既述した空気バネ体4の他、転がり支承、滑り支承、等を単独或いは組み合わせて使用することができる。また、レベリングバルブのような架台の平坦性のためのレベリング機構を組み合わせて使用することもできる。
【0073】
構造物Mの移動誘導・回転防止要素としては、既述した場合の他、水平2方向に移動(能動的・受動的とも)可能なものであれば例えばガイドレール、リンク機構等で構成することができ、特別用途の場合には摩擦板等との併用も可能である。摩擦板を併用することにより、例えばシステムの作業性向上と振幅の減少、価格の低減化が得られる。
【0074】
ヨーイング等の回転防止のために例えばガイドレールの様な案内要素を併用する場合、この案内装置に上下方向移動可能なようにコイルバネの様な弾性体を組み込むこともでき、この場合には、以下のような効果を得ることができる。
【0075】
すなわち、この場合には弾性体のバネ定数は任意に設定できることにより、弾性体による浮上高さは自由に選べる(弾性体による初期僥みは任意に設定可能であり初期浮上高さは任意に設定できる)。そして、任意に設定した高さにより摩擦力の調整・低減ができると同時に空気による浮上力も調整できる。
【0076】
実施例に係る空気浮上式振動制御システム1における振動復元要素としては、周期調整機能を持っているコイルバネ、板バネ、積層ゴム等を単独或いは組み合わせて使用することができる。これらは変形量の大きさ、バネ定数等により適宜選択される。
【0077】
実施例に係る空気浮上式振動制御システム1における振動減衰要素としては、粘性系、弾塑性系、摩擦系等を目的により自由に選択可能であり、主に粘性ダンパー、粘弾性ダンパー、弾塑性ダンパーが単独或いは複数が組み合わせて併用される。
【0078】
以上説明した実施例に係る空気浮上式振動制御システム1についての適用対象や各構成要素に関しては、変形例の空気浮上式振動制御システム1A、別の変形例の空気浮上式振動制御システム1Bに関しても同様であり、また、更に別の変形例の空気浮上式振動制御システム1C、異なる変形例の空気浮上式振動制御システム1D、図11に示す空気浮上式振動制御システム1Eに関しても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本考案は、建築・土木・機械等の各種構造物の振動防止対策(制振、免震)用として広範に適用可能である。
【0080】
1 空気浮上式振動制御システム
1A 空気浮上式振動制御システム
1B 空気浮上式振動制御システム
1C 空気浮上式振動制御システム
1D 空気浮上式振動制御システム
1E 空気浮上式振動制御システム
2 基台
3 架台
4 空気バネ体
4A 空気バネ体
5 空気供給盤
5A 空気供給盤
6 空気バネ
7 空気吐出盤
7A 空気吐出盤
7b 空気噴出穴
8 滑り材
8A 滑り材
9 空気噴出穴
10 シール材
11 空気源
12 空気配管
13 コントローラ
14 XYレールユニット
15 振動センサ
21 コイルバネユニット
22 コイルバネ
31 コイルダンパーユニット
32 コイルダンパー
41 振動復元・減衰機構
42 振動復元機構
43 振動減衰機構
G 設置面
M 構造物

(57)【要約】

【課題】空気漏洩を無くした構成でシステムの高性能化、構成要素のコンパクト化を実現することが可能な空気浮上式振動制御システムを提供する。【解決手段】設置面G上に配置される基台2と、振動制御対象物を構成する構造物Mが載置される架台3と、基台、架台間に垂直配置されるとともに、上面側に空気噴出穴を備え、かつ、架台の下面に接合する滑り材8を具備し、空気配管12からの空気供給に応じた空気噴出穴からの架台の下面側への空気の噴出によりこの架台を構造物とともに定位置から上方に浮上させつつ滑り移動させる空気バネ6を使用した複数の空気バネ体4と、滑り材の外周領域に配置した空気漏洩防止用のシール材10と、各空気バネ体に対して空気配管を介しての空気の供給又は供給停止が可能な空気源11と、基台側又は架台側の振動を検出する振動センサ15と、振動センサの検出信号に基づき空気の供給又は供給停止を制御するコントローラ13とを有する。


【パテントレビュー】

あなたの意見を伝えましょう:


【インターネット特許番号リンク】

インターネット上にあるこの特許番号にリンクします(発見しだい自動作成):