(54)【考案の名称】防寒防護服

(73)【実用新案権者】瀬倉株式会社

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、軽く着心地がよい防寒性能を備えた防護服に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
原子力施設などにおいて軽微な放射線が検出される場所では、不織布製の防護服がいわゆる使い捨て態様で用いられている。
【0003】
不織布製の防護服は、不織布を主体に形成されているため、低コストで製造でき、従って、低価格で供給できるところから、使い捨て態様で防護服として多用されているが、不織布製ゆえに防寒性能は無いに等しい。
【0004】
防寒性能を有する防護服は、特許文献1〜4などに見られるように、化学繊維などによる多層構造にしたシート状材を基布として形成されたものが多いが、その基布は多層構造ゆえに基布自体が高価格になり、それが防護服の価格に反映されて不織布製の防護服に比べ著しく高価なものとなっている。
【0005】
上記のような高価格の防寒性能を有する防護服を使い捨てにして使用すると、それにかかるコストは莫大なものとなってしまう。そこで、本出願人は、防寒性能を有するシート状の発泡体を用いることで、低コストの防寒防護服を提案した。しかし、この防寒防護服は、重く着心地がよくない場合がある。
【0006】

【効果】

【0013】
本考案によれば、低コストで製造することができるとともに軽く着心地のよい防寒防護服が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本考案に係る第1の防寒防護服に用いるシート状基材の一例を模式的に示した断面図である。
【図2】つなぎ服タイプの本考案防護服の一例の正面図である。
【図3】ツーピースタイプの本考案防護服の一例の正面図である。
【図4】第2の防寒防護服に用いる表地、裏地及び発泡体の一例を模式的に示した断面図である。

