(54)【考案の名称】アンテナ装置および盗難防止システム

(73)【実用新案権者】アイアンドティテック株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は盗難防止システムの技術に係るものである。

【従来の技術】

【0002】
従来、盗難防止システムとしては、例えば特許文献1に記載するものがある。この盗難防止システムは、盗難防止用検出具である自鳴式のセンサタグ(盗難防止タグ)と、自鳴式のセンサタグと別体をなす送受信アンテナで構成されるものである。自鳴式のセンサタグは、盗難の予備行為を検出する盗難検出手段と、盗難検出手段が盗難の予備行為を検出すると警報音を出力する警報音出力手段とを備えている。送受信アンテナは警報音出力手段で発生する電磁波ノイズを検出する警報作動検出手段と、警報作動検出手段が電磁波ノイズを検出すると警報信号を出力する補助警報出力手段とを備えている。盗難検出手段は、送受信アンテナの送信器から無線送信される作動指示用信号を受信手段にて受信したときに盗難の予備行為が生じたとして検出する。
【0003】
また、一般的に盗難防止タグには外部からの電気信号を受信するための受信回路が設けられており、例えば特許文献2に記載するものでは、店舗の出入口に設置された発信装置から発信されている所定信号の電波を受けて、抵抗、コンデンサ及びコイルからなる共振回路が共振し、この共振電圧でトランジスタを駆動することにより入力される。
【0004】
さらに、盗難防止タグの受信感度を調整するものとしては、例えば特許文献3に記載するものがある。ここでは、アンテナから入力された受信信号を信号増幅部において増幅しており、入力回路のトランジスタのバイアス電圧を調整して電波受信感度を調整している。
【0005】
特許文献4に記載する異常検知装置は、検知すべき警報音に含まれる音特徴の周波数成分を周波数分析により求める周波数分析手段と、周波数分析手段の出力の音特徴周期における音特徴の周波数成分の時間変化を示す時間変化パターンと音特徴周期以前の周期における時間変化パターンとの類似度を求める類似性検知手段を備え、類似性検出手段の出力の大きさから警報音を検知するものである。
【0006】
特許文献5に記載するものは、フロアマットタイプのアンテナを、床下の金属製障害物を気にせず、どこにでも自由に設置可能とするものであり、アンテナコイルが組み込まれたフロアマットの底面に、アンテナコイルと絶縁され、鉄板を縞状に配置して成るダミー障害物を添着するものである。
【0007】
特許文献6に記載するものは、アンテナが、合成樹脂材料を0.2mm程度の厚さの長方形状にしたフィルム状のベースシート2の上にアンテナコイルを固定してなり、アンテナコイルは、厚さが70μm程度の導電性金属箔を、該導電性金属箔の寸法より少し大きい寸法のベースシートの中央に接着固定し、ターン数が数回程度の矩形渦巻き状になるように、エッチング法又はレーザカッティング法によって形成し、ベースシートと略同じ寸法のカバーシートによって覆ってあり、該カバーシート及びベースシートは、それらの間に介装させた接着層によって互いに接着してある。
【0008】

【効果】

【0021】
以上のように本考案によれば、アンテナが基本的に見えないので盗難防止領域である店舗の出入口付近の美観を損ねない。また、出入口の天井部もしくは側部に配置したファサードサインに内蔵することで、耐久性を確保するとともに歩行者に対する障害性を排除することができる。アンテナ設置は店舗の完成後に後付けで設置することが可能で、施工が比較容易である。
【0022】
さらに、コンパレータを間欠的な動作状態とすることにより、コンパレータの平均消費電流を低減して消費電力量を抑制するので、電池を長期間にわたり使用できる。よって、盗難防止タグにおけるコンパレータの使用が可能となり、コンパレータの使用によってトリガー信号の受信感度が向上するので、送信アンテナの小電力化、すなわちトリガー信号を送信する送信アンテナの小型化を実現でき、店舗の出入口付近のファサードサイン内に配置することが容易に実現できる。
【0023】
