(54)【考案の名称】シール付カード

(73)【実用新案権者】アイワ産業株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図3

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案はシール付カードに関し、特にカードの表面に樹脂盛り加工によりシールを設けたものである。

【従来の技術】

【0002】
カードは、方形・厚紙状のカード本体に、文字要素や、絵模様・写真などの図柄要素や、定期券やキャッシュカードなどのように表面に文字情報を表示すると共にデジタル情報を内部に記憶する情報カード要素などの情報要素を、それぞれカード本体の表面又は内部に保持させることにより、簡便かつ身近な日用品としていろいろな分野において採用されている。
【0003】
この種のカードにおいては、カード本体の表面に表示されている個人情報を所持者以外の者に盗視されることを防止したり、表示面の損傷から保護する観点から、カード本体にシール材を設けるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】

【効果】

【0008】
本考案によれば、印刷物層上に形成した板状部材上に液状樹脂材を注入して表面張力によりドーム形状に板状部材を覆った状態においてシール部材として固化させる樹脂盛り加工構造を有するようにしたことにより、印刷物層によりカード本体表面の情報を盗視させないようにできると共に、手触りが良く表面を補強できるシール付カードを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本考案の一実施の形態のシール付カードの断面構造を示す略線的断面図である。
【図2】シール付カードの斜視構造を示す略線的斜視図である。
【図3】シール付カードの要部構造を示す部分的断面図である。
【図4】シール付カードの製造工程を示すフローチャートである。
【図5】(A)〜(F)はシール付カードの製造過程を示す略線図である。

