(54)【考案の名称】トラック用梯子

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案はトラックの荷台のアオリに掛けて用いる梯子に関する。

【従来の技術】

【0002】
トラックの荷台の周囲には上下に開閉する「アオリ」(ゲートとも呼ばれる)が設けられ、荷物が荷台から落ちないように運搬中はアオリを上げておくが、荷物を積み下ろしする際にはアオリは作業の障害となるので荷台下に吊りおかれる。
特に小荷物の配達など頻繁に行う毎回の積み下ろし作業は、アオリは鉄製で重量物なのでその際に行われるロックを着脱作業と共に重労働となっている。
まして、周囲が塀などに囲われた狭い場所では壁面にアオリが当たって開閉ができなくなる場合もあり、その場合には高いアオリを乗り越えて荷物の積み下ろしをしなければならず、その際のアオリの乗り越えは、トラックの荷台前側の下部に設けられた「足掛けステップ」(図2中に示す足掛けステップS)を利用して行われることもあるが、荷物を多く積んでいる場合には積荷が障害となって荷台後部まで人が到達できないので利用することができない。
一方、アオリを乗り越えて荷台上に行くことが可能となる下記特許文献1及び特許文献2のトラック荷台用の梯子が提案されている。
前記特許文献1の梯子では上端部に掛止部材を設けることで地面に立て掛けた梯子が倒れないように支持される。又、前記特許文献2のトラック用梯子では上部のフックで梯子がアオリに掛けられ、且つ梯子を垂直に折畳むことができるようにしたため、外側への梯子の突出量を減少させ、アオリに梯子を装着したままで運転することも可能となる。
【0003】

【効果】

【0010】
上記構成の本考案は、トラックのアオリ上辺部に両フックの掛止部を掛止して梯子本体を吊ると手摺棒の下端部が地面から浮いた状態で、突張体がアオリ板面下部に当接面が押し付けられ、手摺棒が傾斜状態になって梯子本体の上部と下部とで安定的にアオリに吊着される。
そして、梯子の登り降りの際に、人がステップに体重を載せると、該ステップが両フックの掛止部の垂直下方から外側へ離れているので、アオリに掛けたフックの支持点を中心に下方へ回転しようとするモーメントが発生し、アオリへ向かう力のベクトルは、持った荷物が重いほど大きく働くこととなり、下側のステップほどフックの支持点から離れるので大きな力が働き、より強いアオリへ向かう力のベクトルが働くこととなる。
そして、その力で強くアオリを押さえ付けつつ、梯子の上では間隔を置いて平行な2本の手摺棒のフックによる二点支持によって梯子の横振れが防がれ、アオリに対して確実に梯子が固定される。この結果、アオリから外れたり、倒れたりすることのない安全性の高い梯子が得られるようになる。
又、手摺棒の下端部は地面から浮いているので梯子本体を短く形成することができ、軽量化及びコンパクト化が可能となる。
更に、全体が簡潔な構造であるため製造が容易で安価に商品を提供することができる。
【0011】
請求項2に記載の考案においては、手摺棒に突張体の当接面を手摺棒の長手方向に対して10〜20度の傾斜角度となるように突設したことで、梯子の自重と、使用する人の体重と、持った荷物の荷重が合算されてアオリへ向かう大きな力のベクトルを発生させ、突張体の当接面をアオリに強く押し付け、アオリに対して梯子本体を安定的に固定させ、且つ該梯子本体の下端部がアオリから側方へ大きく出っ張り道路等での通行人の邪魔とはならない。
又、その傾斜角度を大きく取るほど下部のステップが競り上がることとなるが、10から20度の角度範囲では、最下部のステップの位置が人の登り降りが困難となるほど過度にはならず、正常に登り降りすることが可能となる。
又、万一梯子をアオリに装着したままで誤って走行してしまった場合でも、突出幅が小さいので周囲に接触する可能性を小さくすることができる。
【0012】
請求項3に記載の考案においては、手摺棒の上部に設けた吊下げフックによって、荷台前側上部設けられたガードフレームを挟持して梯子本体を吊着可能となり、その際、手摺棒の下端部までの長さが短いので荷台には接触せず、梯子が荷台上面から浮いた状態で垂直に安定的に吊り下げることができる。そして、梯子全体が嵩張らずに短いので荷台に荷物を積むときに邪魔とはならずに保管しておける。
【0013】
請求項4に記載の考案においては、前記突張体の当接面、フックの内側の掛止面及び吊下げフックの内側の掛止面にクッション材を固設することで、掛止部分を保護すると同時にトラック側の掛止対象部分に傷を付けたり、塗装を落としてしまうことがなくなる。
【0014】
請求項5に記載の考案においては、背中合わせのフックと吊下げフックとが筒体で一体化されているので、該筒体を手摺棒の上部から嵌挿することで容易に手摺棒に固定することが可能となる。又、筒体の側面から螺着可能とする固定ネジを設けることで、その固定ネジを回転させることで梯子の吊着位置の高さを調節することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本考案の斜視図である。
【図2】本考案のトラックに使用した状態を示す斜視図である。
【図3】アオリとの関係を示す使用状態の側面図である。
【図4】別の形態の(イ)が組立て前の状態、(ロ)が組立て後の状態を示す各斜視図である。