アンテナ設置位置を店舗の出入口付近のファサードサイン内とすることにより、盗難防止タグがトリガー信号を受信可能な範囲を店舗内側において抑制でき、顧客が盗難防止タグを装着したままの商品を手にして店舗内を移動した場合に生じる誤発報が発生する範囲を最小限に抑えることができ、商品を配置するために店舗面積を有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本考案の実施の形態におけるO(オー)ループアンテナの配置構成を示す模式図
【図2】本考案の他の実施の形態における8(エイト)ループアンテナの配置構成を示す模式図
【図3】同ループアンテナの配置構成を示す模式図
【図4】本考案の実施の形態における盗難防止タグの構成を示すブロック図
【図5】同実施の形態における警報音識別部とトリガー信号送信部および送信アンテナの基本的構成を示す模式図
【図6】同トリガー信号送信部の要部を示すブロック図
【図7】同警報識別部の要部を示すブロック図
【図8】同実施の形態における盗難防止システムを示す模式図
【図9】同実施の形態における第一アラーム音の構成を示す模式図
【図10】同実施の形態における第二アラーム音の構成を示す模式図
【図11】同実施の形態における盗難防止タグのアクティブ状態およびスリープ状態の周期と送信アンテナの出力周期を示す模式図
【図12】同実施の形態における送信アンテナの出力信号の到達範囲とタグ配置可能範囲の関係を示す模式図

【0025】
以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。図8に示すように、盗難防止システムは、盗難警戒領域Aの内部に配置した対象物に装着され、窃盗行為事象の発生時に第一アラーム音と第二アラーム音の異なる二つの音の何れかを発報する盗難防止タグ100と、盗難警戒領域Aの出入口付近においてトリガー信号を送信するトリガー信号送信部200と、盗難防止タグが発報する第一アラーム音と第二アラーム音を識別する警報音識別部300(301、302)を備えている。
【0026】
本考案において盗難警戒領域Aの出入口とは、店舗内から店舗外へ通じる出入口のみならず、ショッピングモール等において通路と店舗領域の間の出入口を含むものである。
図4に示すように、盗難防止タグ100は警報発報部110と窃盗行為事象検知部120と感度調整部130とタグ制御部140およびバッテリVBを備えている。
【0027】
警報発報部110は、警報音として第一アラーム音と第二アラーム音を発報可能なブザー111と、ブザー111を駆動するためのブザー駆動回路112を有している。
窃盗行為事象検知部120は、窃盗行為に起因して電気回路が開閉する異常事態検知スイッチ部121を有している。図4においては異常事態検知スイッチ部121を例示する構成として便宜的に二つのものを同時に開示しているが、本来は何れか一方である。その一つは盗難防止タグ100と対象物との間に掛け渡されたワイヤスイッチ122であり、窃盗行為によってワイヤスイッチ122の切断や引抜が生じると、正常状態において閉じられていた回路が開いて異常を示す信号が送信される。他の一つは、押圧スイッチ123であり、盗難防止タグ100が対象物に装着された正常状態で回路が閉じた状態となり、盗難防止タグ100が対象物から取り外された異常状態で回路が開いた状態となって異常を示す信号が送信される。
【0028】
また、窃盗行為事象検知部120は、トリガー信号送信部200から送信されたトリガー信号を検知するトリガー信号受信部124を有しており、トリガー信号受信部124は管理者が操作するリモコン125から送信するリモコン制御信号もしくはトリガー信号送信部200から送信するトリガー信号を受信するタグ受信アンテナ(共振回路)126と、タグ受信アンテナ126がトリガー信号を受信したことを示す信号を送信するコンパレータ127を備えている。コンパレータ127には高感度コンパレータが望ましい。
【0029】
なお、リモコン125は盗難防止タグ100を警戒状態にするセット信号および発報した警報音を停止させるリセット信号、さらには受信感度指示信号を盗難防止タグ100に送信する。
【0030】
感度調整部130は、コンパレータ127へ入力する比較しきい値電圧(スレショルド電圧)を変更して窃盗行為事象検知部120の感度を設定するものであり、感度設定部131と後述する感度記憶部144と感度出力部145で構成される。感度設定部131は、抵抗値の異なる複数の抵抗R4、R3、R2を有しており、タグ制御部140を構成するCPUの複数の出力ポートP0、P1、P2の出力を組み合わせることでコンパレータ127の比較しきい値電圧(スレショルド電圧)を設定する。
