(54)【考案の名称】分割可能な基板

(73)【実用新案権者】TUI Solutions株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
1枚の基板であって複数の部分基板に分割可能であり、分割後の複数の部分基板を電気的に再接続させると分割前の1枚の基板とほぼ同等の機能を有する基板に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
各種の技術分野で電子回路を搭載した装置が増加している。これらの装置は高機能化とともに小型化も要求される傾向にある。そのため制御回路を実装した基板も設置面積をとらないような小型化が望まれる。
このような要望にこたえるものとして特許文献1には、2枚の制御基板が1枚の基板を割ることにより分離されており、この2枚に分離された制御基板を使用することでモジュールのレイアウト面積を小さくしようとする「半導体電力変換装置」が開示されている。
【0003】

【効果】

【0013】
ある特定の機能を果たす実装基板を1枚の分割前の状態で製造・出荷するので、製造や検査・包装などの手間とコストが抑えられる。
更に品質の上での利点がある。もし最初から複数枚に分離して出荷したら次のような不都合が生じ得るからである。すなわち、利用者が複数枚の基板をどのように配置して利用するかによっては電子ノイズを拾いやすくなり、回路の動作が不安定となりやすい。これでは製造者・販売者は、個別の不具合に対処しなければならなくなる。やはり当初は、本考案のように1つの基板で完結していることが望ましい。その後利用者側で分割し、配置に工夫することによって、トータルのレイアウト面積の狭小化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態の基板の分割前の状態の斜視図である。
【図2】第1の実施形態の基板の分割前の状態の正面図である。
【図3】第1の実施形態の基板の分割前の状態の平面図である
【図4】第1の実施形態の基板の分割前の状態の部分拡大図および断面図である。
【図5】第1の実施形態の基板を分割して部分基板同士を電気的に接続している状態を説明する図である。
【図6】第2の実施形態の基板の分割前の状態の平面図である。
【図7】第2の実施形態の基板の分割前の状態の部分拡大図および断面図である。
【図8】第3の実施形態の基板の分割前の状態の平面図である。
【図9】第3の実施形態の基板の分割前の状態の部分拡大図および断面図である。
【図10】第4の実施形態の基板の分割前の状態の平面図である。
【図11】第4の実施形態の基板の分割前の状態の部分拡大図および断面図である。
【図12】3枚以上の部分基板に分割可能な基板を示す図である。

