(54)【考案の名称】リードバルブ

(73)【実用新案権者】イーグル工業株式会社

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、リードバルブに関し、特にガソリンエンジン等の内燃機関の排気ガスを浄化するため、排気経路内に2次空気を供給する2次空気導入装置に用いられるリードバルブに関する。

【従来の技術】

【0002】
例えば二輪自動車などの車両の内燃機関、特にガソリンエンジン等のエンジンの排ガス浄化対策のため、排気経路内に2次空気を供給し、排気ガスを再燃焼させることによって、排気ガス中に含まれる未燃成分を燃焼させる2次空気導入装置が知られている。また、2次空気導入装置はリードバルブを有しているのが一般的である。
【0003】
リードバルブ100は、図5に示すように、流体が通過可能な弁孔180、およびこの弁孔180の周縁部180aに沿って取り付けられたゴム状弾性材料からなる弁座200を有するボディ120と、一端が固定端140bとしてボディ120に取り付けられ、他端が自由端140aとなり、弁座200に対向して位置する弁座当接リード部150が、流体圧に応じて弁座200に対し離接移動することで弁孔180の開閉を行なう金属製のリード140と、このリード140が離接移動する範囲の上限を規制するストッパー160とを具え、二次空気導入装置においては、エアクリーナと排気系配管との間に接続される連結管に配設され、排気系配管内の排気ガスが脈動することによって生じるリードバルブ100の吐出側Dと吸入側Iとの圧力差を利用して、エアクリーナから排気系配管内の排気ガス中に、開弁状態のリードバルブ100を介して2次空気を供給し、排気ガスの再燃焼を図ることによって排気ガス中の未燃成分の燃焼を行わせることができる一方、リードバルブ100によって吐出側Dたる排気系配管側の圧力が高いときには、閉弁状態のリードバルブ100によって、排ガスがエアクリーナ側に逆流しないような構成を有している。
【0004】
このような構成を有する従来のリードバルブ100は、排気ガスの脈動に伴うボディ120の吐出側Dと吸入側Iとの圧力差によって、リード140が、弁座200に着座(当接)する閉弁位置(図5に示す状態)と、弁座200から離隔移動した開弁位置との間で、弁座200に対し往復離接移動(振動)してリード140と弁座200とが繰返し衝突し、高速で開閉動作を行なう場合が想定されるが、この場合、リード140と弁座200とが繰返し衝突する際に異音が発生し、この発生した異音がリードバルブ100のボディ120を通じて車両に伝播する結果、車両騒音として認知される傾向があるため、改善する必要があった。
【考案が解決しようとする課題】
【0005】
本考案の目的は、弁座の適正化を図ることにより、特に排気ガスの脈動に伴って、リードが弁座に対し往復離接移動(振動)してリードと弁座とが繰返し衝突し、高速で開閉動作が生じたとしても、衝突による異音の発生を抑制して車両騒音の低減を図ることが可能なリードバルブを提供することにある。

【効果】

【0011】
本考案によれば、弁座の厚さを、前記リードの前記弁座当接リード部の少なくとも前記自由端側部分に対向する弁座部分である第1弁座部分で、2mm以上とすることにより、特に排気ガスの脈動に伴って、リードが弁座に対し往復離接移動(振動)してリードと弁座とが繰返し衝突し、高速で開閉動作が生じたとしても、衝突による異音の発生を抑制して車両騒音の低減を図ることが可能なリードバルブを提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本考案に従う代表的なリードバルブの断面図である。
【図2】図2は、図1に示すリードバルブの概略平面図であって、弁孔および弁座が見えるようにリードおよびストッパーを仮想線で示す。
【図3】図3は、本考案の他のリードバルブの断面図である。
【図4】図4は、別のリードバルブの断面図である。
【図5】図5は、従来のリードバルブの断面図である。

