(54)【考案の名称】自走事故抑止のための警報装置

(73)【実用新案権者】ヤマトオートワークス株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、ドライバーが乗車していない車両が無人のまま自走して物損事故や人身事故を引き起こすトラブルの発生を抑止するための警報装置に関する。

【従来の技術】

【0002】
トラックで宅配荷物を集荷したりトラックに積載した宅配荷物を受取主に配達したりする作業は、集荷先や受取主先でトラックを駐停車させ、ドライバーが車両から離れて行なっている。
この場合に、車両が無人走行して事故を起こすことを防ぐため、通常、しっかりとサイドブレーキを引くとともにギアを入れて制動をかけておき、道路沿いの施設に駐停車するときは勾配を確かめた上で、念のために携帯用の車止めを車輪に当てるようにしている。
【0003】
車両の自走事故が起きる大きな原因は、サイドブレーキの引き忘れ、ギアの入れ忘れ及びエンジンの切り忘れであり、これらの操作を車両から離れる際にドライバーが全て履行することで自走事故の発生を防ぐことが可能である。
そのための注意喚起もドライバーに対して当然日常的に行なわれているが、人間の注意力には限界があり、ドライバーがどんなに注意深く慎重であっても、そのドライバー自身の疲労具合や錯覚、車両を駐停車させたときの状況などの様々な要因が重なって、サイドブレーキを引き忘れたり十分に引いていなかったり、或いは車止めがしっかり車輪に嵌っていなかったりするなどのヒューマンエラーを起こして自走事故を誘発させてしまうこともあり得る。
【0004】
そこで、ドライバーの注意意識だけに頼らず、ドライバーがサイドブレーキを引く操作を忘れるなどしても車両が無人走行する事態が起きないようにするための装置として、ドライバーの運転席への着座の有無を検知するセンサーと、ドライバーが離席した状態で車両が移動する無人走行の発生の有無を検知する無人走行判定部を設け、エンジン運転中に無人走行が発生したと判断されたときに、エンジンを停止する処理を実行するとともに、減速比が大きいギア段に変速機を強制的に切替える制御をすることで無人走行中の車両を停止させるようにした構成のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0005】

【効果】

【0015】
本考案の警報装置によれば、車両にエンジンの作動状態やドライバーが運転席に着座しているか否かの状態、サイドブレーキによる制動がかかっている否かの状態などの各部を検出するセンサーの情報に基づいて車両が自走事故を引き起こす状態にあるか否かを判定し、自走事故を引き起こす状態にあるときは判定部から判定出力信号を警報通知部に出力し、警報通知部から自走事故を引き起こす状態である旨をドライバー、さらには車両の外部の歩行者などに通知することで、サイドブレーキをかけるなどの車両が自走することを防止する操作を直ちに行なうようにドライバーに仕向け、歩行者などには車両から離れ、或いは近づかないように仕向けることで自走事故の発生を未然に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本考案の一実施形態の警報装置の外観構成図である。
【図2】図1の警報装置の回路ブロック図である。
【図3】図1の警報装置の動作を説明するための図である。
【図4】同じく図1の警報装置の動作を説明するための図である。
【図5】同じく図1の警報装置の動作を説明するための図である。

