(54)【考案の名称】多言語再生装置用アタッチメント

(73)【実用新案権者】エジソンハードウェア株式会社

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図5

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、多言語再生装置用アタッチメントに関し、例えば非常時において必要なメッセージを複数の言語で再生する拡声器(メガホン)一体型の多言語再生装置を、既存の放送設備に適合させる多言語再生装置用アタッチメントに関する。

【従来の技術】

【0002】
従来、オフィスビルや商業施設などの建物において利用される緊急用の放送設備にあっては、建物内に設置された複数のスピーカから緊急放送を行うようになっている。図6に特許文献1に開示される従来の放送設備(報知システム)の概略構成を示す。図6に示すように、放送設備200は、予め記憶されたメッセージを再生する自動アナウンス部201と、通報内容を入力するための放送用マイクMと、所定のチャイム音信号を出力するチャイム音発生部203とを備える。さらに、前記自動アナウンス部201と放送用マイクMとチャイム音発生部203からの出力を選択または混合するミキサ204と、ミキサ204から出力された音声信号を増幅するアンプ205と、前記アンプ205の出力を再生するスピーカ206とを備えている。
【0003】
このような放送設備によれば、自動アナウンス部201に予め所定の音声メッセージが記憶されているため、非常時において操作者は慌てることなく必要最低限の内容を報知することができる。
さらに、前記所定の音声メッセージに加え、放送用マイクMを通して更に必要な内容を通報することができる。
【0004】
ところで、例えば日本におけるオフィスビルや商業施設などには、日本人に限らず複数の国の人たちが居ることが多く、全ての人に日本語が通じるとは限らない。
そのため、前記のような所定のメッセージを再生する放送設備にあっては、緊急用に限らず、多言語のメッセージに対応可能なシステムが要求されていた。
【0005】
また、災害発生時など緊急の場合には、そのときの状況に応じた適切なメッセージを素早く呼び出して再生する必要がある。そのため、多種にわたる状況に対応した数多くのメッセージが予め用意されているだけでなく、その中から操作者が容易に適切なメッセージを選択することができるインターフェイスの提供が課題となっていた。
【0006】
前記課題に対し本考案者らは、特許文献2において、所定のメッセージを容易に導出することができ、且つ必要に応じて所望の複数の言語で前記選択したメッセージを再生することのできる多言語再生装置を提案している。
【0007】

【効果】

【0012】
本考案によれば、拡声器一体型の多言語再生装置を既存の放送設備に容易に適合させ、前記放送設備を介して、非常時等において必要なメッセージを複数の言語で放送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本考案に係る多言語再生装置用アタッチメントを斜め上方から見た斜視図である。
【図2】図2は、図1の多言語再生装置用アタッチメントを斜め下方から見た斜視図である。
【図3】図3は、図1の多言語再生装置用アタッチメントに拡声器一体型の多言語再生装置を装着した状態であって、前記アタッチメントの前面扉が閉じた状態の斜視図である。
【図4】図4は、図1の多言語再生装置用アタッチメントに拡声器一体型の多言語再生装置を装着した状態であって、前記アタッチメントの前面扉が開いた状態の斜視図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、図1の多言語再生装置用アタッチメントに放送設備用マイクを装着する手順を段階的に示す斜視図である。
【図6】図6は、従来の放送設備の構成例を示すブロック図である。

