(54)【考案の名称】バックアップ材

(73)【実用新案権者】株式会社関西G&S

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図3

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、板状のフロートガラスまたはパネル(まとめてガラス材という)をサッシ(窓枠)に挿入した際にできる隙間を埋めるのに用いられる建築用材料であるバックアップ材に関する。

【従来の技術】

【0002】
従来のバックアップ材は、ポリエチレン押出発泡体等の弾力のある樹脂等でできた長尺の紐状の建築用材料で、サッシに設けられている溝に挿入したガラス材をこの溝内の中間位置に固定するため、ガラス材と溝との間にできる隙間を埋めるのに用いられる。バックアップ材を充填した後の溝には、コーキングが充填される(特許文献1を参照)。また、底部からガラス材の両面を挟むように立設された一対の壁部を備えるバックアップ材が知られている(特許文献2乃至特許文献4を参照)。
【0003】

【効果】

【0013】
本考案によれば、バックアップ材をガラス材に取り付けて、バックアップ材を取り付けたガラス材をサッシの溝に挿入するだけで、一対の壁部がガラス材とサッシとの間で圧縮されることにより、ガラス材を溝内の中間位置に正確に位置決めして固定することができ、ガラス材に応力がかかってもガラス材が溝内の中間位置から偏ることがない。しかも、バックアップ材は、容易にガラス材に取り付けることができ、ガラス材に取り付けられたバックアップ材は、ガラス材に取り付けられた状態に保持される。また、ガラス材に取り付けられたバックアップ材は、底部が平面状となるため、底部が地面や周囲の部材に引っ掛ってバックアップ材がガラス材から外れるという不測の事態を防ぐことができる。そして、ガラス材に取り付けられたバックアップ材は、両外側面が底部から上に行くに連れて両外方へ拡がった形状となるため、また、底部が平面状となるため、バックアップ材を取り付けたガラス材をサッシの溝に容易に挿入することができる。従って、ガラス材のサッシへの取り付けを容易に行うことができる。また、バックアップ材の構造が簡単である。また、溝の幅の異なるサッシに対して、同じ寸法のバックアップ材を共用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本考案の一実施形態に係るバックアップ材を取り付けたガラス材をサッシに取り付ける様子を示す斜視図。
【図2】同バックアップ材の斜視図。
【図3】同バックアップ材、ガラス材及びサッシの断面図。
【図4】同バックアップ材をガラス材に取り付けた状態での断面図。
【図5】(a)は同ガラス材をサッシの溝に挿入した状態を示す断面図、(b)は同ガラス材をサッシの溝に挿入し、シーリング材を充填した状態を示す断面図。
【図6】別の寸法例のバックアップ材、ガラス材及びサッシの断面図。

