(54)【考案の名称】算数教習具

(73)【実用新案権者】株式会社文溪堂

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本発明は、小学校などの算数の授業で教材として使用される算数教習具に関する。

【従来の技術】

【0002】
小学校などの算数の授業において、掛け算を学習する際に使用する算数教習具として、特許文献1に開示される九九カードが知られている。図3に示すように、この九九カード100は、複数枚のカード片101がリング104で束ねられて構成され、各カード片101の一方の面102には、九九を構成する掛け算の計算式の一つ(例えば、2×5)が記載されるとともに、他方の面103には、その解(例えば10)が記載されている。複数枚のカード片101は、リング104を各カード片101に形成されたリング孔105に通すことによって一つの束として纏められている。使用者(児童)は、一方の面102の掛け算の計算式から解を求めるたびに、そのカード片101をめくって他方の面103で解の正誤を確かめることができ、これを繰り返すことにより効果的な九九の学習が可能となるように構成されている。
【0003】
このような九九カードでは、その使い勝手を良くしたり、学習効率を向上させたりする工夫が施されたものが知られている。特許文献1の九九カードでは、各カード片101の端縁に九九の各段を示す数字片106が設けられ、インデックス形式で段の場所が一目でわかるようにされている。また、解が記載された面103には、正解した回数等を記入できるチェック欄107が設けられて反復練習の意欲を高めさせる工夫がなされている。
【0004】
これ以外にも、チェック欄の使い勝手を良くするために、チェック欄をカード片の長手方向端縁に沿って一列に並ぶような形状としたり、各カード片に形成されたリング孔を三角形状に形成してカード片のめくりやすさを向上させたりしたものも知られている。
【0005】

【効果】

【0012】
本考案の算数教習具によれば、学習効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の算数教習具の斜視図。
【図2】本実施形態の算数教習具のカード片を示す図。(a)は、カード片の表面を示す図。(b)は、カード片の裏面を示す図。(c)は、虫食い算を示す部分拡大図。
【図3】従来の算数教習具の斜視図。

