(54)【考案の名称】カスケード状に配列される太陽電池アセンブリ

(51)【国際特許分類】

H01L 31/042

H01L 31/044

(73)【実用新案権者】ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社

(73)【実用新案権者】江陰艾能賽瑞能源科技有限公司

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は新エネルギー分野に属し、特に、カスケード状に配列される太陽電池アセンブリに関する。

【従来の技術】

【0002】
従来の技術態様では、個別の結晶シリコン電池セルを直列接続し、引き出し線を効果的に配列することで、光の照射によって結晶シリコン電池セルから発生した電気エネルギーを効果的に取り込む。図1に模式的に示されるように、156×156mmの電池セルをN×M枚(N≧1;M≧1)直列接続したアセンブリの変換効率は、現在最高で18%だが、規制により次の問題が存在する。1、結晶シリコン電池セルは、一枚のサイズが大きいほど、内部ストリング抵抗が高くなるため、同一の電圧降下では、電力損失が大きくなる。2、結晶シリコン電池を配列する過程において、短絡を回避するためには、一枚一枚の電池の間にスペースを予め確保する必要があるため、有効な利用空間が浪費される。
【0003】
本考案は、合理的で新規なカスケード状に配列された太陽電池アセンブリであって、空間利用率の向上、内部損失の低化、アセンブリの変換効率の向上等の技術課題を解決する。本考案は、以下の技術態様により実現される。
【0004】
カスケード状に配列される太陽電池アセンブリであって、前記アセンブリには、幾つかの互いに直列接続されたモジュールが含まれている。また、前記モジュール間には、保護用のダイオードがさらに並列接続されている。それぞれのモジュールは、いずれもストリング同士が互いに並列接続された2〜7つのストリングの電池セルストリングを含む。電池セルストリングは、いずれも一セルの結晶シリコン電池セルが五等分に切断された3〜20枚の電池セル切断片を含む。電池セル切断片の間は、特定性能の導電性接着剤によりカスケード状に接着されている。そして、各電池セル切断片における電極は接着により一体に形成されており、カスケード状に接着接続された2枚の前記電池セル切断片の間の積層被覆幅は、1.5〜2mmになっている。
【0005】
好ましくは、電池セルストリングは、いずれも一セルの結晶シリコン電池セルが五等分に切断された10〜18枚の電池セル切断片を含む。
【0006】
より好ましくは、電池セルストリングは、いずれも一セルの結晶シリコン電池セルが五等分に切断された13枚の電池セル切断片を含む。
【0007】
より好ましくは、電池セルストリングは、いずれも一セルの結晶シリコン電池セルが五等分に切断された17枚の電池セル切断片を含む。
【0008】
好ましくは、モジュールは、いずれも互いに並列接続された5つの電池セルストリングを含む。
【0009】
好ましくは、導電性接着剤は、下地がシリカゲルの導電性接着剤である。
【0010】
好ましくは、ダイオードは、アセンブリにおいてリード線が一体に配列され、延伸することにより、生産が容易になる。
【0011】
本考案が上述した技術態様を選択した理由は、主に以下の点を考慮したためである。
1.アセンブリモジュールの内部抵抗による消費電力を低減するための例を以下に挙げる。
例:通常の電池セルストリング13枚で構成されるアセンブリが対応する数値:
通常のアセンブリは、内部抵抗80ミリオーム、電流8.4A、正常の理論消費電力5.6W程度である。13枚のストリングのアセンブリは内部抵抗が依然として80ミリオームであり、電流が元の1/5となり、電流値が1.68A、理論消費電力が0.226W程度である。両者の消費電力差の理論値は、5.374Wである。
【0012】
2.発電可能な電池セルを有効面積内にできるだけ多く配列することができる。
