(54)【考案の名称】供物台

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図8

【概要説明】

【分野】

【0001】
墓石に配置される供物台であって、納骨空間に通ずる開口部に設けた扉の開閉構造と開口部に特徴がある供物台に関する。

【従来の技術】

【0002】
お墓は、屋外に設置されるので、納骨室内に雨水が浸入したり、納骨室への開口部を塞ぐ扉が悪意ある他人によって開けられたり、大規模地震や暴風によって倒壊したり、さまざまな問題が発生するおそれがある。
このような問題からお墓を守るために、アイデアが多数、特許出願や実用新案登録出願されている。下記の特許文献1〜3もその一例である。
【0003】
特許文献1には、お墓に設けられる納骨空間の入口に取付けられる「お墓の納骨用扉」が開示されている。この発明は、悪戯で納骨用扉が開かれないようにすることを目的とする。この目的のために、納骨用扉の戸先側には開閉用の持ち手が設けられ、この持ち手には家紋を形成した飾り部材が係止して取付けられている。飾り部材を取外すならば簡単に開くことが出来るが、飾り部材を持ち手に取付けることで、他人には納骨用扉である旨の認識がされない。従って、故人へのことさらの悪戯を防ぐことができる。
特許文献2は、納骨の作業を容易にすることができる「供物台」が開示されている。
この発明の供物台は、仕切板を持ち上げなければ、骨蓋を引いて納骨用開口を開くことはできないので、開閉方法を知らない他人に墓を荒らされるのを防止することができる。
特許文献3には、供物台と二枚扉とを取り付けた「墓の納骨室」が開示されている。この考案は、雨水の納骨室内への浸入防止を図ることを目的としている。
【0004】

【効果】

【0011】
本考案の供物台は、開閉方法を知らなければ扉を開けることができないので悪戯を防止できる。また、耐震性に優れ、雨水の滞留や、小動物の納骨空間への侵入も防止できるという複数の効果を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態の供物台が配置された墓石の斜視図である。
【図2】実施形態の供物台に関して、(a)二枚扉を閉じた状態、及び(b)二枚扉を開いた状態の斜視図である。
【図3】実施形態の供物台に関して、(a)平面図、(b)正面図、(c)右側面図である。
【図4】実施形態の供物台を構成する供物台下石に関して、(a)平面図、(b)正面図、(c)右側面図である。
【図5】実施形態の供物台を構成する供物台下石に関して、(a)斜視図、および(b)二枚扉を取り付けた状態の斜視図である。
【図6】実施形態の供物台を構成する供物台上石の(a)上面側から見た斜視図、(b)下面側から見た斜視図である。
【図7】実施形態の供物台を構成する供物台上石に関して、(a)正面図、(b)底面図、(c)〜(e)は、(a)のA−A線、B−B線、C−C線にそれぞれ対応する断面図である。
【図8】実施形態の供物台の扉の開閉構造を説明する図であって、(a)は、供物台下石と供物台上石のそれぞれの背面が中台石に当接している状態、(b)は閉じられた二枚扉がロックされている状態、(c)は(b)のロックが解除された状態、(d)は二重の二枚扉のそれぞれを開いた状態を示す図である。
【図9】実施形態の供物台の扉の開閉構造を説明する図であって、(a)は二枚扉がロックされている状態、(b)は二枚扉のロックが解除されている状態の右側面図である。

