(54)【考案の名称】ロール保持治具

(73)【実用新案権者】旭化成イーマテリアルズ株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、ロール保持治具に関する。詳しくは、ロールの外観を検査し、ボールコンベア上を運搬するための治具に関する。

【従来の技術】

【0002】
例えばポリオレフィン樹脂からなるシートは、有機溶媒耐性、電子絶縁性に優れることから、リチウムイオン二次電池など、種々の電池用セパレータとして使用されている。
このようなシートは、通常、円管状の支持管(コア)に巻回された巻回体(マザーロール)として構成されている。そして、出荷の際には、幅の広いシートを所望の寸法幅に裁断してから出荷している。電池用セパレータの場合、電池の寸法が様々なので、シートを電池の寸法に応じた幅に裁断(スリット)し、裁断されたシートをコアに捲回してスリットロールとして出荷されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
近年では、電池の高容量化に伴って捲回する電極とセパレータとが長くなる傾向があり、さらには捲回工程の生産性を向上させるための高速生産を実施することもある。そのため、セパレータ捲回物には、例えば、耳立ち、巻きズレ、曲がり、皺等のない高品質性が求められている。
前記したような、耳立ち、巻きズレ、曲がり、皺等の欠陥の有無を調べる検査は、通常、人が目視でロールを観察することにより行われる。
【0004】

【効果】

【0008】
本考案のロール保持治具では、ロールを浮かせた状態で保持することができるので、ロールを傷つけたりすることなく、検査が可能である。また、複数の支柱部が取り付けられた支持板が、面内方向で回動可能とされているので、支持板を回動させることにより、支柱部に保持されたロールの位置を変更可能である。このため、ロールの全体を見ることができ、外観検査を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本考案のロール保持治具の一構成例を示す斜視図である。
【図2】本考案のロール保持治具の一構成例を示す斜視図である。
【図3】本考案のロール保持治具にロールを保持した状態を示す斜視図である。
【図4】位置決め用凹部及び位置決めピンの部分を拡大して示す図である。
【図5】位置決め用凹部及び位置決めピンの部分を拡大して示す図である。