従来の電池セルは、導電金属ストリップに正極、負極を接続しており、短絡を回避するため、電池セル同士は2mm程度隔てる必要がある。電池セル同士の間隔は合計45個あり、その間隔の空白部分は約90mmとなる。
【0013】
本考案の配列は、電池セルストリング13枚の電池セル切断片を、一セルの電池セル2.6枚分に相当するよう、セル同士をカスケード状に積層載置している。従って本考案の配列は、積層された部分が1.5〜2mmであり、合計240個を積層した場合節減される距離は、360〜480mmとなる。これら合計で約450〜570mmが節減されることになる。電池セルのサイズが156mm×156mmであるから、本考案によれば、一セルの電池セルを二枚多く載置できることに相当する。この場合の電力増加量は、理論的には9.8W程度になる。
【0014】
以上の第一点および第二点から分かるように、本考案によれば、増加可能な電力は、理論的に15.1Wになる。また、本考案は、積層後に電池セル自身に対する遮蔽面積が63648mm(12個の積層×1.7mm積層の幅×156mm電池セルの長さ×20個のストリング=63648mm)である。従来のアセンブリは37440mm(従来のアセンブリの遮蔽は、電池セルに対するバスバーの遮蔽に由来しており、本実施例に対応する従来のアセンブリとしては、一セルの電池セルが50枚に対応する。それゆえ、総遮蔽面積が、1.2mmバスバーの幅×156mm電池セルの長さ×4本のバスバー/電池セル×50枚の電池セル=37440mm)である。本考案の遮蔽面積は従来のアセンブリより26208mm大きくなる。これは、従来の一セルの電池セル面積が156mm×156mm=24336mmなので、一枚の電池セルを遮蔽することに相当する。そのため、電力増加の概略の値が15.1−4.9=10.2Wになる。
【0015】
従来のアセンブリはサイズが1640×828mm、面積が1.36mである。電力の理論的な概略の値が245W、変換効率が18%である。本考案のアセンブリはサイズが1623×812mm、面積が1.32mであり、電力の理論的な概略の値は、245+10.2=255.2W、変換効率が19.3%である。したがって、本考案によれば、アセンブリの変換効率を1%以上増加することができる。
【0016】
3.カスケード状の構造は、複数回の試験を経たのち、最終的に導電性接着剤で接着する構造に決定した。また、中間の重ね合わせ部の幅は、1.5〜2mmに設定した。カスケード状の構造の電池セルの間の部分は、平坦化されていないが、影響を及ぼすことはない。その理由は、導電性接着剤に下地がシリカゲルの導電性接着剤を選択しており、この導電性接着剤は、一定の弾性を有するためである。すなわち、本考案のセル同士の接続方法は、剛性接続ではなく、弾性接続になっている。また、アセンブリの生産過程において、電池セルの上下部分はいずれもEVA材質により封止されている。カスケード状の階段部をEVAで充填することで、電池セルの間が平坦でなくても影響を及ぼすことはない。
本考案の太陽電池アセンブリは、さらにホットスポット効果下で温度が低いという長所を有する。それは、カスケード状の構造を導電性接着剤で接着する構造を採用したためであり、具体的な原理は以下の通りである。
【0017】
ホットスポットとは、太陽電池アセンブリに太陽光が直接照射される際、例えばある一枚の電池セルの一部が遮光されると、電池セルが実質的に一つのダイオードとなり、電流が負荷になって発熱することである。これは、一般にホットスポット効果と呼ばれるものである。従来のアセンブリは、電池セルにおいて、バスバー電極に遮蔽される箇所がダイオードとして動作して発熱した際、放熱手段は、溶接ワイヤ、および環境による自然放熱のみでなされることになる。しかし、この溶接ワイヤは面積が小さいことから、高温になりやすい。通常、ホットスポット温度に対しては制限があり、高すぎる場合、火災等の安全上の問題が発生する。本考案の覆瓦構造は、積層した領域が遮蔽面になっている。これら遮蔽された面は、同じブロックにおける遮蔽されない大きな面積部分、およびそれに隣接する電池セルに直接接続される。すなわち、電池セルのセル同士は、直接伝導されることで、発熱面が大きくなり、温度低下を促進する。従って、ホットスポット効果下において、相対的に温度がより低化する効果を有するため、電池セルの長寿命化が図れる。このように、熱量の伝導は、従来のアセンブリの構造と、本考案の電池セルのセル同士の直接伝導の構造とでは、差異が比較的大きい。通常のホットスポット試験において、ホットスポット点の温度は、80度程度だが、本考案の覆瓦アセンブリのホットスポット点の温度は50度程度にまで制御が可能であるから、価値の高いアセンブリの普及に貢献するものである。
