(54)【考案の名称】壁掛けエアコンのショートサーキット防止装置

(73)【実用新案権者】株式会社福地建装

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は住宅内を輻射熱で冷暖房する技術に関し、特に狭い空間内に壁掛けエアコンを設置した際におけるショートサーキット現象を防止する壁掛けエアコンのショートサーキット防止装置に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
一般に壁掛けエアコンは、エアコンの正面又は上面から空気を吸い込み、エアコンの下部から風を吹き出して冷暖房を行う。
又、室内を輻射と滞留の形式によって冷暖房する空調装置が特許文献1に開示されている。
又、普及型のルームエアコンとクロスファンとを組み合せた空調装置が特許文献2に開示されている。
【0003】

【効果】

【0007】
<1>屋根断熱が施してあって天井裏が極端に低い空間であっても、壁掛けエアコンを有する天井裏の空間内に壁掛けエアコンと対向して水平プレートを設けるだけで、ショートサーキット現象を防止できて、壁掛けエアコンの本来の性能を発揮できて、冷気又は暖気の輻射熱を利用して居住空間の冷房又は暖房を効率よく行える。
<2>天井裏の内周全面をチャンバーで囲うことで、輻射熱を利用した居住空間の冷房又は暖房の効率がより高くなる。
<3>種々の形式の住宅に適用できて、例えば天井裏の空間内に送風機を追加配置し、居住空間の周囲に空気の循環流を形成する住宅に適用した場合は、送風機を介して天井裏の内部の冷気又は暖気を居住空間の周囲に循環をさせて、居住空間の床面、壁面、及び天井面からの輻射熱により冷暖房を行うことができる。
<4>階層的に複数の居住空間を有する住宅に適用した場合には、前記天井裏の冷気又は暖気を各階の居住空間へ流入させて冷房又は暖房を行うことができる。
<5>天井裏の上位に屋根断熱を施した小屋裏を有する住宅に適用した場合には、居住空間の暖房だけでなく、屋根の融雪を効率よく行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本考案に係る壁掛けエアコンのショートサーキット防止装置の説明図。
【図2】図1に示した壁掛けエアコンのショートサーキット防止装置の上面図。
【図3】送風機を追加配置した実施の形態2の説明図。
【図4】小屋裏に通気させて屋根の融雪を行う実施の形態3の説明図。
【図5】天井裏にチャンバーを設けた実施の形態4の説明図。