【0010】
以下図面について、本考案の一実施の形態を詳述する。
【0011】
(1)全体構成
図1において、1は全体としてシール付カードを示し、印刷物層11の表面にPET(ポリエステル)フィルム12を介して透明な表面材層13が付着されている。
【0012】
この印刷物層11、PETフィルム12及び表面材層13はシール部材14を構成し、当該シール部材14はPETフィルム21及び再剥離性能をもつ接着材層22を順次介してカード本体23上に接着されている。
【0013】
この実施の形態の場合、カード本体23は、例えば交通機関が発行する定期券やチャージ型カードなど、金融機関が発行するキャッシュカードやクレジットカードなど、デパート,スーパ,コンビニ,商店街などの商業施設などが発行する会員カードやポイントカードなどを始めとし、学生証などを含む身分証明カードや診察カード、或は、運転免許証などのカードのように、表面に文字要素により個人情報が表示されていると共に、当該個人情報の他部がカード本体23内にデジタル情報として記憶されている。
【0014】
かくして当該シール付カード1のカード取扱者が、カード本体23の表面及び内部に保持されている個人情報を必要に応じて利用できるようになされている。
【0015】
このカード本体23の機能に対して、カード本体23の表面に文字要素として表示されている個人情報をカード取扱者以外の他人に盗視されることを防止するため、カード本体23の表面に再剥離性能をもつ接着材層22を介してシール部材14を再剥離できるように貼り付けられる。
【0016】
この実施の形態の場合、シール部材14を構成する印刷物層11にはその表面に内部を盗視することができないような印刷模様が印刷されており、これによりカード本体23の表面に表示されている個人情報を印刷物層11によって他人が読み取ることができないようになされていると共に、印刷物層11の図柄としてシール付カード1のカード取扱者の好みの図柄が選択されている。
【0017】
この実施の形態の場合、接着材層22は、非転着・再剥離可能な機能を持った糊状の樹脂材で構成され、これにより、シール付カード1のカード取扱者が必要に応じてシール部材14を接着材層22によってカード本体23から他の部材に転着させることなく剥離させてカード本体23の表面及び内部に保持されてる個人情報を書き換えることができる。
【0018】
このようにカード本体23上にシール部材14を積層させたシール付カード1は図2に示すように仕上がり寸法に切り取られる際に四隅の角部分25が丸くなるように円弧状に削りとられている。
【0019】
これに加えて図3に示すように、所定の仕上がり寸法に削取り加工された後の表面材層13は表面の樹脂材部分を樹脂材に生ずる表面張力を利用して、ドーム形状に盛り上げるような樹脂盛り加工をすることにより、周縁部13Xを含んで表面材層13の全体に亘って表面に丸みを形成する。
【0020】
ここで樹脂盛り加工は、PETフィルム12によって印刷物層11に固着された板状部材13Yの上面に液状樹脂材13Zをノズルによって注入した後自然乾燥させることにより、その周縁部13Xを含めて表面全体が液状樹脂材13Zの表面張力によって丸味をもった形状に形成されており、これによりシール付カード1のカード取扱者がシール付カード1を手に持ったとき、カード表面が全体として柔らかい手触りで指先に持つことができるようになされている。
【0021】
以上の構成において、カード取扱者がシール付カード1を使用する際には、カード本体23の表面に印刷物層11を有するシール部材14によって表面が覆われていることにより、カード本体23の表面に表示されている個人情報等の目視情報を他人によって盗み取られるような恐れが全くない。
【0022】
これに加えてシール部材14の表面を構成している表面材層13が板状部材13Yの上面に対して樹脂盛り加工により盛り込まれた液状樹脂材13Zの表面張力により全体として丸味を形成していることにより、シール付カード1を手に持ったとき、日用品として軟かいた手触りを感じることができる。
【0023】
特に、表面材層13の周縁部13Xが全体として断面が円弧状に丸味をもっていることにより、従来の一般のカードのように、工作機械によって仕上り形状に打ち抜いた場合に生ずる角部の手触りがない分、日用品として一段と優れた手触りを感取できる。
【0024】
かくして個人情報の保護と手慣れた日用品としての肌触りが良好なシール付カード1を実現できる。
【0025】
この実施の形態の場合、カード本体23の下面から表面材層13の上面までの厚味を、一般的なカード取扱装置のカード投入口の上下幅より大きく選定されている。これにより、シール付カード1を誤って当該取扱装置に投入させることができないことにより、当該取扱装置の内部においてシール部材14が剥がれて内部に取り残されるような事故の発生を未然に防止できる。
【0026】
(2)製造工程
図1〜図3について上述したシール付カード1は、図4のシール付カード製造処理手順PT1の各製造工程を実行することにより製造される。
【0027】
シール付カード製造処理手順PT1に入ると、まず処理ステップSP1において合成紙ユポ200♯(破れにくい紙)でなる印刷物層11の表面に柄模様を印刷する。
【0028】
この結果図5(A)に示すように、表面に柄模様11Aを印刷した印刷物層11が得られる。
【0029】
続いて処理ステップSP2において印刷物層11の表面及び裏面に12[μm]の厚さのPETフィルム12及び21を貼り付ける。
【0030】
これにより図5(B)に示すように表面及び裏面にPETフィルム12及びPETフィルム21を設けた印刷物層11が得られる。印刷物層11の上面のPETフィルム12は上面側の表面材層13を構成するウレタン樹脂に対する接着の相性を良くする。これに対して下面のPETフィルム21は下面側の接着材層22を構成するアクリル系糊に対する接着の相性を良くする。
