【0001】
本考案は、サインボードとしても利用できるクリアファイルに関する。
【0002】
従来から、クリアファイルに紙類を収納して保管・移動することができる、二枚のシートを重ね合わせ二辺をシールしたクリアファイルが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
近年、粗面化インキ層からなる筆記領域が設けられたクリアファイルが普及しつつある。出願人も、最広面に筆記用ニスを印刷することによって筆記領域を形成したクリアファイルを提案している(特許文献2参照)。
【0008】
本考案によれば、安価なサインボードとしても利用することができ、複数枚のシートを重ねて筆記する用途に適したクリアファイルを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第一実施形態例に係るクリアファイルの展開図である。
【図2】第三シート収納時のクリアファイルの正面図である。
【図3】第三シート重畳時のクリアファイルの正面図である。
【図4】第一実施形態例に係るクリアファイルの使用方法を説明する図である。
【図5】第二ないし第四実施形態例に係るクリアファイルに印刷されるコートを示す図である。
以下では、スポーツなどのサインボード(作戦ボード)として使用できる本考案のクリアファイルの詳細を実施形態例により説明する。
<第一実施形態例>
[構成]
図1〜3を参照しながら、第一実施形態例に係るクリアファイル1の構成を説明する。
第一実施形態例に係るクリアファイル1は、A4サイズの紙を収納できる大きさのクリアファイルであり、サッカーのサインボードとして使用できることを特徴とする。
図1は、クリアファイル1の展開図である。同図に示すように、クリアファイル1は、第一シート2と、第二シート3と、第三シート4と、第一折曲辺5と、第二折曲辺6と、接合部7と、主な構成要素とする。
【0011】
第一シート2、第二シート3および第三シート4は、1枚の透光性を備えた樹脂(例えば、PP(ポリプロピレン)やPET(ポリエチレンテレフタレート)等)のシートに抜き加工を施して形成される。サインボードとして使用する際には、筆記のために一定の強度が要求されることから、通常よりも肉厚のシート(例えば、0.3〜0.7mm厚または0.4〜0.6mm厚)を用いて構成する。第一シート2と第二シート3は、第一折曲辺5を介して連続し、第二シートと第三シート4は、第二折曲辺6を介して連続している。図1に示す面は各シートの表面であり、インクや顔料が付着しない鏡面仕上げとされている。図1に示す面と反対側の面は各シートの裏面であり、オフセット印刷、UVオフセット印刷が行えるようにマット加工がされている。
【0012】
第一シート2は、下端に第一シート下辺21と、上端に第一シート上辺22と、側端に第一シート側辺23と、フィールド図24と、第一切欠部25と、第二切欠部26とを備える。
第二シート3は、下端に第二シート下辺31と、上端に第二シート上辺32と、スコア表33と、図柄34とを備える。
第三シート4は、下端に第三シート下辺41と、上端に第三シート上辺42と、側端に第三シート側辺43とを備える。
【0013】
第一シート2の裏面には、表面にフィールド図24が表面に表示されるように印刷が施されている。第一シート2の表面は、鏡面仕上げされているため、フィールド図24の部分にサインペンで書いた内容を容易に消すことが可能である。
フィールド図24は、サインボードとして利用されるため、できるだけ大きく印刷することが好ましく、第三シート4の大きさより一回り小さい大きさに印刷される。例えば、第三シート下辺41および第三シート上辺42から、フィールド図24の上辺および下辺がそれぞれ0.3mm〜2cm小さい大きさに印刷される。フィールド図24の左右長(短辺長)は、競技ルールの定める上下長(長辺長)との比率により決められる。別の観点からは、フィールド図24の面積を第一シート2の面積の1/3以上(好ましくは40%以上)の大きさとすることが好ましい。本実施形態例では、フィールド図24の長辺長を260mm、短辺長を170mmに設定した。
第一実施形態例のフィールド図24は、サッカーコートであるが、第二ないし第四実施形態例で後述するように、他のスポーツのコートないし競技場を印刷することも当然に可能である。
【0014】
