(54)【考案の名称】ロッカー及びそれを用いた入浴施設の構造

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、ロッカー及びそれを用いた入浴施設の構造に関する。

【従来の技術】

【0002】
従来より、日本人は、身体を清潔に保つとともに、健康増進、精神的リラックスなど、さまざま観点から入浴を楽しむ習慣がある。各家庭に持ち風呂が普及した現代にあっても、公衆浴場やスーパー銭湯、ホテルや旅館等の大浴場、さらにはスポーツジムに併設された大浴場などは、多くの利用者で賑わっている。このように多くの不特定多数の利用者が入浴する公衆浴場等では、清潔かつ安全に入浴できるようにする必要がある。
【0003】
ところで、2020年の東京オリンピック期間中には、世界各地から多くの、そして様々な生活習慣をもつ外国人が日本を訪れることとなる。このような機会に、日本の生活習慣を経験しようとして、日本の衣食住にトライする外国人は大変な数にのぼると思われるが、公衆浴場等に入ることに関心が向くことも想像に難くない。多くの生活習慣の異なる利用者が利用する場合、清潔かつ安全に入浴できるようにすることは、一層重要となる。
【0004】
入浴施設は、更衣室スペース、浴場スペース、休憩スペースなどに大きく区分され、それぞれに清潔かつ安全に保つ必要がある。この点、従来、脱衣場と着衣場を兼ねた更衣室が一般的であり、入浴前の利用者と入浴後の利用者が混在する態様になっており、必ずしも清潔とはいえないという問題があった。
【0005】
そこで、本考案は、後述するように、更衣室スペースを脱衣場と着衣場に区分し、入浴前後の利用者を混在させないようにしようとするものであるが、脱衣場と着衣場が異なる場合にも、同一の利用者が自身の衣服にアクセスできるロッカーが求められる。従来、前面と後面の両面に扉を設けたロッカーが開示されている(例えば、特許文献1参照)が、これは、中に仕切りが存在し、前面と後面から、別々の利用者が利用する態様であり、本考案に用いることはできないという問題があった。
【0006】

【効果】

【0014】
本考案によれば、ロッカーが一方通行の動線をとる利用者に供されるとき、同一の利用者が内容物を両面から出し入れ可能であるロッカー、及びそれを用いた清潔かつ安全な入浴施設の構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本考案の第1実施形態に係るロッカーを示す斜視図である。
【図2】同じく、一方側の扉を自動ロック又は常時ロックした場合を示す斜視図である。
【図3】同じく、ロッカーの内部を示す図である。
【図4】本考案の第2実施形態に係る入浴施設を示す平面図である。
【図5】同じく、入浴施設の変形例を示す図である。