【0018】
重ね合わせ部の幅を1.5〜2mmに選択した理由は、封止前の生産過程において、1.5mmより小さいと、電池セルの一部に浮きが発生するリスクが存在し、生産に不利になるためであり、また、上限を2mm未満とすることで遮蔽面積を減少させ、上述した問題を軽減させるためである。
【0019】
4.本考案が、一セルの電池セルを5つの小片に切断して使用することを選択する理由は次の通りである。
本考案において、理論上では、一セルの電池セルを小さく切断するほど良好なアセンブリが得られることになる。消費電力はIRで算出できるため、その理論に基づけば、小さく切断することで、I値がより小さくなるからである。しかし、考案者らは、複数回の試験、計算、照合等を経た結果、5つの小片に切断することが最も好適であることを見出した。1/6切断、および1/5切断を比較した例について以下に説明する。
【0020】
1/5の切断のアセンブリの変換効率の値は前述した通りである。以下、1/6の切断に関する態様を述べる。従来のアセンブリはセル同士の間隔が合計45個あり、その間隔の空白部分は90mmである。13枚のストリングのアセンブリを例にすると、1/6切断では15枚に切断することになる。本考案の配列は、セル同士をカスケード状に積層して載置しており、積層された部分は1.5〜2mmであり、積層数は合計300個であり、積層して節減された距離は420〜560mmである。
【0021】
これら合計で約480〜650mmが節減され、電池セルのサイズが156mm×156mmであり、ゆえに、本考案は、電池セルを三枚多く載置できる。これによる電力増加が理論的に14.7W程度になる。
【0022】
上述した第一点、および第二点から分かるように、本考案は、理論的に増加可能な電力は19.7Wになるが、本考案では、積層後に電池セル自身に対する遮蔽面積が87360mmであり、従来のアセンブリの遮蔽面積は44928mmなので、遮蔽面積は従来のアセンブリより、42432mm大きくなる。また、従来の一セルの電池セルの面積は、24336mmなので、これは1.8枚の電池セルを遮蔽したことに相当する。そのため、電力増加の概略の値が10.88Wになる。
【0023】
本考案において、1/5に切断する際に増加する電力は10.2Wである。1/6に切断するのに比較すると10.88Wに増加する。1/6切断の場合、1/5切断に比較すると電力の増加量は0.86Wであり、増加率は0.277%になる。一セルに対して切断が1/5までであれば電力増加率は非常に少ない。生産過程における電池セル切断のスループット、およびディスペンス溶接過程におけるスループットを考慮すれば、1/6切断のプロセスは、1/5切断のプロセスよりスループットが20%低下する。これは、設備の20%増資に匹敵し、最高の経済効果を達成できない。従って、最大でも、1/5切断を選択することが最も好ましいという結論に至った。
【0024】
5.本考案では、電池セルストリングが、実質的にN(3≦N≦20)枚の電池セル切断片の接着を含むことを選択している。図面には五つのストリングが並列接続されることを例示している。ここで、合計M(2≦M≦7)ストリングが並列接続されて一つのモジュールを形成しているが、その理由は以下の通りである。
