(54)【考案の名称】車椅子

(73)【実用新案権者】株式会社 日本ケアサプライ

(73)【実用新案権者】株式会社三貴工業所

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、利用者の座位に合わせて張り具合を調整可能な背もたれ部を有する車椅子に関する。

【従来の技術】

【0002】
従来より、利用者の座位に合わせて張り具合を調整可能な背もたれ部を有する車椅子が知られている。このような車椅子の背もたれ部100は、図6に示したように、車椅子の右側車輪(図示せず)と左側車輪(図示せず)との間に左右一対の背もたれフレーム部材102,104が配設され、この背もたれフレーム部材102,104に、支持部材120,122を介して複数(図6では6本)の長さ調整ベルト110が橋渡しされて固定されている。なお、図6中、符号130は折畳み操作部であり、背もたれ部100は、左右の折畳み操作部130を境にして、背もたれフレーム部材102,104を上下方向に折り畳むことができるようになっている。
【0003】
そして長さ調整ベルト110を挟んで座面側である一方側にクッション性を有する背シート部材が配設され、座面側とは反対側である他方側に図7に示したようなカバー部材140が備えられている。
【0004】
カバー部材140には、ポケット144が設けられ、例えばポケット144内に介助に必要な備品などを収納できるようになっている。
そして車椅子を利用する際には、複数の長さ調整ベルト110(図6では6本の長さ調整ベルト110)をそれぞれ操作し、利用者の座位に合わせて背もたれ部100の張り具合を調整することで、利用者に適した座り心地を提供できるようになっている。
【考案が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような従来の車椅子では、上記した複数の長さ調整ベルト110が、通常ではカバー部材140で覆われて見えないようになっているため、長さ調整ベルト110を操作する際にはカバー部材140をめくり上げるか取り外してから行う必要がある。
さらに背もたれ部100の張り具合の調整は、複数の長さ調整ベルト110を一本ずつ操作して利用者の座位に合わせて調整する必要があり、煩雑な作業を要するものであった。
このため、張り具合の調整は敬遠され易く、折角調整機能を有していてもこの機能が有効利用されることなく、車椅子はそのまま利用されている場合が多いのが実情である。
【0006】
本考案はこのような現状に鑑み、煩雑な作業を要することなく簡単な操作のみで利用者の座位に合わせた背もたれ部の張り具合の調整が可能な車椅子を提供することを目的とする。

【効果】

【0014】
本考案によれば、伸縮性ベルトと長さ調整ベルトを併用し、長さ調整ベルトのみを操作するだけで、利用者の座位に合わせた背もたれ部の張り具合の調整が可能な車椅子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本考案の車椅子の概略図である。
【図2】図2は、図1に示した車椅子の背もたれ部について、座面側とは反対側から視認した際の部分拡大図である。
【図3】図3は、図2に示した背もたれ部のY−Y線による断面図である。
【図4】図4(a)は、図2に示した背もたれ部の伸縮性ベルトの両端部に面ファスナーの雄材(係止部材)を付した状態を説明する説明図、図4(b)は図4(a)に示した面ファスナーの雄材(係止部材)上に、面ファスナーの雌材を介してカバー部材を付した状態を説明する説明図である。
【図5】図5は、本考案の車椅子の別の実施形態における背もたれ部の部分拡大図である。
【図6】図6は、従来の車椅子における背もたれ部の部分拡大図である。
【図7】図7は、従来の車椅子において背もたれ部にカバー部材を配設した状態を説明する説明図である。

