(54)【考案の名称】鋼製タンク内面FRP二重殻構造

(73)【実用新案権者】株式会社サンフロイント

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は内面にFRPを施設した二重構造の鋼製タンクの油漏れ等を防止する鋼製タンク内面FRP二重殻構造に関する。

【従来の技術】

【0002】
今日、ガソリンスタンド等において、油貯蔵用の鋼製の地下タンクが広く使用されている。しかし、このような地下タンクは、長期間の使用により経年変化し、腐蝕や孔蝕を生じる場合があり、油漏れ等の原因となる。しかしながら、一旦鋼製タンクを埋設した場合、地上からタンクの腐蝕や孔蝕を点検することは困難である。
このため、例えば特許文献1はタンクの製造において高度な加工技術が不要でかつ製作の手間が掛からず、施工手間が少ない合成樹脂製の埋設タンクの提案が行われている。
【0003】

【効果】

【0008】
本考案によれば、鋼製タンクと繊維強化複合材との微少空間に配設された検知器によって、鋼製タンクに生じた腐蝕穴や孔蝕穴を検知し、鋼製タンク又はFRPに生じた腐蝕や孔蝕を容易に知ることができる。したがって、油漏れに起因する土壌汚染等を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態の二重殻構造を採用する地下タンクの例を示す図である。
【図2】地下タンクの断面構成を示す図である。
【図3】給油所(ガソリンスタンド)の外観図である。
【図4】検知器の構成を示す図である。
【図5】鋼製タンクにハニカムボードを取り付ける施工例を示す図である。
【図6】地下タンクの点検口近傍の構造を示す図である。
【図7】検出回路の一例を示す図である。
【図8】本実施形態の変形例の地下タンクの例を示す断面図である。
【図9】検出回路の変形例を示す図である。
【図10】第2の実施形態の二重殻構造を採用する地下タンクの例を示す図である。
【図11】第2の実施形態の地下タンクの断面構成を示す図である。
【図12】減圧装置の配設構成を説明する図である。
【図13】第3の実施形態を説明する図であり、図2の断面図(C−C線断面図)であり、鋼製タンクとFRPの隙間に配設された油漏れ検知線の配線構成を示す図である。
【図14】漏油検知装置に使用される漏油検知回路の一例を示す回路図である。
【図15】漏油検知装置に使用される漏油検知回路の他の例を示す回路図である。
【図16】漏油検知装置に使用される漏油検知回路の他の例を示す回路図である。

【0010】
以下、本考案の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本実施形態の鋼製タンクの二重殻構造を採用する地下タンクの例を示す図である。尚、本例の鋼製タンクは、例えばガソリン等を貯蔵する地下タンクの例を示す。
同図において、地下タンク1には、例えばガソリンを入れる注油管2、地下タンク1からガソリンを吸引する給油管3、地下タンク1の通気を行う通気管4、及び地下タンク1に貯蔵されたガソリンの液面高を計測する液面計5が設けられている。また、地下タンク1は地表から所定の深さに埋設され、地下タンク1上にはコンクリートが施設されている。
【0011】
注油管2には地表に注油口7が設けられ、注油口7からガソリンの注油を行う。また、給油管3にはポンプが接続され、このポンプは地表に設けられた計量器、ポンプ等の機器類を収納する機械類収納室8に設置され、地下タンク1からガソリンを吸引し、吸引するガソリンの計量を行う。また、上記注油管2にはバルブ9が設けられ、給油管3にはバルブ10が設けられ、地下タンク1の補修/改修作業の際、このバルブ9及び10を閉鎖して行う。尚、通気管4には通気口12が設けられ、地下タンク1内で発生するガスを排出する。
また図1には、後述する事務所20に配設されたモニタ18に延びる信号線25が記載されており、この信号線は後述する鋼製タンクに腐蝕穴や孔蝕穴が発生したことを示す情報を含み、モニタ18に通知する。
【0012】