電池セルが発電ユニットとして機能する際、電池セルは発光ダイオードになる。そして、実質的な環境において時には、遮蔽されることがある。つまり、他の部分が発電し、遮蔽部分が発電しない場合に、電池セルは一つの通常のダイオードになるのである。二つの電池セルが通常のダイオードになると、その理論的な破壊電圧を算出すれば、略30Vである。従って、電池セルを直列接続する際には50枚を超えてはならないことになる。つまり、ストリングの数は25枚を超えてはならない。さらに、安全性を考慮すれば、ストリングの数は最大値を20枚、最小値を3枚とするのが望ましく、条件式で表せば3≦N≦20となる。さらに、10≦N≦18の数値を選択することがより好ましい条件である。
【0025】
6.ダイオードの配列に関し、本考案は、線を延伸して複数のダイオードを物理的に一緒の位置に設置する方式を採用したため、生産が容易になっている。
それゆえ、従来の技術に比較して、本考案の有効な作用効果は、切断パラメータを適切な数に設定して結晶シリコン電池セルを切断することで、同一の電圧降下の場合に、内部抵抗による損失を低減し、アセンブリのモジュールのストリング抵抗による消費電力を低減できる。同時に、従来のアセンブリのスペース部分を有効に利用して、発電可能な電池セルを有效面積内にできる限り多く配列することができる。上記の2種類の技術を効果的に組み合わせることで、基本的にアセンブリの変換効率を1%以上増加する効果を奏し、アセンブリの変換効率を最大で19%以上に向上させることが可能である。同時に、本考案の太陽電池アセンブリは、ホットスポット効果下で温度が低いという長所をさらに有しているため、価値の高いアセンブリの普及に貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本考案は例および図面を参照して説明する。
【図1】背景技術における従来のアセンブリの配列の構造模式図である。
【図2】本考案の実施例1中の電池セル切断片を導電性接着剤で接着する模式図である。
【図3】本考案の実施例1中の電池セルストリングの間を互いに並列接続して一つのモジュールを形成する構造模式図である。
【図4】本考案の実施例1中のモジュールを互いに直列接続して接続タブ線およびダイオードを結合してアセンブリを形成する構造模式図である。

【0027】
本明細書に開示されているすべての特徴、または開示されているすべての方法または工程におけるステップは、互いに矛盾する特徴および/またはステップでない限り、如何なる方式により組み合わせてもよい。
【0028】
本明細書(如何なる付加の特許請求の範囲、要約および図面も含む)に開示されている如何なる特徴も、特に説明しない限り、いずれも他の等価または類似する目的を有する代替の特徴に置き換えることができる。すなわち、特に説明しない限り、それぞれの特徴は、一連の等価または類似する特徴のうちの一つの例に過ぎない。
【0029】
図1に、背景技術における従来のアセンブリの配列方式を示す。
【0030】
実施例1
図2〜図4に、本考案の太陽電池アセンブリの実施態様を示す。図に示すように、本考案の陽電池アセンブリは、カスケード状に配列される太陽電池アセンブリであって、アセンブリには、4つの互いに直列接続されたモジュールが含まれており、モジュール間に、保護用のダイオードがさらに並列接続されており、当該モジュールは、いずれも互いに並列接続された5つの電池セルストリングが含まれている。電池セルストリングは、いずれも一セルの結晶シリコン電池セルが五等分に切断された13枚の電池セル切断片を含み、電池セル切断片の間は、導電性接着剤によりカスケード状に接着されている。各電池セル切断片における電極は一体に接着して形成されており、2枚の電池セル切断片の間のカスケード状に接着接続された積層被覆幅は1.5〜2mmになっている。
【0031】
導電性接着剤は、下地がシリカゲルの導電性接着剤である。
【0032】
電池セル切断片の生産工程は、まず、それぞれの電池セル切断片の正面、裏面がいずれも互いに交互になる辺縁上に電極が配置されるよう設計し、その後、切断する際に、電極の配列位置で切断を行う。電極の配列は、従来の技術と同様である。
【0033】