【0013】
本考案の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の供物台100は、図1に示すように墓石200に配置される。
墓石200は、芝台石201、中台石202、上台石203、竿石204を積み重ねて構成される。納骨室(図示せず)への開口部が中台石202の前面に設けられ、この開口部を塞ぐように供物台100が配置される。
なお、図1では供物台100のみ実線で表し、墓石200の他の構成要素は破線で表している。
【0014】
供物台100は、図2の斜視図、図3(a)の平面図、(b)の正面図、(c)の側面図に示すように、供物台上石1と供物台下石2と供物台扉3とからなる。納骨空間への通路を形成する供物台下石2と、この通路入り口を塞ぐ供物台扉3との上に、供物台上石1が載置されている。供物台扉3として、左右に開閉する二枚扉31(31a、31b)と二枚扉32(32a、32b)が前後二重に取り付けられている。
図2(a)は、二枚扉31,32を閉じた状態を示し、図2(b)は、二枚扉31,32のそれぞれを開いた状態を示す。供物台扉3を二重にしたのは、1枚あたりの扉が軽くなるとともに、雨水や小動物の侵入防止に効果的だからである。
【0015】
図4(a)の平面図、(b)の正面図、(c)の側面図、および図5の斜視図を参照しながら、供物台下石2について説明する。
供物台下石2は、矩形状の台座部21の上の左右に側壁部22(22a、22b)が設けられ、側壁部22a、22bの間が納骨空間へ通ずる通路23を形成する。
側壁部22のそれぞれの上面には、側壁部22の前面Fから後方に向かって直状のホゾ凸部24(24a、24b)が設けられている。ホゾ凸部24a、24bは、側壁部22a、22bの後面Bの手前で途切れている。この2つのホゾ凸部24は、供物台上石1の下面に設けたホゾ凹部12と嵌合する。
側壁部22の下端部には、台座部21の前部21f近傍に左右両端にわたる下ガイド溝25が設けられる。そのため、台座部21の前部21fを上方に盛り上げて被係止壁26とし、側壁部22の下端部と被係止壁26との間の帯状領域を供物台扉3をガイドする下ガイド溝25として形成する。
下ガイド溝25の左右端部25a、25bは外側に向かって下方に傾斜している。また、被係止壁26の中央部には、切り込み27が設けられている。左右端部25a、25bの傾斜および切り込み27によって雨水などが流れ落ち、下ガイド溝25に滞留することはない。
図5の(b)は、供物台下石2の下ガイド溝25上に供物台扉3を取り付けた状態を示す斜視図である。供物台扉3は、前側の扉31a,31bと後側の扉32a、32bとから構成される。
なお供物台下石2の背面は、中台石202の前面に当接するように配置する。
【0016】
次に、図6、図7を参照しながら供物台上石1について説明する。
図6(a)は供物台上石1の上面側の斜視図、(b)は下面側の斜視図である。
図7(a)は供物台上石1の正面図、(b)は底面図、(c)は(a)のA−A線の断面図、(d)はB−B線の断面図、(e)はC−C線の断面図である。
供物台上石1の供物載置部11は平面状であって墓前に供える供物が載せられる。
下面には供物台下石2のホゾ凸部24(24a,24b)に対応する2箇所にホゾ凹部12(12a,12b)が形成され、ホゾ凹部12のそれぞれの一方の端部に連接する上ガイド溝13が形成される。さらに、供物台上石1の前面寄りであって上ガイド溝13の中央から左右にかけて供物台扉3をロックするための被係止溝14が形成されている。上ガイド溝13と被係止溝14は連接しており、図7(e)に示すように溝の深さが同一である。
供物台上石1は、供物台下石2の左右の側壁部22(22a,22b)の上に掛け渡して設けられる。
【0017】
次に、供物台100の供物台扉3の開閉作業について、図8、図9を参照しながら説明する。
図8(a)の左側に示すのは、供物台扉3を取り付けた供物台下石2の平面図である。供物台下石2の背面は、中台石202の前面と当接している。
図8(a)の右側に示すのは、扉が閉まった供物台100の供物台上石1の平面図である。供物台上石1も背面が、中台石202の前面と当接している。つまり、供物台扉3が閉じた状態のとき、供物台100全体の背面は中台石202に当接している。
図8(b)〜(d)は、供物台扉3の開閉を説明する図であり、説明を分かりやすくするために供物台下石2はホゾ凸部24のみを塗りつぶして表示し、供物台扉3(31,32)の上端も塗りつぶして表示する。
また、供物台上石1は、下面に形成された3種類の溝(12,13,14)のみを表示する。
【0018】
図8(b)は、通常の状態、つまり供物台扉3が閉じた状態を示す。供物台下石2も供物台上石1もいずれも背面が中台石202に当接している。
供物台下石2のホゾ凸部24が供物台上石1の下面のホゾ凹部12と嵌合している。ホゾ凸部24はホゾ凹部12の終端tよりも長さdだけ前面寄りの手前に嵌めこまれ、この分が隙間となっている。供物台扉3の二重扉31,32は開口部の中央の位置において閉じており、表側の扉31の前面の上端部が供物台上石1の被係止溝14に当たっているので、扉31および32はいずれも移動することができない。これにより供物台扉3は安定して閉じた状態を保つことができる。このときの供物台100の右側面図が図9(a)である。
このように、納骨などのとき以外は、悪戯によっても風雨などの外力によっても供物台扉3が開かないようにロック機能を備えていることが、本考案の主たる特徴である。
【0019】
納骨などのために供物台扉3を開けるときは、図8(c)に示すように、供物台上石1を手前に引く。このとき、ホゾ凸部24とホゾ凹部12によって形成されていた隙間の長さdの分だけ手前に移動可能であって、移動後ホゾ凹部12の終端tにホゾ凸部24が係止される。このときの供物台100の右側面図が図9(b)である。
一方、供物台上石1が前方に引き出されたことにより、被係止溝14が供物台扉3から外れて、図8(d)に示すように左右方向にスライド可能となる。供物台扉31と供物台扉32の左右2枚の上端部は供物台上石1の下面に設けた上ガイド溝13に嵌り、下端部は供物台下石2に設けた下ガイド溝25に嵌ってガイドされている。従って、供物台扉31、32は上下のガイド溝に沿って移動できる。
供物台上石1を手前に引くならば、閉じた供物台扉3を開けることができるのであるが、この開閉方法を知らない他人は開けることができない。したがって、悪戯で供物台扉3が開かれることを防止し、安全性やプライバシーが保たれる。
【0020】
納骨などの作業が終わり、供物台扉を閉じるためには、上記と逆の作業を行えばよい。
図8(d)に示すように開いた供物台扉3を、(c)に示すように中央の位置で閉め、(b)に示すように中台石202に当接するまで供物台上石1を奥方へ押せばよい。これにより、供物台扉31の上端部は被係止溝14に当たって係止され開かなくなる。また、ホゾ凸部24とホゾ凹部12との間に長さdの隙間が生じるので、振動などの外部の衝撃をある程度吸収できる。
【0021】
以上、本考案の供物台100について説明したが、これは一実施の形態にすぎず、本考案の趣旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本考案に含まれる。
例えば、本説明では、供物台扉は二重として説明したが、もちろん一重でも構わない。また供物台扉は左右に開閉する二枚扉として説明したが、一枚扉でも構わない。
墓石については、図1に例示するものに限らず、例えば、上台石と竿石との間に蓮華台などを入れた構造のものもある。本考案の供物台を配置できるのであれば、どのような構造の墓石であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本考案の供物台は、さまざまな観点から安全で且つプライバシーの保護に配慮していることから、墓石を扱う石材業における需要が期待できる。

