(54)【考案の名称】住空間区画用パネル組立構造

(73)【実用新案権者】株式会社エス・ワールド

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、住空間区画用パネル組立構造に関する。

【従来の技術】

【0002】
従来、既存の住居を世帯形態の変化やライフスタイルの多様化に対応できる住空間として再生させるため、パネルと家具を組み合わせることにより、柱や梁を使用しなくとも自立可能とする衛生設備付き多機能家具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この提案によれば、工場で製作したパネルと家具とを現場で組み立てることにより、既存住居の改修を短工期で行えるとされている。
【0003】
また、釘やねじを用いることなく、2つの金具のうち一方を回転して他方の金具に係合させることにより、2つのパネルを所定の連結面において互いに直角に交わる組み立て状態に保持する組立用金具が知られている(例えば、特許文献2参照)。このような組み立て用の金具は、ノックダウン金具などとも呼ばれ、例えば、工場生産された家具や住居用組立体を分解すなわちノックダウンして搬送し、設置現場において組み立てる場合に活用される。
【0004】

【効果】

【0010】
本考案の住空間区画用パネル組立構造によれば、天板パネルを上下動する作業空間が壁パネルの上方になくとも、壁パネルの上端面に天板パネルをスライド移動して配置し連結して区画することにより、より大きい住空間を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本考案の一実施形態に係る住空間区画用パネル組立構造の要部分解斜視図。
【図2】同パネル組立構造の天板パネルを壁パネルの上端面の所定位置に配置する手順を説明する要部断面図。
【図3】図2に対応する斜視図。
【図4】図2の天板パネルと壁パネルとを連結した状態の要部断面図。
【図5】同パネル組立構造における下部係合具の可動爪を突出させた斜視図。
【図6】(a)は同パネル組立構造の実施例の組み立て途中段階を示す斜視図、(b)は同実施例の組み立て完成後の斜視図。
【図7】(a)(b)はそれぞれ図6(a)(b)の断面図。
【図8】同パネル組立構造の他の実施例を示す平面断面図。
【図9】図8の要部の天板パネルを透視した平面図。

