(54)【考案の名称】派生音識別譜面

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、譜面の技術に関し、詳しくは、演奏の際に使用する譜面を、音楽の経験が少ない人でも簡単にわかるようにし、特に黒鍵を弾く音符を分かりやすく色分け等を施すことで派生音であることを明確にし、音楽初心者の譜面に対しての抵抗感を軽減し、演奏を楽しむことが可能となる譜面の技術に関する。

【従来の技術】

【0002】
音楽は世界各国において多くの人々に親しまれているが、様々な楽器を美しく奏でるためには長年の練習による努力と音楽的知識が不可欠である。しかしながら、万人が幼少の頃より音楽に携われる環境にあるとは限らず、近年、定年退職後に楽器の演奏に挑戦する方も多くおられる現状にある。
【0003】
しかしながら、初心者や、高齢になってから始められる方にとって譜面を理解することは容易ではなく、せっかく音楽を楽しみたいと思って挑戦した方々が、譜面への抵抗感から演奏をあきらめてしまうといったことがよくある。特に譜面で問題になるのは、調によってシャープやフラットがあり、例えばピアノを弾くとすると、黒鍵を弾く音符に対応できないといったところがある。練習中にそれらの対応が出来ないといったことが続くことは、曲の演奏が仕上がる前に諦めてしまう大きな要因となる。そのため、誰でも簡単に譜面を読むことができ、初心者でも、ひと目で黒鍵に対応できる譜面が求められているといえる。
【0004】
このような問題に鑑み、従来からも種々の技術が提案されている。例えば、五線譜の線と線との間の空間を着色することにより、どの位置にシャープとフラットがあるかということを簡単に知ることができる記譜法「記譜法及びその楽譜」(特許文献1参照)が提案され、公知技術となっている。詳しくは、五線と五線との間を着色する記譜法により作製された楽譜であり、課題であった黒鍵になる音符が乗る線と線の間に色を塗ることで黒鍵を弾くことを瞬時に判断することができ、すらすらと演奏する手助けとなる便利なものである。しかしながら、この技術では、線と線との間のフラット及びシャープにのみ対応しても線上の黒鍵に対しては対応できておらず、すらすらと演奏できる譜面が限られてしまうという欠点がある。
【0005】
また、音楽用の譜面の所望の位置に対して着脱可能に付着可能であり、位置ずれが生じることがなく、低価格な音符練習用の補助具を提供することを目的とした「音符練習用の補助具、音符シール、#シール、♭シール、音符符号シール及び知育教育用の補助具」(特許文献2参照)が提案され、公知技術となっている。詳しくは、「音符部と、五線譜の譜面に着脱可能に付着する付着層とを積層した音符シールと、♯マークを表示した透明層と、譜面に着脱可能に付着する付着透明層とを積層した♯シールと、♭マークを表示した透明層と、譜面に着脱可能に付着する付着透明層とを積層した♭シールと、ト音記号を表示した透明層と、前記譜面に着脱可能に付着する付着透明層とを積層したト音記号シールと、へ音記号を表示した透明層と、前記譜面に着脱可能に付着する付着透明層とを積層したへ音記号シールとを有する」というものである。このシールを♭の音符やシャープの音符に一つ一つ使用すれば黒鍵を弾く音符が瞬時に判断出来る。しかしながら、この技術は、シールを貼るということでシンプルな譜面については問題がないが、和音などが多い譜面の場合は、たくさんの音符の中にシールを貼ることとなり、ごちゃごちゃと猶更見辛くなることになる。よって複雑な譜面には向かないという欠点があるといえ、どんな譜面もすらすらと演奏したい曲を練習出来るという本考案の課題を解決するには至っていない。
【0006】
また、発明の名称を「鍵盤楽器の練習補助用表示装置」とする技術が公開され公知技術となっている(特許文献3参照)。詳しくは、「任意の調に対応して五線譜の音符に対応する鍵盤上の位置を視覚的に把握することを可能とする技術の提供」を課題とし、具体的には「鍵盤楽器の各鍵と五線譜の各音との対応を表示する表示装置であって、該表示装置は所望の調号に対応した五線譜の線上及び五線の線間の各音に対応する鍵の位置を示すための印が、前記線上の音と線間の音とを視覚的に区別可能に表示される。五線譜は大譜表とすることができ、さらに、大譜表の中央の加線上の音に対応する鍵の位置を示すための印が、五線譜の線上の音及び線間の音のいずれとも視覚的に区別可能に表示されてもよい。パネルは、光、または液晶体を含むディスプレイを用い、所望の調性記号を切替ボタンの操作で切替える電気的・電子的パネルとする」というものである。しかしながら、この技術は、譜面を読むことも必要なく、鍵盤の位置を視覚によって認識することが出来ることから、すらすらと演奏の練習が可能であるが、係る技術を導入するには、高価な器具の購入が必要となるなどの欠点がある。
【0007】