【0023】
100:供物台
1:供物台上石
12:ホゾ凹部
13:上ガイド溝
14:被係止溝
2:供物台下石
21:台座部
22:側壁部
24:ホゾ凸部
25:下ガイド溝
3:供物台扉
31:(前側の)二枚扉
32:(後側の)二枚扉



(57)【要約】

【課題】墓に据え付けられる供物台であって、納骨室に通ずる開口部に設けた扉の開閉構造と開口部に特徴がある供物台を提供すること。【解決手段】供物台下石2と、供物台下石2の上に掛け渡される供物台上石1と、供物台扉3から構成される。供物台上石1の下面に、1対のホゾ凹部12a、12bと、これらのホゾ凹部の端部に連接する上ガイド溝13と、上ガイド溝13の中央から左右にかけて連接する被係止溝14とが形成される。供物台下石2は1対の側壁部を備え、側壁部の上面には、1対のホゾ凸部24a、24bが設けられる。供物台扉3は閉じた状態のときは被係止溝14に係止し、ホゾ凸部24a、24bはホゾ凹部12a、12bの後端部tに隙間を残して嵌め込まれ、供物台扉3が閉じた状態において供物台上石1を隙間の長さdだけ前方に引くと被係止溝14が供物台扉3から外れ、供物台扉3が上ガイド溝13に沿って移動可能となる。


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