【0015】
以下、本考案に係る防寒防護服の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1〜図3に示すように、本実施形態の第1の例の防寒防護服Aは、不織布等の生地1に、発泡体2を接合してシート状基材Bsを形成し、このシート状基材Bsによって作業服状に形成したものである。
【0016】
生地1は、不織布、網地、通気性のフィルム又は気密性のフィルム等である。不織布は、例えばプロピレン系樹脂繊維をニードルパンチ法などの常法により形成したもので、具体的には一例としてポリプロピレン系樹脂の不織布にポリエステル系の不織布を積層した積層タイプの不織布を用いることもできる。また、生地1は、上記樹脂材又はその他の樹脂材による糸を網地や布に形成したものを単独で、又は、不織布と一緒に用いることができる。また、生地1は、通気性のフィルムや気密性のフィルムを単独で、又は、前記不織布や布地と一緒に用いることができる。
【0017】
発泡体2としては、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリエステル系、ナイロン系等の発泡体等を用いることができる。ここでは一例としてプロピレン系樹脂の単体、或は、該樹脂にエチレン系樹脂,ブテン系樹脂,ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂,スチレン系樹脂のいずれかを混合した樹脂材料を、例えば、発泡倍率を10倍〜100倍で独立気泡又は連続気泡に発泡させた発泡体2を用いることができる。なお、上記樹脂材料は、架橋したもの、或は、架橋しないもののいずれも用いることができる。
【0018】
発泡体2は、格子状、網状、線状若しくは点状の発泡体、又は、表面に凹部と穴の少なくとも一方を有するシート状の発泡体等をいずれか1つ又はそれらを2つ以上組み合わせて用いることができる。格子状や網状の発泡体としては、特に限定されず、それぞれ任意の形状に形成することができる。線状の発泡体としては、直線状、曲線状、直線と曲線が混合した形状、細長の形状等特に限定されず、任意の形状に形成することができる。点状の発泡体としては、円形状、三角形状、四角形状、その他の多角形状等特に限定されず任意の形状に形成することができる。凹部と穴の少なくとも一方を有するシート状の発泡体の凹部と穴の形状は、円形状、三角形状、四角形状、その他の多角形状、細長状等特に限定されず任意の形状に形成することができる。なお、表面に凹部を有するシート状の発泡体とは、表面が凹凸に形成されているシート状の発泡体である。
【0019】
このシート状の発泡体は、例えば、独立気泡の場合には、厚さ0.1mm〜3mmのものが好ましく、連続気泡の場合には、例えば、厚さ4mm〜6mm、厚くても10mm以下の厚さのものが好ましい。発泡体2は、防護服を着て作業をした際に作業の邪魔にならないように生地1に配置されたり、凹部と穴の位置が作業の邪魔にならないように形成されていたりすることが好ましい。例えば、細長の上下方向に延びる発泡体2を作業服のお腹、胸と対応する前面や背中と対応する後面に幅方向に間隔をあけて設けたり、上下方向に延びるスリット状の穴が形成されたシート状の発泡体2を作業服のお腹、胸と対応する前面や背中と対応する後面に設けたりしてもよい。
【0020】
生地1に発泡体2を接合する方法としては、ホットメルト系接着剤を両者の間に存在させて接着する方法やラミネート法、又は、その他の接着法を用いることができる。また、生地1と発泡体2をともにプロピレン系樹脂で形成したものでは、接着剤を用いない熱溶着で接合することができる。また、生地1と発泡体2の接合方法としては、生地1と発泡体2を縫着で接合、例えば、生地1と発泡体2をキルティング状に縫着した接合態様もある。発泡体2を生地1に接合する箇所は、発泡体2の生地1に接合し得る面(接合面)の一部でも全面でもどちらでもよい。なお、図1は、網状の発泡体2の接合面の一部を生地1に接合した例を示している。
【0021】
また、本考案における生地1と発泡体2の積層体は、図1の例の2層構成のものに限らず、例えば、発泡体2をその表,裏から挟んだ対応の少なくとも三層構成のものを含むものとする。
【0022】
上記のようにして生地1と発泡体2が積層されて接合された積層体によって、本考案で使用する図1に一例として示したシート状基材Bsが形成される。このシート状基材Bsは、通常の衣服縫製用の生地と同様に、防護服用の型紙に沿って裁断され縫製加工されて、図2や図3に示す本考案防寒防護服Aの例に形成される。
【0023】
図2は、図1のシート状基材Bsをつなぎ型作業服状の型紙に沿って各パーツ片に裁断し、各パーツを常法により縫製して形成したつなぎ服タイプの本考案防寒防護服Aの一例の正面からの姿図である。
【0024】
図2において、3はフード、4は顔用の窓穴、5,6は左右の袖、7は胴部、8,9は胴部7の下端部から連続して形成されたズボン部の左右の脚筒、10はカバー片11で覆われたラインファスナでスライダ10aを備えている。
【0025】
なお、左右両袖5,6の下端部、ズボン部の左右両筒8,9の下端には、ゴムや紐又は両面テープなどを用いた絞り部5a,6a、同じく8a,9aに形成されている。ズボン部の両筒8,9の下端には、着用者が履いている靴をカバーするオーバーシューズ部(図示せず)を形成することもある。
【0026】