【0016】
以下、本考案の実施の形態について、図面に基づいてより詳しく説明する。
本考案は、利用者の座位に合わせて張り具合を調整可能な背もたれ部を有する車椅子に関するものである。
【0017】
図1〜図5に示したように、本考案の車椅子10は、利用者の座位に合わせて張り具合を調整可能な背もたれ部20を有している。
このような背もたれ部20は、図1および図2に示したように、車椅子10の右側車輪80と左側車輪82との間に配設された左右一対の背もたれフレーム部材22,24と、この背もたれフレーム部材22,24に一方側端部と他方側端部とが橋渡しされて固定される複数の帯状体50と、を少なくとも備えている。なお図1中、点線で囲われた領域Fは、背もたれ部20が設けられている領域を示したものである。また、図1〜図5中、符号12は折畳み操作部であり、背もたれ部20は、左右の折畳み操作部12を境にして、背もたれフレーム部材22,24を上下方向に折り畳むことができるようになっている。
【0018】
背もたれフレーム部材22,24に対する帯状体50の固定については、如何なる固定方法であっても構わないが、本実施形態では、支持部材26,28を介して帯状体50を背もたれフレーム部材22,24に固定している。
【0019】
本実施形態の支持部材26,28は、背もたれフレーム部材22,24に締結部材を介して固定され、支持部材26,28は帯状体50を挟持するよう構成されている。
なお、支持部材26,28の材質は、背もたれフレーム部材22,24と帯状体50とを確実に連結することができれば如何なる材質から成っていても良いものであるが、例えばポリエステルから成ることが好ましい。
【0020】
複数の帯状体50は、図2に示したように、背もたれ部20を上下方向の順に上から上部領域A,中部領域B,下部領域Cとに3分割した際、上部領域Aと下部領域Cとに位置する帯状体50が、伸縮性を有する伸縮性ベルト30から成っている。
【0021】
上部領域Aの伸縮性ベルト30と下部領域Cの伸縮性ベルト30は、それぞれ複数本(図2では上部領域Aで3本、下部領域Cで2本)であることが好ましい。このように伸縮性ベルト30が複数であれば、背もたれ部20の上部領域Aおよび下部領域Cが利用者の背中上部と背中下部の曲がり具合に合わせ、細かい幅でそれぞれが伸縮されることとなり、利用者に合わせて最適な座り心地を提供することができる。
【0022】
なお、伸縮性ベルト30の本数や幅については特に限定されるものではなく、例えば上部領域Aと下部領域Cとをそれぞれ1本の幅広な伸縮性ベルト30としたり、上部領域Aを複数の伸縮性ベルト30,下部領域Cを1本の伸縮性ベルト30としたり、さらには一つの領域内で、幅の異なる複数の伸縮性ベルト30とするなど、適宜組合せは自由なものである。
一方、中部領域Bに位置する帯状体50は、長さの調整が可能な長さ調整ベルト40から成っている。
【0023】
長さ調整ベルト40は1つであることが好ましく、このように長さ調整ベルト40が1つであれば、背もたれ部20の中部領域Bが利用者の背中中部の曲がり具合に合わせて調整され、しかも1回の操作のみでその調整を終えることができ、利用者に合わせて最適な座り心地を容易に提供することができる。
【0024】
本考案の車椅子10では、背もたれ部20において、伸縮性ベルト30と長さ調整ベルト40を併用し、長さ調整ベルト40が、中部領域Bにのみ用いられている点が特に特徴的な構成となっている。
【0025】
この中部領域Bは、図3に示したように、背もたれ部20の大凡中ほどに位置する領域であり、この中部領域Bは、車椅子10に利用者が着座した際に、利用者の背中が当たって、座面側Dから座面側とは反対側Eに向かって張り出す箇所である。
【0026】
したがって、この中部領域Bに設けられた長さ調整ベルト40の長さを調整すれば、利用者の座位に合わせて張り具合を簡単に調整することができる。
ここで長さ調整ベルト40としては、長さが調整可能であれば、如何なる材質でできていても構わないが、例えばポリプロピレンから成る長さ調整ベルト40が用いられることが好ましい。長さ調整ベルト40は面ファスナー方式、ボタン式、フック係合式など所定の長さに調整が可能であればどのようなタイプのものを用いても構わないものである。
【0027】
さらに伸縮性ベルト30としては、伸縮性を有すれば如何なる材質でできていても構わないが、例えばゴムとポリプロピレンから成る伸縮性ベルト30が用いられることが好ましい。この伸縮性ベルト30により、車椅子10に利用者が着座した際に、利用者の背中を程良く保持することができる。
【0028】