ダイオードは、リード線が一体に延伸するよう配列されており、生産性を容易にしている。具体的には、図2に示されるように、一セルの結晶シリコン電池セルを切断し、特定の性能の導電性接着剤を用いてカスケード状に接着し、図3に示されるように、一つのストリングにカスケード状に接着する。図面にはそれぞれのストリングの数が13枚であるものを例示しており、ストリング同士は並列接続され、図面には五つのストリングが一つのモジュールとして並列接続される例を示している。また、図4に示されるように、モジュール同士は互いに直列接続されており、さらに通常の接続タブ線の追加プロセスを組み合わせることで、それぞれのモジュールの間にダイオードを接続してアセンブリが形成される。
【0034】
具体的な効果は次の通りである。
1.アセンブリモジュールの内部抵抗による消費電力の低減。
13枚のストリングのアセンブリが対応する通常のアセンブリの数値:
通常のアセンブリは、内部抵抗が80ミリオーム、電流が8.4A、正常の理論消費電力が5.6W程度である。本考案による13枚のストリングのアセンブリは、内部抵抗が依然として80ミリオームだが、電流値は1/5、すなわち1.68Aへ低下し、そのときの理論消費電力は0.226W程度に低減する。両者の消費電力差の理論値は5.374Wを実現する。
【0035】
2.有効面積内への発電可能な電池セル配列の増量。
従来の電池セルは、導電金属ストリップに正極、負極を接続し、電池セル同士の自身の短絡を回避するために、電池セル同士を2mm隔てる必要があった。電池セル同士の間隔が合計45個のとき、必要な間隔は90mm必要であった。本考案の配列は、セル同士をカスケード状に積層載置しているため、ストリング13枚の電池セル切断片は2.6枚分の電池セルに相当するほど面積を小さなものとする。すなわち、本考案の配列は、積層された部分が1.5〜2mmのため、合計240個を積層した場合、セルの間の間隔は360〜480mm節減される。これらにより合計約450〜570mmが節減される。電池セルのサイズを156mm×156mmとした場合、本考案によれば、従来と比較して同じサイズでありながら二枚分多く電池セルを載置できる。しかも、電力量の増加は理論的に9.8W程度に抑制できる。
【0036】
上述した第一点および第二点で説明したように、本考案によって、理論的に増加可能な電力量は15.1Wである。本考案は、積層後に電池セル自身に対する遮蔽面積が63648mm(12個の積層×1.7mm積層の幅×156mm電池セルの長さ×20個のストリング=63648mm)であり、従来のアセンブリは37440mm(従来のアセンブリの遮蔽は、電池セルに対するバスバー電極の遮蔽に起因する。本実施例では、50枚電池セルに対応させており、総遮蔽面積は、1.2mmバスバーの幅×156mm電池セルの長さ×4本のバスバー/電池セル×50枚の電池セル=37440mm)であるので、本考案の遮蔽面積は通常のアセンブリより26208mm大きくなる。通常、一セルの電池セル面積が156mm×156mm=24336mmなので、一枚の電池セルを遮蔽したことに相当する。そのため、電力増加の概略の値が15.1−4.9=10.2Wを実現する。
【0037】
従来のアセンブリは、サイズが1640×828mm、面積が1.36mである。電力の理論的な概略の値は245W、変換効率は18%である。本考案のアセンブリは、サイズが1623×812mm、面積が1.32mである。電力の理論的な概略の値は245+10.2=255.2W、変換効率が19.3%である。したがって、本考案によれば、アセンブリの変換効率を1%以上増加することが可能である。
【0038】
3.導電性接着剤で接着する階段形状の構造は、中間の重ね合わせは、幅が1.5〜2mmである。カスケード状の構造の電池セルの間は平坦ではないが、影響を及ぼすことはない。それは、採用した導電性接着剤は、下地がシリカゲルの導電性接着剤であるため下地に弾性があるためである。すなわち、本考案のセル同士の接続は、剛性接続ではなく弾性接続になっている。また、アセンブリの生産過程において、電池セルの上下部分はいずれもEVA材質により封止され、カスケード状の階段部はEVAで充填されるため、電池セルの間が平坦でなくても影響を及ぼすことがない。