図2は、地下タンク1の断面構成を示す図であり、図1に示す地下タンク1のD−D´断面を示す図である。同図に示すように、地下タンク1は鋼板14´(鋼製タンク14)とFRP(繊維強化複合材)15で構成され、鋼板14´とFRP15との隙間にはハニカムボード16が配設されている。
【0013】
このハニカムボード16には、紙製、樹脂製、金属製等の各種素材の製品があるが、強度及び後述する液漏れ検知の観点から、樹脂製又は金属製のハニカムボード16を使用する。例えば、本例ではアルミニューム製のハニカムボード16を使用し、アルミ製の波状コアの両面にアルミシートで覆った構造である。また、本例で使用するハニカムボード16は後述する導線の配線を避けて配設する。
【0014】
すなわち、本例の地下タンク1の構造は鋼製タンク14にハニカムボード16を介装し、更にFRP15を貼着した構造であり、ハニカムボード16の介装によって、鋼製タンク14とFRP15間に所定の隙間が形成される。尚、FRP(繊維強化複合材)は、例えばプラスチック、金属、ゴム等を高強度繊維で補強した複合材であり、ガラス繊維複合材(GFRP (Glass fiber reinforced plastics))や炭素繊維複合材等を使用する。
【0015】
一方、地下タンク1の底部には導線17が配設されている。この導線17は地下タンク1の長手方向全長に渡って配設されている。図2に地下タンク1の底部(A部)の拡大図を示す。同図に示すように、導線17は鋼製タンク14とFRP15間の隙間に配設され、鋼製タンク14の底に溜まった水や有機溶液を後述する検知器に導く。ここで、有機溶液は、例えば鋼製タンク14を長年使用することによって腐蝕や孔蝕が発生し、腐蝕穴や孔蝕穴から地下の水分と土壌に含まれる植物やバクテリア等の有機成分が交じり合った液体である。
【0016】
一方、地下タンク1の上部には後述する点検口が設けられ、検知器によって検知された検知信号が信号線25を介して、この点検口を経由して事務所20内のモニタ18に送られる。尚、図3は給油所(ガソリンスタンド)の外観図であり、上記モニタ18が設置された事務所20と燃料供給エリア21で構成され、燃料供給エリア21の地下には上記構成の地下タンク1が埋設され、複数の支柱によって保持された屋根の下には、前述の計量器、ポンプ等の機器類8が設置されている。
【0017】
次に、上述の二重殻構造の地下タンク1の施工工程を以下に説明する。
先ず、長年使用した鋼製タンク14(鋼板14´)の内面の清掃を行う。この清掃後、鋼製タンク14の板厚及び孔蝕測定を行う。
【0018】
次に、導線17の取り付け作業を行う。この導線17の配設は、鋼製タンク14に生じた腐蝕穴や孔蝕穴からの水や有機溶液の浸入を導線を介して検知器まで導くためであり、鋼製タンク14の底部に沿って配設する。また、導線17の配設は鋼製タンク14の底部に沿って直線状に配設し、導線17が弛まないように一定間隔毎に固定する。
【0019】
次に、検知器22の取り付けを行う。この検知器22は、例えば鋼製タンク14の底部に沿って配設された導線17の中央部に設置する。図4は検知器22の構成を示す図である。同図に示すように、検知器22は両側のフッ素ポリマーセンサ23a、23bと、フッ素ポリマーセンサ23a、23b間に設けられた検出回路24で構成され、水や有機溶液が何れかのセンサ23a又は23bに触れると光を発生する。検出回路24はこの光を検出し、電圧変化に変換し、鋼製タンク14の腐蝕穴や孔蝕穴の存在を検知する。
【0020】
図5は上記導線17及び検知器22を配設した後、前述のハニカムボード16を取り付ける状態を示す図である。尚、説明上、鋼製タンク14の半分の内面を示す。所定サイズのハニカムボード16を一定間隔で鋼製タンク14(鋼板14´)の内面に貼着する。ハニカムボード16は前述のように、例えばアルミ製であり、接着剤を使用して鋼製タンク14の内面に貼着する。
【0021】