なお、本考案の車椅子10においては、帯状体50を挟んで座面側Dを一方側面とし、さらに座面側とは反対側Eを他方側面とした際に、座面側Dの一方側面にクッション性を有する背シート部材(図示せず)を備え、座面側とは反対側Eの他方側面に複数の帯状体50をカバーするカバー部材70を備えることが好ましい。
【0029】
カバー部材70は、複数の帯状体50の上に着脱自在に取り付けられればどのような取り付け方法であっても良いものであるが、例えば図4(a)に示したように、背もたれ部20の上部領域Aに位置する伸縮性ベルト30の左右の端部と、下部領域Cに位置する伸縮性ベルト30の左右の端部とにそれぞれ面ファスナー(マジックテープ(登録商標))60の雄材(係止部材)を設けておき、図4(b)に示したように、この雄材(係止部材)に合致する位置に雌材が設けられたカバー部材70を張り合わせれば、確実に帯状体50の上にカバー部材70を配設することができる。
【0030】
そして、このカバー部材70においては、帯状体50の上に配設した状態において、背もたれ部20の中部領域Bに位置する長さ調整ベルト40を操作するための操作窓72が設けられていることが好ましい。
【0031】
このようにカバー部材70に操作窓72が設けられていれば、カバー部材70を付した状態でも、カバー部材70の上から長さ調整ベルト40を操作することができ、特に操作しようとする長さ調整ベルト40のみが視認できるように操作窓72の大きさを調整することにより、誰でも間違うことなく確実に利用者の座位に合わせて背もたれ部20の張り具合を調整することができる。
【0032】
ここでカバー部材70の色については、車椅子10のデザインに合わせて如何なる色であっても構わないものであるが、長さ調整ベルト40とカバー部材70の色を変えておけば、操作窓72から視認される長さ調整ベルト40を際立たせることができる。
【0033】
カバー部材70は、最低限、複数の帯状体50を覆うことができ、長さ調整ベルト40のみ視認できる操作窓72を有することが好ましいが、例えばポケット76が設けられていれば、このポケット76内に介助に必要な備品などを収納することができ好ましい。
【0034】
なお、座面側Dの一方側面に設けられた背シート部材(図示せず)については特に限定されるものではなく、例えばPVCとポリエステルからなるものなどを用いることができる。
【0035】
以上、本考案の車椅子10について説明したが、本考案は上記の実施形態に限定されるものではなく、例えば上記した本考案の車椅子10では、図2に示したように支持部材26,28を介して背もたれフレーム部材22,24に帯状体50が固定される実施形態で説明したがこれに限定されるものではなく、図5に示したように、背もたれフレーム部材22,24に直接的に帯状体50を固定しても良いものである。
【0036】
また本考案の車椅子10は、車椅子の種類を限定するものではなく、例えば介助型車椅子,自走型車椅子,電動車椅子など、如何なる車椅子であっても良いなど、本考案の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能なものである。
【0037】
10 車椅子
12 折畳み操作部
20 背もたれ部
22 背もたれフレーム部
24 背もたれフレーム部
26 支持部材
28 支持部材
30 伸縮性ベルト
40 長さ調整ベルト
50 帯状体
60 面ファスナー
70 カバー部材
72 操作窓
76 ポケット
80 右側車輪
82 左側車輪
A 上部領域
B 中部領域
C 下部領域
D 座面側
E 座面側とは反対側
F 背もたれ部が設けられている領域
100 背もたれ部
102 背もたれフレーム部
104 背もたれフレーム部
110 長さ調整ベルト
120 支持部材
122 支持部材
130 折畳み操作部
140 カバー部材
144 ポケット

(57)【要約】

【課題】煩雑な作業を要することなく簡単な操作のみで利用者の座位に合わせた背もたれ部の張り具合の調整が可能な車椅子を提供する。【解決手段】利用者の座位に合わせて張り具合を調整可能な背もたれ部を有する車椅子であって、背もたれ部20は、車椅子の右側車輪と左側車輪との間に配設された左右一対の背もたれフレーム部材22、24と、背もたれフレーム部材に一方側端部と他方側端部とが橋渡しされて固定される複数の帯状体50と、を少なくとも備え、複数の帯状体は、背もたれ部を上下方向の順に上から上部領域Aと中部領域Bと下部領域Cとに3分割した際に、上部領域と下部領域とに位置する帯状体が、伸縮性を有する伸縮性ベルト30から成り、中部領域に位置する帯状体が、長さの調整が可能な長さ調整ベルト40から成る。


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