【0014】
以下、本考案を具体化した一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(算数教習具の構成について)
本実施形態の算数教習具は、小学校等の算数の授業において、掛け算の基礎を学習する際の学習教材として使用される九九カードである。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の九九カード1は、複数枚のカード片2が、金属製或いは合成樹脂製のリング3によって一つに束ねられて構成されている。各カード片2は、厚紙や合成樹脂製の平板などで形成されており、長方形の一角が切り欠かれた五角形に形成されている。各カード片2の端部には、リング孔21が形成され、リング孔21に通されたリング3に沿って各カード片2を容易にめくることができる。
【0016】
図2(a)に示すように、各カード片2の一方の面(以下、表面という。)4の中央には、九九の計算式41が印刷され、右下方には、九九の計算式41の読み42が漢字及び平仮名で印刷されている。また、図2(b)に示すように、各カード片2の他方の面(以下、裏面という。)5の中央には、表面4に印刷された計算式41の解51とその読み52が平仮名で印刷されている。さらに、裏面5の左方における上下方向略中央には、表面4に記載された計算式41の一方の数(ここでは、掛ける数)を空欄とした虫食い算53が印刷されている。
【0017】
(九九カード1の使用方法について)
次に、小学校等の算数の授業において、掛け算を学習する際の導入時に、本実施形態の九九カード1を使用して九九を学習する場合の使用方法について説明する。
【0018】
ここでは、九九の計算式41として「2×5」を例に挙げて説明する。まず、児童は、カード片2の表面4に印刷された「2×5」の計算式41を見て、その解を考える。解が導けたところでカード片2をめくって裏返し、裏面5に印刷された「10」の解51を見て、自身の解の正誤を確認する。他のカード片2についても同様に、印刷された計算式41を見てその解を考え、裏面5に印刷された解51を見て正誤を確認する。九九カード1は、複数のカード片2をリング3に沿って容易にめくることができるように構成されていることから、表面4に印刷された計算式41から解を導き出し、裏面5に印刷された解51で正誤を確認する作業を何度も反復することにより、九九の学習を効果的に行うことができる。
【0019】
一方、小学校の算数の授業では、二年生で九九を学習して掛け算の基礎を習得した後、三年生で割り算を学ぶ場合が多い。そこで、九九の習得が進んで掛け算の基礎を習得した後、割り算の学習へのスムーズな導入に繋げるような指導をすることも大切である。このような指導を想定して、本実施形態の九九カード1を使用する場合について説明する。
【0020】
まず指導者は、児童に対して、カード片2の裏面5を見るように指導する。そして、そこに印刷された解51である「10」が、どのような九九の計算式41で成り立っているかを問いかける。しかし、九九カード1での学習の習得が進んで、表面4に印刷された九九の計算式41である「2×5」からその解51である「10」を容易に計算できるようになった児童であっても、割り算の学習の初期の段階では、解51から九九の計算式41を導き出すのは容易ではない。
【0021】
そこで、指導者は、裏面5に印刷された虫食い算53を見るように指導し、「2」に何を掛ければ、同じ面(裏面5)に印刷された解51である「10」になるかを考えさせる。「2×5」が「10」となる九九については、「にごじゅう」といったフレーズで反復学習が進んでいることから、児童は、「10」の横に「2×□」と書かれた虫食い算53を見て、頭の中に「にごじゅう」というフレーズを想起することができる。これにより、虫食い算53の空欄は「5」であることを導き出すことができ、裏面5に印刷された「10」という数字が、「2」に「5」を掛けたものに等しいことを理解することができる。
【0022】
(九九カード1の作用について)
次に、本実施形態の九九カード1の作用について説明する。
九九カード1のカード片2の表面4には、九九の計算式41が読み42とともに印刷され、裏面5には、その解51が印刷されており、複数のカード片2は、リング3に沿って容易にめくることができる。カード片2の表面4に印刷された計算式41を見てその解を考え、裏面5に印刷された解51を見て正誤を確認するといった動作を何度も反復することにより、児童は九九の全段を諳んじることができるようになり、九九の習得に非常に効果的である。
【0023】
また、裏面5には、掛ける数が空欄となった虫食い算53が印刷されていることにより、児童の頭の中では、掛けられる数が同一である段の九九のフレーズを想起しやすくなる。九九カード1を段毎にまとめて束ねた状態では、掛けられる数は段を表し、連続するカード片2は、掛けられる数が同一で、掛ける数が順番に大きくなっていくように並べられている。例えば、二の段が並べられた部分では、掛けられる数である「2」に対して、掛ける数が小さいカード片2から順に並べられていることになる。
【0024】
したがって、虫食い算53が「2×□」と印刷されていた場合には、「にいちがに」、「ににんがし」、「にさんがろく」、「にしがはち」、「にごじゅう」というように、「に」で始まる九九のフレーズを想起すれば、解51に容易にたどりつくことができることになる。掛ける数が空欄となっていることで、対応する九九のフレーズを想起しやすくなる。このようにして、裏面5に印刷された虫食い算53は、裏面5に印刷された解51から、表面4に印刷された九九の計算式41を導き出すための有効な助けとなる。
【0025】