【0012】
以下、本考案の一実施形態に係る住空間区画用パネル組立構造について、図面を参照して説明する。図1乃至図5に示すように、住空間区画用パネル組立構造(以下、パネル組立構造)1は、立設される壁パネル2と、壁パネル2の上端面2aに連結され、水平配置される天板パネル3と、下部係合具4と、上部係合具5と、を備えている。壁パネル2および天板パネル3は、住空間の室内用化粧パネルとして機能するものである。下部係合具4と上部係合具5は、それぞれ壁パネル2と天板パネル3の所定位置に備えられてこれらのパネルを連結する。本実施形態では、各パネル2,3が連結されることにより、区画された住空間10が、壁パネル2の主面2eと天板パネル3の下面3aとに面した空間として形成される。なお、住空間10は、ある住空間を区画して成る部分空間としての概念を含み、また、新たに区画して形成される住空間としての概念を含む。
【0013】
壁パネル2は、厚みを有する矩形平板状のパネルである。壁パネル2は、その上端面2aの所定位置に、下部係合具4を収納するための凹部2bと深溝2cとを有している。凹部2bは、壁パネル2の主面2eつまり住空間10に向いた面と上端面2aの成す交線の方向に沿って形成されている。深溝2cは、凹部2bの中央部を彫り込んで形成されている。深溝2cの側面中央には、壁パネル2の主面2eに開口する横穴2dが形成されている。
【0014】
天板パネル3は、厚みを有する矩形平板状のパネルである。天板パネル3は、その下面3aの所定位置に、上部係合具5を収納するための凹部3bと、可動爪43の動作空間となる深溝3cとを有している。
【0015】
下部係合具4は、金属または剛性のある材料で作製され、係合基部40と、係合基部40に保持された可動爪43と、を有している。係合基部40は、下部係合具4を壁パネル2に固定するための略長方形の鍔部41と、可動爪43を収容保持するための円形袋状の収容部42とを有する。鍔部41は、その長手方向の両端に、固定ねじ90を挿通する座繰り貫通孔を有し、その中央部に、収容部42の内部に連通する開口41aを有している。収容部42は、鍔部41の下面に接合されて垂下しており、その内部に可動爪43を収容し、可動爪43の回転軸43aを回動自在に軸支している。回転軸43aの端面には、六角レンチ91を挿入して可動爪43を回動させて開口41aから出没させるための六角穴が形成されている。可動爪43は、回転軸43aの回転によって開口41aからの出没の動作がなされる(図5参照)。
【0016】
下部係合具4は、係合基部40を壁パネル2の凹部2bと深溝2cに納められ、固定ねじ90によって壁パネル2に固定されて、上端面2aよりも内部側に埋没した状態となる(図2参照)。可動爪43は、上端面2aから出没自在に係合基部40に保持され、収容部42の内部に没した状態では、開口41aよりも内部に収納される。壁パネル2の横穴2dは、壁パネル2に固定された下部係合具4の可動爪43を回転操作する際に六角レンチ91を挿入する作業孔である。可動爪43は、壁パネル2と天板パネル3とが区画して成す住空間10側から操作されて出没の動作がなされる構造となっている。横穴2dは、使用されないときは化粧栓92によって塞がれる。
【0017】
上部係合具5は、略長方形の金属板51で形成され、その長手方向の両端に、固定ねじ90を挿通する座繰り貫通孔を有し、その中央部に、可動爪43が係合される係合部52を有する。係合部52は、金属板51の長手方向に並列して形成された2つの開口51aによって挟まれた部分である。開口51aは、係合部52に係合する可動爪43の先端爪部すなわち係合爪43b(図2)が回転移動する通路となる。上部係合具5は、金属板51を天板パネル3の凹部3bに納められて固定ねじ90によって天板パネル3に固定され、下面3aよりも内部側に埋没した状態となる(図2参照)。
【0018】
次に、パネル組立構造1を施工現場で組み立てる手順を説明する。壁パネル2および天板パネル3は、予め工場において下部係合具4および上部係合具5がそれぞれ所定の位置に収納、組み付けられて生産され、それらが施工現場に運ばれ、現場で組み立てられる。図2、図3に示すように、壁パネル2は、その上端面2aよりも内部側に下部係合具4を埋没させた状態で所定位置に立設される。また、天板パネル3は、その下面3aよりも内部側に上部係合具5を埋没させた状態で壁パネル2の上端面2aの高さ位置に配置される。立設された壁パネル2の上端面2aに天板パネル3の下面3aを密接させた状態で天板パネル3を所定位置までスライド移動させる。
【0019】
天板パネル3が壁パネル2の上端面2aの所定位置にある状態で、図4、図5に示すように、可動爪43を六角レンチ91により回転させる。可動爪43の回転により、係合爪43bは、壁パネル2の上端面2aから突出して上部係合具5の係合部52の上方に回り込み、係合部52に係合され、壁パネル2と天板パネル3が連結される。
【0020】
下部係合具4と上部係合具5の係合は、係合爪43bが係合部52を羽交い締めにする構造であり、可動爪43の回転に応じて強化される。可動爪43の回転に応じて、より大きな操作力が加えられ、同時に、係合は強化される。係合爪43bと係合部52との機械的摩擦により、係合状態が保持されて緩まなくなり、壁パネル2と天板パネル3の密着度が高まり、耐震強度も大きくなる。
【0021】