【効果】

【0013】
本考案に係る派生音識別譜面によれば、演奏初心者にも譜面において変化記号による派生音を容易に読み取ることができ、譜面に対する抵抗感を軽減することが出来るという優れた効果を発揮するものである。
【0014】
また、本考案に係る派生音識別譜面において、シールを用いた構成を採用した場合、既存の譜面に貼付することが可能であり、幹音と派生音との区別を明確にし、調号と臨時記号の理解が進んでいない初心者等が、特にピアノの演奏において黒鍵を弾く音符であることをわかりやすくするという優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本考案に係る派生音識別譜面の基本構成を示す基本構成説明図である。
【図2】本考案に係る派生音識別譜面の色分表示機能を説明する説明図である。
【図3】本考案に係る派生音識別譜面の色分表示機能を説明する説明図である。
【図4】本考案に係る派生音識別譜面の模様分表示機能を説明する説明図である。

【0016】
本考案に係る派生音識別譜面1は、派生音20を弾く部分に該当する音符40を色分けする色分手段30又は模様分けする模様分手段31によって、幹音21と派生音20とを視覚的に区別し、楽曲を構成する音階の変化をわかりやすくする色分表示機能50又は模様分表示機能51を有することを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて本考案を説明する。但し、図面の説明は、鍵盤の例を使って示しているが、これに限定するものではなく、様々な楽器に利用できるものである。
【0017】
図1は、本考案に係る派生音識別譜面1の基本構成を示す基本構成説明図であり、図1(a)は、へ長調の音階において半音下げて演奏する部分の音符40に、他の音符40と異なる色彩10を用いて表した状態を示し、図1(b)は、ニ長調の音階において半音上げて演奏する部分の音符40に、他の音符40と異なる色彩10を用いて表した状態を示している。
【0018】
派生音識別譜面1は、色分けする色分手段30によって幹音21と派生音20とを視覚的に区別する色分表示機能50を有する構成である。
【0019】
色彩10は、譜面に用いられている色と異なる色により表され、例えば、調号や臨時記号により半音上げたり半音下げたりする部分の音符40に用いられ、具体的には、例えば、シャープによって半音上げられた音符40には赤色で表し、フラットによって半音下げられた音符40には青色で表すなど、視覚的に区別しやすい色彩10を用いることが望ましい。なお、係る色彩10に限定されるものではなく、多様な色彩10の組み合わせから適宜選択すればよい。
【0020】
派生音20は、調号(#:シャープ、♭:フラット)、又は臨時記号(#:シャープ、♭:フラット)、により、譜面に表された音を半音上げるか、半音下げて演奏する部分であり、ピアノのような鍵盤では、黒鍵を弾く部分となる。
【0021】
幹音21は、ハ長調を構成する音であり、ピアノのような鍵盤を用いる楽器では、一般的に白鍵を弾く部分である。
【0022】
色分手段30は、派生音20と幹音21とを色彩10の相違によって区別させる手段である。
【0023】
音符40は、五線譜において表される符頭、符号、符旗から成り、五線譜の中での相対的な音の長さ(音価)と時間的な位置、及び高さ(音高)を表すものである。本考案では、音符40の色は、色分表示機能50によって変更されて表される色彩10とは異なる色、一般的には黒で表されるものである。
【0024】
色分表示機能50は、譜面に用いられている音符40の色、一般的には黒、とは異なる色彩10を用いることで、幹音21と派生音20とを視覚的に区別させる機能である。例えば、シャープによって半音上げられた音符40には赤色で表し、フラットによって半音下げられた音符40には青色で表すなど、視覚的に区別しやすい色彩10を用いることが望ましい。
【0025】
色分けシール60は、譜面に用いられている音符40の符頭と同じ形状、同じ大きさであるか、若しくはこれよりも少し大きく構成され、裏面に接着剤が塗布された所謂シールであり、派生音20に該当する部分の音符40に貼り付けて使用するものである。なお、裏面の接着剤を再剥離性粘着剤とし、何度でも貼って剥がせる構成とすることも経済的である。なお、色分けシール60を磁性材と永久磁石に変更した構成とすることも有効である。
【0026】