次に、電気配線工事を行う。この工事は、前に取り付けた検知器22に信号線25を接続し、この信号線25を鋼製タンク14とFRP15間の隙間に配線する処理である。具体的には、ハニカムボード16が取り付けられていないスペースを使用して点検口の位置まで配線し、更に事務所20内のモニタ18まで配線する。例えば、図5に示すように、ハニカムボード16が取り付けられていないスペース19を使用して配線する。
【0022】
次に、鋼製タンク14の内面に配設されたハニカムボード16の内側にFRP15を配設する。本例で使用するFRP15は、例えばエポキシアクリレート樹脂をベースとし、炭素繊維で強化したシートであり、一面は透明なプラスチックフィルムで覆われている。したがって、このプラスチックフィルムを剥がし、ハニカムボード16に貼着する。ハニカムボード16は前述のように一定間隔で配設されており、ハニカムボード16にFRP15を確実に取り付けることができる。尚、FRP15の貼着は隙間ができない様、端部を重ねて貼着する。
【0023】
次に、上記隙間(微少空間)の気密試験を行う。この試験はFRP15に気密試験用の注入針を刺し込み、試験用のガスを上記隙間に注入することによって行う。尚、上記気密試験後、刺し込んだ注入針を引き抜き、当該部分にFRP15を重ね貼りする。その後、紫外線を照射し、FRP15を硬化させる。
【0024】
図6は地下タンク1の点検口近傍の構造を示す図である。点検口26の上部には鉄製の蓋27が設けられ、この蓋27内に点検ボックス28の空間が形成されている。例えば、繊維強化プラスティク製の筒体29と、点検蓋30及び下受筒部材31は、上記点検ボックス28の下方に配設されている。尚、点検口には取手32が設けられている。上記信号線25はこの点検ボックス28を介して事務所20内のモニタ18に配線される。
【0025】
また、信号線25は信号ケーブル33によって保護され、モニタ18まで配線される。モニタ18はLED表示部やスピーカ等を備え、例えば検知器22が水や有機溶液を検知し、鋼製タンク14の腐蝕穴や孔蝕穴の発生を検知すると、LEDを発光し、更にスピーカから予め録音された警告音を発生する。
尚、図6に示すように、信号ケーブル33内には上記信号線25の他に、例えば前述の液面計5によって検知した液面データを送信する信号線11等も収納され、地下タンク1内のガソリンの液面データ等も上記モニタ18に通知される。
【0026】
以上の構成の地下タンク1において、以下に鋼製タンク14の腐蝕や孔蝕による腐蝕穴や孔蝕穴の発生を検知する検知動作を説明する。
長年の使用によって鋼製タンク14に劣化が生じると、鋼板14´に腐蝕穴や孔蝕穴が発生し、当該箇所から水や有機溶液が浸入する。しかし、本例の二重殻構造によれば、鋼製タンク14は内周面にFRP15によって覆設されており、地下タンク1内に水や有機溶液が浸入することはない。また、地下タンク1内の油(ガソリン)が外部に漏れ出すこともない。したがって、油(ガソリン)漏れによる土壌の汚染等を防止できる。
【0027】
一方、鋼製タンク14の腐蝕穴や孔蝕穴から侵入した水や有機溶液は鋼製タンク14とFRP15間に形成される隙間を通って鋼製タンク14の下面に溜まる。
【0028】
さらに、鋼製タンク14の底面に溜まった水や有機溶液は、前述の導線17によって検知器22に導かれる。例えば、鋼製タンク14の左側に発生した穴から侵入した水や有機溶液は鋼製タンク14の左側底面に達し、導線17(17a)を通ってフッ素ポリマーセンサ23aに到達する。フッ素ポリマーセンサ23aは水や有機溶液を検知すると発光し、検出回路24はこの光を検出し、電圧変化に変換し、鋼製タンク14の不良を検出する。
【0029】
例えば、図7は検出回路24の一例であり、トランジスタTr1、Tr2,抵抗R1,R2、電源Eで構成され、トランジスタTr1は上記フッ素ポリマーセンサ23aからの発光を検出し、信号線25に検出信号(出力1)を出力する。この信号は前述のモニタに出力され、LEDを発光し、更にスピーカから予め録音された警告音を発生する。
【0030】