【0015】
〔第1の実施形態〕
本考案の第1の実施形態について図1〜図5に従い説明する。
図1は分割前の基板1の斜視図である。基板1は一点鎖線L1を境界線として2つの部分基板2(2a、2b)からなる。部分基板2a、2bは任意本数のプリント配線3により電気的に接続状態にある。また、各部分基板2はピンヘッダ4を備えている。これは、分離された部分基板2をケーブル等で電気的に接続させる場合、ケーブルコネクタを装着させるために使用される。なお基板1は樹脂等の絶縁基板5にコンデンサ、抵抗、ICなどの電子部品を装着した状態で出荷するがこれらの図示は省略している。
部分基板2に分離する際、基板1を境界L1で割りやすくするために切れ込み溝6を設けるとともに、図2の正面図に示すように絶縁基板5の実装面の裏面側にVカット溝7を設けている。これらの切れ込み溝6やVカット溝7は、請求項2の「分割帯」に相当する。
【0016】
図3は基板1の平面図であり、矩形R1で示す箇所を拡大した図を図4の左側に示す。
図4の右側は、拡大図のA−A線の断面図である。部分基板2に割る場合、プリント配線3部分にカッターなどで切れ込みを入れ、Vカット溝7の場所で折るとよい。
【0017】
基板1の使用方法の1例を説明する。
工場出荷の状態、つまり1枚の基板1の状態で制御対象の装置に接続して通電し、各種の実験をする。基板1に搭載されている制御用ICにプログラムコードを入力したりパラメータを設定・更新したりして性能を確認した後、ターゲットとなる装置に基板1を格納する。しかし、例えば一の部分基板2は制御装置に、他の部分基板2は表示装置に格納することもある。あるいは装置内の基板を設置しうる面積が小さく部分基板に分離しなくては格納できないこともある。このような場合は、利用者は基板1を割って部分基板2に分離する。分離後も電気的な接続状態は維持しなくてはならないので、図5に示すように、ピンヘッダ4にコネクタ8を装着してケーブル9で部分基板2同士を接続することになる。
利用者は2枚の部分基板2a,2bに分離し、これら部分基板2a,2bを電気的に接続して用いても基板1と同等の効果を得ることができる。元の基板1を分離して使用することにより電子ノイズが入ったりすることがあるが、それは利用者が対処すべき問題である。
【0018】
〔第2の実施形態〕
上記の第1の実施形態では、分割領域にプリント配線が張られているので剥がれたり、意図しない箇所でプリント配線が折れたりするおそれがある。以下、第2〜第4の実施形態は、かかる不都合が生じないように、基板を分割しやすくする工夫を施したものである。
【0019】
第2の実施形態は請求項4に係る公安に対応するものである。
図6は、第2の実施形態の基板101を示す。図中、第1の実施形態と同一のものは同じ符号を用いる。
基板101は、部分基板102aと102bとの境界をまたがる箇所にプリント配線をはらず、半田づけをした点で第1の実施形態と相違する。
図6の矩形部分R2を拡大した図を図7の左側に示す。図7の右側にはB−B線の断面図を示す。
部分基板102同士を接続するプリント配線103は部分基板102a側では境界L2の手前に端点103aがあり、部分基板102b側では境界L2の手前に端点103bがある。この端点103aと103bの両者に半田104を付けることで導通する。
【0020】
銅等のプリント配線に使われる金属に比べて柔らかい半田は割れたり剥がれたりしやすい。そのため、部分基板102同士を分離する場合、Vカット溝7の箇所で基板101を2つに割ろうとするとき、半田104の箇所で割れ、プリント配線103が予期しない箇所で折れることを回避できる。半田104の表面にカッターなどで切り込みを入れておくならば、さらに割りやすくなる。
なお、半田の変わりに導電性ペーストを用いてもよい。
部分基板102に分離後は、ピンヘッダ4にコネクタを装着してケーブルで部分基板102同士を接続することにより1枚の基板101と同等の効果が得られる点は、第1の実施形態と同様である。これは下記の第3、第4の実施形態でも同様である。
【0021】
〔第3の実施形態〕
第3の実施形態は請求項5に係る考案に対応するものである。
図8は、第3の実施形態の基板201を示す。図中、第1の実施形態と同一のものは同じ符号を用いる。
基板201は、部分基板202aと202bとの境界L3をまたがる箇所をアイレットパターン203としている点で第1の実施形態と相違する。このアイレットパターンは基板のエッチング等の過程で生成されるので、半田付けを行う第2の実施形態のように余分な工程を必要としない。
【0022】
図8の矩形部分R3を拡大した図を図9の左側に示す。図9の右側にはC−C線の断面図を示す。
部分基板202同士を接続するプリント配線204は部分基板202の境界L3の箇所でアイレットパターン状になっている。他のプリント配線部分204よりもアイレットパターン部分203はプリント配線の幅が細くなっているので、基板201を割って部分基板202に分離する場合、この部分でプリント配線が切れやすい。
しかも、アイレットパターン203の内側は基板を貫通するホール205になっているので、Vカット溝7との相乗効果で一層割りやすい。
アイレットパターン203のプリント配線部分の表面にカッターなどで切り込みを入れておくならば、さらに割りやすくなることは言うまでもない。
【0023】
〔第4の実施形態〕
第4の実施形態は請求項6に係る考案に対応するものである。
図10は、第4の実施形態の基板301を示す。図中、第1の実施形態と同一のものは同じ符号を用いる。
基板301は、部分基板302aと302bとの境界L4をまたがる箇所にはそのままプリント配線を繋げず、別途導線303を渡して部分基板302同士を電気的に接続している点で第1の実施形態と相違する。
図10の矩形部分R4を拡大した図を図11の左側に示す。図11の右側にはD−D線の断面図を示す。
部分基板302同士を接続するプリント配線304は部分基板302a側では境界L4の手前に端点304aがあり、部分基板302b側では境界L4の手前に端点304bがある。この端点304aと304bの両者に導線303の両端部を半田305で接続する。
【0024】
部分基板302同士を分離する場合、導線303をニッパーなどで切断しておきVカット溝7の箇所で基板301を2つに割ると容易に分離できる。なお、導線303の代わりに抵抗値が0に近い部品を用いてもよい。
【0025】
〔その他の実施形態〕
上記の実施形態はいずれも例示であり、他にも種々の変形が考えられる。以下にいくつかの変形例を列挙する。
上記の実施形態では、1枚の基板が2枚の部分基板に分割しても同等の効果を奏することを特徴とするが、分割枚数は2枚に限らず3枚以上も可能である。図12に示す基板501は、3枚の部分基板502a,502b、502cに分割でき、分離後の3枚を電気的に接続すれば基板501と同等の効果を奏する。
上記の実施形態では実装面の裏面にのみVカット溝が設けられていたが、実装面に設けてもよい。たとえば、第2および第4の実施形態は実装面にもVカット溝があれば、一層部分基板に割りやすくなる。
上記の実施形態では、切れ込み溝6とVカット溝7を分割帯として用いたが、ミシン目のような小穴を境界線上に設けてもよい。
このように様々な変形が可能であるが、要は工場出荷時の1枚の基板を利用者側で2枚以上の部分に分割可能であり、分割前と分割後とで同等の機能を有するということが重要なのである。
【産業上の利用可能性】
【0026】
実験や試作用途では、最初は1枚の基板で十分であるが、設備や製造の都合で基板を分割する必要に迫られることがある。既存の発明では、このような場合に別途基板を製造あるいは入手する必要があるが本考案では最初に利用した基板をそのまま分割して利用できる。したがって、ある程度の知識の有る利用者にとって使い勝手のよい基板、特に実験用・試作用の基板として需要が見込めると期待される。

【0027】
1:基板、2(2a、2b):部分基板、4:ピンヘッダ、
6:切れ込み溝、7:Vカット溝、8:ケーブルコネクタ、9;ケーブル、
101:基板、102(102a、102b):部分基板、
103:プリント配線、104:半田、
201:基板、202(202a、202b):部分基板、
203:アイレットパターン、204:プリント配線、
301:基板、302(302a、302b):部分基板、
303:導線、304:プリント配線、
L1,L2,L3,L4:部分基板同士の境界


(57)【要約】

【課題】1枚の基板として出荷するが、利用者側で複数の部分基板に分割可能であり、分割の前後でほぼ同等の機能を有する分割可能な基板を提供する。【解決手段】1枚で完結した機能を有する基板1であって、電気的に接続している2枚以上の部分基板2a、2bからなり、これら2枚以上の部分基板2a、2bは分割可能であり、分割後も部分基板2a、2b同士が電気的に再接続されることによって1枚の基板1と同等な前記完結した機能を有する。2枚以上の部分基板2a、2bは、基板1に設けられたVカット溝などの分割帯を切断することによって分割される。部分基板2a、2bはそれぞれ接続端子4を備え、接続端子4間を電気的接続手段で再接続状態とする。隣接する部分基板同士の境界部分にはプリント配線を跨らせず半田付けや導電性ペーストを用いて導通する等の手段によって基板を割りやすくしてもよい。


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