【0016】
以下、本考案を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0017】
<第1実施形態>
本考案の第1実施形態に係るロッカー1の構造について、図1から図3を用いて説明する。図1は、ロッカー1が上下2段、左右2列に構成された例を示しているが、もちろんこれに限られるものではない。上下に細長い1段としたり、3段以上としたりとしても差し支えないし、左右に単列であっても構わないし、3列以上としても構わない。要するに、ロッカー1は、扉のついた1つの収納スペースを指している。
【0018】
ロッカー1は、ロッカー本体10と、その第1面に設けられた第1扉11と、第1面に対向する第2面に設けられた第2扉12とを有している。図1に示されたロッカー本体10の側面を縦断する破線は間仕切りPの存在を示している。これは、ロッカー1が、利用者がこの間仕切りPを横切って移動できない状況下で使用されることを示している。すなわち、利用者は、間仕切りPを横切らないで一方通行の動線をとるように求められており、ロッカー1は、そのような利用者に供される。第1扉11からロッカー本体10に収納した内容物は、反対側の第2扉12から取り出される。利用者は、第1扉11と第2扉12を任意に選択して内容物を出し入れすることはない。
【0019】
利用者は、第1扉11から内容物をロッカー本体10の中に収納した後、自身が有する鍵をもって第1扉11を閉鎖してそのロック機構111を施錠する。これに対し、第2扉12は、図2に示すように、第三者が内容物を取り出してしまわないように、扉の閉鎖とともに施錠される自動ロック機構121、又は利用者が扉を閉鎖した後に施錠しないと鍵が抜き取れない常時ロック機構121’が設けられている。このようにすると、初期時点で、第2扉12の自動ロック機構121又は常時ロック機構121’が施錠されていれば、利用者Aは安全に内容物を第1扉11から収納することができる。そして、第2扉12の自動ロック機構121又は常時ロック機構121’を開錠して内容物を取り出した後は、自動ロック機構121の場合は第2扉12を閉鎖することにより自動的にあらためて施錠され、常時ロック機構121’の場合は第2扉12を閉鎖した後に施錠して鍵を抜き取れば確実に施錠の状態となり、次の利用者Bは、安全に同じロッカー1を利用することができる。
【0020】
なお、自動ロック機構121としては、公知のものを採用することができる。例えば、機械式のものや電気式のものでもよい。開扉は、当該ロッカー1の利用者が有する鍵によって行ってもよいし、暗証番号を利用者が入力することによって行ってもよい。さらには、ロッカー1が設置されている場所の設備によっては、利用者が装着したリストバンドなどに埋め込んだICチップに反応する非接触式のもので行ってもよい。常時ロック機構121’としても、公知のものを採用することができる。常時ロック機構121’では、扉を閉鎖しても開錠の状態では鍵を抜き取ることはできないため、事実上、自動ロック機構121と同様の機能を果すこととなる一方で、構造の簡便性や相対的に安価であるというメリットがある。
【0021】
このように、同一の利用者が自身の内容物を第1扉11からロッカー本体10に内容物を収納し、反対側の第2扉12から内容物を取り出すという状況は、例えば、第2実施形態として後述するように、脱衣場と着衣場が分離された入浴施設において典型的に現出する。その他には、例えば、駅構内外の境界に設置されたようなコインロッカーがあれば、駅構外側の第1扉11から内容物を収納しておき、一定の時間経過後に駅構内側の第2扉12から内容物を、駅構内外を往来しなくても、取り出すことが可能となる。
【0022】
ロッカー本体10の構造としては、第1扉11及び第2扉12ともに、図1に示すように、90度以下の開角度を有するようにしておくことが好ましい。隣接するロッカー本体10の利用者の便宜を考慮したものであり、利用者間でのトラブルを避けることができる。また、収納する内容物として衣服が想定される場合には、ロッカー本体10の内部に、図3に示すように、衣服を吊るすハンガー掛け10aや、上履き用スリッパの収納スペースとしてスリッパ入れ10bなどを設けてもよい。
【0023】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態として、ロッカー1を入浴施設20に適用した場合について説明する。ここで、入浴施設20とは、銭湯、スーパー銭湯、温泉、ホテルや旅館の浴場、スポーツジムやフィットネスクラブの浴場などを含む広い概念である。このような入浴施設20では、不特定多数の利用者が入浴することから、ロッカー1に収納した貴重品の盗難防止、利用者の入浴前後の区分などによる清潔さの維持が大変重要である。
【0024】
図4を参照して、第2実施形態について説明する。入浴施設20は、更衣室21と、浴場22とを備えている。そして、更衣室21は、図中上方の脱衣場211と、下方の着衣場212とに分離されている。脱衣場211と着衣場212との間には、複数のロッカー1を含むロッカー集合体100が配置され、更衣室21の内壁とロッカー集合体100との間には、間仕切りPが設けられている。利用者は、図中左上の更衣室入口21aから脱衣場211に入場し、脱衣してロッカー集合体100のうちの所定のロッカー1の中に衣服を第1扉11から収納した後、右方の浴場入口22aから浴場22へ入る。浴場22を浴場出口22bから出た利用者は、着衣場212に戻り、ロッカー1の中の衣服を第2扉12から取り出して着衣し、更衣室出口21bから着衣場212を退場する。なお、図中、白矢印は、利用者の動線を示している。
【0025】
なお、更衣室入口21aの手前近傍には、受付カウンター20a、貸しタオル等置き場20bなどが適宜設けられている。脱衣場211の内部には、お手洗い211aが設けられている。
【0026】
このように、第2実施形態では、利用者は一方通行の動線を辿ることとなり、入浴前後の利用者が更衣室21で混在することはない。このような仕組みに沿って安全、清潔に入浴を楽しめるようにするため、入浴施設20内外での利用者への案内はかかせないが、一方通行の動線を確保するため、更衣室入口21a、浴場入口22a、浴場出口22b、更衣室出口21bにセンサを有する自動ドアを設けて、逆方向に利用者が流れないようにセットしてもよい。もちろん、その場合、緊急時には逆方向の移動を許容するなどの配慮を行う。