【0010】
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、本考案のロール保持治具の一構成例を示す斜視図である。
ロール保持治具1は、板状の台座部10と、台座部10の一面に略垂直に配された主柱部14と、台座部10に対し略垂直に主柱部14に取り付けられ、面内方向に回動可能な板状の支持板16と、台座部10に対し横方向に支持板16に取り付けられ、ロール20内部を挿通することにより、該ロール20を浮かせた状態で保持する複数の支柱部17と、を有し、支持板16を面内で回動させることにより複数の支柱部17の位置を変更可能であることを特徴とする。
本考案のロール保持治具1では、ロール20を浮かせた状態で保持することができるので、ロール20を傷つけたりすることなく、検査及び運搬が可能である。また、複数の支柱部17が取り付けられた支持板16が、面内方向で回動可能とされているので、支持板16を回動させることにより、支柱部17に保持されたロール20の位置を変更可能である。このため、ロール20の全体を見ることができ、外観検査を容易に行うことができる。
【0011】
台座部10は、板状を有する。
図1及び図2に示すロール保持治具1では、台座部10は、矩形状の枠体11と、枠体11の下側に取り付けられた板体12とを有する。
台座部10は、支柱部17に保持されるロール20の重さを支えることができるように、支柱部17及びロール20に対して十分な長さを有している。保持されるロール20の長さよりも長いことが好ましい。
台座部10が十分な長さを有することにより、ロール20の重さによって傾いたりすることなく、安定してロール20を保持することができる。
【0012】
台座部10のうち、枠体11は、例えばアルミニウム材から成る。
また、板体12は、ポリアセタール樹脂から成ることが好ましい。板体12をポリアセタール樹脂から構成することで、このロール保持治具1を例えばボールコンベア上を滑らせて搬送する際に、滑りがよくなり、なめらかに搬送することができる。このようなポリアセタール樹脂としては例えばジュラコン(登録商標)が挙げられる。
【0013】
また、台座部10には取っ手13が設けられていてもよい。ボールコンベア上を搬送させるときに、作業者がこの取っ手13を掴んで手前に引き寄せたりすることができ、作業を容易にすることができる。
【0014】
主柱部14は、台座部10の一面に略垂直に配されている。主柱部14は、略長方形状の台座部10の短辺側の略中央に設けられている。
主柱部14の上部に、支持板16が取り付けられる支持板取付け部15が設けられている。
【0015】
支持板16は、長形の板状を成し、その一面16a側が、主柱部14の支持板取付け部15に取り付けられている。支持板16は、台座部10に対し略垂直に配され、面内方向で回動可能とされている。図1は、支持板16を縦向きにした状態を示し、図2は、支持板16を横向きにした状態を示している。
【0016】
支柱部17は、台座部10に対し横方向に、支持板16の他面16b側に設けられる。支柱部17は、複数、図1及び図2に示す例では2か所設けられている。支柱部17は、例えば三角形状に配された3本の棒体17aを有している。支柱部17、支持板16および支柱部17(棒体17a)は、例えばいずれもアルミニウム材から成る。
図3に示すように、支柱部17は、これら3本の棒体17aが、1つのロール20のコア内部に挿入されることにより、ロール20を浮かせた状態で保持する。三角形状に配された3本の棒体17aにより、コア径の大きなロール20でも安定して保持することができる。同様に一本の棒体17aで、コア径の小さなロール20も安定して保持することができる。ロール20を浮かせた状態で保持することで、ロール20を傷つけたりすることなく、検査及び搬送が可能である。
【0017】
このロール保持治具1では、ロール20を支持する棒体17a自体は回転せず、棒体17aが取り付けられた支持板16を回動させることにより、ロール20の位置及び向きを変更させている。支持板16の向きを縦と横で変えることにより、ロール20の位置及び向きも変わる。支持板16を1回転させることにより、ロール20は、端面が円を描くように1回転する。
【0018】
図4及び図5は、支持板16及び支持板取付け部15の部分を拡大して示す図である。
支持板16のうち、主柱部14(支持板取付け部15)側である一面16aには、所定の位置に位置決め用の凹部18が設けられている。例えば、凹部18は、90°ずつ間隔をおいて、上下左右の4か所に設けられている。
支持板取付け部15には、差し込みピン19が配されており、差し込みピン19が凹部18に差し込まれることにより、支持板16が主柱部14に対し所定の位置で固定される。この差し込みピン19は、例えばバネ(図示略)によって支持板16の方向に付勢されている。
支持板16を回転させる場合には、図5に示すように、バネの付勢力に抗して差し込みピン19を引っ張り、凹部18から外れた状態とする。この状態で支持板16を回転させる。別の凹部18が差し込みピン19の位置にくるまで支持板16を回転させ、所望の凹部18の位置にきたところで、差し込みピン19のバネに対する抗力を解除する。バネの付勢力によって、差し込みピン19は凹部18に陥入する。これにより、支持板16が所定の向きで支持板取付け部15に固定される。これにより、支持板16を所定の位置、例えば縦長の位置及び横長の位置で固定することができる。
【0019】
ロール保持治具1(台座部10)の長辺側に観察者が立ち、支持板16を順次(例えば90°ずつ)回転させ、1回転させることで、ロール20は、外周面で観察者側に向ける領域を順次変えながら、端面が円を描くように1回転する。これにより観察者はロール20の全体を見ることができる。これによりロール20を転がしたり、観察者が移動したりすることなく、目視による検査を容易に行うことができる。また、ロール20を宙に浮かせた状態で検査するため、ロール20の傷つきや汚染が防止される。
また、ロール20を支持板16及び棒体17aに支持させた状態で、支持板16ごと回転させることで、比較的大きなロールや重いロールであっても、少ない力でロール20を回転させることができる。
【0020】
以上説明してきたように、本考案のロール保持治具では、ロールを浮かせた状態で保持することができるので、ロールを傷つけたりすることなく、検査が可能である。また、複数の支柱部が取り付けられた支持板が、面内方向で回動可能とされているので、支持板を回動させることにより、支柱部に保持されたロールの位置を変更可能である。このため、ロールの全体を見ることができ、外観検査を容易に行うことができる。
【0021】
以上、本考案の実施の形態について説明してきたが、本考案はこれに限定されるものではなく、考案の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本考案によるロール保持治具を用いることで、ロールを浮かせた状態で保持することができるので、ロールを傷つけたりすることなく、検査及び搬送が可能となり、セパレータ用のロール保持治具として広く利用することができる。
【0023】
1 ロール保持治具
10 台座部
11 枠体
12 板体
14 主柱部
16 支持板
17 支柱部
17a 支持棒
18 凹部
19 差し込みピン
20 ロール

(57)【要約】

【課題】ロールを汚染及び傷つきから保護しつつロールを保持するともに、人の目視による検査が行いやすい、ロール保持治具を提供する。【解決手段】ロール保持治具は、板状の台座部10と、台座部10の一面に略垂直に配された主柱部14と、台座部10に対し略垂直に主柱部14に取り付けられ、面内方向に回動可能な板状の支持板16と、台座部10に対し横方向に支持板16に取り付けられ、ロール内部を挿通することにより、該ロールを浮かせた状態で保持する複数の支柱部17と、を有し、支持板16を面内で回動させることにより複数の支柱部17の位置を変更可能である。


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