【0031】
続いてシール付カード製造処理手順PT1の処理ステップSP3に移って、図5(C)に示すように、印刷物層11の表面側PETフィルム12上に表面材層13の板状部材13Yを貼り付ける。
【0032】
ここで表面材層13の板状部材13Yはポリウレタン樹脂で構成されているので、相性の良いPETフィルム12を介して印刷物層11の上面にしっかりと食いつき保持される。
【0033】
続いてシール付カード製造処理手順PT1は処理ステップSP4に移って、図5(D)に示すように、印刷物層11の裏面側PETフィルム21上に接着材層22を糊加工する。
【0034】
この結果印刷物層11の下面側にアクリル系糊剤でなる接着材層22が接着され、これが相性が良いPETフィルム21を介して印刷物層11にしっかりと食いつき保持される。
【0035】
次にシール付カード製造処理手順PT1は処理ステップSP5に移って印刷物層11の裏面側にカード本体23を糊付けする。
【0036】
このときカード本体23は、図5(E)に示すように、アクリル系糊剤でなる接着材層22を介しさらにPETフィルム21を介して印刷物層11の裏面に貼り付けられることにより、接着材層22の非転着・再剥離機能に従って再剥離できるように印刷物層11の下面に糊付けされる。
【0037】
続いてシール付カード製造処理手順PT1は処理ステップSP6に移って図5(E)に示す多層構造体に対して全体を仕上がり寸法に断裁した後その角部を丸める角丸加工をする。
【0038】
この結果カード本体23を付着してなる多層構造体は、四隅の角部分25がカード本体23と同じ断面円形形状を持つように削り取り加工される。
【0039】
続いてシール付カード製造処理手順PT1は処理ステップSP7に移って印刷物層11の表面側PETフィルム12上に貼り付けられた板状部材13Y上に樹脂盛り加工をすることにより、液状樹脂材13Zを盛り上げることにより表面材層13を完成させる。
【0040】
ここで液状樹脂材13Zがノズルから板状部材13Yのほぼ中心位置に流し込まれ、当該流し込まれた樹脂液が表面張力によって盛り上がりを持ちながら板状部材13Y上を中心から周縁部に向かって流れて行き、板状部材13Yの周縁部に到達したとき、液状樹脂材13Zが液状であることにより生じた表面張力によって板状部材13Yの周縁には断面がほぼ円弧状になるような周縁部が保持されると共に、周縁部の内部には中央部が少し上方に盛り上った形状(これをドーム形状という)が保持され、この保持状態のまま自然乾燥によって固化する。
【0041】
この結果板状部材13Y上には、全面に亘って表面張力によって滑らかな膨らむような外表面を持つ表面材層13が形成される。
【0042】
かくしてシール付カード製造処理手順PT1は処理ステップSP8において当該シール付カード製造処理手順PT1を終了する。
【0043】
このような樹脂盛り加工によって形成された表面材層13の外形形状は、実際上、液状樹脂材13Zの量を表面の盛り上がり形状に不自然さがないような滑らかさを持つように試行錯誤的に決められており、かくしてカード本体23の表面に印刷物層11と共に形成されたシール部材14は、視覚的に盗視防止効果を得ると共に、表面材層13がドーム形状に盛り上ることにより手触りが良い自然ななだらかさを呈しており、これにより無理なくカード本体23上に形成されることにより、強度的にも比較的強い防護膜として作用する。
【0044】
実験によれば、86[mm]×54[mm]のカード本体23について、角部分25の径を3[mmr]に選定した場合に、液状樹脂材13Zは板状部材13Y全体についてドーム形状を形成するように流れていき、その結果カード取扱装置のカード挿入口には挿入できない程度の厚さを有するドーム形状をもつシール付カード1を実現でき、これにより誤ってカード取扱装置内に取り込まれて不祥事を生じさせる原因とならないようなシール付カードを実現できた。
【0045】
なお、カードの四隅において角丸加工しない場合には、樹脂盛り加工の際に用いられる液状樹脂材13Zの表面張力は当該角部において壊れるのでドーム状の表面材層13を形成できなくなることは実験により明らかになった。
【0046】
(3)他の実施の形態
(3−1)上述の実施の形態においてはカード本体23の外形形状と同一となるように表面材層13を形成した場合について述べたが、これに代え、表面材層13の周縁部について、印刷物層11の外周縁がわずかに外方に突出するような大きさにしてもよく、この場合には合成樹脂材料で構成される表面材層13の周縁部13Xが印刷物層11の外周部の内側の位置に位置決めできることにより、カード取扱者の指が直接当たる恐れが少ないため、当該表面材層13の樹脂が剥がれるような恐れを有効に防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本考案は各種カードに利用できる。
【0048】
1……シール付カード、11……印刷物層、12……PETフィルム、13……表面材層、13X……周縁部、13Y……板状部材、13Z……液状樹脂材、14……シール部材、21……PETフィルム、22……接着材層、23……カード本体、25……角部分。

(57)【要約】

【課題】手触りの良いシール付カードを提供する。【解決手段】印刷物層11上に形成した板状部材13Y上に液状樹脂材13Zを注入して表面張力によりドーム形状に板状部材13Yを覆って固化させる樹脂盛り加工構造を有する。印刷物層11の下面に接着されたカード本体表面の情報を盗視させないようにできると共に、手触りが良く表面が補強されたシール付カード1を実現できる。


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