【0017】
本考案の好適な実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1及び図2は本考案の一実施形態の警報装置の外観構成と回路ブロックをそれぞれ示しており、本形態の警報装置1は、エンジンやサイドブレーキなどに設置されたセンサーの出力信号を処理することで車両が自走する状態にあるか否かを判定し、自走する危険があるときにドライバーに警報を通知するものであり、ダッシュボードの上などに取付けることができる箱型の筐体2の内部に、後述する判定部や警報通知部などの信号処理部を収納して構成してある。
【0018】
信号処理部を収納した筐体2は、幅110mm、高さ30mm、奥行き70mm程の大きさのプラスチック製のケースであり、その上面に後述する警報通知部7のスピーカ71が設置され、その背面には後述する各種センサーに接続した信号ケーブル31、車両のバッテリーに接続した電源入力ケーブル32及び車両の警笛器に接続したホーン接続ケーブル33の各ケーブル類の接続端子(図示せず)、前面には電源が供給されている状態で点灯するパイロットランプ21をそれぞれ配置して形成してある。筐体2は、ダッシュボードの上部や下部の、運転席に着座したドライバーがパイロットランプ21を確認できる位置に固定して取付けられる。
【0019】
筐体2の内部には、図2に示されるように、電源部4、情報入力部5、判定部6、及び警報通知部7の各信号処理部を収納してある。
【0020】
詳しくは、電源部4は、前記電源入力ケーブル32を介して車両のバッテリーから取り出される電圧を前記各信号処理部の作動電圧に変換し、印加して各信号処理部を作動させる回路部分であり、車両のメインスイッチの入り切りに関わりなく車両のバッテリーから電源部4にバッテリー電圧が常時印加され、電源部4から印加される電圧でパイロットランプ21を点灯させるとともに各信号処理部を作動させて、警報装置1を動作せしめるように構成してある。
【0021】
情報入力部5は、前記筐体2背面のケーブル接続端子に接続した各信号ケーブル31から入力されるセンサーの出力信号を受信し、これを整形・増幅して判定部6へと出力する回路部分であり、図2に示されるように、エンジン信号、サイドブレーキ信号、ギア:ニュートラル信号とバック信号、ウィンカー:右on信号と左on信号及びシートセンサー信号の各信号が情報入力部5へと入力される。
【0022】
ここで、エンジン信号は、車両のエンジンの作動状態を検出するセンサーから出力される信号であり、エンジンが作動している状態でON信号、エンジンが停止している状態でOFF信号(0V)が情報入力部5に入力される。
サイドブレーキ信号は、サイドブレーキによる制動がかかっている否かの状態を検出するセンサーから出力される信号であり、サイドブレーキが引かれて制動がかかっている状態でON信号、その他の状態でOFF信号が情報入力部5に入力される。
ギア信号は、ギアの作動状態に関する情報、つまりギアが入っている位置を検出するセンサーから出力される信号であり、ギア:ニュートラル信号はギアがニュートラルに入っている状態でON、その他はOFFの信号、ギア:バック信号はギアがバックに入っている状態でON、その他はOFFの信号がそれぞれ情報入力部5に入力される。
ウィンカー信号は、左右の方向指示器を作動させる操作に伴って入力される信号であり、ウィンカー:右on信号は車両の右側の方向指示器を作動させた状態がON、その他はOFFの信号、ウィンカー:左on信号は左側の方向指示器を作動させた状態がON、その他はOFFの信号がそれぞれ情報入力部5に入力される。
また、シートセンサー信号は、ドライバーが運転席に着座しているか否かの状態(着座:ON/離席:OFF)を検出するセンサーから出力される信号であり、ドライバーが運転席に着座している状態でON信号、離席して状態はOFF信号が情報入力部5に入力される。ドライバーの着座と離席を検出センサーは、赤外線反射型センサーにより構成され、運転席のシートの前方や側方などに一つ又は複数が設置され、検出信号が判定部に入力されて判定部で着座と離席の状態が判定される。
【0023】
判定部6は、情報入力部5からの入力信号に基づいて、車両が自走事故を引き起こす可能性があるか否かを判定し、判定結果に応じた判定出力信号を警報通知部7に入力して、警報通知部7を作動させる回路部分である。判定部6における車両の状態の判定処理は後述する。
また、判定部6は、ドライバーの運転中の姿勢変動による影響を受けてドライバーの着座状態の検出精度の低下を防止するための、ドライバーの姿勢確認機能を具備して構成してある。