【0013】
次に、本考案の実施形態について図面を参照しながら以下で説明する。
図1は、本考案に従う代表的なリードバルブの縦断面を示したものであり、図2は、図1に示すリードバルブを、弁孔および弁座が見えるようにリードおよびストッパーを仮想線で示したものである。
【0014】
図示のリードバルブ10は、ガソリンエンジンの排気系配管中の排気ガスを浄化するための2次空気導入装置に用いられるものであって、ボディ12とリード14とストッパー16とを主に具えている。
【0015】
ボディ12は、流体である空気(2次空気)が通過可能な弁孔18と、この弁孔18の縁部18aに沿って取り付けられたゴム状弾性材料からなる弁座20とを有し、さらに、図1では、リード14とストッパー16の一端を締結部材、図1ではボルト22で固定するための孔を有している。
【0016】
ボディ18の材質は、特に限定はしないが、例えば、アルミニウム、SPCC(冷間圧延鋼)、ステンレス鋼のような金属材料や、ガラス入りナイロン、フェノール、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)のような樹脂材料が挙げられる。
【0017】
弁座20を構成するゴム状弾性材料としては、特に限定はしないが、例えば、フッ素ゴム、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ニトリルゴム(NBR)のような合成ゴムや、軟質樹脂等が挙げられる。
【0018】
ボディ12を構成する弁孔18の縁部18aへの弁座20の取付方法としては、例えば、モールド(図示せず)内にセットされたボディ12の弁孔の縁部に沿った部分(凹部)内にゴム状弾性材料を流し込み、その後加硫接着するのが好ましいが、かかる方法だけには限定されない。
【0019】
リード14は、ステンレス等の金属、プラスチック、カーボンのような弾性を有する薄板からなり、一端がボディ12に固定端14bとして取り付けられ、リード14の固定端14bに、ボルト22を取り付けるための孔が設けられていて、他端を自由端14aとすることによって、弾性片持ち梁のように弾性変形可能にして、弁座20に対向して位置する弁座当接リード部15(図2の斜線を施した部分)が、流体圧に応じて弁座20に対し離接移動することで弁孔18の開閉を行なうように構成されている。
【0020】
また、リード14は、その弁座当接リード部15を、弁孔18の縁部18aに沿って設けた弁座20に着座(当接)させて弁孔18を閉弁すると共に、ボディ1の吸入側Iに位置する2次空気導入配管(図示せず)を通って弁孔18に流れる圧力流体(2次空気)の圧力の押圧を受けて、リード14は、弓なりに弾性変形して弁座20から離隔することによって開弁するように構成されていて、作動流体(2次空気や排気ガス等)の圧力、特にボディ12の吐出側Dで生じる排気ガスの脈動に伴って、リード14が弁座20に対し往復離接移動(振動)し、リード14と弁座20とが繰り返し衝突(当接)することで高速で開閉動作することができる。
【0021】
ストッパー16は、リード14が離接移動する範囲の上限を規制するために設けたものであって、一端がボディ12に固定端16bとして取り付けられ、ストッパー16の固定端16bに、ボルト22を取り付けるための孔が設けられていて、他端を自由端16aとして、片持ち梁形状に形成するが、リード14の離接移動範囲を規制するため、ストッパー16はリード14よりも厚肉で変形しないように形成されている。
【0022】
そして本考案では、弁座20の適正化を図ること、より具体的には、弁座20の厚さtを、リード14の弁座当接リード部15の少なくとも自由端14b側の部分15aに対向する弁座部分である第1弁座部分20aで、2mm以上とすることにあり、この構成を採用することによって、特に排気ガスの脈動に伴って、リード14が弁座20に対し往復離接移動(振動)してリード14と弁座20とが繰返し衝突し、高速で開閉動作が生じたとしても、衝突による異音の発生を抑制して車両騒音の低減を図ることができる。
【0023】
従来のリードバルブ100は、図5に示すように、リード140の周縁部が当接する弁座200の厚さを、全周にわたって2mm未満の厚さ(図5では例えば1mm程度)で均一に設けていたが、かかる構成では、リード140と弁座200とが衝突したことによる異音の発生を有効に抑制することができなかった。
