(54)【考案の名称】自動車内装材用の注意書きラベル

(73)【実用新案権者】ジャパンポリマーク株式会社

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、サンバイザやシートベルトなどの自動車内装材に用い、接着後に変形や割れが生じにくく、注意書きを誤読されるおそれが少ない自己消火性の注意書きラベルに関する。

【従来の技術】

【0002】
注意書きラベル(コーションラベル)は、本出願人が出願した特許第4174120号の自動車用のサンバイザにおいて、樹脂融着体として既に存在する。この注意書きラベルは、厚さ100μmのPETフィルムを離型フィルムとして用い、スクリーン印刷法によって、規定の使用説明などを印刷した印字層、該印字層よりも伸縮性に富む中間層および難燃剤を添加した接着層の順に積層する。この注意書きラベルは、加熱・加圧によってサンバイザ表皮の織布地に転写される。
【0003】
また、本出願人が出願した実用新案第3127977号に開示の個別表示体は、注意書きラベルの一構成層としてプラスチックフィルムを介在させる。このプラスチックフィルムは、使用説明文などを印刷した図柄層の上方に位置させ、オーバーコート層の役目を有する。この個別表示体は、表面のプラスチックフィルムが耐摩耗性であることにより、注意書きラベル自体が高耐磨耗性になっている。
【0004】

【効果】

【0016】
本考案に係る注意書きラベルは、フィルム層の厚みが50μm以下であることにより、ラベル熱接着時の熱伝導が良化するので接着温度の降下および接着時間を短縮でき、プラスチック表皮のPVCシートやPPリッドなどの変形および割れが少なくなる。本考案の注意書きラベルは、熱転写機の電力消費を減らすこともできる。
【0017】
本考案の注意書きラベルにおいて、接着層は、耐熱性、耐湿性、耐光性、耐湿冷熱サイクル性などの接着性評価について各種の性能の低下がない。このため、本考案の注意書きラベルを自動車内装材用途として使用できる。本考案の注意書きラベルは、基材フィルムがそのままフィルム層という構成層となるため、従来の注意書きラベルのような離型フィルムを剥離する作業が不要になり、剥離した離型フィルムのゴミを皆無にすることができ、環境維持に関するメリットが大きい。
【0018】
本考案の注意書きラベルは、ラベル周辺にI字形やV字形などのノッチを連続形成する千切れ加工を行うことにより、ラベル接着後には容易に剥がれず、何かに引っ掛かった際や接着後のラベルを故意に剥がそうとした場合に、全部剥がれずにノッチで千切れやすくなる。この結果、本考案の注意書きラベルを内装材の所定個所に接着した自動車では、自動車メーカーの過失責任が問われることが少ない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本考案に係る注意書きラベルを拡大して示す断面図である。
【図2】基材フィルムに形成した印字層と接着層を示す概略断面図である。
【図3】印字層と接着層を有する基材フィルムを打ち抜き加工する状態を示す概略断面図である。
【図4】本考案に係る注意書きラベルを示す平面図である。
【図5】注意書きラベルの別の例を示す平面図である。
【図6】注意書きラベルのさらに別の例を示す平面図である。
【図7】注意書きラベルを自動車のサンバイザに取り付けた状態を例示する自動車内部の部分側面図である。
【図8】注意書きラベルを自動車のシートベルトに取り付けた状態を例示する概略斜視図である。

【0020】
本考案を図面に基づいて説明すると、本考案の注意書きラベル1は、コーションラベルとも称し、自動車の各部品に関する使用説明や使用上の注意点などを記述したラベルであり、シートベルト、サンバイザ、トランクデッキ、フロアー、ドアトリムなどの所定の個所に接着する。注意書きラベル1は、通常、単純矩形、面取り矩形または円形の平面形状であり、所望に応じて他の特殊な平面形状にすることも可能である。
【0021】