【0015】
以下、本考案を具体化した実施形態によるバックアップ材について図面を参照して説明する。図1に示すように、バックアップ材1は、板状のガラス材10(板状のフロートガラスまたはパネル)をサッシ20(窓枠)の溝21に挿入した際に、溝21とガラス材10との間にできる隙間を埋めるのに用いられる建築用材料である。ガラス材10は、透明、半透明なもの以外に、不透明な遮光板等の材料を含む。バックアップ材1は、弾力のある材料により形成されており、ガラス材10の周囲(上縁10a、左右の側縁10b、底縁10c)に連続的に又は断続的に取り付けて用いられる。図示の例では、バックアップ材1は、断続的に取り付けられている。
【0016】
サッシ20は、内側に溝21を有している4本の枠材で構成されている矩形の窓枠である。ガラス材10を溝21に挿入する場合、例えば、ねじ22を外し、さらに、対角位置にあるねじ23を緩めることによって枠の一部を開く。そして、サッシ20の枠の一部を開いた状態で、バックアップ材1が取り付けられたガラス材10の周囲の縁を、溝21内に挿入する。この後、ねじ22、23を締め直し、サッシ20をもとの状態に戻すことによって、ガラス材10のサッシ20への取り付け作業が完了する。なお、ガラス材10が溝21内で所望するよりも沈み込む場合には、ガラス材10を溝21の底から浮かすためのセッティングブロック(不図示)が、ガラス材10の底縁10c又は溝21の底に貼り付けられる。
【0017】
図2乃至図5に示すように、バックアップ材1は、ガラス材10の周囲の縁に当接される底部2と、底部2からガラス材10の両面を挟むように立設された一対の壁部3、4と、を備えている。ガラス材10は、ペアガラスである。バックアップ材1は、ポリエチレン押出発泡体、発泡樹脂、ゴム等の弾力のある材料により形成されている。バックアップ材1は、例えば、数メートルの長尺物として供給され、使用に際して適宜の長さに切って用いられる。
【0018】
一対の壁部3、4の相対する壁面3a、4aは、それぞれ平坦になっていて、バックアップ材1がガラス材10に取り付けられる前の自然状態(図3参照)において、その間隔が底部2から上に行くに連れて狭くなっており、壁面3a、4aの下端での直線間隔D1は、ガラス材10の厚みW1よりも小さく、かつ、壁面3a、4aの上端での直線間隔D2は、壁面3a、4aの下端での直線間隔D1よりも小さくなっている。
【0019】
底部2は、バックアップ材1がガラス材10に取り付けられる前の自然状態において、長手方向に直交する断面視で、下に凸の円弧状とされている。底部2の厚みD3は、壁部3、4の上端部を壁面3a、4aが互いに平行になるように押し拡げたときに、底部2が変形して平面状となるような厚みに設計されている。底部2の内底面2aの円弧に沿った長さD4は、ガラス材10の厚みW1と略同等とされている。長さD4は、壁部3、4の上端部を壁面3a、4aが互いに平行になるように押し拡げたときの、壁面3a、4aの下端での直線間隔(底部2の内底面2aの幅)でもある。底部2の外底面2bの円弧に沿った長さD5は、サッシ20の溝21の幅W2よりも小さくなっている。長さD5は、壁部3、4の上端部を壁面3a、4aが互いに平行になるように押し拡げたときの、底部2の外底面2bの幅でもある。
【0020】
一対の壁部3、4は、互いに対称な形状になっており、上に行くに連れて壁の厚みが、底部2と繋がっている部分よりも厚くなっている。壁部3、4の上端での厚みD6は、サッシ20の溝21の幅W2からガラス材10の厚みW1を差し引いた寸法の半分よりも大きくなっている。すなわち、厚みD6は、(W2−W1)/2よりも大きくなっている。厚みD6は、壁部3、4の上端面3c、4cの幅でもある。壁部3、4の高さD7は、溝21の深さW3から底部2の厚みD3を差し引いた寸法よりも小さくなっている。すなわち、高さD7は、W3−D3よりも小さくなっている。壁部3、4は、その上端部に、壁の厚みが略一定の壁厚一定部31、41を有している。壁厚一定部31、41の長さD8は、ガラス材10の厚みW1、溝21の幅W2、壁部3、4の上端での厚みD6、壁部3、4の高さD7等に応じて、適宜の長さに設計されている。
【0021】