【0014】
以下、本考案にかかる多言語再生装置用アタッチメントの実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本考案に係る多言語再生装置用アタッチメント(以下、単にアタッチメントと呼ぶ)を斜め上方から見た斜視図であり、図2は斜め下方から見た斜視図である。また、図3は、図1のアタッチメントに拡声器一体型の多言語再生装置を装着した状態であって、前記アタッチメントの前面扉が閉じた状態の斜視図であり、図4は前記前面扉が開いた状態の斜視図である。また、図5(a)〜(c)は、図1のアタッチメント内に放送設備用マイクを装着する手順を段階的に示す斜視図である。
【0015】
図1に示すアタッチメント1は、内部に空間S(音響空間)を有する直方体状のケーシング2を備える。このケーシング2の基材は鉄板からなる。
図1に示すようにケーシング2の天板部25の中央には大きく正円状の開口部4が形成されている。前記開口部4の断面に示されるように天板部25は3層からなり、鉄板からなる基材25aの上面側に所定厚さのスポンジ板25bが設けられ、下面側に所定厚さのスポンジ板25cが設けられている。
【0016】
図3、図4に示すように拡声器一体型の多言語再生装置50は、前記天板部25上に載置されて装着され、その際、ホーン型スピーカ57が前記開口部4を覆い隠すようになっている。即ち、前記ホーン型スピーカ57とケーシング2内部の空間Sとが開口部4を介して連通するようになされている。
【0017】
図1に示すようにケーシング2における開口部4の周囲の領域において、壁部21,22の上部には、前記開口部4の中心部を挟んで対向するように、多言語再生装置の位置合わせ用の係止板5、6が天板部25よりも上方に突起した状態で設けられている。
一方、開口部4の周囲の領域において、ケーシング2の壁部23,34の上部中央には、多言語再生装置50のホーン型スピーカ57を天板部25に固定、または解除するための第1のロック・解除機構10、11(固定手段)が設けられている。
【0018】
前記第1のロック・解除機構10、11は、それぞれ多言語再生装置50のホーン型スピーカ57の周縁溝57a(周縁部)に係止可能なフック部12と、前記フック部12の前記周縁溝57aに対する係止/解除操作を行うためのレバー13と、フック部12とレバー13との間に懸架された2本のスプリング14とを有する。この構成においてレバー13がケーシング2に対して引き起こされた状態から、フック部12を前記スピーカ57の周縁溝57aに引っ掛け、レバー13をケーシング2側に押し倒すと、スプリング14が伸長された状態となり、スプリング14の縮方向への付勢力によってフック部12が前記周縁溝57に対し強固に係止するようになされている。
【0019】
また、図2乃至図4に示すようにケーシング2の一側面21には、開閉可能な扉15が設けられている。扉15は、その上部の左右2箇所に設けられた蝶番16、17によって縦方向に開閉自在とされ、ケーシング2の底面側に設けられた第2のロック・解除機構30、31によって扉15の開閉がロックまたは解除されるように構成されている。
【0020】
また、扉15を閉じたときに扉15の周縁部が当接する壁部21の縁部にはゴム板21aが貼付され(図4参照)、扉15が前記第2のロック・解除機構30,31により完全に閉じられた際に、隙間が生じないようになされている。
これにより、多言語再生装置50のホーン型スピーカ57がケーシング2に装着され、開口部4を塞いだ状態において、前記扉15が前記第2のロック・解除機構30,31によって完全に閉じられると、ケーシング2内の空間Sは略完全に密閉された状態となされる。
【0021】
図2に示すように前記第2のロック・解除機構30、31は、扉15の下端部の左右2箇所に形成されたフック部18、19に対し係止可能な係止バー32と、係止バー32の前記フック部18、19に対する係止/解除を操作するためのレバー33と、係止バー32とレバー33との間に懸架された2本のスプリング34とを有する。
【0022】
この構成において扉15が閉じられ、レバー33がケーシング2に対し引き起こされた状態から、扉15のフック部18、19にフック部18,19を引っ掛けレバー33を押し倒すと、スプリング34が伸長された状態となり、スプリング34の縮方向への付勢力によって、係止バー32が前記フック部18、19に対し強固に係止するようになされている。
【0023】
また、前記扉15(壁部21)の裏面側には、図示しないスポンジ板が吸音部材として貼られている。また、空間Sにおいて、前記扉15以外のその他の面(壁部22、23、24の内面、底板部26の内面、及び天板部25の内面)にもスポンジ板が吸音部材として貼られており、内部空間Sにおける音響的な反射が発生しないようになされている。
【0024】
また、図1、図4に示すように前記ケーシング2内の空間Sにおいて、ケーシング2の底板部26上には、放送設備に接続された放送用マイクロホンを配置するためのマイク保持部40が設けられている。
前記マイク保持部40は、扉15側からみて左右対称に配置された2枚の保持板41,42を有している。前記保持板41、42は、それぞれ図示するように内側に向けて断面L字状に折り曲げられた状態で底板部26上に固定され、その内側面には(マイク滑り止め用の)ゴム板41a、42aが貼付されている。この一対の保持板41、42の間に、放送用マイク(マイクロホン)が挿入されて固定されるようになっている。
また、前記扉15の下端には、U字状に溝15aが形成されている。これは、放送用マイクが有線であった場合に、マイクコードを通すための溝として設けられたものである。
【0025】
ここで、アタッチメント1に装着可能な多言語再生装置50の構成について、簡単に説明する。図3、図4に示すように、多言語再生装置50は、拡声器(メガホン)一体型である。具体的には、タッチパネルディスプレイ54などを収容する筐体52と、筐体52の後端部にカールコード(図示せず)を介して着脱自在に設けられたマイク56と、前端側に向かってラッパ状に形成されたホーン型スピーカ57と、全体を支持するためのハンドル(図示せず)とを有している。