第一シート2のフィールド図24が表示されていない部分は、任意の印刷を施したり印刷を施さなかったりすることができるが、収納書類が透けて見えないような印刷を施すことが好ましい。本実施形態例では、芝生を想起させる草色の印刷をフィールド図24の周辺部分に施すと共に裏面最上層の全面に白色層を印刷した(いわゆる白打ち印刷)。
第一切欠部25は、収納書類または収納された第三シート4を取り出す際に用いられる公知の形状のものである。第二切欠部26は、応力を分散するための公知の形状のものである。
【0015】
第二シート3の裏面には、スコア表33および図柄34が表面に表示されるように印刷が施されている。第二シート3の表面は、鏡面仕上げされているため、スコア表33の部分にサインペンで書いた内容を容易に消すことが可能である。スコア表33および図柄34の表示位置は例示の位置に限定されず、例えば、スコア表33および図柄34の位置を入れ替えても良い。図柄34の位置には、任意の図柄を表示することができ、例えば、図4に示す使用方法を表示することが開示される。
【0016】
第一シート2と第二シート3は、第一シート下辺21と第二シート下辺31とが重ねなるように第一折曲辺5に沿って折られ、接合部7により連結され、側辺(23、43)および上辺(22、32、42)が開口する。接合部7は、第一折曲辺5近傍を非接合とする長さであり、例えば、熱や超音波を用いた溶着等によって形成される。第一折曲辺5および第二折曲辺6は、抜き加工時に押圧形成される。本実施形態例では、第一シート2および第二シート3の長辺長を310mm、第一シート2の短辺長を219mm、第二シート3の短辺長を220mmに設定した。この寸法によれば、一枚の汎用的な大きさの樹脂シートに抜き加工をすることにより、クリアファイル1を作製することができるので、製造コストの点で有利である。
【0017】
第三シート4は、裏面に白打ち印刷がなされていない透明のシートであり、第一シート2の上に重ねられた第三シート4を通して前記フィールド図24の全体を視認することができる。第三シート4の長辺長(下辺41と上辺42の距離)は、第三シート4を第二折曲辺6に沿って折り曲げて、第一シート2および第二シート3の間に差し込んで収納することが可能な大きさに構成されている(図2参照)。より詳細には、第一シートおよび第二シートの長辺長と比べ短く、かつ、フィールド図24の長辺長と比べ長く構成されている。また、第三シート4の短辺長(側辺43と折曲線との距離)もまた、第一シートおよび第二シートの短辺長と比べ短く、かつ、フィールド図24の短辺長と比べ長く構成されている。本実施形態例では、第三シート4の長辺長を290mm、短辺長を200mmに設定した。
【0018】
第三シート4の長辺の長さとしては、例えば、第一および第二シート下辺(21、31)および第一および第二シート上辺(22、32)から、第三シート下辺41および第三シート上辺42がそれぞれ0.5mm〜2cm短くなる長さとすることが開示される。
第三シート4の短辺の長さとしては、例えば、第一折曲辺5から、第三シート側辺43が0.5mm〜3cm短くなる長さとすることが開示される。
【0019】
第三シート4は、第一シート2の上に重ねられ、フィールド図24における選手のポジショニング等の指示を書き込むために使用される(図3参照)。第三シート4の表面は、鏡面仕上げされているため、サインペンで書いた内容を容易に消すことが可能である。
第一シート2の、第三シート下辺41、第三シート上辺42、および/または、第三シート側辺43を挿入可能な位置に、コの字形の切り込みを形成し、第三シート4の固定性を高めるようにしてもよい。また、本実施形態の第三シート4は矩形であるが、フィールド図24の全面を覆うことができる大きさであれば、矩形でなくともよい(例えば、下辺41、上辺42および/または側辺43を波形としてもよい。)。
さらには、第三シート4にフィールド図24と関連性のあるキャラクターなどの図柄やフレーズを印刷することにより、第三シート4を第一シート2の上に重ねた際に、特定の雰囲気を出したり、チームの一体感を高めたりするようにしてもよい。例えば、チアガールの図柄を印刷することで応援の雰囲気を出すこと、チームの目標(例えば、「絶対行くぞ全国大会!」)を印刷することで一体感を高めることが開示される。
【0020】
[使用態様]
