(54)【考案の名称】弦楽器用肩当て

(51)【国際特許分類】

G10G 5/00 楽器のための支持具

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、弦楽器の使用時に用いる肩当ての人間工学的な改良に関し、特に、弦楽器の練習時等における快適性を増進できる弦楽器用肩当てに関する。

【従来の技術】

【0002】
現在よく見られるヴィオラ、ヴァイオリン等の弦楽器の使用に供する肩当てには、2つの働きがあり、そのうちの1つは、楽器を構える姿勢を改善できることである。即ち、首の長さは人によって異なるため、顎から鎖骨部位までの距離が、楽器の厚さに顎当ての厚さを加えた高さよりも大きい人は、弦楽器を最も快適な位置に挟んで保持しようとする場合、少し肩を上げたり、或いは頭を左側に向けたり、或は頭を傾けたりする必要があり、いずれの場合にも、肩、首部位の緊張が起き、その姿勢を長時間保持すると、職業病に罹りやすくなるため、肩当てにはこの問題を改善できる働きがある。
【0003】
次に、ヴィオラ、ヴァイオリン等の弦楽器は、その最も高価な1枚が裏板であり、この裏板の縞模様、産地等は弦楽器の価値を決定するキーポイントであると同時に、弦楽器の音色を決定するキーポイントでもある。肩当てを使用せずにこれらの弦楽器を弾く場合、肩を直接裏板に当て、肩と顎で同時に力を入れて弦楽器を挟んで保持することから、裏板の振動も制限されることになる。肩当てを使用した場合、肩当ての2つの脚部が安定して裏板の周縁部を挟むことで、弦楽器の裏板全体を肩から浮かせ、そうすることで裏板を十分振動させて共鳴の作用を持たせることができる。これが、肩当てのもう1つの働きである。
【0004】
特許文献1の「弦楽器用肩当て」においては、添付した図1に示すように、主に円弧状曲面を備えた肩当て11を奏者の肩に置くようになっており、該肩当て11の上面にアジャスター12が各々設けられている。アジャスター12を利用して角度上の調整を行うことができるが、該肩当て11が比較的重い材料で作製され、柔軟性も悪く、また肩に置く時の角度に制限があるため、演奏時の音の響きが悪く、弦楽器本体の両端をアジャスター12の上に固定する際に、弦楽器本体を強く締め付けると、その圧力が比較的大きいことにより共鳴音が弱くなり、共鳴効果が減退する。また、角度調整のため弦楽器が斜めに傾きやすく、肩当て11とヴィオラ、ヴァイオリン等が接触する際、摩擦により塗装の剥がれが生じやすく、音質にも影響を及ぼしやすい。
【0005】
また、ヴァイオリン等の練習時には、練習生の首にヴァイオリンの尾部を当接させ、一方の手でヴァイオリンのネック部を保持し、他方の手で弓を持って演奏するが、従来の弦楽器用肩当ての上記のような構造では、長期間に亘り頭を片方に傾け続けることにより、練習生の首や肩に疲労を起こしやすく、ヴァイオリン練習のための有効な時間の損失と練習の質に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
以上の如く、従来の弦楽器用肩当ては、次のような欠点を有する。
1.練習生の首や肩が疲労しやすい。
2.そのため弦楽器練習の有効な時間が失われ、練習の質も低下する。
3.肩当ての長さや高さを自由に調整できない。
4.弦楽器の音質に悪影響を及ぼす。
【0007】
よって、如何にして上記従来技術の問題点と欠陥を解決するかが、本願の考案者と当業者が研究改善すべき課題となっている。
【0008】

【効果】

【0020】
本考案に係る弦楽器用肩当ては、前記の如き構造を有し、練習生等がこれを利用する際には、該肩当てが可撓性を有するため、個人差のある練習生の肩のライン弧度の差異に応じて肩当ての調整を行うことができる。このように、本考案の弦楽器用肩当ては人間工学に適合しているため、練習生は長時間頭を傾けたり、肩を持ち上げたりすることによる不快感や疲労から解放されると共に、弦楽器練習のための有効な時間を延長でき、また弦楽器練習の質を向上させ、弦楽器の音質をアップできる効果も奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来の弦楽器用肩当ての断面図である。
【図2】本考案に係る弦楽器用肩当ての実施例1の立体分解図である。
【図3】本考案に係る弦楽器用肩当ての実施例1の立体組立図である。
【図4】本考案に係る弦楽器用肩当ての実施例1の立体組立図である。
【図5】本考案に係る弦楽器用肩当ての実施例1の使用状態を示す説明図である。
【図6】本考案に係る弦楽器用肩当ての実施例1の使用状態を示す説明図である。
【図7】本考案に係る弦楽器用肩当ての実施例2の立体分解図である。
【図8】本考案に係る弦楽器用肩当ての実施例2の立体組立図である。
【図9】本考案に係る弦楽器用肩当ての実施例2の立体組立図である。