【0031】
例示1 高感度
出力ポートP0をロジック出力Lo(低電圧出力)とし、P1、P2をロジック出力Hi(高電圧出力)とすると、抵抗R3(2M)、R2(4M)を通ってコンパレータ127へ最も低い値の比較しきい値電圧(スレショルド電圧)が入力されてコンパレータ127の感度が上がり、トリガー信号受信部124が高感度となる。
【0032】
例示2 中感度
出力ポートP0をロジック出力Hi(高電圧出力)とし、P1、P2をロジック出力Lo(低電圧出力)とすると、抵抗R4(33k)を通ってコンパレータ127へ中間値の比較しきい値電圧(スレショルド電圧)が入力されてコンパレータ127の感度が中程度となり、トリガー信号受信部124が中感度となる。
【0033】
例示3 低感度
出力ポートP0、P1、P2をロジック出力Hi(高電圧出力)とすると、抵抗R4(33k)、抵抗R3(2M)、R2(4M)を通ってコンパレータ127へ最も高い値の比較しきい値電圧(スレショルド電圧)が入力されてコンパレータ127の感度が低下して、トリガー信号受信部124が低感度となる。
【0034】
CPUからなるタグ制御部140は、警報発報部110を制御して、異常事態検知スイッチ部121が作動した時に第一アラーム音を発報させ、トリガー信号受信部127がトリガー信号を検知した時に第二アラーム音を発報させるものであり、信号処理部141、アラーム制御部142、コンパレータ電源制御部143、感度記憶部144、感度出力部145、バッテリ146を有している。
【0035】
信号処理部141は、窃盗行為事象検知部120の異常事態検知スイッチ部121とトリガー信号受信部124の何れから入力信号を受けたかを認識し、第一アラーム音の発報か第二アラーム音の発報かを判断する。また、信号処理部141はリモコン125から送信するリモコン制御信号が感度設定信号である場合には、その感度設定信号が高感度設定信号である時、高感度設定パラメータを感度記憶部144に記憶する。感度設定信号が中感度設定信号である時、中感度設定パラメータを感度記憶部144に記憶し、感度設定信号が低感度設定信号である時、低感度設定パラメータを感度記憶部144に記憶する。その記憶モード以降、設定された感度が、感度記憶部144、感度出力部145を経て出力される。
【0036】
アラーム制御部142は、信号処理部141の指示を受けて警報発報部へ第一アラーム音を発するための第一アラーム駆動信号か第二アラーム音を発するための第二アラーム駆動信号の何れかをブザー駆動回路112へ出力するものである。
【0037】
コンパレータ電源制御部143はバッテリ146から受ける電源電力をコンパレータ127の電源入力端子cに供給する電源入力を制御するとともに、バイアス回路128を介してコンパレータ127の+入力端子bへバイアス電圧を印加するものであり、コンパレータ127の電源端子cへの供給電源をオン/オフ制御して盗難防止タグ100の消費電流の抑制を実現する。詳細は後述する。
【0038】
感度記憶部144は、リモコン感度設定信号に従い信号処理部141から指示された感度の状態を記憶し、出力ポートP0、P1、P2の組み合わせを感度出力部145に指示する。感度出力部145は出力ポートP0、P1、P2のロジック出力Hi/Loを制御し、出力ポートP0、P1、P2の組み合わせを制御する。
【0039】
トリガー信号送信部(アンテナ装置)200は、図6に示すように、電源部201、アンテナ送信信号発生部202、アンテナ同調・パワーアンプ部203、送信アンテナ(アンテナ巻線)204を有している。
【0040】
図8に示すように、警報音識別部300は、盗難警戒領域Aとなる店舗内に配置し、盗難防止タグ100が発報する第一アラーム音を識別する第一警報音識別装置(ASD1)301と、盗難警戒領域の出入口付近に配置し、盗難防止タグ100が発報する第二アラーム音を識別する第二警報音識別装置(ASD2)302を有しており、第一警報音識別装置301により盗難防止タグ100が発報する第一アラーム音を認識して盗難警戒領域Aの内方域で窃盗行為事象が発生したことを検知し、第二警報音識別装置302により盗難防止タグ100が発報する第二アラーム音を認識して盗難警戒領域Aの出入口付近で窃盗行為事象が発生したことを検知する。