一方、鋼製タンク14の右側に発生した穴から侵入した水や有機溶液は鋼製タンク14の右側底面に達し、導線17(17b)を通ってフッ素ポリマーセンサ23bに到達する。フッ素ポリマーセンサ23bは水や有機溶液を検知すると、前述と同様発光し、検出回路24はこの光を検出し、電圧変化に変換し、鋼製タンク14からの液漏れを検出する。この場合、トランジスタTr2は上記フッ素ポリマーセンサ23bからの発光を検出し、信号線25に検出信号(出力2)を出力し、この信号は前述のモニタ18に出力され、LEDを発光し、更にスピーカから予め録音された警告音を発生する。
【0031】
したがって、本例によれば、検知器22によって鋼製タンク14の腐蝕穴や孔蝕穴を検出することができ、更に鋼製タンク14に発生した穴が鋼製タンク14の右側であるか、又は左側であるかの検出を行なうこともできる。
【0032】
尚、上記実施形態の説明では鋼製タンク14とFRP15の間にハニカムボード16を介装する構成であるが、図8に示すように鋼製タンク14にFRP37を貼着し、このFRP37と上記FRP15の間にメッシュ構造の金網部材38を介装する構成としてもよい。すなわち、前述の構成と異なり、先ず鋼製タンク14にFRP37を貼着し、その後ハニカムボード16に代えて金網部材38を介装し、この金網部材38を覆ってFRP15を配設する構成である。この場合、金網部材38とFRP15との接合は困難な為、例えばハニカムボード16の一部を残し、この残したハニカムボード16にFRP15を取り付ける構成とする。また、他の部材を介装してFRP15をFRP37に取り付ける構成としてもよい。
【0033】
このように構成することによって、FRP15とFRP37との間に隙間を形成し、この隙間に前述の導線17を配設する構成としてもよい。この場合、鋼製タンク14に直接貼着するFRP37は、例えば1.0mm程度の厚さであり、金網部材38は、FRP15と37間に0.5〜1.0mm程度の隙間が形成される程度に配設する。
【0034】
また、上記実施形態の説明では検知器22として水や有機溶液を検出するフッ素ポリマーセンサを使用したが、フッ素ポリマーセンサに限らず、水や有機溶液を検出するセンサであれば適用することができる。例えば、図9に示す回路の分圧抵抗R3、R4の抵抗R3に並行に端子P1、P2を設け、また分圧抵抗R5、R6の抵抗R5に並行に端子P3、P4を設け、端子P1、P2を前述のフッ素ポリマーセンサ23aに代えて使用し、端子P3、P4を前述のフッ素ポリマーセンサ23bに代えて使用する。尚、図9に示す他の回路は、前述の図7と同様であり、トランジスタTr1、Tr2等で構成されている。
【0035】
このように構成することによって、例えば端子P1とP2間に水等が浸入するとトランジスタTr1のベース(B)電位が変化し、出力1から検知信号が出力され、腐蝕穴や孔蝕穴の発生を報知することができる。同様に、端子P3とP4間に水等が浸入するとトランジスタTr2のベース(B)電位が変化し、出力2から検知信号が出力され、腐蝕穴や孔蝕穴の発生を報知することができる。この場合も、鋼製タンク14に発生した穴が鋼製タンク14の右側であるか、又は左側であるかの検出を行なうこともできる。
【0036】
また、上記実施形態の説明では鋼製タンク14の腐蝕や孔蝕について説明したが、例えば内側に配設したFRP15についても、長年の使用により穴が開いた場合、同様に検知器22によって油漏れを検知することができる。この場合、特に油漏れを検知するセンサや、揮発性の油(ガソリン等)の場合、ガスセンサ等を使用することもできる。
【0037】
(第2の実施形態)
次に、本考案の第2の実施形態について説明する。
本実施形態は上記鋼製タンク14とFRP15との間に形成された隙間を減圧する減圧装置を更に備える鋼製タンクの二重殻構造の考案である。尚、鋼製タンクの二重殻構造の基本構成は前述の図1乃至図5において説明した構成と同様であり、説明を省略する。
【0038】