注意書きラベル1は、図1に示すように、フィルム層2を印字層3と接着層5の間に挟み込んだ態様を有し、所望に応じて印字層5の上にオーバーコート層(図示しない)を形成してもよい。フィルム層2は、通常、図2に示すように長寸の基材フィルム6または枚葉のフィルムからなり、最終の打ち抜き加工によって所定の平面形状のフィルム層2に成形する。
【0022】
フィルム層2になる基材フィルム6は、注意書きラベル1を熱接着した後の違和感を減らすため、厚さが50μm以下、好ましくは16〜38μmであることが望ましい。基材フィルム6は、印字層3、接着層5との接着が強いことを要するため、該フィルムの片面または両面にコロナ処理または易接着処理の加工を施すことが望ましい。基材フィルム6の素材は、一般に、耐熱性が高くてガスバリア性も高いものが好ましい。
【0023】
基材フィルム6として、注意書きラベル1の乾燥工程で特に高い耐熱性を要する場合には、ポリイミドなどの高耐熱性フィルムを使用すればよい。基材フィルム6に特に高いガスバリア性を要する場合には、EVOH樹脂のような高バリア性フィルムまたはアルミ蒸着フィルムなどを使用すればよい。また、基材フィルム6として、通常の単層フィルムのほかに、2層ラミネートフィルムや、白色や有色のフィルムを使用することも可能である。基材フィルム6自体に千切れ加工などの加工を施してあってもよい。
【0024】
基材フィルム6の表面処理は、コロナ放電法による処理であっても、水溶性樹脂を含む水性配合液を塗布する易接着処理であってもよい。易接着層の厚みが0.5μm以下であれば、基材フィルム6の柔軟性や触感に影響を及ぼさない。水溶性樹脂は、いわゆる水分散性樹脂も包含し、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂またはアクリル樹脂の内から少なくとも1種選択すればよい。水溶性のポリウレタン系樹脂としては、トリレンジイソシアネート,キシレンジイソシアネート,ジフェニルメタンジイソシアネートのようなジイソシアネート成分と、エチレングリコール,プロピレングリコール,1,4−ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオールのようなジオール成分との反応物などが例示できる。水溶性のポリエステル系樹脂として、テレフタル酸,フタル酸,イソフタル酸のような多価カルボン酸成分と、エチレングリコール,プロピレングリコールのようなジオール成分との反応物などが例示できる。
【0025】
一方、基材フィルム6を製造するには、ポリエステルを予備結晶化後に本乾燥してから、Tダイを有する押出し機を用いて押し出し、高温のドラム上で急冷固化して無定形のシートにすればよい。得たシートをロール間で縦方向に延伸し、得た一軸延伸フィルムの片面または両面に前記の水性配合液を塗布し、ついで乾燥しながらテンターに導いて横延伸を施し、さらに熱処理を行って易接着処理の二軸延伸ポリエステルフィルムを得る。
【0026】
印字層3は、基材フィルム6の表面に形成され、該印字層を接着層5の形成前に形成することが望ましい。印字層3は、インクジェット法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法などの印刷法で形成すればよい。印字層3の印刷方式は、ロールtoロール方式が望ましく、枚葉での印刷も可能である。
【0027】
印字層3のインクは、市販の各印刷用インクを使用することができ、該インクは自動車内装用途のために、耐光性が良く且つ加水分解しにくいものが望ましい。印字層3のインクは、市販の各印刷用インク用の架橋剤を併用し、インク膜性能を改質させてもよい。印字層3は、一般に、基材フィルム6に白ベタ塗膜層を印刷した後に、ピクトグラム7(図4)、カラー印字および/または黒文字9(図4)などを印刷して形成すればよく、該印字層を連続印刷法または多色印刷法によって印刷することが可能である。印字層3では、注意書きラベル1のデザインによって、白ベタ塗膜層を省略することもできる。
【0028】