【0024】
このため、本考案者がリード14と弁座20とが衝突したことによる異音の発生を抑制するための検討を行ったところ、リード14が当接する弁座20において、特に、弁座20から最も離れた位置まで離隔移動するとともに、最大離隔位置から弁座20に衝突することが想定される、リード14の自由端14b側の部分15aと対向する位置関係にある弁座20の第1弁座部分20aでの衝突による異音の音圧レベルが最も大きくなることが判明し、さらにこの知見に基づいて、弁座20の少なくとも第1弁座部分20aの厚さを2mm以上と厚くしたところ、リード14と弁座20とが衝突したことによる異音の発生およびその音圧レベルを効果的に抑制できることを見出し、本考案を完成させるに至った。
【0025】
なお、弁座20の厚さtは、図1に示すように全周にわたって均一に設けてもよいが、弁座20を構成するゴム状弾性材料の使用量を極力低減する必要がある場合には、図3に示すリードバルブ10Aのように、第1弁座部分20aを、リード14の固定端14b側に位置する第2弁座部分20bよりも厚くすることが好ましく、さらには、第2弁座部分20bから第1弁座部分20aに向かって漸増するように構成することがより好適である。
【0026】
加えて、リード14と弁座20とが衝突したことによる異音がリードバルブ19のボディ12を通じて車両に伝播するのをより一層抑制する必要がある場合には、図4に示すようにリードバルブ10Bのように、ボディ12が、端部全周にわたって1mm以上の厚さで被覆したゴム状弾性材料からなる被覆層24を有することが好ましい。なお、この被覆層24を構成するゴム状弾性材料としては、弁座20を構成するゴム状弾性材料と同様の材質を使用することができる。また、図1および図3に示すリードバルブ10Aおよび10Bには、ボディ12の端部全周にわたって、被覆層24の接着を強化するための複数の係止突起26を設けた場合を示しているが、かかる構成は必要に応じて適宜設けることができる。
【0027】
上述したところは、この考案の実施形態の例を示したにすぎず、実用新案登録請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本考案によれば、特に排気ガスの脈動に伴って、リードが弁座に対し往復離接移動(振動)してリードと弁座とが繰返し衝突し、高速で開閉動作が生じたとしても、衝突による異音の発生を抑制して車両騒音の低減を図ることが可能なリードバルブを提供することが可能になった。本考案のリードバルブは、2次空気制御システムだけではなく、EGR(排気還流)などの様々な技術分野の制御弁に適用することが期待される。
【0029】
10、10A、10B リードバルブ
12 ボディ
14 リード
14a リードの自由端
14b リードの固定端
15 リードの弁座当接リード部
15a 弁座当接リード部の自由端側部分
15b 弁座当接リード部の固定端側部分
16 ストッパー
16a ストッパーの自由端
16b ストッパーの固定端
18 弁孔
18a 弁孔の縁部
20 弁座
20a 弁座の第1弁座部分
20b 弁座の第2弁座部分
22 ボルト
24 被覆層
26 係止突起
t 弁座の厚さ
D ボディの吐出側
I ボディの吸入側

(57)【要約】

【課題】排気の脈動に伴って、リードが弁座に対し往復離接移動(振動)して、リードと弁座とが繰返し衝突して高速で開閉動作が生じたとしても、衝突による異音の発生を抑制したリードバルブを提供する。【解決手段】流体が通過可能な弁孔18、および弁孔の周縁部18aに沿って取り付けられたゴム状弾性材料からなる弁座20を有するボディ12と、一端が固定端14bとしてボディに取り付けられ、他端が自由端14aとなり、弁座に対向して位置する弁座当接リード部が、流体圧に応じて弁座に対し離接移動して弁孔の開閉を行なう金属製のリード14と、リードが離接移動する範囲の上限を規制するストッパー16とを具え、弁座の厚さtが、弁座当接リード部の少なくとも自由端側に対向する第1弁座部分20aにおいて、2mm以上である。


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