(54)【考案の名称】表示体

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、視覚障害者・聴覚障害者と健常者のコミュニケーションや情報伝達を図るための表示体に関する考案である。

【従来の技術】

【0002】
視覚障害者に情報を提供したり、視覚障害者同士のコミュニケーション手段として点字がある。現在ではユニバーサルデザインの一環として点字の併記が行われるようになり、おなじみの、缶入りビールなどのアルコール飲料に「おさけ」「さけ」「びーる」といった表記が行われるようになった。また、点字に類似したものとして、500ミリリットル以上の屋根型の牛乳紙パックは、開け口の反対側上部に扇状切欠きが1個、ジュースは2個あるなどということが規格化されている。
【0003】
聴覚障害者あるいは視覚障害者と健常者のコミュニケーションを図るための表示体ツールとして、聴覚障害者が参加する会議やサークルなどで使用するための「自己紹介カード」(特許文献1)や視覚障害者向けの「点字入り名刺」(特許文献2)などがすでに開発されている。
【0004】

【効果】

【0011】
各種の表示体に、一般的な文字とともに、手話指文字と点字を組み合わせて表示することで、健常者・聴覚障害者・視覚障害者の全てに対応した表示となる。よって、「健常者と障害者を結ぶ」ことができる。聴覚障害者・視覚障害者と健常者が混在する場で、同時にコミュニケーションを取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本考案の実施例1の表示体に係る名刺の正面図。
【図2】本考案の実施例1の表示体に係る名刺の側面図。
【図3】本考案の実施例2の表示体に係るイベント告知用カードの正面図。
【図4】本考案の実施例3の表示体に係るステッカーの正面図。
【図5】本考案の実施例3の表示体に係るステッカーの別の表示形態を示す正面図。
【図6】本考案の実施例3の表示体に係るステッカーの断面図。
【図7】本考案の実施例4の表示体に係るステッカーの正面図。
【図8】本考案の実施例4の表示体に係るステッカーの断面図。