所望に応じて、オーバーコート層(図示しない)を印字層3の上に積層してもよく、これによって印字層3の耐久性つまり耐エタノール摩擦や耐乾式摩擦などの性能を向上させる。このオーバーコート層には、印字層まで移行しにくいシリコン樹脂を使用するかまたは一部添加することにより、熱接着時にゴミの付着を防ぎ、さらにPVCシートと接触した際に可塑剤によるブロッキングを防ぎ、さらに枚葉の注意書きラベルについて、該ラベルを束に箱付めした際にラベル同士がブロッキングすることを防止する。印字層まで移行しにくいシリコンとは、高分子シリコンであって触媒や架橋剤などで改質できるものを選定し、例えば、カルボキシル変性シリコンなどである。
【0029】
接着層5は、印字層3を形成した後に、基材フィルム6の裏面つまり印字層3の逆面に形成する。接着層5は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法のような印刷法または各種のコーターなどのフィルム加工で形成すればよく、好ましくは層厚を付与しやすいスクリーン印刷法を用いる。
【0030】
接着層5は、自動車内装材の用途に応じて樹脂組成を適宜変更することにより、該接着層をPVCシート、ファブリックシートのようなサンバイザやシートベルトなどにおける軟質表皮、またはABS、PP、PC、PC−AESシートのようなサンバイザ、トランクデッキ、フロアーやドアトリムなどにおける硬質表皮のいずれにも適用できる。接着層5は、流動開始温度が90〜120℃であって120℃〜140℃で接着できるポリエステル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリアミド系などの液体または粉末の樹脂からなり、複数の樹脂を混合してもよい。
【0031】
難燃剤は、注意書きラベル1に自己消火性を付与するために接着層5に添加し、軟質表皮用のラベルの接着層5には必要であり、硬質表皮用のラベルの接着層5のように表皮自体が難燃性であれば添加不要の場合もある。難燃剤は、耐候性が良好であって印字層3への移行および水への溶解が少ないことが望ましく、リン酸トリフェニルなどのリン酸エステル系の難燃剤は、人体への有害性が懸念されるために規制量以上添加せず、ハロゲン系の難燃剤はダイオキシンが発生し且つ残留性が高いので使用しない。好適な難燃剤として、ポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミニウムのような無機物、規制量以下のリン酸エステルなどが例示できる。
【0032】
接着層5に添加する酸化防止剤は、接着層5の劣化変性を防止するために加える。酸化防止剤は、接着層5の樹脂の一部が熱や光によって酸素と結合して過酸化物を造り、この過酸化物が分解することによる変質について、過酸化物を造るラジカル連鎖を防いだり、過酸化物自体を分解する。この酸化防止剤は、印字層3への移行が少ないことが望ましく、人体への有害性が懸念されるために規制量以上添加しない。好適な酸化防止剤として、ヒンダードフェノール、アルキルフェノール、アルキレンビスフェノールなどが例示できる。
【0033】
接着層5に添加する紫外線吸収剤は、接着層の耐用年数を数倍高めるために加える。紫外線吸収剤は、該接着層5の樹脂に作用して分子結合を破壊して劣化を起こす紫外線のエネルギーを吸収し、そのエネルギーを紫外線吸収剤分子の内部変化で消費してしまう。この紫外線吸収剤は、印字層3への移行が少ないことが望ましく、人体への有害性が懸念されるために規制量以上添加しない。好適な紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール、サリチル酸エステル、ヒドロキシベンゾフェノンなどが例示できる。
【0034】
注意書きラベル1では、基材フィルム6が比較的薄くなることにより、熱転写機の電力消費を減らすことができる。注意書きラベル1は、接着層5を薄くできることにより、該接着層に含まれるVOC(揮発性有機化合物)量を減らし、熱接着の作業環境を改善できる。
【0035】
得た注意書きラベル1の脱脂は、接着層5の形成後の自然乾燥で不十分である場合には、加熱脱脂処理も可能である。加熱脱脂処理は、基材フィルム6の熱特性、印字層3および接着層5の熱特性を考慮して脱脂条件を選定することを要する。例えば、基材フィルム6がPETフィルムであれば、Tg温度以下の70℃前後が望ましい。
【0036】