本実施形態の減圧装置は、図10に示すように鋼製タンク14とFRP15との間に形成された隙間を減圧するものであり、減圧弁40と減圧ポンプ41で構成されている。減圧弁40は鋼製タンク14とFRP15との間に形成された隙間39に管路42を介して接続され、減圧弁40と減圧ポンプ41は管路43を介して接続されている。尚、上記図10に示す減圧弁40や減圧ポンプ41の配設構成は本例の基本構成であり、地中に埋まった鋼製タンク14の周囲に上記減圧弁40や減圧ポンプ41を設置することも可能であるが、費用等を考慮して図11に示すように鋼製タンク14から事務所20に延びる信号線25の配管に減圧弁40及び減圧ポンプ41を接続する構成とする。
【0039】
図12は減圧装置設置の具体例を示す図であり、点検口26を介して事務所20延びる信号線25を、例えば鋼管44に収納し、前述の隙間39と鋼管44を連通させ、鋼管44を介して隙間39内を減圧する。したがって、前述の図6の構成と異なり、本例においては、例えば鋼管44内に他の信号線11を収納しない。
【0040】
また、減圧弁40と減圧ポンプ41は前述の機械類収納室8に設置される。したがって、鋼管44から機械類収納室8に設置された減圧弁40まで管路42が配設され、機械類収納室8内で減圧弁40と減圧ポンプ41が管路43を介して接続されている。尚、同図において、減圧弁40と減圧ポンプ41のみを示しているが、機械類収納室8には他の機器も設置されていることは勿論である。
【0041】
以上のように構成することによって、減圧弁40と減圧ポンプ41を使用し、例えば常時隙間39内を減圧することによって、鋼製タンク14に腐蝕や孔蝕が発生した場合、早期に腐蝕や孔蝕を発見することができる。すなわち、隙間39内の減圧によって腐蝕穴や孔蝕穴に早期に成長し、当該穴から漏れる水や有機溶液を検知し、結果的に腐蝕や孔蝕を早期に発見することができる。
【0042】
(第3の実施形態)
次に、本考案の第3の実施形態について説明する。
本実施形態は前述の第1の実施形態の変形例であり、導線17に変えてライン状のセンサである油漏れ検知線を使用し、油漏れ検知線が配設された何れの位置の油漏れの検知を可能とする考案である。以下、具体的に説明する。
【0043】
図13は前述の図2の断面図(C−C線断面図)であり、前述の鋼製タンク14(鋼板14´)とFRP15の隙間に配設された油漏れ検知線45の配線構成を示す。同図に示すように、油漏れ検知線45はFRP15の下部下面(鋼製タンク14(鋼板14´))の下部上面)に沿って直線状に配設され、FRP15の欠陥部から漏れ出たガソリン(油類)を確実に検知することができる。
【0044】
また、同図に示す丸印B部を拡大して油漏れ検知線45の構成を説明すると、油漏れ検知線45は吸油部46と検知部47で構成されている。吸油部46はガソリン等の油分を吸う性質を有する、例えばフッ素樹脂膜で構成され、検知部47は吸油部46で吸引した油類の検知を行う。この構成は、更に同図の丸印E部を拡大した模式図に示すように、吸油部46を介して油類が検知部47に接すると、検知部47の素子48に油分が浸透し、検知部47の抵抗値を変化させる。この抵抗値変化は前述の信号線25を介して前述のモニタ18に通知される。尚、油漏れ検知線45は前述のようにフッ素樹脂製であり、耐候性や耐薬品性に優れている。
【0045】
このように油漏れ検知線45を地下タンク1の下面に沿って直線状に配線することによって、FRP15(地下タンク1)の欠陥部からの油漏れが発生しても油漏れ検知線45が油漏れを確実に検知し、信号線25を介してモニタ18に通知することができる。すなわち、図13の模式図に示すように、吸油部46を介して油が検知部47に接触すると、検知部47の素子48に油分が浸透し、検知部47の抵抗値を変化させる。この抵抗値変化は前述のようにモニタ18に通知される。
【0046】
図14はモニタ18に使用される漏油検知回路の一例である。同図に示すように、例えば油漏検知回路49はトランジスタTr、分圧抵抗R、抵抗r、及び油漏れ検知線45で構成され、油漏れ検知線45の抵抗値と分圧抵抗Rの抵抗値によって電源Eの電圧値を分割し、油漏れ検知線45の抵抗値が予め設定された所定値以上に達するとトランジスタTrのコレクタから油漏れ検知信号を出力する。したがって、モニタ18はこの信号によって、例えばLEDを点灯又は点滅して油漏れを外部に報知する。また、スピーカを使用して油漏れを外部に通知する。