バックアップ材1がガラス材10に取り付けられるに際して一対の壁部3、4間にガラス材10が挿入されるとき(図4参照)、一対の壁部3、4が押し拡げられ、それに伴い底部2が円弧状から平面状となり、そのときの壁面3a、4aの下端での直線間隔D4がガラス材10の厚みW1と略同等となり、また、一対の壁部3、4の両外側面3b、4bが底部2から上に行くに連れて両外方へ拡がった形状となる。このとき、底部2の外底面2bの幅D5は、サッシ20の溝21の幅W2よりも小さくなり、壁部3、4の外側面3b、4bの上端での間隔D9は、サッシ20の溝21の幅W2よりも大きくなる。また、底部2の外底面2bから壁部3、4の上端までの高さD10(=D3+D7)は、溝21の深さW3よりも低くなる。
【0022】
ガラス材10に取り付けられたバックアップ材1は、押し拡げられた一対の壁部3、4の元に戻ろうと弾性力によって、ガラス材10を挟持する。すなわち、ガラス材10に取り付けられたバックアップ材1は、ガラス材10から落下することがなく、ガラス材10に取り付けられた状態に保持される。また、ガラス材10に取り付けられたバックアップ材1は、一対の壁部3、4が押し拡げられたことに伴い底部2が平面状となることで、外底面2bから外側面3b、4bに続く底角部2cが下側に出っ張らない状態になる。
【0023】
バックアップ材1の取り付けられたガラス材10は、バックアップ材1と一緒に、サッシ20の溝21に挿入される(図5(a)参照)。バックアップ材1の取り付けられたガラス材10がサッシ20の溝21に挿入されることにより、一対の壁部3、4がガラス材10とサッシ20との間で圧縮される。これにより、溝21に挿入されたガラス材10は、圧縮された一対の壁部3、4の元に戻ろうとする弾性力によって、溝21内で固定される。このとき、一対の壁部3、4が互いに対称な形状であるため、一対の壁部3、4が互いに同じように圧縮され、ガラス材10は、溝21内の中間位置に正確に位置決めされて固定される。これにより、ガラス材10の平面に横方向の応力がかかっても、ガラス材10が溝21内の中間位置から偏ることがない。バックアップ材1の取り付けられたガラス材10が溝21に挿入された後、溝21及びバックアップ材1の上にシーリング材24が充填される(図5(b)参照)。
【0024】
バックアップ材1の寸法D1〜D7は、ガラス材10の厚みW1、サッシ20の溝21の幅W2、溝21の深さW3に応じて、適宜設定される。例えば、ガラス材10(ペアガラス)の厚みW1=18mm、サッシ20の溝21の幅W2=33mm、溝21の深さW3=20mmである場合、バックアップ材1の寸法D1〜D7は、D1=17mm、D2=7mm、D3=3mm、D4=18mm、D5=25mm、D6=10mm、D7=12mm、D8=3mm、に設定するのが好ましい。
【0025】
また、図6に示すように、バックアップ材1は、ガラス材10がシングルガラスである場合にも適用することができる。例えば、ガラス材10(シングルガラス)の厚みW1=8mm、サッシ20の溝21の幅W2=20mm、溝21の深さW3=18mmである場合、バックアップ材1の寸法D1〜D7は、D1=7〜8mm、D2=3mm、D3=2〜3mm、D4=8mm、D5=10mm、D6=18mm、D7=10mm、D8=3mm、に設定するのが好ましい。
【0026】
上述したように、本実施形態のバックアップ材1によれば、バックアップ材1をガラス材10に取り付けて、バックアップ材1を取り付けたガラス材10をサッシ20の溝21に挿入するだけで、一対の壁部3、4がガラス材10とサッシ20との間で圧縮されることにより、ガラス材10を溝21内の中間位置に正確に位置決めして固定することができる。
【0027】