姿勢確認機能は、例えば前記シートセンサー信号が「ドライバーON」から「ドライバーOFF」に切り替わり、その後、一定の時間「ドライバーOFF」が維持されたときはドライバーが降車したと判定したり、或いはシートセンサー信号が「ドライバーON」と「ドライバーOFF」が所定時間内で切り替わるときはシートに着座したドライバーの姿勢が変わることによる信号の変化であり、ドライバーは着座したままで降車していないと判定したりするように構成することができる。
また、前記赤外線反射型センサーをシート廻りに複数箇所設けて、複数の方向からシート上のドライバーの有無を判定するようにし、全てのセンサーからのシートセンサー信号が「ドライバーOFF」のときはドライバーが降車したと判定し、一つのセンサーのシートセンサ信号が「ドライバーON」のときはドライバーの姿勢の問題であり、ドライバーは着座したままで降車していないと判定するように構成することもできる。
【0024】
警報通知部7は、音声アラーム機能を備えており、判定部6から入力される判定出力信号に応じてスピーカ71を作動させ、自走事故を引き起こす可能性がある旨や、車両を後進させるときや右折又は左折させるときなどの運転状態をドライバーと車両の外部に音声アラームにより報知する回路部分である。また、警報通知部7は判定部6から入力される判定出力信号に応じて車両の警笛器を作動させるように設けてある。
【0025】
次に、このように構成された本形態の警報装置1のドライバーへの警報通知処理について図3〜図5を参照して説明する。
【0026】
図3はエンジンが作動して警報装置1にエンジン信号「ON」が入力されている状態であり、状態1〜5はドライバーが運転席に着座していてシートセンサー信号「ON」が入力されている状態、状態6〜9はドライバーが運転席から離席していてシートセンサー信号「OFF」が入力されている状態である。
【0027】
状態1〜5において、サイドブレーキ信号「ON」が入力されている状態1,2とサイドブレーキ信号「OFF」が入力されている状態3,4では、ギア:ニュートラル信号が「ON」又は「OFF」の何れの信号が入力されていても、判定部6では車両が走行中であると判定し、警報通知部7を作動させず、音声アラームによる報知はされない。
走行中、ギアをバックに入れてギア:バック信号「ON」が入力された状態では、判定部6は判定出力信号を警報通知部7に入力し、警報通知部7は音声による『バックします』とのアラームを繰り返し出力し、ドライバーと車両の外部に向けて車両が後退することを通知して事故が起きないように注意喚起する。
【0028】
ドライバーが運転席から離れている状態6〜9において、サイドブレーキ信号「ON」が入力されていて、ギア:ニュートラル信号「OFF」が入力されている状態6とギア:ニュートラル信号「ON」が入力されている状態7は、判定部6では車両が予冷・強制燃焼中であると判定し、ギア:ニュートラル信号「OFF」の状態6では警報通知部7を作動させず、音声アラームによる報知はされないが、状態7では判定部6から判定出力信号を警報通知部7に出力し、警報通知部7は音声による『サイドブレーキ再確認、輪止めをしてください』とのアラームを繰り返し出力し、ドライバーに車両の制動が確実にかけてある否かの確認を促す。
【0029】
そして、サイドブレーキ信号「OFF」が入力されていて、ギア:ニュートラル信号「OFF」が入力されている状態8とギア:ニュートラル信号「ON」が入力されている状態9は、判定部6では車両の自走を誘発する条件が揃って自走事故を起こす危険が高い状態であると判定し、状態8では判定部6から判定出力信号を警報通知部7に出力し、警報通知部7で音声による『サイドブレーキがOFFです』とのアラームを繰り返し出力するとともに警笛器を間欠的津に鳴動させ、また、状態9では判定部6から判定出力信号を警報通知部7に出力し、警報通知部7で音声による『サイドブレーキがOFFです』、『ギアがニュートラルです』とのアラームを繰り返し出力するとともに警笛器を間欠的に鳴動させて、ドライバーに対して車両が自走することを防ぐための手立てを直ちに講じるよう注意換気し、車両の外部に対しては自走の可能性のある車両であることを報知して注意喚起する。
【0030】
次に、図4はエンジンが停止していて警報装置1にエンジン信号「OFF」が入力されている状態であり、状態10〜13はドライバーが運転席に着座していてシートセンサー信号「ON」が入力されている状態、状態14〜17はドライバーが運転席から離席していてシートセンサー信号「OFF」が入力されている状態である。
