(54)【考案の名称】画像の組合せ変化と4コマ動画が得られる絵変わりシート

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、シート状で折りたためる素材を用いて、あらかじめ素材に表現された画像同士の折重なりによって出現する組合せ画像の変化を得たり、用具を介して4コマ動画を得ることができる従来無かった視覚的効果の大きい絵変わりシートに関するものである。

【従来の技術】

【0002】
これまで主に紙の折加工において、洋の東西を問わず古くから多くの方法があることは知られている。それぞれの地域での伝統的な様式や、独自の工夫や研究がなされ進化してきた。日本では、伝統的な折型や折紙などで広く知られ、生活に溶け込み年中行事を含め多用されている。また古くからある「変り絵」「かくし絵」などの遊具に発展していったものもある。(例えば非特許文献1参照。)
【0003】
非特許文献1の概要を説明する。一枚のシートの中心部に着物姿の人物の絵柄が配置されている。絵柄周囲は四角い枠で囲まれ、枠の上下左右の線に沿って辺の折込みが可能になっている。裏面にはあらかじめ4個所に場面が描かれている。任意の辺を折り込む事によって表裏面の絵柄が重なり合って中心部の絵柄が数種類に変化する江戸時代の変り絵である。
【0004】
また海外でも同じように紙面全体に絵柄を施し、画面変化を取入れて違った表情を味わう遊具や、遊びの要素が進化してパズルに発展していったものもある。「ホールディング・パズル」と呼ばれるスタイルをはじめ、多くの事例を見る事ができる。(例えば非特許文献2参照。)
【0005】
非特許文献2の概要を説明する。あらかじめ片側の紙面内の4分割された場所に4匹の豚の絵柄が配置されている。また、折線が縦横に表示され折りたたむ順番が記されている。シートを山折・谷折の指示通りに折りたたむと中心部が隠され、周辺部分の絵柄が重なり合って組合わされて、紙面全体に特定の人物の表情が見えてくるという折紙式かくし絵である。
【0006】

【効果】

【0015】
視覚的効果の影響は万国共通で、多くの人を惹き付ける不思議な魅力を有している。折りたたむことによる効果は通常では味わえない、イリュージョン的な要素がある。従来は遊具的なイメージに留まっていたが、表裏の組合せ変化や、立体的要素を取入れることで展開バリエーションはさらに大きく拡がる。日常生活におけるさりげない動きのある視覚効果は、心地良い驚きと共に人々の気持ちを楽しくさせ、心を豊かにさせる。
【0016】
驚きと魅力ある変化の要素には、大きさの変化、形の変化、動きの変化、それに色彩と明暗の変化などがある。それらを僅か1枚の用紙に閉じ込めることができるのである。
【0017】
折りたためるシートの魅力を紹介する。拡げると表現している画面が一気に4倍のスペースに拡がる。マスクフィルムを使って画像を動かして遊んだ後は、折りたたんで4分の1のサイズに縮小され、ストッパーのある位置にきちんと収納される。なお、このストッパーはマスクフィルムを収納する役割も果たしている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 本考案の絵変わりシートの全体構成を表す平面図
【図2】 図1のA−Aの断面図
【図3】 折りたたみ工程2の展開平面図
【図4】 折りたたみ工程3の展開平面図
【図5】 折りたたみ工程4の展開平面図
【図6】 折りたたみ工程5の展開平面図
【図7】 図6の工程5に折曲げ線を設定した平面図
【図8】 図7の上部を手前に折曲げて収納した状態を示す全体図
【図9】 図7の上部を裏側に折曲げて収納した状態を示す全体図
【図10】 折りたたみ工程の最終である最終工程表示画像の概念図
【図11】 分割配置を完了させた配置画像全体図
【図12】 図11に加筆を完了させた画像全体図
【図13】 図12の画像を45度回転させ配置した絵変わりシート全体図
【図14】 最終工程表示画像を収納し、天地を逆に表示した全体図
【図15】 ストッパー周辺を拡張しデザイン処理した実施例2の全体図
【図16】 実施例3のアルバム構成図
【図17】 2種類の部材で構成された実施例4の構成図
【図18】 図17の2種類の部材を結合させた実施例4の全体図