【0013】
本考案を実施するための形態として、下記4件の実施例と図面で、詳細に述べる。
【0014】
本考案の第1の実施例として、図1および図2に示された手話指文字・点字名刺を例に挙げて説明する。
【0015】
図1は、本実施例の表示体としての手話指文字・点字名刺(1)を正面から見た図である。第1表示として、団体名(11a)、氏名(11b)、連絡先(11c)が印刷により一般文字で表示され、第2表示として、団体名(12a)、氏名(12b)、連絡先(12c)が印刷により手話指文字で表示されている。上記に加え、第3表示として、団体名(13a)、氏名(13b)、連絡先(13c)が点字で表示されている。
図の例では、点字は一般文字と手話指文字に一部重なる位置に表示されているが、重ならない位置に表示してもよい。
【0016】
本実施例において、第1表示の団体名(11a)の内容は「働く障害者団体協議会」である。第2表示の団体名(12a)の内容は、第1表示の団体名(11a)の内容を手話指文字で表記した「はたらくしょうがいしゃだんたいきょうぎかい」である。第3表示の団体名(13a)の表示内容は、第1表示の団体名(11a)の内容を点字の規則に従い表記した「はたらく しょーがいしゃ だんたいきょーぎかい」である。第1表示の団体名(11a)の内容、第2表示の団体名(12a)の内容および、第3表示の表示内容は同一の内容である。
点字には、長音を「ー」で表現する、「は」を「わ」で置き換える、分かち書きのため、句読点を省略することがあるなどの慣例があるため、ここでは点字の慣例を準用した形にしている。
ただし、手話指文字・点字の表記が長くスペースの事情で入らない場合は、内容の一部を省略してもかまわない。
【0017】
同様に、本実施例においては、第1表示の氏名(11b)と第2表示の氏名(12b)と第3表示の氏名(13b)の内容は「ふじしろ ひろゆき」で同等であり、第1表示の連絡先(11c)と第2表示の連絡先(12c)と、第3表示の連絡先(13c)の内容も「123−4567−8901」で同等である。つまり、一般文字と手話指文字と点字で、同一の面にそれぞれ同一の内容を表示していることになる。
【0018】
図2は、本実施例の表示体としての手話指文字・点字名刺(1)を側面から見た図である。第1表示の団体名(11a)、第1表示の氏名(11b)第1表示の連絡先(11c)および、第2表示の団体名(12a)、第2表示の氏名(12b)、第2表示の連絡先(12c)は、印刷によるもののため厚みはほとんどないが、第3表示の団体名(13a)、第3表示の氏名(13b)第3表示の連絡先(13c)は点字であることを示している。
【0019】
通常、名刺を渡す際は口頭で団体名や氏名を名乗るが、聴覚障害者は聞き取ることができない。そこで、手話指文字の第2表示の団体名(12a)、第2表示の氏名(12b)を真似て手で示すことで、簡易的ではあるが自己紹介をすることができる。
【0020】
視覚障害者に対しては、口頭で団体名や氏名を名乗り、点字が打刻されていることを説明すれば、第3表示の団体名(13a)、第3表示の氏名(13b)、第3表示の連絡先(13c)を判読することができる。
【0021】
このことにより、障害者にも健常者と同レベルの情報を提供し、障害者と健常者のコミュニケーションに寄与することができる。
【0022】
名刺を渡した相手が健常者であっても、手話指文字と点字が併記された名刺を渡すことにより、おなじみの点字の他に手話指文字を組み合わせて入れることによって、インパクトがあるので会話にもなる。
【0023】
手話指文字の存在を点字の様に身近なものに記載することによって手話の普及活動をしたり、点字と手話(手話指文字)で、視覚障害者と聴覚障害者を結ぶ交流などの活動ができ、ひいては健常者の方にも、点字と同様に手話(手話指文字)を身近に知ってもらうためのツールにもなる。
【0024】
本考案の第2の実施例として、図3に示されたイベント告知用カードを例に挙げて説明する。
【0025】
図3は、本実施例の表示体としてのイベント告知用カード(2)を正面から見た図である。一般文字による第1表示のイベント名(21a)の内容は「第1回市民のど自慢大会」である。手話指文字による第2表示のイベント名(22a)および、点字による第3表示のイベント名(23a)は、「しみん のどじまんたいかい」である。第2表示のイベント名(22a)および、第3表示のイベント名(23a)は、第1表示のイベント名(21a)の内容を一部省略しているが、何のイベントであるかは伝えることができる。
このように、スペースの都合で全ての表示を伝えることができないのであれば、一部の表示を省略することができる例である。
【0026】
本実施例において、第1表示の日時(21b)の内容は「2014年12月31日 13:00」である。また、第2表示の日時(22b)の内容は「12がつ31にち 13じ」であり、第1表示の日時(21b)の内容を一部短縮・同じ内容に言い換えた表示をしているが、日時を伝えている。第3表示の日時(23b)の内容は「おーみそか ごご 1じ」であり、第1表示の日時(21b)の内容を大幅に言い換えてはいるが、前記と同様に日時を伝える目的を果たしている。
【0027】
本実施例においては、第1表示の場所(21c)の内容は「市民文化会館ホール」であり、第2表示の場所(22c)および第3表示の場所(23c)の内容は「しみん ぶんか かいかん」である。一部を省略している点では上記段落[0025]と同様である。
【0028】
このように、手話指文字・点字では表示するためのスペースが不足する場合、情報の核心部分の内容に触れず、一部の内容を省略・短縮することで同等のことを伝えることは可能である。
【0029】
実施例1および実施例2のような、カード型の表示体を想定する場合、手話指文字と点字が併記されたカードを配布したり、防災用品のパッケージに同封することで、広告宣伝や、災害時のツールなどとしての利用が考えられる。QRコード、SPコードを併用することによって、小さい形で情報を伝える防災・イベントなどの情報源として活用することが考えられる。
【0030】
本考案の第3の実施例として、図4、図5および図6に示されたステッカーを例に挙げて説明する。
【0031】
図4は、本実施例の表示体としてのステッカー(3)を正面から見た図である。一般文字による第1表示の説明文(31)の内容は「流すレバーはタンクにあります。」で、手話指文字による第2表示の説明文(32)の表示内容は「ながすればーわ たんくに あります」、点字による第3表示の説明文(33)の表示内容は「ながす ればーは たんくに あります」であり、第1表示の説明文(31)と同等の内容を、第2表示の説明文(32)および第3表示の説明文(33)が表示している点は上記実施例1と同様である。手話指文字・点字では長くなり表示しきれない場合、上記実施例2のように一部省略・短縮して表示することも可能である。