【0041】
図5に示すように、トリガー信号送信部200と第二警報音識別装置302は別体に分離している。図1から図2に示す例では、トリガー信号送信部(アンテナ装置)200の送信アンテナ204のアンテナ線205を出入口付近の店舗の外側位置に配置し、電源部201、アンテナ送信信号発生部202、アンテナ同調・パワーアンプ部203および第二警報音識別装置302を店舗の内側に配置している。
【0042】
図3に示すように、送信アンテナ204のアンテナ線205は、盗難警戒領域の出入口付近の天井に配置したファサードサイン501に内蔵させて配置する。本実施の形態でファサードサインは建物正面のみならず、店舗内に設置したものも含むものである。
【0043】
しかし、盗難警戒領域Aの出入口付近で店舗の内外の境界近辺においての盗難防止タグ100の発報が許容される場合には、アンテナ線205は店舗の内外の境界を含む位置や境界に隣接する店舗の内側位置に配置することも可能である。
【0044】
図1において、送信アンテナ204のアンテナ線205は、1ターンもしくは複数ターンのループ状に布設し、途中で交差することなく平面視において単ループをなす。図2において、アンテナ線205は8(エイト)ループ状に1ターンもしくは複数ターンで布設し、途中で交差して平面視において複数ループをなす。しかし、アンテナ線205は、Oループ状、8ループ状のみならず、8ループ状を複数回繰り返す態様に配置することも可能である。
【0045】
従来の盗難防止タグの感度では、盗難防止タグを発報させるためにトリガアンテナの巻数が10ターン以上必要で、しかもそのアンテナ開口面積が広いことが必要である。しかし、本考案では、盗難防止タグ100の感度を高めることができるので、1ターンでも、あるいは2−5ターンの少ないターン数で、かつアンテナ開口面積を小さくしても、盗難防止タグ100に十分にトリガー信号を送れることが本考案の特徴である。
【0046】
例えば15cmW(幅)*800cmL(長さ)のワンターンアンテナを3回交差させて図2のアンテナを作った場合、ファサードアンテナ下2m位の領域に盗難防止タグ100が入ったときに発報することが確認できている。また、15cmW(幅)*800cmL(長さ)でアンテナ線を4ターンさせてアンテナコイルを製作したうえ、当該4ターンアンテナコイルと3回交差させて図2のアンテナを作った場合、ファサードアンテナ下3m位の領域に盗難防止タグ100が入ったときに発報することが確認できた。
【0047】
この例からもファサードサインの幅を15cm程度にできることは本考案の特徴である。一般的な自鳴式タグでは、アンテナ製作の困難さのため、今までかかるファサードサインアンテナは実現されていなかった。仮に作ったとしてもファサードサインの幅が30cm以上必要となり、ファサードサインが高価になり、かつ出入口でのファサードサインの印象が重くなりすぎ、ワイドでオープンなエントランスにそぐわないものとなる。
【0048】
このように、アンテナ線205が基本的に見えないので盗難防止領域である店舗の出入口付近の美観を損ねない。また、天井に配置したファサードサイン501に内蔵することで、耐久性を確保できるとともに、従来のように歩行者がマット等につまづくなどの障害性を排除することができる。アンテナ線205は店舗の完成後に後付けで設置することも可能で、施工が比較容易であり、施工コストを抑制して安価に実現できる。
【0049】
第一警報音識別装置301および第二警報音識別装置302は、同じ構成を有し、基本的技術は特許第5489927号に開示されたものと同様であり、図7に示すように、マイク310、音特徴解析部320、音特徴記憶部330、音特徴比較部340、アラーム部350、アラームブザー360、有線アラーム信号送信部370、無線アラーム信号送信部371(無線アンテナ372)を備えている。有線アラーム信号送信部370、無線アラーム信号送信部371は何れか一方でよい。
【0050】
マイク310は、盗難防止タグ100等から発報される警報音を取り込むものであり、ここでは微弱なマイクロホン信号を増幅する機能を含むとともに、警報音の周波数成分を主として通過させるフィルタ機能を含んでいる。