【0019】
実施に適した素材は、折曲げに対して耐久性の強い素材が望ましい。紙素材や布などの繊維素材が一般的であるが、化学繊維や不織布、ビニールなども特性を生かした使用法が考えられる。紙素材における和紙の場合は、繊維が強靭で風合いも格別である。
【0020】
繊維素材は紙に無い魅力があり、しなやかさが際立つ。しわになってもアイロン処理で消えるメリットは大きい。折りたたむ工程が主である用品にとって、この上ない魅力である。本考案の技術と繊維関連の独自の加工技術とが相俟って魅力はさらに拡がる。
【0021】
画像の表現方法は素材が紙であれば一般的な印刷方法で対応できる。エンボスやホットスタンプなどの特種加工も効果的である。繊維素材であれば捺染などの染色、色糸を使用した織込や編込でも再現できる。また、繊維素材に対応する印刷でも再現可能である。
【0022】
ここで本考案の画像スペースに配置使用する4コマ動画像について説明する。特許文献1、特許文献2ともに4コマ動画の表示を得るための視覚表現技術に関する文献である。
【0023】
特許文献1の技術は実際に商品の構成要素として利用されている。4コマ合成画像の上に透明樹脂製の遮蔽マスクフィルムを乗せて動画を得る方法である。
【0024】
また、特許文献2の技術は新たな視覚表現技術である。4コマのシルエット合成画像を一体化し、それを透明樹脂製マスクとして使用して動画構成要素のあるパターン画像の上に乗せて動画を得る方法である。以上、それぞれの特徴を生かした表現方法を取り入れて複合させることができるので、大きな効果を上げることが期待できる。
【0025】
本考案のシートを利用して4コマ動画の表示を得るために必要な動画視認用のマスクフィルムについて説明する。対応品目にもよるが、素材、大きさ、使用用途、使用環境、形状などに深く影響してくる。
【0026】
遮蔽マスクの具体的な実現方法としては、透明樹脂素材に遮蔽性のある素材の塗布加工、不透明素材に穿孔して透過部を得る方法がある。それぞれの用途や条件に厳密に対応させる事ができ、幅広い候補から適確な素材を選択することが可能である。それによって個性を出すことができる。
【0027】
選択する素材を仮に透明素材に限定しても、フィルムシートからアクリルブロックまで幅があり、それぞれが醸し出すイメージは様々である。商品イメージを左右するほど演出要素としても影響がある。また、コスト面での選択も重要である。したがって、4コマ画像表示とマスクフィルムは相関関係にあるので、素材選択はバランスを考えることが大切である。
【0028】
相手素材との相性がある事も見落とせない。例えば、スライドパズルやスライドゲームにおける、ゲーム盤と盤上を移動する駒の関係である。移動しやすさ、滑りやすさが重要なポイントである。繊維素材対プラスチックやアクリルブロック。したがって、素材の検討は両方向からのチェックが重要である。前述したように選択の幅が広いので適確な素材で対応できる。
【0029】
請求項1の内容を反映した実施例である。ここでは紙素材を使用した代表的な方法を図示しながら説明する。基本設計は正方形と長方形の2つの形で構成され、正方形を45度回転させた状態つまり正菱形にして、組合せた独特な形状である。この正菱形スペース2に画像を配置する。折り込み時に角を合わせやすい特長を持つ。手に取った誰もが間違いなく正確な最終画像を得られるように導く事ができる。本考案の特長を生かした設計となっている。ちなみに、折り順を変えて違う個所を折り返すと中間地点での表出画像は折り順によって異なるが、最終段階で表れる画像は同じ画像となる。したがって、どのような順で折り始めても必ず最終工程表示画像7は決まった画像が表れるので、折曲げ線5の表示や折る順番記載は必要なくなる。
【0030】
順を追って正確に折りたたんで行く。図1は本考案の絵変わりシートの全体構成を表す平面図であり、工程1でもある。図3は工程2を、図4は工程3を、図5は工程4を、図6は工程5を夫々表している。折りたたむ回数は最短4回で最終画像が出現する。工程が少なく解りやすい。折りたたんだ部分をストッパー4に挿入して完成である。ちなみに4回折りたたんだ時に最も厚みが生じる部分は平坦時の9倍の厚みがある。その9倍の厚みを吸収する円弧の形状で切込みを設け、周囲との厚みの差を干渉させた。図8は折りたたんだ部分を内側に折曲げて収納した状態を示す全体図であり、図9は折りたたんだ部分を裏側に折曲げて収納した状態を示す全体図である。
【0031】
また、正菱形スペース2に配置されている展開配置画像3は、大きな要素が詰まっており、展開方向と収納方向の双方向とも、折りたたむプロセスの画面表示が重要である。つまり、表裏面の展開収納に対し一時停止と保持する機構の存在が必須なのである。この条件に応える機構がこの円弧形のストッパー4である。このストッパー4は動画視認用のマスクフィルムの収納スペースともなる貴重な機構を兼ね備えている。
【0032】
正菱形の画像スペースにはイラストや写真・文字・記号・パターンなどを配置させ、バラエティ豊かな表情を持たせる事ができる。また、片面のみでなく両面使用することで表示変化する部分が倍に増え、より複雑な表現を楽しむことができる。
【0033】
ここで本考案の折りたたみシートの正菱形スペースに配置使用する展開配置画像3の作成方法を図示しながら説明する。まず最初に任意の画像を用意し、正方形の中心に配置する。この図形を最終工程表示画像7とする。それを4分割し、それぞれ分割画像A、分割画像B、分割画像C、分割画像Dとする。図10は最終工程表示画像7の概念図である。
【0034】