【0016】
本考案のトラック用梯子の実施形態を、図を参照して以下説明する。
本考案は、図1及び図2に示すように、金属パイプ製の2本の平行な手摺棒2、2間にステップ3を登り歩幅の間隔で横向きに上下複数段架橋して梯子本体1が形成される。
前記ステップ3は各図では金属パイプを使用した態様を示したが、板状や棒状であっても良い。又、金属パイプ鉄製や軽いアルミニウム製のもの等が使用でき、形状は丸パイプや角パイプの使用が可能である。
【0017】
トラックのアオリは、図2に示すように、荷台Dの周囲に、荷台Dを帯状に囲うように直立し、ヒンジHを介して外側に開閉可能となっている。そして、アオリの側部にはロックレバーRが設けられ、隣のアオリが夫々連結されて直立状態を保持できるようになっている。更に、荷台に載せた荷物の暴れによる衝撃によって変形を起こさないように前記アオリの上辺部A及び下辺部には鉄角パイプ状の枠体を入れる等、アオリの板面が強固に形成されている。
【0018】
本考案では、上記の如きトラックのアオリの上辺部Aに掛止可能なフック4、4を、前記該梯子本体1の両手摺棒2、2の上部の前側に夫々設ける。該フック4、4はフック4、4の湾曲した内側は前記アオリの上辺部Aに被るように逆さU字型を形成する。
なお、前記フック4、4は、アオリの上辺部Aに掛かれば良いので、形状は湾曲形に限定するものではない。例えば、コ字形としても良いき、アオリの上辺部Aが斜面には挟まって動かなくなるように上側がアオリの上辺部Aの上面より狭い逆V形としても良い。
本実施例の図1では金属板を湾曲させた態様を示している。
【0019】
そして、図2及び図3に示すように、前記両手摺棒2、2の両フック4、4の掛止部4a、4aから該手摺棒2、2の下端部2b、2bまでの長さを、夫々トラックのタイヤ下端部Tからアオリの上辺部Aまでの長さよりも短く形成する。即ち、図3に示すように、前記両手摺棒2をフック4でアオリの上辺部Aに吊着した際に、下端部2bが地面Gに接触せずに浮き上がるようにする。
前記両手摺棒2、2の最下部のステップ3bは最初の一段目となるものであり、その高さ人が地面に立って無理なく足が載る歩幅高に設けることができるようにするが、最下部のステップ3bより下は手摺棒2、2をできるだけ短くした方がコンパクト化のためには好ましい。なお、手摺棒2、2のステップ3bから下側はなくとも良い。
【0020】
そして、図2に示すように、前記両手摺棒2、2をフック4、4でアオリの上辺部Aに吊着した際に、前記梯子本体1の重力でアオリの板面下部Bに圧接される当接面6を備えた突張体5を、該両手摺棒2、2のフック4、4下方に突設する。即ち、図3に示すように、前記突張体5は、アオリの上辺部Aに吊着した際に、前記フック4の掛止位置を起点として前記当接面6に到る方向が、手摺棒1の長手方向に対して傾斜角度αとなるよう突張体5の当接面6を手摺棒2から突出させて形成する。
【0021】
該突張体5の当接面6の突出位置で決まる傾斜角度αは、例えば、5度以下であるとアオリの板面下部Bに対して十分な押圧力が発生せず、又例えば、40度とすると、梯子が水平方向へ跳ね上げられたような状態となり人が梯子を登り降りすることができなくなる。又、この場合、アオリに吊着したままで誤ってトラックを走行させてしまうと、突出幅が大きいので梯子が周囲に接触する事故が発生する可能性がある。
従って、前記傾斜角度αは10〜20度が好ましい。
【0022】