【0051】
音特徴解析部320は、マイク310から取り込んだ音、すなわち取得音の音特徴を解析するものである。本実施の形態において、対象とする警報音は、数kHzの音が1秒に数回、間欠的に発報するタイプである。図9に示すように、第一アラーム音は、周波数3.6kHzの音が100msの期間継続し、その後100msの期間鳴り止み、200msの間隔で間欠的に発報する音特徴を有している。図10に示すように、第二アラーム音は、周波数3.8kHzの音が80ms期間継続し、その後70ms期間鳴り止み、150msの間隔で間欠的に発報する音特徴を有している。本実施の形態において、音特徴解析部320は、取得音の音特徴として周波数、継続期間、間隔などを解析する。
【0052】
音特徴記憶部330は、第一警報音識別装置301では第一アラーム音の音特徴を記憶しており、第二警報音識別装置302では第二アラーム音の音特徴を記憶している。
音特徴比較部340は、第一警報音識別装置301においては音特徴解析部320で解析した音の音特徴、すなわちマイク310で取り込んだ取得音の音特徴と、音特徴記憶部330に記憶した第一アラーム音の音特徴と比較し、第二警報音識別装置302においては音特徴解析部320で解析した音の音特徴、すなわちマイク310で取り込んだ取得音の音特徴と、音特徴記憶部330に記憶した第二アラーム音の音特徴と比較し、音特徴が一致する場合に取得音が登録(記憶)された警報音であると判断し、アラーム部350に通知する。
【0053】
アラーム部350は、音特徴比較部340からの通知を受けてアラームブザー360を駆動して第一アラーム音や第二アラーム音とは異なる音特徴で大きな音量の別途の警報音を発報し、さらに有線アラーム信号送信部370や無線アラーム信号送信部371(無線アンテナ372)を通して警備室等に配置したセキュリティシステム管理装置に情報を有線もしくは無線で配信する。
【0054】
以下、上記構成の作用を説明する。図11に示すように、送信アンテナ204がAM(音響磁気)方式アンテナの場合には、例えばAMアンテナの出力周波数は一般的に45Hz、50Hz、60Hzであり、それぞれの場合に応じてトリガー信号(周波数58kHz、バースト幅1.6ms)が、バースト繰り返し周期16.6ms(45Hz)、20ms(50Hz)、22ms(60Hz)で送信される。
【0055】
タグ受信アンテナ126がコンパレータ127のアクティブ状態のときに、送信アンテナ204から送信するバースト波を受信するためには、コンパレータ127のアクティブ状態となる時間が、バースト波のバースト繰り返し周期以上であることが必要である。
【0056】
本実施の形態では、AM方式アンテナのバースト周波数が45Hz(バースト繰り返し周期22ms)であると想定して、コンパレータ127のアクティブ状態となる期間を30msとしている。
【0057】
また、ここでは、コンパレータ電源制御部143は、コンパレータ127の電源端子cに間欠的に電源電力を供給し、例えばコンパレータ127を400msスリープ状態とし、30msアクティブ状態(動作状態)として間欠的に動作させる。
【0058】
このようにコンパレータ127をアクティブ状態にする時間に対して、コンパレータ127をスリープ状態にする時間を長く取ることによって平均消費電流を下げることができるので、通常において電流を大きく消耗するために採用することができなかった高感度のコンパレータ127を盗難防止タグ100に使用することが可能になる。
【0059】
その結果、コンパレータ127の使用により、低出力アンテナ信号、すなわち低信号レベルのトリガー信号も受信可能となって、タグ発報距離、つまり盗難防止タグ100が送信アンテナ204からのトリガー信号を受信して発報に至る時の送信アンテナ204から盗難防止タグ100までの距離を、従来のトランジスタを使用した自鳴式タグに比べて2倍から3倍程度に飛躍的に向上させることができる。さらに送信アンテナ出力を大幅に低減できるので、送信アンテナ204の大きさが従来のアンテナの大きさに比べて半分以下になり、送信アンテナ204の小型化およびアンテナ線205のターン数の低減を実現でき、店舗の出入口付近の床面500や天井のファサードサイン501の内側に1ターンで布設することが容易に実現できる。また狭いファサード幅(20cm 程度)であっても、アンテナターン数を2−5ターン位にすることにより十分なタグ感度が得られる。