【0009】
以下に図面を参照しながら本考案について説明する。
【0010】
[実施の形態1]
<1>前提とする壁掛けエアコン
図1,2を参照しながら、本考案に係る壁掛けエアコンのショートサーキット防止装置について説明する。天井裏は天井の低い空間であり、壁掛けエアコン1は屋根断熱を施した天井裏の壁面である固定板7に取り付けてある。
【0011】
壁掛けエアコン1はエアコン本体の正面又は上面に吸込口3を有し、エアコン本体の下部に吹出口を有する。
壁掛けエアコン1は、外気温が例えば−25℃まで運転可能な寒冷地用エアコンや公知の冷暖房用のエアコンを含む。
【0012】
<2>水平プレート
水平プレート2は、天井裏の内空の空気流を上下に分流して壁掛けエアコン1のショートサーキット現象を防止するための板体である。
水平プレート2は壁掛けエアコン1の前方であって、吸込口3の吸い込みの邪魔にならない高さに設置する。
図2に例示した水平プレート2は無孔の板体であり、図面の上下方向に沿った水平プレート2の横断幅は壁掛けエアコン1の横幅よりも大きく、図面の左右方向に沿った水平プレート2の縦断幅は水平プレート2の横断幅よりも大きい形態を例示している。
【0013】
<3>水平プレートの取付け手段
水平プレート2の取付け手段の一例について説明すると、水平プレート2は、その下面に間隔を隔てて敷設した受け木6と吊り具4を介して天井裏に垂下してある。
水平プレート2の取付け手段は吊り具4に限定されず、公知の支持手段を適用することも可能である。
【0014】
<4>水平プレートの取付け位置
水平プレート2の設置にあたり、水平プレート2を壁掛けエアコン1の吸込口3の高さよりやや低い位置に設置し、壁掛けエアコン1の吹出口から送風される冷暖気流と、壁掛けエアコン1の吸込口へ向けて流れる気流とを水平プレート2で分流する。
壁掛けエアコン1の吹き出し特性はメーカにより多少異なるため、壁掛けエアコン1の吹き出し特性等を考慮して水平プレート2を最適な高さに設置する。
【0015】
<5>壁掛けエアコンと水平プレートの間隔
水平プレート2を壁掛けエアコン1に接近し過ぎると、エアコン1のメンテナンスに支障をきたす。
そのため、水平プレート2の対向端(左端)をエアコン1のメンテナンスに支障のない距離だけ離隔して、壁掛けエアコン1と水平プレート2との間にテナンス用の空間を確保する。
【0016】
<6>ショートサーキット防止装置の作用
つぎに壁掛けエアコンのショートサーキット防止装置の作用について説明する。
壁掛けエアコン1の正面又は上面の吸込口3から空気を吸い込み、壁掛けエアコン1の下部の吹出口から横方向又は下方へ向けて冷暖房用の吹出風5を吹き出す。
壁掛けエアコン1から吹き出された吹出風5は、図1の破線で示すように強制的に水平プレート2の下方へ誘導されるため、吹出風5が壁掛けエアコン1の吸込口3に吸い込まれることはない。
水平プレート2の末端(右端)に達した吹出風5は天井裏の天井側に回り込み、水平プレート2の上方を経て壁掛けエアコン1の吸込口3へ誘導される。
【0017】
このように、壁掛けエアコン1の前方に、エアコン本体から所定の距離を隔てて水平プレート2を設けるだけで、ショートサーキット現象の発生を確実に防止しつつ、水平プレート2の上下面を誘導面として利用して、狭小な天井裏の空間内部に冷暖房用の空気の循環流を形成することができる。
したがって、壁掛けエアコン1が有する本来の冷暖房性能を十分に発揮できると共に、狭小な天井裏の空間内の隅々まで冷暖房用の空気を行き渡らせることが可能となって、住宅の天井面を通じた輻射冷房、又は輻射暖房を効率よく行える、
しかも、壁掛けエアコン1を居住空間の上方の天井裏に設置することで、居住空間から壁掛けエアコン1を視覚的に隠しながら、対流を起こさない輻射熱を利用した冷暖房が可能となる。
【0018】
[実施の形態2]
図3は送風機9を追加配置した本考案に係る壁掛けエアコンのショートサーキット防止装置の他の形態を示す。
すなわち、本例における住宅は居住空間の上方に屋根断熱を施した天井裏があり、居住空間の下方に床下空間を有し、外壁は中空のインナー通気層を形成していて、インナー通気層が天井裏の内空と床下空間に夫々連通している。
壁掛けエアコン1と水平プレート2を配置した天井裏の内部には、送風機9が追加配置してある。送風機9に接続した送気用の管の終端が居住空間の下方の床下空間へ案内されている。
【0019】
本例では、屋根断熱を施した天井裏の空間内に設置した壁掛けエアコン1の運転中に送風機9を適宜稼動させると、送風機9が天井裏の冷暖房の空気を、送気用の管を通じて床下空間へ送気し、さらに床下空間内の空気が外壁のインナー通気層を通じて天井裏の内部に送気されて、住宅の内部で空気の循環が生じる。
【0020】
このように屋根断熱をされた天井裏内に配置した水平プレート2が壁掛けエアコン1のショートサーキットを防止しつつ、効率のよい冷暖房を行い、その熱を送風機9で床下等へ送り、外壁のインナー通気層で空気循環を行えば、居住空間を包囲する住宅の天井面、床面及び壁面を通じた輻射熱11による、効率がよくクオリティの高い冷暖房が可能となる。
更に屋根断熱を施した天井裏に壁掛けエアコン1のみを設置した場合と比べても、送風機9による送風静圧が掛からないため、はるかにエネルギー消費効率が向上する。
【0021】
[実施の形態3]
図4は屋根断熱を施した天井裏と小屋裏との間を通気可能に構成し、居住空間だけでなく暖気して屋根を融雪し得るようにした実施の形態3を示すものである。
壁掛けエアコン1と水平プレート2を設置した天井裏と小屋裏との間を画成する天井部材には開口が設けてあって、該開口を通じて天井裏と小屋裏との間が連通構造となっている。
【0022】
本例においては、壁掛けエアコン1が有する本来の暖房性能を発揮して天井裏の内部の空気を暖めて、居住空間を輻射熱によって効率よく暖房を行うだけでなく、天井裏と連通した小屋裏へ温風を流入させることで屋根の融雪を行うことができる。
【0023】
[実施の形態4]
図5は天井裏の内周全面をチャンバー8で囲った実施の形態4を示すものである。
天井裏の内周全面をチャンバー8で囲うことで天井裏の空間の気密性を高めてある。
チャンバー8内の冷気や暖気を住宅内に階層的に形成した各居住空間へ送気し得るように、天井裏の空間と各階の居住空間との間が配管等を通じて連通している。
【0024】
本例にあっては、チャンバー8内で壁掛けエアコン1が冷暖房性能を十二分に発揮し、天井裏の暖気又は冷気を各階へ供給して効率のよい冷暖房を行うことができる。
【0025】
[実施の形態5]
図示を省略するが、既述した水平プレート2の上面にシリカゲルや炭等の空気清浄剤、調湿剤、又は除湿剤を置いておくことも可能である。
本例のように水平プレート2の上面に除湿材等を載置することで、屋根断熱を施した天井裏の内部の空気の調湿や空気の清浄を行うことができる。
【0026】
1・・・・壁掛けエアコン
2・・・・水平プレート
3・・・・吸込口
4・・・・吊り具
5・・・・吹出風
6・・・・受け木
7・・・・固定板
8・・・・チャンバー
9・・・・送風機
10・・・屋根面
11・・・輻射熱

(57)【要約】

【課題】壁掛けエアコンのショートサーキット現象を防止して壁掛けエアコンが有する本来の冷暖房性能を十分に発揮して、住宅内を輻射熱によって効果的に冷暖房できる、壁掛けエアコンのショートサーキット防止装置を提供すること。【解決手段】天井裏の空間内に壁掛けエアコン1と対向して空気を上下に分流する水平プレート2を水平に配置し、水平プレート2の対向端を壁掛けエアコン1から離隔して水平プレート2と壁掛けエアコン1との間にメンテナンス用空間を確保する。


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