又、図2に示すように、梯子本体1のフック4、4取り付け面の裏側の手摺棒2の上部に、キャビンバックの壁面に沿って荷台前側上部のアングルフレームの上部に設けたガードフレームFを挟持して、該梯子本体1を吊着可能とする吊下げフック7、7を設けることができる。
例えば、小型のトラックでは荷台前側アングルフレームの上部に設けたガードフレームFの位置はその前の運転席の天井より高く、直立したキャビンバックの壁面の最上部に設けられ、ガードフレームFの荷台からの高さは、トラックのタイヤ下端部Tからアオリの上辺部Aまでの高さよりも高いので、ガードフレームFに吊下げフック7、7を掛けて梯子本体1を吊ったとき該両手摺棒2、2の下端部2b、2bは荷台Dの上面には全く接触しないで浮いた状態となる。
そして、キャビンバックの垂直な壁面に接した状態で、梯子が垂直になって吊られ、その際、ガードフレームFに対する前記吊下げフック7、7の支点は該両手摺棒2、2の上部から少し突出し、前記梯子本体1とフック4及び突張体5の合算した重心は前記両手摺棒2、2の中心線よりも前記吊下げフック7、7の反対側にあるので該両手摺棒2、2がキャビンバックの壁面に押し付けられた状態で振れることなく安定して吊着される。
【0023】
又、最上部のステップ3aはフック4と略同高位置に設けることができる。
この態様では、前記最上部のステップ3aをフック4、4と略同高位置に設けたことで、アオリの上辺部Aを踏まずにアオリを乗り越え上り下りできる。この結果、アオリを靴で汚したり傷付けたりするのを防止することが可能となる。
【0024】
更に、前記突張体4の当接面6、フック4の内側の掛止面4a、及び吊下げフック7の内側の掛止面7aにゴムや合成樹脂製の柔軟なクッション材8を夫々固設することができる。
該クッション材8は、アオリやガードフレームFに対する接触面を保護し、同時に接触対象となる部分に傷が付かないように保護し、同時にクッション面の摩擦抵抗で梯子の横滑りを防ぎ安全性を高めることが可能となる。
【0025】
又、図4に示すように、フック4及び吊下げフック7は手摺棒2に嵌合可能な径の筒体9上に一体的に形成し、手摺棒2の上部2aから筒体9を嵌挿して各フック4、7を前記手摺棒2に固定することができる。
なお、図4の(イ)は、手摺棒2の上部2aと筒体9を分離した状態を示し、図4の(ロ)は、手摺棒2の上部2aに筒体9を嵌合した状態を示す。
この形態では、該筒体9を前記手摺棒2の上部2aから嵌挿して一度にフック4及び吊下げフック7を前記手摺棒2に固定することができる。
この形態では更に、筒体9の側面から螺着可能とする固定ネジを設けることで、その固定ネジの締め付けで梯子の吊着位置の高さを調節することが可能となり、又、吊着位置の高さの調節は、前記筒体9の側面に長さ方向に一定間隔に手摺棒2の上部2aに設けたピン孔と貫通させたピン孔を設けて、該孔にピンを抜き差ししてフック4の固定高さ位置を調節する態様も可能である。
なお、前記手摺棒2の上部2aに直接筒体9を溶接すればより強固に前記手摺棒2と一体化させることができる
【0026】
次に、アオリに対して本考案の梯子が安定的に吊着される仕組みを説明する。
梯子本体1は、図3に示すように、アオリの上辺部Aにフック4を掛止して吊着する。
その際、突張体5がアオリに向いて前に突出しているので、アオリの板面下部Bに突き当たり、梯子本体1のフック4から下側がアオリの外側に開くように傾斜した状態となる。