次に、正確にこの正方形の4倍の面積を持つ16分割されたグリッドを用意する。このグリッド全体の4つのコーナーにそれぞれの分割画像を移動配置する。図11は分割配置を完了させた配置画像全体図である。
【0035】
次に、配置された4つ以外のスペースを自由に使って任意の画像を作る。図12は加筆を完了させた画像全体図である。16分割された内の12のスペースは、展開するのに十分なスペースであり、多くのバリエーション展開が予想される。
【0036】
加筆画像の制作が完了したら45度回転させて、展開配置画像3となる。なお、配置する方向や位置は最終的に全体のデザインに関連して決定される。ここでは説明を省くが、4コマ動画像として加工処理をする場合は、加筆完了画像制作を終えた後の、次のステップとしての作業工程となる。
【0037】
展開配置画像3のある正菱形スペース2とストッパー4を天地逆にする事により、イメージが大きく変わる。図14は天地を逆にして表示した例。図15はストッパー4周囲を拡張し、動物のキャラクターを配した例である。ストッパー部分の形状はキャラクターの口の位置になるので、最終段階での表示イメージはメッセージを口にくわえた状態のイメージとなる。
【0038】
レイアウトの自由度は高く横位置使用も可能である。さらに、パンチで穿孔処理をした複数のシートを用意し、スパイラル形式のノートやアルバム、スクラップブックなどとして構成することができる。また、開くと誌面が大きく拡がる絵本を創ることも可能である。図16はアルバム使用としての実施例である。バリエーションとしてシートを対にして見開き状態で使用すれば、今までにないスタイルのグリーティング・カードとなる。
【0039】
画像スペース周辺を大きく延ばしてデザイン設計することにより、同じ効果のある様々な紙製の用品が一枚シートで組立てられる。図示はしてないが、メッセージスペースを加えた正月用のポチ袋、お年玉袋などこれまで何気なく手にしていた存在の用品が、或る時突然動き始めたらきっとビックリするに違いない。
【0040】
請求項2の内容を反映した実施例を説明する。通常大きいサイズのアイテムの実施には、機能構造面から見た場合、全体の安定感を維持させるため、大きさに比例した紙厚の用紙が求められ、様々な用紙が選択される。しかし、折りたたむ部分を同じ厚さの用紙で実施すると厚みが生じて折りにくくなる。つまり、最終形態の大きさなどの条件によって折りたたむ部分の紙の厚さに大きく影響してくる。両方の部分の機能を生かすためには、それぞれの厚さを変えて対応するのが望ましい。そのために個別に相応しい用紙を選択して決定することが必要である。
【0041】
条件に固定されず、自由な発想をもって組合せ展開を実践できる。印刷加工の前段階で用紙の質感、色、風合いなど様々な切口から組合せの検討ができる。さらに、単一素材での展開とは違って複数の素材や形を複合させて設計できることは、大きなメリットである。図17は2種類の部材で構成された全体図を表している。正菱形スペース2の裏面下部と絵変わりシート台紙6の上部の接着部分14とを結合する。図18は部材の結合完了後の全体図である。
【0042】
素材の結合方法について説明する。紙素材同士の場合、通常接着、低粘着素材による接着、再剥離可能な素材での接着などがある。繊維素材同士または、異素材との結合の場合はマジックテープなどが有効である。用品の使用目的や環境など状況に応じてフレキシブルに対応できる。
【0043】
本考案を実施して得られる製品は、実際に手にした時にそれぞれの効果が伝わるのであるが、販売時点の店頭で陳列される場合、その段階で特筆すべき効果を発揮する。既述の特許文献2の技術の一つに空間使用時での環境効果が述べられている。商品パッケージでの使用や店頭ディスプレーなどでの応用時に動画効果や浮遊効果を発揮するのである。具体的に説明すると、店舗内に置かれた製品に表現されている画像が動いて見えるのである。売り場で商品を見ている顧客の驚いている顔が想像できる。従来無かった視覚効果技術であり、製品本体との相乗効果は大きなものである。
【0044】
本考案の視覚効果技術は、人間本来の持つ感覚に直接訴えるものである。前述したが、インパクトのある心地良い驚きをダイレクトに相手に伝えられる。日常の生活シーンでさりげなく利用されることがあれば、作品自体が一番喜ぶはずである。代表的な用途として、グリーティング・カードなどのメッセージツールが最適である。さらにノート、便箋、メモパッドなどの文具用品に応用できる。繊維素材の場合は、ハンカチーフやナプキン、風呂敷、袱紗などの生活雑貨用品が相応しい。繊維素材が持つしなやかさは本考案の実施に最適である。折りたたむ一連の流れは見る人に感動を与えるであろう。また、関連する商品パッケージや店頭ディスプレーとも連動するので、総合的な効果が期待できる。
【0045】
1 画像付絵変わりシート
2 正菱形スペース
3 展開配置画像
4 ストッパー
5 折曲げ線
6 絵変わりシート台紙
7 最終工程表示画像
8 分割画像A
9 分割画像B
10 分割画像C
11 分割画像D
12 加筆予定部分
13 加筆完了画像
14 接着部分

(57)【要約】

【課題】単一の素材から成る一体型で特定の形状を特長とする絵変わりシートを提供する。【解決手段】絵変わりシート1は、正方形と長方形の2つから構成され、正方形の正菱形スペース2に展開配置画像3を配置し、表裏面の展開収納に対し、一時停止と保持する機構を有する円弧形のストッパーを長方形部分に備え、展開配置画像3の折りたたんだ部分をストッパー4に挿入する。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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