【0060】
次に、トリガー信号送信部200の送信アンテナ204から送信するトリガー信号をタグ受信アンテナ126で受信すると、タグ受信アンテナ126のアンテナ出力がコンパレータ127の+端子に入力され、タグ受信アンテナ126がトリガー信号を受信したことをコンパレータ127がコンパレータ出力端子dで信号処理部141に入力する。
【0061】
タグ制御部140は、スリープ状態で待機しているが、コンパレータ出力を受けるとCPUの割り込み制御により、信号処理部141においてコンパレータ出力、すなわちタグ受信アンテナ126からコンパレータ127へ入力された入力信号(共振回路出力)の解析が開始され、以降は入力信号の解析が終了するまでタグ制御部140およびコンパレータ127が動作状態となる。
【0062】
リモコン125から送信するリモコン制御信号をタグ受信アンテナ126で受信すると、タグ受信アンテナ126のアンテナ出力がコンパレータ127に入力され、タグ受信アンテナ126がリモコン制御信号を受信したことをコンパレータ127がコンパレータ出力で信号処理部141に入力する。
【0063】
タグ制御部140は、スリープ状態で待機しているが、コンパレータ出力を受けると割り込み制御がかかり、信号処理部141においてコンパレータ出力、すなわちタグ受信アンテナ126からコンパレータ127へ入力された入力信号(共振回路出力)の解析が開始され、以降は入力信号の解析が終了するまでタグ制御部140およびコンパレータ127が動作状態となる。
【0064】
以下に使用例を説明する。図8に示すように、盗難警戒領域となる店舗内に陳列された各商品には盗難防止タグ100が装着されており、店内の所定位置には第一警報音識別装置301が設置されており、出入口付近には第二警報音識別装置302と、トリガー信号送信部200が設置されている。
【0065】
図12は、アンテナ線205を店舗の出入り口のすぐ外側に置いて、盗難防止タグ100の感度設定を高感度設定、中感度設定、低感度設定とした場合のそれぞれの盗難防止タグ100のタグ発報距離、すなわトリガー信号のまわり込み巾(タグ感度)を示している。
【0066】
B−Bは、中感度の盗難防止タグ(中感度タグ)100がこの領域に入ると、盗難防止タグ100が送信アンテナ204からのトリガ信号を受けて発報するトリガー信号のまわり込み巾(タグ感度)領域を示している。
【0067】
A−Aは、高感度の盗難防止タグ(高感度タグ)100がこの領域に入ると、盗難防止タグ100が送信アンテナ204からのトリガ信号を受けて発報するトリガー信号のまわり込み巾(タグ感度)領域を示している。
【0068】
C−Cは、低感度の盗難防止タグ(低感度タグ)100がこの領域に入ると、盗難防止タグ100が送信アンテナ204からのトリガ信号を受けて発報するトリガー信号のまわり込み巾(タグ感度)領域を示している。
【0069】
例1 通常、盗難防止タグ100の感度設定を中感度設定とした場合、店舗の出入り口におけるトリガー信号の店内まわり込み巾(タグ感度)B−Bをカバーするようにトリガー信号送信部200のアンテナ同調、パワーアンプ部を調整して送信アンテナ204の出力が調整される。すなわち、中感度の盗難防止タグ(中感度タグ)100が持ち出し警戒領域B−Bに入ったとき、盗難防止タグ100は第2アラームを発報することとなる。
【0070】
そして、アンテナ線205の設置位置を店舗外側とすることにより、盗難防止タグ100がトリガー信号を受信可能な範囲であるタグ発報距離を店舗内側において抑制でき、顧客が盗難防止タグ100を装着したままの商品を手にして店舗内を移動した場合に生じるアラームが発生する範囲を最小限に抑えることができ、商品を配置するために店舗面積を有効に利用できる。
【0071】
例2 店舗の奥行きや面積が狭い店舗の場合に、店舗の出入り口の近くで、トリガー信号のまわり込み巾(タグ感度)B−Bの内側に商品展示台400を置くことが多くあるが、この場合に商品展示台400に展示した商品に中感度の盗難防止タグ100をつけると盗難防止タグ100が第2アラームを発報するので、盗難防止タグ100を商品に取り付けることができない。このような場合、店舗の出入り口から離れた場所で展示する商品には中感度の盗難防止タグ(中感度タグ)100をつけてトリガー信号のまわり込み巾(タグ感度)B−Bの全幅において盗難防止タグ100が発報するようにし、店舗の出入り口近くの商品展示台400に展示する商品には低感度の盗難防止タグ(低感度タグ)100をつけることにより、セキュリティ性を向上させることができる。