図2は、第三シート4収納時のクリアファイル1の正面図である。サインボードを最初に使用する際は、第三シート4を収納した状態で使用するのが基本である。例えば、図4(a)に示すように、サインペンで選手のポジショニング等の情報を第一シート2の表面に記載して使用する。第一シート2と第二シート3との間には、第三シート4が収納されているので、記載時の安定性も良好である。第一シート2と第二シート3との間には、別途書類が収納されていてもよい。
【0021】
次に、図4(b)に示すように、収納された第三シート4を取り出し、第一シート2の上に重畳させる。図3は、第三シート4重畳時のクリアファイル1の正面図である。
第三シート4は透明であるため、第一シート2のフィールド図4およびサインペンでの記載情報は、第三シート4を通して視認可能である。つまり、第一シート2の表面に記載された情報を残したまま、第三シート4にポジショニング等の情報を追加記載することが可能である。この際、第一シート2と第二シート3との間には、別途書類が収納されていてもよい。
【0022】
さらに、重畳した第三シート4をめくり、第一シート2の表面の情報の一部または全部を消去したり、第一シート2の表面に情報を追記・修正したりしてもよい。このように、第一実施形態のクリアファイルによれば、一つ前のバージョンの記載情報を残しながら、情報を追記・修正することが可能である。例えば、試合開始前に記載した指示を残したまま、ハーフタイムに情報を加筆するといった使い方をすることも可能である。
第一シート2および第三シート4の表面にサインペンで記載した情報は、ホワイトボード用のクリーナーやティッシュペーパーで拭き取ることにより容易に消去することができ、繰り返し記載することが可能である。サインペンは、例えば、水性ペンまたはホワイトボード用のペンを使用することが開示される。なお、第一シート2および第三シート4の裏面は、マット加工がなされているため、繰り返しの記載および消去に適していない。
【0023】
<第二ないし第四実施形態例>
[構成]
図5を参照しながら、第二ないし第四実施形態例に係るクリアファイル1の構成を説明する。以下では、第一実施形態との相違点を中心に説明し、共通する構成については説明を割愛する。
【0024】
図5(a)に示す第二実施形態例に係るクリアファイル1は、フィールド図24がバスケットコートであり、スコア表33および図柄34がフィールド図24に対応するものである点で第一実施形態例と相違し、その他の構成は同一である。
図5(b)に示す第三実施形態例に係るクリアファイル1は、フィールド図24がテニスコートであり、スコア表33および図柄34がフィールド図24に対応するものである点で第一実施形態例と相違し、その他の構成は同一である。
図5(c)に示す第四実施形態例に係るクリアファイル1は、フィールド図24が野球場であり、スコア表33および図柄34がフィールド図24に対応するものである点で第一実施形態例と相違し、その他の構成は同一である。
【0025】
以上に説明した各実施形態例から明らかであるように、本発明のクリアファイルは、様々なスポーツのサインボードに適用することが可能である。
1 クリアファイル
2 第一シート
3 第二シート
4 第三シート
5 第一折曲辺
6 第二折曲辺
7 接合部
21 第一シート下辺
22 第一シート上辺
23 第一シート側辺
24 フィールド図
25 第一切欠部
26 第二切欠部
31 第二シート下辺
32 第二シート上辺
33 スコア表
34 図柄
41 第三シート下辺
42 第三シート上辺
43 第三シート側辺
【課題】安価なサインボードとしても利用することができ、複数枚のシートを重ねて筆記する用途に適したクリアファイルを提供する。【解決手段】第一シート2と、第一シート2と第一折曲辺5を介して連続する第二シート3と、第二シート3と第二折曲辺6を介して連続し、第一2および第二シート3の間に差し込み可能である第三シート4と、第一シートの下辺21および第二シートの下辺22を接合する接合部7と、を備え、第一シート2の表面にフィールド図24が表示されており、当該フィールド図24にサインペンで繰り返し記載および消去することができ、第三シート4が、フィールド図24の全面を覆う大きさに構成されており、第一シート2に重ねた第三シート4を通してフィールド図24の全体を視認することができ、第三シート4の表面にサインペンで繰り返し記載および消去することができる。
インターネット上にあるこの特許番号にリンクします(発見しだい自動作成):