【0031】
状態10〜13において、サイドブレーキ信号「ON」が入力されている状態10,11では、ギア:ニュートラル信号が「ON」又は「OFF」の何れの信号が入力されていても、判定部6はドライバーが車内で待機中であると判定し、警報通知部7を作動させず、音声アラームによる報知はされない。
一方、サイドブレーキ信号「OFF」が入力されている状態12,13では、判定部6では車両の自走を誘発する条件が揃って自走事故を起こす危険が高い状態であると判定し、状態12では判定部6から判定出力信号を警報通知部7に出力し、警報通知部7で音声による『サイドブレーキがOFFです』とのアラームを繰り返し出力し、また、状態13では判定部6から判定出力信号を警報通知部7に出力し、警報通知部7で音声による『サイドブレーキがOFFです』、『ギアがニュートラルです』とのアラームを繰り返し出力して、ドライバーに対して車両が自走することを防ぐための手立てを直ちに講じるように注意喚起する。
【0032】
ドライバーが運転席から離れている状態14〜17においては、サイドブレーキ信号が「ON」又は「OFF」の何れの信号が入力され、また、ギア:ニュートラル信号が「ON」又は「OFF」の何れの信号が入力されていても、判定部6では車両の自走を誘発する条件が揃って自走事故を起こす危険が高い状態であると判定して各状態で判定出力信号を警報通知部7に出力し、状態14では音声による『サイドブレーキ再確認、輪止めをしてください』とのアラーム、状態15では音声による『ギアがニュートラルです』とのアラームをそれぞれ繰り返し出力し、また、状態16では音声による『サイドブレーキがOFFです』とのアラームを繰り返し出力するとともに警笛器を間欠的津に鳴動させ、状態17では音声による『サイドブレーキがOFFです』、『ギアがニュートラルです』とのアラームを繰り返し出力するとともに警笛器を間欠的に鳴動させて、ドライバーに対して車両が自走することを防ぐための手立てを直ちに講じるよう注意換気し、車両の外部に対しては自走の可能性のある車両であることを報知して注意喚起する。
【0033】
また、図5に示されるように、エンジンが作動して警報装置1にエンジン信号「ON」が入力されている状態で、ウィンカー:右on信号又は左on信号が警報装置1に入力されたときは、判定部6から判定出力信号を警報通知部7に入力し、警報通知部7は音声による『右に曲がります』又は『左に曲がります』とのアラームを繰り返し出力し、ドライバーに対して車両の側方に歩行者などが居ないかどうかの目視確認を行なうように注意喚起し、車両の外部に対しては車両が右左折することを報知して報知して注意喚起する。
【0034】
図示した警報装置1の形態は一例であり、本考案はこれに限定されるものではなく、他の適宜な形態で構成することが可能である。
例えばエンジン作動情報に関わりなく、シートセンサー信号が「ドライバーOFF」、サイドブレーキ信号が「サイドブレーキOFF」且つギア:ニュートラル信号が「ON」のときに、判定部6が自走事故を引き起こす可能性が高いと判定し、判定部6の判定出力信号に基づいて警報通知部7が車両の警笛器を作動させ、鳴動する警笛音で車両の外部に向けて危険性を通知するように設けてもよい。
また、シートセンサー信号が「ドライバーON」から「ドライバーOFF」に切り替わった後、一定時間が経過したときに、判定部がドライバーが降車したと判定し、判定部6の判定出力信号に基づいて、警報通知部7から「サイドブレーキ再確認。輪止めをして下さい。」との音声アラームを常に発して、ドライバーに向けて危険性を通知するように設けてもよい。
【0035】
1 警報装置、2 筐体、31、32,33 ケーブル、4 電源部、5 情報入力部、6 判定部、7 警報通知部

(57)【要約】

【課題】自走事故が発生する危険が生じた時にドライバーに危険を報知する警報システムを構築して、自走事故の発生を未然に防止する自走事故抑止のための警報装置を提供する。【解決手段】車両のダッシュボード上に設置可能な大きさの筐体2内に、車両のエンジン作動情報、ドライバー着座状態情報、サイドブレーキ作動情報及びギア作動情報が入力される情報入力部5と、これらの入力情報から車両が自走事故を引き起こす可能性の有無を判定する判定部6と、判定部6からの判定出力信号に基づいて自走事故を引き起こす可能性がある旨をドライバーに通知する警報通知部7との各信号処理回路を収納して自走事故抑止のための警報装置1を構成する。


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