このようにして、予め工場にて生産された壁パネル2と天板パネル3が施工現場に運ばれ、現場で組み立てられるので、現場での工期を短縮でき、また、高品質を保つことができる。しかも、立設させた壁パネル2に対して天板パネル3をスライド移動させてそれらの組み付けを完成することができるので、立設した壁パネル2の上方に作業空間がなくとも容易に作業を行うことができる。また、これら壁パネル2と天板パネル3により区画される住空間区画は、限度いっぱいに広く取ることができる。
【0022】
次に、図6、図7を参照して、パネル組立構造1の実施例を説明する。図6(a)に示すように、パネル組立構造1は、コンテナ7の内部に、1つの区画された住空間10を形成するために用いられる。コンテナ7は、例えば海上貨物輸送用のコンテナや列車貨物輸送用のコンテナである。コンテナ7は、両側壁71と、天井72と、床73と、奥壁や扉などを有し、略直方体の内部空間を構成する。コンテナ7の内部に住空間10を形成するために、側壁71の内側には適宜数の壁パネル2が立設され、床73には適宜の床パネル6が敷設され、天井72の内面側には天板パネル3が設置される。
【0023】
壁パネル2は、それぞれ上端面2aよりも内部側に埋没した下部係合具4を備えている。天板パネル3は、その下面よりも内部側に埋没した上部係合具5を備えている。天板パネル3は、コンテナ7の天井下面72aと、壁パネル2の上端面2aとの隙間に、両側の壁パネル2の上部を橋渡しする態様で挿入される。天板パネル3の挿入は、壁パネル2の上端面2aに天板パネル3の下面3aを密接させた状態でスライド移動して行われる。図6(b)に示すように、コンテナ7には、必要数の天板パネル3が順次挿入され、下部係合具4と上部係合具5とによって、天板パネル3が壁パネル2に連結され固定される。
【0024】
図7(a)(b)に示すように、パネル組立構造1によって、コンテナ7の内部に住空間10が形成される。パネル組立構造1において、壁パネル2および天板パネル3は、コンテナ7の内部に配置され、壁パネル2の上端面の高さHは、コンテナ7の天井の高さLよりも天板パネル3の厚さtと所定のクリアランスxを含めた高さΔH分だけ低い。高さHは、コンテナ7の天井下面72aと壁パネル2の上端面2aとの隙間の高さである。この隙間は、天板パネル3の厚さtに壁パネル2の上端面2aからの可動爪43の突出高さを加えた量よりも小さくすることができる。クリアランスxは、可動爪43が上端面2aから突出していると天板パネル3の移動ができないような最小の寸法とすることができる。パネル組立構造1によると、壁パネル2の上方に天板パネル3を上下動する作業空間がなくとも、壁パネル2の上端面2aに天板パネル3を配置して固定することができる。これは、可動爪43を、壁パネル2の上端面2aから後退させ、壁パネル2の内部側に埋没させることにより、天板パネル3を上端面2aに沿ってスライド移動できることによる。
【0025】
パネル組立構造1は、上記の例に限られず、コンテナ7の内部に、複数の区画された住空間10を形成することができる。また、パネル組立構造1は、コンテナ7に限られず既設住宅の内部に住空間10を形成する場合に適用することができる。パネル組立構造1は、例えば、RC造やSRC造の中古ワンルームマンションや木造住宅などの内部空間に、上下方向の空間を最大限に有効利用してリニューアルする際に、好適に用いられる。例えば、既設の内部空間の壁面や天井面に、壁紙などを張ることに変えて、パネル組立構造1を構成する壁パネル2や天板パネル3を設置することができる。
【0026】
壁パネル2と天板パネル3は、工場生産された建築用のパネルである。これらのパネルには、所定の位置に、下部係合具4や上部係合具5が工場内で取り付けられている。下部係合具4は、壁パネル2の上端面2aの任意位置に、任意個数を取り付けるようにすることができる。
【0027】
壁パネル2は、コンテナや既設住宅の壁面に密接または近接して立設することに限られず、それらの壁面から通路などの空間を介在させて立設してもよい。また、天板パネル3における、壁パネル2に連結される位置は、天板パネル3の下面3aの辺縁部に限られず、下面3a内の任意位置とすることができる。また、壁パネル2に対して天板パネル3をスライド移動させる方向は、壁パネル2の主面に沿った方向に限られず、主面に交差する方向からスライド移動させてもよい。これは、例えば、マンションなどの広い室内空間内の中央部に、パネル組立構造1を設置する場合に、このようなスライド移動が行われる。
【0028】
次に、図8、図9を参照して、パネル組立構造1の他の実施例を説明する。パネル組立構造1は、既設住宅8の矩形の住空間10内に設定された間取位置80に集中的に形成されている。このパネル組立構造1は、水回りユニットA,B,C,Dの外周囲に沿って壁パネル2および天板パネル3(31,32,33,34)を配置して成る。ユニットEは、壁パネル2および天板パネル3によって形成された家具、例えば収納棚である。住空間10は、パネル組立構造1によって形成された生活のコアとなる空間と、それ以外のフリーの空間とに区画されている。
【0029】
ユニットAは風呂、ユニットBはトイレ、ユニットCは洗面、洗濯および脱衣、ユニットDはキッチンの用途のユニットである。これらのユニットは、いずれも水の使用に関わり、日常生活にコアとなる、つまり必須の設備である。ユニットAの風呂は、ユニットバスであり、それ自身で6面を囲まれた1個の空間を形成している。ユニットAは壁パネル2によって3面を囲まれているが、天板パネル3は用いられていない。