注意書きラベル1は、自動車内装材用途であるので、製造過失責任を問われないために、ラベル接着後には剥がれず、何かに引っ掛かった際や故意に剥がそうとした場合に剥がれずに千切れることが必要である。このため、基材フィルム6に多数の印字層3と接着層5を形成した後に、その積層体8(図2)を個々のラベルに打ち抜き加工する際に、その打ち抜き加工と同時または打ち抜き加工の後に千切れ加工を施すと好ましい。千切れ加工は、図4に例示するように、多数のノッチ14をラベル周辺にわたって5mm以下の間隔で設ける加工である。
【0037】
注意書ラベル1は、ラベル周辺に設けた多数のノッチ14により、ラベル接着後には剥がれずに部分的に千切れやすくする。各ノッチ14の長さ、間隔および形状は、注意書きラベル1の大きさによって調整し、部分的に間隔や形状を変更することも可能である。ノッチ14をラベル周辺で長さ0.5mmで5mm間隔にするのは、平面5×10cm以上の注意書きラベル1の場合であり、それ以下の平面のラベルでは5mm以下の間隔でノッチ14を入れる。ノッチ14の間隔が広すぎると千切れる面積が広くなって剥がれやすくなるため、ノッチ間隔は5mm以下であることが望ましい。
【0038】
各ノッチ14の平面形状は、図4のようなI字形ノッチ、図5のようなV字形ノッチ16などである。これらのノッチ形状のほかに、ノッチに準じる他の方法として、穿孔加工または特殊形状の千切れ加工などを行ってもよい。千切れ加工は、ラベル枚葉化を行う打ち抜き加工前に行うことも可能である。ノッチ14は、図4や図5に示すように、注意書きラベル1のどの個所から剥がそうとしても、その個所で部分的に千切れるように注意書きラベル周辺のすべてに設けることが望ましい。
【0039】
各ノッチ14の形状は、注意書きラベル1の接着後に、該ラベルの印字部に目立つ跡が残らないものを選定する。また、各ノッチ14の長さについても、注意書きラベル1の接着後に、該ラベルの印字部においてノッチが目立たない長さである0.5mm以下程度にすると好ましい。ノッチ14,16は、注意書きラベル1(図4)、28(図5)に示すように、ラベル印字部と非接触であるのが一般的であるが、注意書きラベル32(図6)に示すように、ラベル印字部である黒枠と接触していてもよい。
【0040】
注意書きラベル1を自動車内装材へ接着するには、市販のホットプレス機を用いて熱接着加工を行う。例えば、軟質の表皮素材への熱接着加工は、120〜140℃、圧力0.8〜1.2kg/cmで3〜5秒間で接着可能であり、従来よりも短時間で接着できる。また、硬質表皮への熱接着加工は、上ゴテ、下ゴテともに110〜130℃、圧力2.3〜2.7kg/cmで4〜8秒間で接着可能であり、従来よりも低温で短時間接着が可能である。前記の熱接着加工条件は目安であり、ラベル1の素材および被接着体に応じて、加工条件を変更して最適な条件を選定する。例えば、シートベルトへの熱接着加工は、170〜190℃および圧力0.8〜1.2kg/cmで7〜10秒間で熱接着し、接着力が弱い場合に再プレスすればよい。
【0041】
注意書ラベル1は、接着層5における耐熱性、耐湿性、耐光性、耐湿冷熱サイクル性などの接着性評価について、各種の性能の低下が殆どないため、自動車内装材用途として使用できる。この接着性評価は、試験後の外観観察の他、セロファンテープを貼り付け、90°の方向に強制的に剥がす方法で、浮きや剥がれがあるか否かによって判定する。この評価法は、JIS K 5600 塗料の機械的物質 付着性(クロスカット法)に準拠する。注意書ラベル1は、フィルム層6が比較的薄いことから、ラベル全体の熱伝導性が良化することで接着力が向上するため、接着層5の厚みが30〜50μmのように薄くなり、ラベル全体を薄くすることが可能である。
【0042】
次に、本考案を実施例に基づいて説明するが、本考案は実施例に限定されるものではない。図2に示す基材フィルム6は、透明であって厚さ50μm、長さ1000mのロール状ポリエステルフィルムである。基材フィルム6は、アミノ樹脂に水性ポリウレタン系樹脂を加えた水性配合液によって易接着処理を施す。易接着処理において、基材フィルム6はロール間で縦方向に延伸され、得た一軸延伸フィルムの両面にロールコータによって前記の水性配合液を厚みが0.2μmとなるように塗布し、ついで乾燥しながらテンターに導いて横延伸を施し、さらに熱処理を行って二軸延伸ポリエステルの基材フィルム6を得る。