【0039】
本考案は、重ね合わせ幅を1.5〜2mmに設定している。これは、封止する前の生産過程において、1.5mmより小さければ、階段における電池セルの一部に浮きが生じるリスクが存在し、生産に不利になるためである。また、重ね合わせ幅を2mm未満にすることで遮蔽面積をできるだけ減少させるためである。
【0040】
4.本考案が、一セルの電池セルを5つの小片に切断して使用することを選択する理由は次の通りである。
本考案において、理論上では、一セルの電池セルを小さく切断するほど良好なアセンブリが得られることになる。消費電力はIRで算出できるため、その理論に基づけば、小さく切断することで、I値がより小さくなるからである。しかし、考案者らは、複数回の試験、計算、照合等を経た結果、5つの小片に切断することが最も好適であることを見出した。1/6切断、および1/5切断を比較した例について以下に説明する。
【0041】
1/5の切断のアセンブリの変換効率の値は前述した通りである。以下、1/6の切断に関する態様を述べる。従来のアセンブリはセル同士の間隔が合計45個あり、その間隔の空白部分は90mmである。13枚のストリングのアセンブリを例にすると、1/6切断では15枚に切断することになる。本考案の配列は、セル同士をカスケード状に積層して載置しており、積層された部分は1.5〜2mmであり、積層数は合計300個であり、積層して節減された距離は420〜560mmである。これら合計で約480〜650mmが節減され、電池セルのサイズが156mm×156mmであり、ゆえに、本考案は、電池セルを三枚多く載置できる。これによる電力増加が理論的に14.7W程度になる。
【0042】
上述した第一点、および第二点から分かるように、本考案は、理論的に増加可能な電力は19.7Wになるが、本考案では、積層後に電池セル自身に対する遮蔽面積が87360mmであり、従来のアセンブリの遮蔽面積は44928mmなので、遮蔽面積は従来のアセンブリより、42432mm大きくなる。また、従来の一セルの電池セルの面積は、24336mmなので、これは1.8枚の電池セルを遮蔽したことに相当する。そのため、電力増加の概略の値が10.88Wになる。
【0043】
本考案において、1/5に切断する際に増加する電力は10.2Wである。1/6に切断するのに比較すると10.88Wに増加する。1/6切断の場合、1/5切断に比較すると電力の増加量は0.86Wであり、増加率は0.277%になる。一セルに対して切断が1/5までであれば電力増加率は非常に少ない。生産過程における電池セル切断のスループット、およびディスペンス溶接過程におけるスループットを考慮すれば、1/6切断のプロセスは、1/5切断のプロセスよりスループットが20%低下する。これは、設備の20%増資に匹敵し、最高の経済効果を達成できない。
【0044】
5.本考案では、電池セルストリングが、実質的にN(3≦N≦20)枚の電池セル切断片の接着を含むことを選択している。図面には五つのストリングが並列接続されることを例示している。ここで、合計M(2≦M≦7)ストリングが並列接続されて一つのモジュールを形成しているが、その理由は以下の通りである。
【0045】
電池セルが発電ユニットとして機能する際、電池セルは発光ダイオードになる。そして、実質的な環境において時には、遮蔽されることがある。つまり、他の部分が発電し、遮蔽部分が発電しない場合に、電池セルは一つの通常のダイオードになるのである。二つの電池セルが通常のダイオードになると、その理論的な破壊電圧を算出すれば、略30Vである。従って、電池セルを直列接続する際には50枚を超えてはならないことになる。つまり、ストリングの数は25枚を超えてはならない。さらに、安全性を考慮すれば、ストリングの数は最大値を20枚、最小値を3枚とするのが望ましく、条件式で表せば3≦N≦20となる。さらに、10≦N≦18の数値を選択することがより好ましい条件である。
【0046】