【0030】
ユニットB,C,Eの各々は、大略3面を壁パネル2によって囲まれ、壁パネル2の上端面に配置されている下部係合具4を用いて、天板パネル31,32,33,34によって、空間上部が覆われている。ユニットB,C,Eの一部の壁パネル2は、ユニットAを囲む壁パネル2として用いられている。ユニットAは、天板パネル3を上部に連結した壁パネル2によって3面を囲まれており、また、それ自身で天井構造を有しているので、天板パネル3は用いられていない。
【0031】
上述のように、本実施形態のパネル組立構造1によれば、壁パネル2と天板パネル3によって区画された、より大きく空間を活用できる住空間10を形成できる。また、パネル組立構造1の壁パネル2と天板パネル3は、下部係合具4と上部係合具5の係合によって組み立てられるので、係合を解除することによってパネル組立構造1を容易に分解することができる。つまり、下部係合具4と上部係合具5は、組立分解自在のノックダウン金具として用いることができる。従って、壁パネル2と天板パネル3は、工場で生産し、工場から直接運ばれたパネルを、そのまま現場で組み立てるノックダウン方式によって、パネル組立構造1とすることができ、短期施工と全体工期短縮を実現できる。現場での工期の短縮は、全体的なコスト軽減を実現できる。壁パネル2と天板パネル3は、工場生産によって高品質を保つことができ、高品質、付加価値のパネル組立構造1を実現できる。
【0032】
パネル組立構造1は、ノックダウン方式で組み立てられるので、住空間を構成する自由度が大きく、ユーザが住空間を自分流にアレンジでき、自分らしさを生かした個性的な自慢のできる住空間を演出でき、新しいライフスタイルを創造できる。パネル組立構造1は、生活に必須の水回りユニットを中心に据えてコアを形成し、その外周囲に沿って壁パネル2と天板パネル3を配置して形成できる。従って、パネル組立構造1によれば、水回りユニットの配置を自由にフリーに決定して固定した上で、行動範囲が合理的となる部屋を構成でき、水まわりに機能的な家事動線を形成でき、フリーコアの構造を実現できる。壁パネル2と天板パネル3は、工場生産時に、表面仕上素材を選ぶことができ、家具仕様において表面素材や仕上を選択することができる。また、水回りユニットは、床、壁、天井などの構造材とは別に、水まわり設備のそれぞれを一体化したものを用いることができる。このような水回りユニットにパネル組立構造1を組み合わせることにより、住空間に豊かさを創造でき、リノベーションや新築のレイアウト、設計に適用でき、工期を短縮することができる。
【0033】
なお、本考案は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態や実施例の構成を互いに組み合わせた構成とすることができる。下部係合具4と上部係合具5は、上記構成のものに限られることなく種々の係合具を用いることができる。壁パネル2は、その上端面2aにレール溝を設けて、レール溝内の任意の位置に下部係合具4を取付可能とすることができ、これにより、下部係合具4の位置を変更する設計変更に臨機に対応できる。壁パネル2は、その壁面に他の部材を取り付けて棚、収納庫、鏡台や鏡設置壁、などの家具を構成したものであってもよい。
【0034】
また、本実施形態における天板パネル3は、立設される壁パネルであっても構わない。すなわち、この場合、パネル組立構造は、立設される複数の壁パネル同士が連結されて住空間を区画するものとなり、コンテナや既設住宅の躯体に対して最大限の住空間を区画形成することができる。この場合、請求項に言う水平配置される天板パネルは、立設される壁パネルとなり、そのようなものも請求項の技術的範囲に含まれる。
【0035】
1 パネル組立構造(住空間区画用パネル組立構造)
10 住空間
2 壁パネル
2a 壁パネルの上端面
3,31,32,33,34 天板パネル
3a 天板パネルの下面
4 下部係合具
40 係合基部
43 可動爪
5 上部係合具
7 コンテナ
8 既設住宅
A,B,C,D 水回りユニット
H 壁パネルの上端面の高さ
L 天井の高さ
t 天板パネルの厚さ
x 所定のクリアランス

(57)【要約】

【課題】本考案は、壁パネルの上方に天板パネルを上下動する作業空間がなくとも壁パネルの上端面に天板パネルを配置して連結できる住空間区画用パネル組立構造を提供する。【解決手段】パネル組立構造1は、立設される壁パネル2と、壁パネル2の上端面2aに連結され水平配置される天板パネル3とを備える。壁パネル2はその上端面2aの内部側に埋没した下部係合具4を備え、天板パネル3はその下面3aの内部側に埋没した上部係合具5を備える。下部係合具4は上端面2aから出没自在に係合基部40に保持された可動爪43を有する。壁パネル2と天板パネル3は、可動爪43が上端面2aから没した状態で、上端面2aに下面3aを密接させてスライド移動自在である。壁パネル2と天板パネル3が組み立てられた状態において、可動爪43が壁パネル2の上端面2aから突出して上部係合具5に係合され、パネル組立構造1により住空間10が区画される。


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