【0022】
本考案の目的及びその構造と機能上の特性を十分理解可能なよう、以下、添付図面の好ましい実施例に基づき、本考案を詳細に説明する。
【0023】
図2及び図3を参照すると、これらの図面には、本考案に係る弦楽器用肩当ての実施例1の立体分解図及び立体組立図が示されている。図に示すように、弦楽器用肩当て2は、第1の本体21と第2の本体22とを備える。第1の本体21は、弦楽器を載せるための、両端に第1の連接部2111と第1の突合せ部2112とを各々有する担持片211を備えている。該第1の連接部2111側には、1個又はそれ以上の第1のアジャスター212が順次連接され、また、該第1の突合せ部2112側には、1個又はそれ以上の第2のアジャスター213が順次連接される。第2の本体22は、第1面221と第2面222を備え、該第1面221は前記第1の本体21に対向させて貼り合せられる。
【0024】
前記第1の本体21と第2の本体22の材質は、金属或いは非金属材料(例えば合成樹脂)のうちのいずれかとすることができる。なお、少なくとも前記第2の本体22については、可撓性の材質のものを用いる。
【0025】
前記第1の本体21と第2の本体22の貼り合わせ手段としては、前記第1の本体21と第2の本体22のいずれもが金属である場合には、スポット溶接等を用いることができるが、材質と関係なく、接着剤を用いたり、両面接着テープを用いることも可能である。
【0026】
前記第1のアジャスター212の両端は、第2の連接部2121と第2の突合せ部2122とを各々備え、前記第1の連接部2111と該第2の突合せ部2122が互いに係合する。前記第2のアジャスター213の両端は、第3の連接部2131と第3の突合せ部2132を各々備え、前記第1の突合せ部2112と該第3の連接部2131が互いに係合する。前記第1のアジャスター212は、同一の形状、サイズのものを1個ないし複数個(図示した実施例1では3個)設けることができ、前記第2のアジャスター213についても同様である。また、図示した実施例においては、担持片211のサイズは、第1のアジャスター212や第2のアジャスター213のサイズよりも大きくしてあるが、これらをすべて同一サイズとしてもよい。
【0027】
図示した実施例における前記第1の本体21は、第3のアジャスター214と第4のアジャスター215を更に備える。該第3のアジャスター214は、前記担持片211の第1の連接部2111に順次連結された少なくとも1個の第1のアジャスター212のうち末端のものに連結される。そのため、前記第3のアジャスター214の一端には、前記末端の第1のアジャスター212の第2の連接部2121と互いに係合する第4の突合せ部2141が備えられる。
【0028】
同様に、前記第4のアジャスター215は、前記担持片211の第1の突合せ部2112に順次連結された少なくとも1個の第2のアジャスター213のうち末端のものに連結される。そのため、前記第4のアジャスター215の一端には、前記末端の第2のアジャスター213の第3の突合せ部2132と互いに係合する第4の連接部2151が備えられる。
【0029】
図4は本考案の実施例1の立体組立図であり、図5はその使用状態を示す説明図であり、図6もその使用状態を示す説明図である。本考案の弦楽器用肩当ては、練習生の弦楽器練習時に、まず該肩当て2と挟持装置3の一端が相互に結合され、該挟持装置3の他端で弦楽器を挟持し、弦楽器、挟持装置3、肩当て2の組み立てが完了し、練習生の顎と、肩上に置いた本考案に係る肩当てとで弦楽器を挟んで保持し、一方の手でその弦楽器のネック部を持ち、他方の手で弓を持って弾く。このとき、該肩当て2の第2の本体22が可撓性を有するため、前記第1の連接部2111に前記第1のアジャスター212が連接され、第1の突合せ部2112に前記第2のアジャスター213が連接され、前記第3のアジャスター213に該第1のアジャスター212が連接され、前記第4のアジャスター215に該第2のアジャスター213が連接されることで、前記第1の本体21に一節一節の態様が形成されて可撓性の機能が達成され、さらに前記第1の本体21と第2の本体22が相互に貼り合せられる。このように、個人差のある練習生の肩のライン弧度の差異に応じて肩当ての調整を行うことができる。その調整方法は各練習生の肩のライン弧度の変化に基づいて前記第1の本体21と第2の本体22を同時に肩のライン弧度に沿って該練習生の肩上に貼付させ、前記第2の本体22の第2面222が肩と接触するよう肩に載せることで、練習生が弦楽器を顎と肩の間に挟んで保持する時に最も快適な位置に安定して保持することができ、また、その貼付方向は練習生の好みまたは使用上の必要に応じて、肩に対して縦方向または横方向に、肩上に貼付させることができ、本実施例において、該肩当て2は肩に対して縦方向に、肩上に貼付されているものを以って説明する(図6に示す)。このように、本考案の弦楽器用肩当ては人間工学に適合しているため、練習生は長時間頭を傾けすぎたり、肩を持ち上げたりすることによる不快感や疲労から解放されると共に、肩をリラックスさせ、弦楽器を構える姿勢を正確に保つことで、弦楽器練習のための有効な時間を延長でき、また弦楽器練習の質を向上させ、弦楽器の音質をアップできる効果も奏する。