図2は、本考案に係る派生音識別譜面1の色分表示機能50を説明する説明図であり、図2(a)は、ヘ長調の音階において半音下げて演奏する二ヶ所の音符40に、他の音符40と異なる色彩10を用いて表した状態を示し、図2(b)は、へ長調の音階において半音下げて演奏する二ヶ所の音符40に、他の音符40と異なる色彩10を用いて表し、更に本位記号によって幹音21に戻された状態を示している。
【0027】
図3は、本考案に係る派生音識別譜面1の色分表示機能50を説明する説明図であり、図3(a)は、臨時記号にシャープとフラットの双方が存在し、半音高いソと、幹音21のソと、半音低いソとを識別できることを示し、図3(b)は、半音高いソのシャープと半音低いラのフラットが同じ音である(同じ黒鍵を弾く)ことを示している。係る色分表示機能50により、例えばピアノの演奏において、音符40の一般的な色とは異なる色彩10の部分では黒鍵を弾くということが明確となり、弾き間違いを減らすことが可能となる。
【0028】
図4は、本考案に係る派生音識別譜面1の模様分表示機能51を説明する説明図であり、図4(a)は、へ長調の音階においてシのフラットを星型の模様11によって示し、図4(b)ニ長調のドのシャープとファのシャープをハート形の模様11によって示している。係る構成を採用することにより、色盲や色弱の方でも黒鍵を弾く音符40が明確となり、弾き間違いを減らすことが可能である。また、ピアノ等の鍵盤による演奏に資する他、譜面を用いて演奏する楽器全般において、何れも演奏のミスを減らすことも可能となる
【0029】
模様11は、譜面に用いられている音符40と形状の異なる形で表され、例えば、調号や臨時記号により半音上げたり半音下げたりする部分の音符40に該当する部分に用いられ、具体的には、例えば、シャープによって半音上げられた音符40には星マークで表し、フラットによって半音下げられた音符40にはハートマークで表すなど、視覚的に区別しやすい形状を用いることが望ましい。特に模様11は、色盲や色弱の方でも視覚的に区別することが可能となる。なお、係る形状に限定されるものではなく、多様な形状で構成することが可能である。
【0030】
模様分手段31は、派生音20と幹音21とを模様11の相違によって区別させる手段である。
【0031】
模様分表示機能51は、譜面に用いられている音符40の形とは異なる形状の模様11を用いることで幹音21と派生音20とを視覚的に区別させる機能である。
【0032】
模様分けシール61は、譜面に用いられている音符40の符頭と異なる形状、同じ大きさ或いはこれよりも少し大きく構成され、裏面に接着剤が塗布された所謂シールであり、派生音20に該当する部分の音符40に貼り付けて使用するものである。なお、裏面の接着剤を再剥離性粘着剤とし、何度でも貼って剥がせる構成とすることも経済的である。なお、模様分けシール61を磁性材と永久磁石に変更した構成とすることも有効である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本考案に係る派生音識別譜面は、大人になってから楽器の演奏を趣味として始める方や音楽の初心者が、譜面への苦手意識を軽減でき、多くの人々に楽器の演奏等の機会を促進できる点において、産業上の利用可能性は極めて高いと思慮するものである。
【0034】
1 派生音識別譜面
10 色彩
11 模様
20 派生音
21 幹音
30 色分手段
31 模様分手段
40 音符
50 色分表示機能
51 模様分表示機能
60 色分けシール
61 模様分けシール

(57)【要約】

【課題】演奏の際に使用する譜面を音楽の経験が少ない人でも簡単にわかるようにするために、黒鍵を弾く音符を分かりやすく色分け等を施し、派生音であることを明確にして、音楽初心者の譜面に対する抵抗感を軽減するとともに、演奏を楽しむことが可能となる派生音識別譜面を提供する。【解決手段】色彩10を利用した理解しやすい譜面であって、派生音20を弾く部分に該当する音符40の色分けをする色分手段30によって幹音21と前記派生音20とを視覚的に区別する色分表示機能50を有することを基本構成とし、色分けシールを用いて音符40の色分けをする色分手段30によって前記色分表示機能50を発揮する譜面とする手段を採用することもできる。


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