【0072】
次に、窃盗行為により商品から盗難防止タグ100が取り外される事象が発生すると、窃盗行為事象検知部120の異常事態検知スイッチ部121が作動し、異常を示す信号が信号処理部141に送信される。
【0073】
あるいは、窃盗行為により商品が盗難防止タグ100を装着したままの状態で室外へ運び出される事象が発生すると、窃盗行為事象検知部120は、出入口付近に配置したトリガー信号送信部200の送信アンテナ204から送信されるトリガー信号をトリガー信号受信部124のタグ受信アンテナ(共振回路)126で受信し、タグ受信アンテナ126がトリガー信号を受信したことをコンパレータ127が信号処理部141に送信する。
【0074】
信号処理部141が異常事態検知スイッチ部121またはトリガー信号受信部124から入力信号を受けるとタグ制御部140はアクティブ状態となり、信号処理部141において窃盗行為事象検知部120の異常事態検知スイッチ部121とトリガー信号受信部124の何れから入力信号を受けたかを認識し、第一アラーム音の発報か第二アラーム音の発報かを判断し、アラーム制御部142は、信号処理部141の指示を受けて警報発報部へ第一アラーム音を発するための第一アラーム駆動信号か第二アラーム音を発するための第二アラーム駆動信号の何れかをブザー駆動回路112へ出力し、ブザー111によって第一アラーム音もしくは第二アラーム音を発報させ、窃盗行為事象が発生したことを周囲の人に通知する。
【0075】
このように、盗難防止タグ100が警報音として異なる音特徴の第一アラーム音と第二アラーム音を発報することで、第一アラーム音が発報したときには窃盗行為事象の発生場所が盗難警戒領域の内方域であると判断でき、第二アラーム音が発報したときには窃盗行為事象の発生場所が盗難警戒領域の出入口付近であると判断でき、発報後の警備担当者の速やかな行動を促進することができる。
【0076】
さらに、警報音識別部300は、盗難防止タグ100が第一アラーム音を発報すると、この第一アラーム音を第一警報音識別装置(ASD1)301で認識する。
すなわち、第一警報音識別装置301は、マイク310から取り込んだ取得音の特徴を音特徴解析部320で解析し、音特徴記憶部330に記憶した第一アラーム音の音特徴と取得音の音特徴とを音特徴比較部340で比較し、音特徴が一致する場合に取得音が第一アラーム音であると判断し、アラーム部350のアラームブザー360により、第一アラーム音や第二アラーム音および第二警報音識別装置302のアラーム音とは異なる別途のアラーム音を発報し、あるいは有線アラーム信号送信部370から有線で他の警報装置を作動させ、あるいは無線アラーム信号送信部371(無線アンテナ372)から発する無線信号により他の警報装置を作動させ、盗難警戒領域Aの内方域で窃盗行為事象が発生したことを管理者に通知する。
【0077】
警報音識別部300は、盗難防止タグ100が第二アラーム音を発報すると、この第二アラーム音を第二警報音識別装置(ASD2)302で認識する。
すなわち、第二警報音識別装置302は、マイク310から取り込んだ取得音の特徴を音特徴解析部320で解析し、音特徴記憶部330に記憶した第二アラーム音の音特徴と取得音の音特徴とを音特徴比較部340で比較し、音特徴が一致する場合に取得音が第二アラーム音であると判断し、アラーム部350のアラームブザー360により、第一アラーム音や第二アラーム音および第一警報音識別装置301のアラーム音とは異なる別途のアラーム音を発報し、あるいは有線アラーム信号送信部370から有線で他の警報装置を作動させ、あるいは無線アラーム信号送信部371(無線アンテナ372)から発する無線信号により他の警報装置を作動させ、盗難警戒領域Aの出入口付近で窃盗行為事象が発生したことを管理者に通知する。
【0078】