【0026】
筐体52の後面側には電源スイッチ53が設けられて、これを押し込むことによりタッチパネルディスプレイ54等の電源オン・オフがなされるようになっている。
また、図3に示すようにマイク56の一側面にはロータリボリューム59が設けられ、マイク56の他側面にはマイク音声を拡声するためのトークレバースイッチ(図示せず)が設けられている。
また、筐体52の天板の四隅付近にはフック61が突出して設けられ、肩掛けベルト(図示せず)を装着できるようになっている。
【0027】
尚、図示しないが、操作者が前記タッチパネルディスプレイ54を操作することにより、その画面上には、複数のメッセージ候補がメニュー形式で表示され、さらに操作者が選択操作することにより、画面上に選択されたメッセージと、そのメッセージを再生する言語を選択するメニューとが表示されるようになっている。
操作者が複数の言語から所望の言語を選択し、再生ボタンをタッチすると、スピーカ57より、選択したメッセージが選択した言語で再生されるようになっている。
【0028】
続いて、アタッチメント1に多言語再生装置50を装着し、既存の放送設備に適合させる手順について説明する。
先ず、図1に示すアタッチメント1の天板部25の上に多言語再生装置50のホーン型スピーカ57側を下にして載置する。このとき、一対の係止板5、6の間にホーン型スピーカ57を置き、開口部4がホーン型スピーカ57により完全に覆われるようにする。そして、第1のロック・解除機構10、11のフック部12をスピーカ57の周縁溝57aに係止し、多言語再生装置50を天板部25側に強く押圧した状態で固定する。ここで、天板部25の上面側にはクッション部材としてスポンジ板25cが設けられているため、開口部4から空間S内の音が外側に漏れないようになっている。
【0029】
次いで、図5(a)に示すように、扉15を開き、マイク保持部40に対し放送設備に接続されている放送用マイクMを挿入する。このとき、挿入する放送用マイクMのマイクコードMaを図5(b)に示すように外側に引き出す。
そして、図5(c)に示すように溝15aからマイクコードMaを引き出した状態で扉15を閉め、第2のロック・解除機構30、31により扉15をケーシング2側に完全に密着させる。
【0030】
このようにして図5(c)の状態から多言語再生装置50を操作し、例えば所望のメッセージを選んでホーン型スピーカ57から再生すれば、その再生音がケーシング2の空間S内に流れる。
この再生音は、放送用マイクMによって収音され、放送設備を介して放送されることになる。このとき、ケーシング2の内面には、吸音部材としてスポンジ板が設けられているため、ホーン型スピーカ57からの再生音がケーシング2の空間Sにおいて反射することがなく、放送用マイクMは、ホーン型スピーカ57からの直接音のみを収音することになる。また、ケーシング2の空間S内は、外部から遮蔽されているため、外部の音(ノイズ)が空間S内に入り込むことがなく、クリアな音質で放送設備から放送することができる。
【0031】
以上のように、本考案に係る実施の形態によれば、多言語再生装置用アタッチメント1のケーシング2には、拡声器(メガホン)一体型の多言語再生装置50のホーン型スピーカ57を固定して接続することができ、前記ケーシング2は、前記ホーン型スピーカ57からの音のみが入力される空間Sを有する。さらに、前記ケーシング2の空間S内は、既存の放送設備に接続された放送マイクMが配置されるとともに、吸音部材に囲まれた密閉された空間となされる。
これにより、多言語再生装置50のホーン型スピーカ57から再生されたメッセージは、放送用マイクMにより収音され、既存の放送設備を介して放送される。また、ケーシング2内の空間Sは、音の反射がなく、外部からも遮蔽されているため、放送用マイクMがノイズや反射音を拾うことがなく、多言語再生装置50により再生されたメッセージをクリアな音質で既存の放送設備で放送することができる。
【0032】
また、既存の一般的な放送設備においては、放送用マイクMからの音声入力が最優先に放送されるため、これを利用して、非常時に通常放送(例えば案内放送)を中断し、多言語再生装置50からの再生音を繰り返し放送することができる。
さらに既存の放送設備に対して装置の入れ換え等が必要なく、拡声器一体型の多言語再生装置50を容易に既存の放送設備に適合させることができるため、手間とコストを抑えつつ多言語再生装置50の放送設備システムを構築することができる。
【0033】
1 多言語再生装置用アタッチメント
2 ケーシング
4 開口部
5 係止板
6 係止板
10 第1のロック・解除機構(固定手段)
11 第1のロック・解除機構(固定手段)
12 フック部
13 レバー
14 スプリング
18 フック部
19 フック部
21 壁部
22 壁部
23 壁部
24 壁部
25 天板部
25a 基材
25b スポンジ板
25c スポンジ板
26 底板部
30 第2のロック・解除機構
31 第2の解除・ロック機構
32 係止バー
33 レバー
34 スプリング
40 マイク保持部
50 多言語再生装置
57 ホーン型スピーカ
M 放送用マイク(マイクロホン)
Ma マイクコード
S 空間(音響空間)

(57)【要約】

【課題】拡声器一体型の多言語再生装置を既存の放送設備に適合させ、前記放送設備を介して、非常時等において必要なメッセージを複数の言語で放送可能とする多言語再生装置用アタッチメントを提供する。【解決手段】内部に音響空間を有するとともに、多言語再生装置50が有するホーン型スピーカが接続されるケーシング2を備え、前記ケーシングは、開口部を有し、接続された前記ホーン型スピーカと前記ケーシング内部の音響空間とが前記開口部を介して連通し、前記ケーシング内部の音響空間には、前記放送設備に接続されたマイクロホンMを配置するマイク保持部40が設けられている。


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