【0032】
本実施例に係る表示体は、必要な情報を表示する目的や、危険防止の目的に活用することが考えられる。例えば、扉や階段の手すりなどに案内表示として手話指文字と点字が併記された案内を表示したり、飲食物や危険物の容器の側面に商品名や、「お酒」「コーヒー」「殺虫剤 危険」などと表示することが可能である。
【0033】
本実施例に係る表示体は、物体に固定することで障害者を含めた不特定多数の者に情報を表示することを目的としているため、固定する対象や固定の方法は問わない。本実施例をトイレの壁に固定した場合は案内用ステッカーになり、本実施例の第1表示の説明文(31)、第2表示の説明文(32)および第3表示の説明文(33)を商品名や内容物や注意書きなどの表示に変え、ビンや缶などの容器に貼り付けた場合、ラベルとして機能する。例えば、殺虫剤のスプレー缶に危険防止用ステッカーとして貼り付ける場合を想定すると、図5のようになる。
【0034】
図5は、本実施例を応用した表示体としてのステッカー(3´)を表面から見た図である。第1表示の説明文(31´)の内容は「どく ゴキブリ用殺虫剤」で、第2表示の説明文(32´)は「どく ごきぶり さっちゅーざい」、第3表示の説明文(33´)の内容は「どく ごきぶり さっちゅうざい」である。第2表示の説明文(32´)および第3表示の説明文(33´)の内容が第1表示の説明文(31´)の内容を一部省略している理由は「これはゴキブリ用殺虫剤である」という内容を1行に収め、「これは毒である」という危険を知らせるための第1表示の説明文(31´)の「どく」の部分や、シンボルマーク(34)と重ならない位置に表示するためである。
【0035】
図5のような危険を知らせることが目的の表示体の場合、第1表示の説明文(31´)の「どく」の部分を、子供や老眼・弱視者にも読めるよう、大きなひらがな表記にすることや、シンボルマーク(34)と併用することも有効といえる。
【0036】
図6は、本実施例のステッカー(3)の断面の構造を示す図である。あらかじめ印刷された表示層(4)と、接着層(5)、はくり紙(6)のセットの、表示層(4)の上に、ラミネート層(7)が溶着された状態で、はくり紙(6)の側から点字打刻ピン(8)で押すことにより点字を打刻する。
はくり紙(6)は、ステッカーを使う際にはがして貼り付けるものである。
【0037】
ラミネート層(7)の素材は、印刷された表示層(4)が鮮明に読める透明度を有し、点字打刻の時に破れや剥がれを起こさないものであれば、材質や、溶着・接着・圧着の種類を問わない。
【0038】
点字打刻の方法は、ラミネート層(7)・表示層(4)・接着層(5)・はくり紙(6)の組み合わせからなるステッカーの、はくり紙(6)の側から点字打刻ピン(8)により力を加えることで点字打刻をすることができ、打刻するための器具は手動式・電動式を問わない。
【0039】
さらに実施例3における表示層に反射素材を使用することができる。図7および図8に示された、広告用反射式ステッカーを例に挙げて説明する。
【0040】
図7は、本実施例の表示体としての反射式ステッカー(9)を正面から見た図である。一般文字による第1表示のメッセージ(91)の内容は「名刺作成は石倉工房」で、手話指文字による第2表示のメッセージ(92)の表示内容は「めいし さくせい は いしくら こうぼう」、点字による第3表示のメッセージ(93)の表示内容は「めいし さくせい わ いしくらこーぼー」であり、第1表示のメッセージ(91)と同等の内容を、第2表示のメッセージ(92)および第3表示のメッセージ(93)が表示している点は上記実施例1と同様である。手話指文字・点字では表示しきれない場合には、上記実施例2のように一部を省略・短縮することも可能である。
【0041】
図8は、本実施例の表示体としての反射式ステッカー(9)の断面図である。あらかじめ印刷された反射シート(10)と、接着層(5)、はくり紙(6)のセットの、反射シート(10)上に、ラミネート層(7)が溶着された状態で、はくり紙(6)の側から点字打刻ピン(8)で押すことにより点字を打刻することは、上記実施例3と同様である。
【0042】
本実施例は、反射シート(10)を主たる素材に使用することで、暗所の視認性を高めている。反射シート(10)の素材は、例えば、JIS規格品を使用することが望ましい。夜間にヘッドライトなどの明かりを反射して目立つことで、貼り付けられた物体の存在を示すとともに、第1表示のメッセージ(91)および第2表示のメッセージ(92)の可読性を高める効果がある。
【0043】
特に実施例3および実施例4の場合、第1表示に表示する一般文字は、老眼や弱視者への配慮や、暗所での視認性を高める目的から、文字を詰め込まず、大きな文字で表示することが望ましい。
【0044】
本考案の表示体に使用する素材は問わない。印刷・筆記による一般文字表記・手話指文字表記ができ、かつ、点字打刻できる素材であれば何にでも適用可能である。
【0045】
また、本考案の表示体は、副次的な効果として、障害者の就労として、ラミネート加工や点字の打刻のような軽作業で作ることができる。
【0046】
1 手話指文字・点字名刺
11a 第1表示の団体名
11b 第1表示の氏名
11c 第1表示の連絡先
12a 第2表示の団体名
12b 第2表示の氏名
12c 第2表示の連絡先
13a 第3表示の団体名
13b 第3表示の氏名
13c 第3表示の連絡先
2 イベント告知用カード
21a 第1表示のイベント名
21b 第1表示の日時
21c 第1表示の場所
22a 第2表示のイベント名
22b 第2表示の日時
22c 第2表示の場所
23a 第3表示のイベント名
23b 第3表示の日時
23c 第3表示の場所
3 トイレ用ステッカー
3´ 殺虫剤用ステッカー
31 第1表示の説明文
31´ 第1表示の説明文
32 第2表示の説明文
32´ 第2表示の説明文
33 第3表示の説明文
33´ 第3表示の説明文
34 シンボルマーク
4 表示層
5 接着層
6 はくり紙
7 ラミネート層
8 点字打刻ピン
9 反射式ステッカー
91 第1表示のメッセージ
92 第2表示のメッセージ
93 第3表示のメッセージ
10 反射シート

(57)【要約】

【課題】障害の有無や種類に関係なく情報伝達が可能で、かつ、障害者と健常者のコミュニケーションが円滑にできる表示体を提供する。【解決手段】表示体に、一般文字と点字と手話指文字を組み合わせて併記することで、視覚障害者には、口頭と点字による情報提供を実現し、聴覚障害者には、文字と手話(手話指文字)による情報提供を実現する。また、健常者と障害者の間のコミュニケーションも実現できる。


【パテントレビュー】

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