【0030】
また、前記第1の本体の構造は一節一節の態様であるため、相互に着脱可能であり、これにより練習生の肩のライン弧度または大きさに合わせてその長さを調整することができる。
【0031】
次に図7乃至図9を参照すると、図7は本考案に係る弦楽器用肩当ての実施例2の立体分解図であり、図8及び図9はその立体組立図である。前記弦楽器用肩当ての一部構成要素及び構成要素間の対応関係は、前記実施例1の弦楽器用肩当てと同様であるため、それらについては同一の指示記号を付すると共に、ここでは詳細な記述を省略する。ただし、本実施例2の弦楽器用肩当てと前記実施例1との最も主要な相違点は、前記第1の連接部2111と第2の突合せ部2122の連接箇所、及び、前記第1の突合せ部2112と第3の連接部2131の連接箇所を貫通する連結部材23(図示した例ではピン状のものであるが、これに限定されない。)を更に有する点である。同様の連結部材23は、複数の第1のアジャスター212,212間の連結、及び、複数の第2のアジャスター213,213間の連結にも用いられる。さらにまた、前記末端の第1のアジャスター212の第2の連接部2121と前記第3のアジャスター214の第4の突合せ部2141の連接箇所、及び、前記末端の第2のアジャスター213の第3の突合せ部2132と前記第4のアジャスター215の第4の連接部2151の連接箇所を貫通するように、連結部材23が備える。この実施例2の弦楽器用肩当て2においても前記実施例1と同様に、練習生の弦楽器練習時に、練習生の顎と、肩上に置いた肩当てとで弦楽器を挟んで保持し、一方の手でその弦楽器のネック部を持ち、他方の手で弓を持って弾く。このとき、該肩当て2の第2の本体22が可撓性を有するため、異なる練習生の肩のライン弧度の差異に応じて肩当ての調整を行うことができ、その調整方法は、各練習生の方のライン弧度の変化に合わせて前記第1の本体21と第2の本体22を同時に肩のライン弧度に沿って該練習生の肩上に貼付させ、前記第2の本体22の第2面222が肩と接触するよう肩に載せることで、練習生が弦楽器を顎と肩の間に挟んで保持する時に最も快適な状態にすることができる。このように、本考案の弦楽器用肩当ては人間工学に適合しているため、練習生は長時間頭を傾けすぎたり、肩を持ち上げたりすることによる不快感や疲労から解放されると共に、肩をリラックスさせ、弦楽器を構える姿勢を正確に保つことで、弦楽器練習のために有効な時間を延長でき、また弦楽器練習の質を向上させ、弦楽器の音質をアップできる効果も奏する。
【0032】
以上に述べたように、本考案は従来の技術に比べて以下の利点を有し、前記した通りの効果を達成し得る。
1.人間工学に適合することで、弦楽器練習時の快適性を大幅に増進できる。
2.弦楽器練習の有効な時間の大幅な増加と、練習の質の大幅な向上を実現し得る。
3.可撓性を持ち、且つ人体の肩のカーブに応じて肩当ての長さを調整できる。
4.音質をアップできる。
【0033】
以上に述べたものは、あくまでも本考案の好ましい実施例であって、本考案はこのような具体例のみに限定されて狭義的に解釈されるべきものではなく、本考案の特許の請求範囲に記載される形状、構造、特徴及び精神に基づいて行われる種々の変更、修正、改良等は、本考案の特許の請求範囲内に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本考案は以上のように構成したので、ビオラやバイオリンなどの弦楽器を演奏する際に、本考案に係る肩当を用い、演奏者の個々の首の長さに対応して肩の高さを調節することができることから、弦楽器を演奏しやすくする肩当てとして好適に用いられるものである。
【0035】
11 肩当て
12 アジャスター
2 肩当て
21 第1の本体
211 担持片
2111 第1の連接部
2112 第1の突合せ部
212 第1のアジャスター
2121 第2の連接部
2122 第2の突合せ部
213 第2のアジャスター
2131 第3の連接部
2132 第3の突合せ部
214 第3のアジャスター
2141 第4の突合せ部
215 第4のアジャスター
2151 第4の連接部
22 第2の本体
221 第1面
222 第2面
23 連結部材
3 挟持装置

(57)【要約】

【課題】人間工学的な観点から改良を加えた弦楽器用肩当てを提供する。【解決手段】両端が第1の連接部2111と第1の突合せ部2112を各々有する担持片211を備え、第1の連接部2111が少なくとも1個の第1のアジャスター212と連接し、第1の突合せ部2112が少なくとも1個の第2のアジャスター213と連接する第1の本体21と、第1面221と第2面222を備え、第1面221と第1の本体21が対向して貼り合せる第2の本体22と、で構成する。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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