図3の本考案防寒防護服Aは、図2のつなぎ服タイプを上着とズボンに分離したツーピース型に形成したものであり、従って、図2と同じ部位,部材は同一符号を用いている。図3において、7aは上着における胴部7の裾部、12はズボンにおける腰ベルト部である。
【0027】
上記のように形成された本考案防寒防護服Aは、形態が公知の防護服と同様であるから、公知の防護服と同様に着脱するものであるが、図1に例示した生地1に発泡体2を積層一体化して形成したシート状基材Bsによって形成しているので、発泡体2による断熱効果によって、防護服の内部とこの服の外側の外気との間を熱的に遮断することができる。
【0028】
本考案の第1の防寒防護服Aは、以上の通りであって、低コストで形成できる生地1に、低コストで成形できる防寒性能を有する発泡体2を接合してシート状基材を形成し、この基材により、例えば、生地1を外面にすると共に発泡体2を内面側にしてつなぎ服型の作業服状又はツーピース型の作業服状を呈する防護服に形成したから、当該防護服は発泡体2によって防寒性能を得ることができ、しかも、かかる防護服はきわめて低コストで製造することが可能であるから、いわゆる使い捨てタイプの防寒防護服としてきわめて有用である。また、生地1の表面全体に均一の厚さのシート状の発泡体2を接合する場合に比べて軽く着心地もよくなるから、防寒防護服の軽量化を図れるとともに着心地もよくすることができる。
【0029】
図4は、本実施形態の第2の例の防寒防護服に用いる表地、裏地及び発泡体の一例を示す図である。図4に示すように、第2の防寒防護服は、外形が作業服用に整えられた表地21と裏地22との間に、発泡体23を設けたものである。
【0030】
表地21と裏地22は、それぞれ第1の防寒防護服の生地1を用いることができる。すなわち、表地21と裏地22は、それぞれ不織布、網地、通気性のフィルム又は気密性のフィルム等である。表地21と裏地22は、同じ生地であっても異なる生地であってもよいが、表地21が気密性のフィルムで、裏地22が例えば不織布、網地、通気性のフィルムすなわち通気性の素材であることが好ましい。
【0031】
発泡体23は、第1の防寒防護服の発泡体2を用いることができる。すなわち、発泡体23は、格子状、網状、線状若しくは点状の発泡体、又は、凹部と穴の少なくとも一方を有するシート状の発泡体等をいずれか1つ又はそれらを2つ以上組み合わせて用いることができる。発泡体23は、表地21の裏面か裏地22の表面又はそれら両方に接合又は絡着されている。表地21又は裏地22と発泡体23の接合法としては、第1の防寒防護服の生地1と発泡体23の接合方法と同じ方法を用いることができる。また、表地21又は裏地22と発泡体23の絡着法としては、任意の絡着方法を用いることができる。なお、図4は、網状の発泡体22の接合面の一部を表地21に接合した例を示している。
【0032】
このような、表地21と裏地22を、第1の防寒防護服と同様に例えば通常の衣服縫製用の生地のように、防護服用の型紙に沿って裁断して縫製加工し、図2や図3に示すような防寒防護服の例に形成する。このとき、表地21と裏地22の間に空気層24が形成されるように防寒防護服を形成することが好ましい。
【0033】
このように形成された第2の防寒防護服は、形態が公知の防護服と同様であるから、公知の防護服と同様に着脱するものであるが、表地21や裏地22又は両方に発泡体23を接合等しているので、発泡体23による断熱効果によって、防護服の内部とこの服の外側の外気との間を熱的に遮断することができる。また、表地21と裏地22の間に空気層24を形成することで、空気層が断熱効果として作用するので、第2の防寒防護服は、防寒性能が高いものとなる。
【0034】
第2の防寒防護服は、以上の通りであって、低コストで形成できる表地21及び裏地22に、低コストで成形できる防寒性能を有する発泡体23を接合等してつなぎ服型の作業服状又はツーピース型の作業服状を呈する防護服に形成したから、当該防護服は発泡体23によって防寒性能を得ることができ、しかも、かかる防護服はきわめて低コストで製造することが可能であるから、いわゆる使い捨てタイプの防寒防護服としてきわめて有用である。また、生地の表面全体に均一の厚さのシート状の発泡体を接合する場合に比べて軽く着心地もよくなるから、防寒防護服の軽量化を図れるとともに着心地もよくすることができる。
【0035】
また、第2の防寒防護服は、表地21と裏地22の間に空気層24を形成することで、防寒性能を高いものとすることができる。さらに、表地21が気密性のフィルムで、が不織布等の通気性の素材であると、空気層24内の空気が裏地22から抜け出ることが可能である。このため、作業中等で身体を曲げたりして身体で空気層24を圧迫したとき、空気層24の空気が裏地22から抜けであるので、空気層24を形成する表地や裏地が破裂する心配も要らない。
【0036】
1 生地
2 発泡体
21 表地
22 裏地
23 発泡体
24 空気層
A 防寒防護服
Bs シート状基材

(57)【要約】

【課題】低コストで製造することができるとともに軽く着心地のよい防寒防護服を提供する。【解決手段】不織布、網地、通気性のフィルム又は気密性のフィルムからなる生地1に、格子状、網状、線状若しくは点状の発泡体2、又は、凹部と穴の少なくとも一方を有するシート状の発泡体2のいずれか1つ又はそれらを2つ以上組み合わせて接合してシート状基材Bsを形成し、シート状基材Bsによって作業服状に形成する。


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