【0047】
尚、上記説明では単一の油漏れ検知線45を使用する構成としたが、例えばFRP15(地下タンク1)の位置によって夫々異なる油漏れ検知線45、即ち複数の油漏れ検知線45(45a、45b、45c、・・)を使用し、信号線25を介してモニタ18に引き出す構成とすることもできる。このように構成することによって、FRP15(地下タンク)の油漏れの位置を特定することができる。
【0048】
この場合、図15に示す漏油検知回路50を使用することによって実現することができる。すなわち、各油漏れ検知線45a、45b、45c、・・に対応して、トランジスタTr1、Tr2、Tr3、・・分圧抵抗R1、R2、R3、・・、抵抗r1、r2、r3、・・の回路を作成し、夫々の回路において油漏れ検知線45a、45b、45c、・・の抵抗値と分圧抵抗R1の抵抗値によって電源Eの電圧値を分割し、油漏れ検知線45の抵抗値が予め設定された所定値以上に達したトランジスタTrのコレクタから油漏れ検知信号を出力することによって、配管上の油漏れの位置を特定することができる。
【0049】
さらに、単一の油漏れ検知線45を使用する場合でも、例えば油漏れ検知線45の配設位置によって検知部47の抵抗値が異なる素子48を使用することによって、1本の長い油漏れ検知線45を使用した場合でも油漏れの位置を特定することができる。例えば、図16はこの場合の回路構成(油漏検知回路51)を説明する図である。
【0050】
この場合、油漏れ検知線45には1本の同じ油漏れ検知線45からの信号が入力し、分圧抵抗R1、R2、R3、・・の抵抗値を配管の位置に対応して異ならせることによって、油漏れ位置に対応したトランジスタTrの位置から出力を得ることができる。例えば、分圧抵抗R1の抵抗値を配管のある位置の油漏れ検知線45の検知部47(素子48)の抵抗変化に一致させることによって、トランジスタTr1の出力1からの検知出力があると、配管の対応する位置からの油漏れであることが分かる。
【0051】
このように構成することによって、油漏れの発生箇所を容易に特定することができ、地下タンク1の補修を容易に行うことができる。
【0052】
1・・・地下タンク
2・・・注油管
3・・・給油管
4・・・通気管
5・・・液面計
7・・・注油口
8・・・機械類収納室
9、10・・バルブ
11・・信号線
12・・通気口
14・・鋼製タンク
14´・・鋼板
15・・FRP
16・・ハニカムボード
17、17a、17b・・導線
18・・・モニタ
19・・スペース
20・・事務所
21・・燃料供給エリア
22・・検知器
23a、23b・・フッ素ポリマーセンサ
24・・検知回路
25・・信号線
26・・点検口
27・・蓋
28・・点検ボックス
29・・筒体
30・・点検蓋
31・・下受筒部材
32・・取手
33・・信号ケーブル
37・・FRP
38・・金網部材
39・・隙間
40・・減圧弁
41・・減圧ポンプ
42、43・・管路
44・・鋼管
45・・油漏れ検知線
46・・吸油部
47・・検知部
48・・素子
49・・油漏検知回路

(57)【要約】

【課題】地下に埋設するタンクを二重殻構造とし、かつ鋼製タンクの腐蝕や孔蝕を早期に検出し、土壌汚染等を未然に防止する鋼製タンク内面FRP二重殻構造を提供する。【解決手段】鋼製タンク内面FRP二重殻構造であって、鋼製タンク14と、鋼製タンクの内周に覆設され、鋼製タンクからの液漏れを防止する繊維強化複合材15と、鋼製タンクと繊維強化複合材との間に配設された隙間形成部材16と、鋼製タンクと繊維強化複合材との間に配設され、鋼製タンクからの液漏れを検知する検知器と、検知器が鋼製タンクからの液漏れを検知すると鋼製タンクの不良を報知する報知手段とを有することを特徴とする。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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