【0043】
基材フィルム6の印字層側には、易接着層の上に、コーティングによって帯電防止層を設け、その面におけるインクの糸曳きを防止する。同時に、フィルム6の接着層側にも、コーティングによって帯電防止層を形成し、印刷機や乾燥機に接触する接着層側が帯電して該フィルムの流れや排出が不安定になることを防止する。次に、印字層3を基材フィルム6の上に形成し、該印字層として、黒インクは市販のウレタンプリポリマー、ポリエステル系樹脂およびカーボンブラック顔料からなる。この熱架橋型ペーストをスクリーン版によって印刷・乾燥し、厚さ4〜8μmになるピクトグラム7、黒文字9、黒色説明文(図示を省略)を形成する。
【0044】
一方、接着層用のインクは、例えば、ポリエステル樹脂の40%溶液(商品名:バイロン、東洋紡製)30.0%、ポリエステル樹脂粉末(商品名:バイロン)30.0%、可塑剤系難燃剤(リン酸エステル、大八化学製)および無機系難燃剤(ポリリン酸アンモニウム、大平化学産業製および水酸化アルミニウム、堺化学製)15.0%、酸化防止剤(商品名:イルガノックス、BASF製)および紫外線吸収剤(商品名:チヌビン、BASF製)5.0%、溶剤20.0%とを含む。接着層インクは、150メッシュ以下のスクリーン版に印字層3と等しい平面画像に塗布され、このスクリーン版によって接着層5を形成する。2回印刷された後の接着層5の厚みは、全体で厚さ40μmである。
【0045】
多数の印字層3と接着層5を形成した積層体8のロールは、長さ50cmごとに切断し、さらに個別の注意書きに合わせて、図3に示すカッタ10によって平面6×15cmに打ち抜き加工して枚葉の注意書きラベル1を得る。この打ち抜き加工と同時に、ノッチカッタ12(図3)によって多数個のI字形ノッチ14を5mm間隔でラベル周辺にわたって切り込み加工を行う(図4参照)。
【0046】
注意書きラベル1の接着性評価法として、試験後の外観観察のほかに、セロファンテープを貼り付け、90°の方向に強制的に剥がす方法によって浮きや剥がれがあるか否かを判定した。この結果、注意書きラベル1には、前記の接着性評価法において浮きや剥がれが起こらなかった。また、注意書きラベル1において、接着層5は、耐熱性、耐湿性、耐光性、耐湿冷熱サイクル性などの接着性評価について各種の性能の低下が殆どないので、該ラベルを自動車内装材用途として使用できる。注意書きラベル1では、フィルム層2が厚さ50μmで薄く、熱転写機の電力消費を減らすことができる。
【0047】
注意書きラベル1は、自動車17のサンバイザ18のポリエステル織布表皮20の所定の個所に接触させ、ホットプレス機によって温度130℃、圧力1kg/cmで4秒間加熱・加圧する。これによって、接着層5を溶融させ、該接着層をポリエステル織布表皮20の繊維内へ入り込ませて注意書きラベル1を接着する。ラベル接着後の表皮生地20は、引き伸ばされてサンバイザ芯材に被せる作業を行う際に、該ラベルの変形や割れが殆ど生じない。
【0048】
実施例2で用いる注意書きラベル1は、その平面形状および印字層の図柄を除いて、実施例1と同様じ層組成であるけれども、印字層3の下面には、シートベルト22(図8)のベルト24の地色を遮蔽する白ベタ塗膜層(図示しない)を介在させる。この白ベタ塗膜層は、通常、印字層3の全面に形成し、ベルト24の地色が濃色や模様でも透過することを防ぐため、該ベルトが濃い地色である場合には必須である。印字層3は、基材フィルム6に白ベタ塗膜層を印刷した後に、ピクトグラムのようなカラー印字および黒印字を印刷して形成する。
【0049】
多数の印字層3と接着層5を形成した積層体8のロールは、個別の注意書きに合わせて、図3のカッタ10によって平面3×10cmに打ち抜き加工して枚葉の注意書きラベルを得る。この打ち抜き加工と同時に、ノッチカッタ12によって多数個のI字形ノッチ14を4mm間隔でラベル周辺にわたって切り込み加工を行う。