【0027】
いずれにしても、平常時には、脱衣場211と着衣場212とが分離されるので、入浴後の利用者が専用的に次のような機器類を使用でき、清潔さを一層向上することができる。例えば、湯上りの水切りマット212a、足温風器212b、足殺菌器212cなどを、入浴前すなわち洗浄前の利用者が使用することはない。
【0028】
着衣場212には、ロッカー集合体100の前に着替えの目隠しとしてパーティション212dが設けられており、パーティション212dの反対側には、入浴後の利用者が身だしなみを整えるためのカウンター212eが設けられている。カウンター212eの正面にはミラー212fが配置され、カウンター212e上にはドライヤー、化粧品、ヘアブラシなどが整備されている。カウンター212eの横には、洗面台212gが設けられている。
【0029】
上記に加えて、第2実施形態には、さらに、脱衣場211と浴場22の境界に、より具体的には、脱衣場211から浴場22に入る浴場入口22aの脱衣場211側に、ロッカー本体10と同一の利用者が使用するバスタオルを同一の鍵で保管するバスタオルボックス300を備えてもよい。バスタオルボックス300は、ロッカー本体10と同様に、脱衣場211の側に設けられた第1ボックス扉31と、浴場22の側に設けられ、自動ロック機構121又は常時ロック機構121’を有する第2ボックス扉32と、を有している。こうすることにより、利用者は、浴場22に入る前に、自身のバスタオルを自身の専用のバスタオルボックス300に保管してから浴場22に入り、浴場22からあがるときには着衣場212に入る前に自身のバスタオルを取り出すことができる。そうすると、自身のロッカー本体10に至る前に身体に着いた水分を拭き取ることができ、着衣場212の床を濡らさなくても済む。
【0030】
<変形例>
図5に示す第2実施形態の変形例は、規模の大きな入浴施設20に対し、ロッカー集合体100を2本設けた場合を示している。ここでは、ロッカー集合体100が2本の場合を示しているがその数に限定はない。2本の場合、中央の着衣場212を挟んで、第1脱衣場2111と第2脱衣場2112を設けることができる。これに応じて、更衣室入口21a及び浴場入口22aが2つとなり、カウンター212eが着衣場212の中央に位置し、その両側が利用可能なように構成されている。なお、着衣場212、第1脱衣場2111及び第2脱衣場2112には、第2実施形態と同様の設備が設けられているが、説明は省略する。
【0031】
変形例では、第1ロッカー集合体101の第1扉11が第1脱衣場2111側に、第1ロッカー集合体101の第2扉12が着衣場212側に、第2ロッカー集合体102の第1扉11が第2脱衣場2112側に、第2ロッカー集合体102の第2扉12が着衣場212側に、それぞれ面することとなる。これにより、より多くの利用者が入浴施設20を利用することができる。
【0032】
変形例においても、前述したバスタオルボックス300をさらに配置してももちろんよい。変形例においては、第1脱衣場2111と浴場22の境に第1バスタオルボックス301を、第2脱衣場2112と浴場22との境に第2バスタオルボックス302を、配置することとなる。第1バスタオルボックス301及び第2バスタオルボックス302は、前述したバスタオルボックス300と同様に、第1脱衣場2111又は第2脱衣場2112の側に設けられた第1ボックス扉31と、浴場22の側に設けられ、自動ロック機構121又は常時ロック機構121’を有する第2ボックス扉32と、を備えている。こうすることにより、いずれの脱衣場を利用する利用者であっても、浴場22に入る前に、自身のバスタオルを自身の専用の第1バスタオルボックス301又は第2バスタオルボックス302に保管してから浴場22に入り、浴場22からあがるときには着衣場212に入る前に自身のバスタオルを取り出すことができる。そうすると、自身のロッカー本体10に至る前に身体に着いた水分を拭き取ることができ、着衣場212の床を濡らさなくても済む。
【0033】
以上、実施形態を用いて本考案を説明したが、本考案の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本考案の技術的範囲に含まれ得ることが、実用新案登録請求の範囲の記載から明らかである。
【0034】
1…ロッカー
10…ロッカー本体
10a…ハンガー掛け
10b…スリッパ入れ
100…ロッカー集合体
101…第1ロッカー集合体
102…第2ロッカー集合体
11…第1扉
111…ロック機構
12…第2扉
121…自動ロック機構
121’…常時ロック機構
20…入浴施設
20a…受付カウンター
20b…貸しタオル等置き場
21…更衣室
21a…更衣室入口
21b…更衣室出口
211…脱衣場
2111…第1脱衣場
2112…第2脱衣場
211a…お手洗い
212…着衣場
212a…水切りマット
212b…足温風器
212c…足殺菌器
212d…パーティション
212e…カウンター
212f…ミラー
212g…洗面台
22…浴場
22a…浴場入口
22b…浴場出口
300…バスタオルボックス
31…第1ボックス扉
32…第2ボックス扉
301…第1バスタオルボックス
302…第2バスタオルボックス



(57)【要約】

【課題】ロッカーが一方通行の動線をとる利用者に供されるとき、同一の利用者が内容物を両面から出し入れ可能であるロッカー、及びそれを用いた清潔かつ安全な入浴施設の構造を提供する。【解決手段】ロッカー1は、ロッカー本体10と、ロッカー本体10の第1面に設けられた第1扉11と、ロッカー本体10の第1面に対向する第2面に設けられた第2扉12と、を備え、ロッカー本体10が一方通行の動線をとる利用者に供されるとき、同一の利用者が内容物を第1扉11及び第2扉12から安全に出し入れ可能であるように、第2扉12が自動ロック機構121又は常時ロック機構121’を有することを特徴とする。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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