このとき、バックアップ材1は、一対の壁部3、4間にガラス材10を挿入するだけで、容易にガラス材1に取り付けることができる。また、ガラス材10に取り付けられたバックアップ材1は、一対の壁部3、4が弾性力によってガラス材1を挟むことにより、ガラス材10に取り付けられた状態に保持される。しかも、ガラス材10に取り付けられたバックアップ材1は、底部2が平面状となって、外底面2bから外側面3b、4bに続く底角部2cが下側に出っ張らないため、バックアップ材1を取り付けたガラス材10を運搬したり仮置きするときに、底角部2cが地面や周囲の部材に引っ掛かり難い。これにより、底角部2cが地面や周囲の部材に引っ掛ってバックアップ材1がガラス材10から外れるという不測の事態を防ぐことができる。そして、ガラス材10に取り付けられたバックアップ材1は、外底面2bの幅D5がサッシ20の溝21の幅W2よりも小さく、両外側面3b、4bが底部2から上に行くに連れて両外方へ拡がった形状となるため、バックアップ材1を取り付けたガラス材10をサッシ20の溝21に容易に挿入することができる。また、底角部2cが下側に出っ張らないため、底角部2cがサッシ20に引っ掛かり難く、バックアップ材1を取り付けたガラス材10をサッシ20の溝21に容易に挿入することができる。従って、ガラス材10のサッシ20への取り付けを極めて容易に行うことができる。
【0028】
また、バックアップ材1は、一対の壁部3、4に溝や突出部を有していないので、構造が簡単である。また、バックアップ材1は、一対の壁部3、4がガラス材10とサッシ20との間で圧縮されることにより、ガラス材10を溝21内の中間位置に正確に位置決めして固定するので、溝21の幅の異なるサッシ20に対して、同じ寸法のバックアップ材1を共用することができる。
【0029】
本考案は、上記実施形態の構成に限られず、考案の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、バックアップ材1は、底部2の外底面2bから壁部3、4の外側面3b、4bに続く底角部2cが、テーパ状又は曲面状に形成されていてもよい。このような構成によれば、バックアップ材1を取り付けたガラス材10を運搬したり仮置きするときに、より一層、底角部2cが地面や周囲の部材に引っ掛かり難く、底角部2cが地面や周囲の部材に引っ掛ってバックアップ材1がガラス材10から外れるという不測の事態を防ぐことができる。また、バックアップ材1を取り付けたガラス材10をサッシ20の溝21に挿入するときに、より一層、底角部2cがサッシ20に引っ掛かり難く、バックアップ材1を取り付けたガラス材10をサッシ20の溝21に容易に挿入することができる。
【0030】
また、バックアップ材1は、壁部3、4の外側面3b、4bから上端面3c、4cに続く上角部3d、4dが、テーパ状又は曲面状に形成されていてもよい。このような構成によれば、バックアップ材1を取り付けたガラス材10をサッシ20の溝21に挿入した後、不測の事態により、サッシ20の溝21からガラス材10及びバックアップ材1を取り出す必要が生じたときに、バックアップ材1の上角部3d、4dがサッシ20に引っ掛かり難く、バックアップ材1を溝21から取り出し易い。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本考案は、サッシ20の溝21にガラス材10の周囲の縁を挿入し、その両側にバックアップ材1を挿入することによって、ガラス材10の位置を固定するような種々の構造物に使用することができる。
【0032】
1 バックアップ材
2 底部
2a 内底面
2b 外底面
2c 底角部
3、4 壁部
3a、4a 壁面
3b、4b 外側面
3c、4c 上端面
3d、4d 上角部
10 ガラス材
20 サッシ
21 溝
24 シーリング材
31、41 壁厚一定部

(57)【要約】

【課題】ガラス材のサッシへの取り付けを容易にするバックアップ材を提供する。【解決手段】バックアップ材1は、底部2と、底部2から立設された壁部3、4とを備える。壁部3、4の相対する壁面3a、4aは、自然状態において、壁面3a、4aの下端での直線間隔が、ガラス材10の厚みよりも小さく、壁面3a、4aの上端での直線間隔が、それよりも小さい。底部2は、自然状態において、下に凸の円弧状である。壁部3、4は、上に行くに連れて壁の厚みが厚い。壁部3、4間にガラス材10を挿入すると、壁部3、4が押し拡げられ、それに伴い底部2が平面状となり、壁部3、4の両外側面3b、4bが底部2から上に行くに連れて両外方へ拡がった形状となる。バックアップ材1を取り付けたガラス材10をサッシ20の溝21に挿入すると、壁部3、4が圧縮され、ガラス材10が溝21内の中間位置に位置決めされて固定される。


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