【0050】
注意書きラベル1は、図8に示すように、自動車の各座席26に取り付けるシートベルト24のポリエステル織布地またはシート地の所定の個所に接触させ、ホットプレス機によって温度170〜190℃、圧力1kg/cmで7〜10秒間加熱・加圧する。これによって、接着層5を溶融させ、該接着層をポリエステル織布地に接着するけれども、接着力が弱い場合に再プレスする。シートベルト24は、ほぼ同様の態様で航空機や客船などの乗り物の座席に適用することも可能である。
【0051】
図5に示す注意書きラベル28では、基材フィルム6として、厚さ50μmである市販の両面易接着ポリエステルフィルムを用いる。基材フィルム6の印字層側には、コーティングによって帯電防止層(図示しない)を形成し、その面におけるインクの糸曳きを防止する。同時に、接着層側にも、コーティングによって帯電防止層(図示しない)を形成し、印刷機や乾燥機に接触する接着層側が帯電して該フィルムの流れや排出が不安定になることを防止する。
【0052】
印字層3として、例えば、ポリエステル系樹脂の黒インクを用い、270メッシュのスクリーン版によって厚さ8±2μmの所定のピクトグラム7および黒色文字8および黒色説明文(図示を省略)を印刷する。ついで、ポリエステル系樹脂の赤インクを用い、225メッシュのスクリーン版によって厚さ8±2μmの所定の赤色説明文(図示を省略)を印刷する。この結果、黒、赤からなる2色の印字層3を形成する。
【0053】
一方、接着層用のインクは、例えば、ポリオレフィン樹脂溶液(商品名:ハードレン、東洋紡製)21.0%、ポリアミド樹脂粉末(商品名:ベスタメルト、ダイセル・エポニック製)4.5%、酸化防止剤(商品名:イルガノックス)および紫外線吸収剤(商品名:チヌビン)3.5%、溶剤71.0%とを含む。接着用インクは、150メッシュ以下のスクリーン版に印字層3の全体の周縁より0.4mm拡大した画像で塗布され、このスクリーン版で接着層5を印刷する。2回印刷した後の接着層5の厚みは全体で厚さ30μmである。
【0054】
多数の印字層3と接着層5を形成した積層体8のロールは、長さ50cmごとに切断し、さらに個別の注意書きに合わせて平面6×15cmに打ち抜き加工して枚葉の注意書きラベル28を得る。この打ち抜き加工と同時に、別のノッチカッタによって多数個のV字形ノッチ16を5mm間隔でラベル周辺にわたって切り込み加工を行う。
【0055】
注意書きラベル28は、PCリッド、PPリッド、ABSリッド、PC−AESリッドのような硬質のプラスチック表皮上に貼り付ける。硬質表皮への熱接着加工は、上ゴテ、下ゴテともに110〜130℃に加熱し、2.5kg/cmで4〜8秒間で接着可能であり、この熱接着加工条件は素材に応じて適宜変更する。
【0056】
注意書きラベル28は、例えば、自動車におけるサンバイザまたは車内やトランクルーム(図示しない)などに接着され、表面が薄いマット層であると注意書きや警告の文字やマークを非常に視認しやすい。注意書きラベル28は、自動車の車内やトランクルームなどに設けられる注意表示や警告表示として、近年の安全性の観点から取付個所が多様化しても、この取付個所の多様化に適合した性能を具備し、その内容を搭乗者および使用者に的確に伝達できる。
【0057】
1 注意書きラベル
2 フィルム層
3 印字層
5 接着層
6 基材フィルム

(57)【要約】

【課題】サンバイザやシートベルトなどの自動車内装材に用い、接着後に変形や割れが生じにくく、注意書きを誤読されるおそれが少ない自己消火性の注意書きラベルを提供する。 【解決手段】厚さが50μm以下である表面処理を施したフィルム層2と、フィルム層2の上方に形成する良好な耐候性の印字層3と、フィルム層2の下方に形成する流動開始温度を90〜120℃に調整した接着層5とを備え、接着層5は熱可塑性または熱反応性樹脂に加えて難燃剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤を含有する。


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