この状態で、梯子本体1の重力が垂直方向に掛かるが、梯子本体1の上部がアオリの上辺部Aにフック4で支えられ、これを支持点cとした荷台方向のモーメントが働く。この力により、アオリの板面下部Bに左右2箇所の突張体5の当接面6を押し付ける力が発生する。
一方、アオリには、前記手摺棒2、2の上辺部Aのフック4、4に左右2箇所で垂直方向と外向きのベクトルが発生し、このベクトルの力と、梯子本体1の重力とによってフック4、4がアオリを強く把持する。
即ち、人がステップ3を登っていない場合でも、梯子本体1の自重でアオリの下部の左右2箇所と、アオリの上部の左右2箇所がアオリに押し付けられて、その接触部での摩擦で上下左右の移動が起こらないように固定される。
【0027】
更に、人が登るためにステップ3に足を乗せると体重により垂直方向に重力wがステップ3に掛かるが、梯子本体1の上部がアオリの上辺部Aにフック4で支えられ、これを支持点cとした荷台方向のモーメントが働く。このステップへの荷重yにより、アオリの板面下部Bに左右2箇所の突張体5の当接面6を押し付けるアオリへの押圧力xが発生する。
このアオリへの押圧力xは人が持つ荷物が重たいほどステップへの荷重yが大きくなり、アオリへの押圧力xが増大し、乗るステップが下段であるほどフック4の支持点cからより外側へ離れるのでアオリへの押圧力xのベクトルが増大し、より強く突張体5の当接面6がアオリの板面下部Bに押し付けられて梯子がアオリに対してしっかりと固定されることとなる。
一方、アオリには、前記手摺棒2、2の上辺部Aのフック4、4に左右2箇所で垂直方向と外向きのベクトルが発生し、このベクトルの力と、人の体重の重力とによってフック4、4がアオリを強く把持する。即ち、アオリの下部の左右2箇所と、アオリの上部の左右2箇所がアオリに押し付けられて、その接触部での摩擦で上下左右の移動が起こらないように強く固定されることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本考案は、主として小型の平積型トラックの荷台に使用するものであるが、荷台にアオリがある各種車両についても利用することが可能である。
【0029】
1 梯子本体
2 手摺棒
2a 上端部
2b 下端部
3 ステップ
3a 最上部のステップ
3b 最下部のステップ
4 フック
5 突張体
6 当接面
7 吊下げフック
8 クッション材
9 筒体
A アオリの上辺部
B アオリの板面下部
D 荷台
F ガードフレーム
R ロックレバー
H ヒンジ
S 足掛けステップ
G 地面
T タイヤ
α 傾斜角度
c 支持点
w 重力
x アオリへの押圧力
y ステップへの荷重




(57)【要約】

【課題】トラックの荷台のどこからでも登れて安定して荷物の積み下ろしができ且つトラックに搭載するのに適したコンパクトなトラック用梯子を提供する。【解決手段】並行な2本の手摺棒2、2と手摺棒2、2間のステップ3とで梯子本体1を構成し、梯子本体1の上部で、トラックのアオリの上辺部Aに吊着した際に手摺棒2、2の下端部2b、2bが地面Gから浮いた状態となる位置に、アオリの上辺部Aに掛止可能なフック4を配設し、フック4の下方に、アオリの板面下部Bに当接して登り降りに適した傾斜を保つ突張体5を配設し、手摺棒2、2の上部2a、2aのフック取り付け部位の裏側に、トラックの荷台前側上部に設けられたガードフレームFを挟持して、梯子本体1を吊着可能とする吊下げフック7を設ける。


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