そして、この動作を何度も反復することによって、例えば、掛けられる数が「2」で解51が「10」であるとき、「にごじゅう」との九九のフレーズを容易に想起して、掛ける数は「5」であることを素早く理解することができるようになる。また、この動作を他のカード片2に印刷された計算式41についても同様に繰り返すことにより、虫食い算53中の空欄に当てはまる数字を容易に導き出すことができるようになる。
【0026】
このような学習は、「掛ける数」と「掛けられる数」との掛け算によって導き出される解51が、「掛けられる数」で分割することによって「掛ける数」と等しくなるといったことを漠然と理解することに繋がり、基本的な割り算を学習する導入として効果的なものとなる。
【0027】
(九九カード1の効果について)
次に、本実施形態の九九カード1の効果について説明する。
(1)カード片2の裏面5には、九九の解51だけでなく、解51に対応する九九の計算式41が、掛ける数を空欄とした虫食い算53の形式で印刷されている。これにより、単に九九の計算式41から導き出した解51の確認をするだけでなく、解51から九九の計算式41を振り返り、九九の計算式41を導き出すといった学習をすることができる。九九の習得のみならず、基本的な割り算の概念を理解して、割り算の学習への橋渡しをすることができる。
【0028】
(2)本実施形態の九九カード1では、裏面5に九九の虫食い算53が印刷されていることにより、表面4の計算式41から裏面5の解51を導き出すといった一方向の学習のみではなく、裏面5の解51から表面4の計算式41を導き出すといった反対方向への学習を効率的に行うことができる。
【0029】
(3)裏面5に印刷された虫食い算53は、掛け算を応用した他の学習に発展させるために有効であり、学習面における効果をもたらす付加機能となる。九九カード1を掛け算の基礎を学ぶだけでなく、割り算の基礎を学ぶために有効なものとすることができる。
【0030】
なお、本実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。これらの変更例は適宜組み合わせて実施することができる。
・ 本実施形態では、裏面5に印刷された虫食い算53を、掛ける数が空欄となったものとしたが、掛ける数が印刷されていて、掛けられる数が空欄とされているものとしてもよい。或いは、掛ける数が空欄とされているカード片2と、掛けられる数が空欄とされているカード片2が混在している九九カード1としてもよく、掛ける数と掛けられる数とがともに空欄とされているものとしてもよい。例えば、カード片2からリング3をはずしてバラバラの状態として使用して、九九の計算式41を導き出す学習をより応用的に行うことができる。
【0031】
・ 本実施形態では、カード片2を、長方形状の一角が切り欠かれた五角形状に形成したが、長方形状、正方形状、菱形状、六角形状等の多角形状や、真円形状、楕円形状等の円形状等他の形状であってもよい。
【0032】
・ 本実施形態では、カード片2の表面4に、九九の計算式41と、九九の計算式41の読み42とを印刷したが、他のものを印刷してもよい。
・ 本実施形態では、カード片2の裏面5に、九九の計算式41の解51とその読み52、及び、九九の計算式41の一方が空欄とされた虫食い算53を印刷したが、他のものを印刷してもよい。例えば、図2(b)の二点鎖線で示すように、チェック欄54を印刷してもよい。チェック欄54により、表面4に印刷された九九の計算式41の解51を求めた後、裏面5に印刷された解51により正誤を確認し、その正解の回数をチェックすることができる。
【0033】
・ また、図2(c)に示すように、裏面5に印刷された虫食い算53のうち数字が記載された部分に、その数字の読みを印刷してもよい。こうすることで、児童が、印刷された虫食い算53に対応する九九を想起しやすくなるとともに、虫食い算53の空欄の数字を導きやすくなり、割り算の基礎学習への橋渡しに効果的である。
【0034】
・ 本実施形態では、計算式41やその読み42、解51やその読み52、及び虫食い算53を印刷によりカード片2に設けたが、これに限定されない。例えば、シールで貼る構成としてもよい。
【0035】
・ 本実施形態では、表面4の中央に計算式41が印刷され、右下方にその読み42が印刷され、裏面5の中央に解51が印刷され、その上方に読み52が印刷され、その左方における上下方向中央に虫食い算53が印刷される構成としたが、印刷される位置はこれに限定されない。みやすさや使いやすさを考慮して適宜位置を変更することができる。
【0036】
上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)前記虫食い算は、掛ける数が空欄とされ、掛けられる数には、読みが付されている算数教習具。
【0037】
(ロ)前記カード片には、表面及び裏面に少なくともいずれか一方に正誤チェック欄が設けられている算数教習具。
【0038】
1…九九カード(算数教習具)、2…カード片、4…表面(一方の面)、5…裏面(他方の面)、41…掛け算の計算式、51…解、53…虫食い算。

(57)【要約】

【課題】操作が容易で、効率的な掛け算の学習効果が得られる算数教習具を提供する。【解決手段】複数枚のカード片2からなり、カード片2の一方の面4には、掛けられる数と掛ける数とから構成される掛け算の計算式41が設けられるとともに、他方の面5には計算式の解51が設けられる算数教習具1であって、カード片2の他方の面5には、計算式の2つの数の少なくともいずれか一方を空欄とした虫食い算53がさらに設けられている。


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