このように、本実施の形態においては、警報音の第一アラーム音と第二アラーム音とでその音特徴が異なることで、盗難防止タグ100が発報する警報音で窃盗行為事象の発生場所を特定でき、警報音発報後の警備担当者の速やかな行動を促進することができる。
【0079】
盗難防止タグ100が発報する警報音である第一アラーム音もしくは第二アラーム音を警報音識別部300の第一警報音識別装置301もしくは第二警報音識別装置302で検知して窃盗行為事象の発生を検知するので、従来の電波を検知する場合のように照明装置、電気機器、電源ライン等から発せられる電磁波ノイズに阻害されることはなく、盗難警戒領域Aでの窃盗行為事象の発生を確実に検知することができる。
【0080】
特許文献1に記載の一般的な盗難防止用途のアンテナには、タグから発するアラーム時の小さな電磁エネルギの電磁波ノイズを受信しなければならないことから、大きな受信アンテナが必要であり、一般的に30cm*150cmくらいの大きさの受信アンテナとなっている。
【0081】
また、特許文献1記載の一般的な盗難防止用途のアンテナおいては、タグがトリガー信号用アンテナの近くの領域に入ると、タグがアラーム(タグアラーム)を発報する。その際にタグのブザーから出る電磁波ノイズをトリガー信号用アンテナに一体に内蔵される受信アンテナで受信してトリガ信号用アンテナ自身もタグの警報音とは別の警報音(アンテナアラーム)を発報する。しかし、タグアラームの発報時にタグのブザーが発する電磁波ノイズは極めて微弱であるため、受信アンテナがブザーの電磁波ノイズを感じてアンテナアラームを鳴らすことのできるタグ/アンテナ間の距離は通常2m程度と極めて短い受信可能距離である。
【0082】
このことから間口が広いエントラスの場合には、入口に多数のアンテナを設置することが必要となる。例えば10mの間口のエントランスでは3本から4本のアンテナが必要であった。
【0083】
一方、本考案においては、盗難防止タグ100が発報する警報音を識別し、さらに盗難防止タグ100に高感度のコンパレータ127を使用するので、従来の大型のアンテナは不要であり、盗難防止用途のトリガー信号送信用アンテナとしてアンテナ線205を設置場所である盗難警戒領域Aの出入口付近の店舗外側のファサードサイン501の内部に布設すれば良いので、送信アンテナ204が基本的に見えず、高級品販売店舗などにおける盗難防止領域Aである店舗の出入口付近の美観を損ねない。
【0084】
さらに、本考案においては、第一、第二警報音識別装置301、302において警報音を識別できる距離が通常20m程度と極めて長い識別可能距離となり、お客様を威嚇するアンテナのないフレンドリーなオープンエントランスを提供できる特徴を有している。
【0085】
100 盗難防止タグ
110 警報発報部
111 ブザー
112 ブザー駆動回路
120 窃盗行為事象検知部
121 異常事態検知スイッチ部
122 ワイヤスイッチ
123 押圧スイッチ
124 トリガー信号受信部
125 リモコン
126 タグ受信アンテナ(共振回路)
127 コンパレータ
130 感度調整部
131 感度設定部
140 タグ制御部
141 信号処理部
142 アラーム制御部
143 コンパレータ電源制御部
144 感度記憶部
145 感度出力部
146 バッテリ
200 トリガー信号送信部
201 電源部
202 アンテナ送信信号発生部
203 アンテナ同調・パワーアンプ部
204 送信アンテナ
205 アンテナ線
300 警報音識別部
301 第一警報音識別装置(ASD1)
302 第二警報音識別装置(ASD2)
310 マイク
320 音特徴解析部
330 音特徴記憶部
340 音特徴比較部
350 アラーム部
360 アラームブザー
370 有線アラーム信号送信部
371 無線アラーム信号送信部
372 無線アンテナ
400 商品展示台
501 ファサードサイン

(57)【要約】

【課題】店舗の出入り口における障害性を有せず、かつ耐久性を有し、アンテナの存在が美観阻害要因とならないアンテナ装置および盗難防止システムを提供する。【解決手段】盗難防止タグ100に向けてトリガー信号を送信するものであって、盗難警戒領域の出入口付近に配置したファサードサイン501内にアンテナ線205を配設した。


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