6.ダイオードの配列に関し、本考案は、線を延伸して複数のダイオードを物理的に一緒の位置に設置する方式を採用したため、生産が容易になるという特徴がある。
【0047】
7.本考案の太陽電池アセンブリにホットスポット効果下で温度が低いという長所をさらに有する。具体的な原理は次の通りである。
ホットスポットとは、太陽電池アセンブリに太陽光が直接照射される際、例えばある一枚の電池セルの一部が遮光されると、電池セルが実質的に一つのダイオードとなり、電流が負荷になって発熱することである。これは、一般にホットスポット効果と呼ばれるものである。従来のアセンブリは、電池セルにおいて、バスバー電極に遮蔽される箇所がダイオードとして動作して発熱した際、放熱手段は、溶接ワイヤ、および環境による自然放熱のみでなされることになる。しかし、この溶接ワイヤは面積が小さいことから、高温になりやすい。通常、ホットスポット温度に対しては制限があり、高すぎる場合、火災等の安全上の問題が発生する。本考案の覆瓦構造は、積層した領域が遮蔽面になっている。これら遮蔽された面は、同じブロックにおける遮蔽されない大きな面積部分、およびそれに隣接する電池セルに直接接続される。すなわち、電池セルのセル同士は、直接伝導されることで、発熱面が大きくなり、温度低下を促進する。従って、ホットスポット効果下において、相対的に温度がより低化する効果を有するため、電池セルの長寿命化が図れる。このように、熱量の伝導は、従来のアセンブリの構造と、本考案の電池セルのセル同士の直接伝導の構造とでは、差異が比較的大きい。通常のホットスポット試験において、ホットスポット点の温度は、80度程度だが、本考案の覆瓦アセンブリのホットスポット点の温度は50度程度にまで制御が可能であるから、価値の高いアセンブリの普及に貢献するものである。
【0048】
以上述べたように、本考案によれば、結晶シリコン電池セルを切断することで、同一の電圧降下の場合に、内部抵抗による損失を低減し、アセンブリのモジュールのストリング抵抗による消費電力を低減できる。同時に、従来のアセンブリのスペース部分を有効に利用して、発電可能な電池セルを有效面積内にできる限り多く配列することができる。上記の2種類の技術を効果的に組み合わせることで、基本的にアセンブリの変換効率を1%以上増加する効果を奏し、アセンブリの変換効率を最大で19%以上に向上させることが可能である。同時に、本考案の太陽電池アセンブリは、ホットスポット効果下で温度が低いという長所をさらに有しているため、価値の高いアセンブリの普及に貢献するものである。
【0049】
実施例2
前記各電池セルストリングは、いずれも一セルの結晶シリコン電池セルが五等分に切断された17枚の電池セル切断片を含み、他の技術的特徴は実施例1と同様であり、上記原理から分かるように、その有益な効果は実施例1に相当する。
【0050】
本考案は前述の具体的な実施形態に限定されない。本考案は、本明細書に開示されたいかなる新たな特徴またはそれらの新たな組み合わせ、および開示されたいかなる新たな方法または工程におけるステップ、またはそれらの新たな組み合わせにも展開できる。


(57)【要約】

【課題】空間利用率の向上、内部損失の低化、アセンブリの変換効率の向上等の技術課題を解決した太陽電池アセンブリを提供する。【解決手段】カスケード状に配列される太陽電池アセンブリであって、幾つかの互いに直列接続されたモジュールが含まれており、モジュール間に保護用のダイオードがさらに並列接続されており、モジュールは、いずれも互いに並列接続された2〜7つ電池セルストリングを含み、電池セルストリングは、いずれも一セルの結晶シリコン電池セルが五等分に切断された3〜20枚の電池セル切断片を含み、電池セル切断片の間は、特定性能の導電性接着剤によりカスケード状に接着されており、各電池セル切断片における電極を接着して一体に形成される。カスケード状に接着接続された2枚の電池セル切断片の間の積層被覆幅が1.5〜2mmである。


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