(54)【考案の名称】仮設チェンジングエリア装置

(73)【実用新案権者】瀬倉株式会社

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、例えば原子力発電所における中央制御室のような放射性物質により汚染されていないエリア(コールドエリア、又は、コールドともいう)に、汚染されたエリア(ホットエリア、又は、ホットともいう)から作業要員が入退しなければならないとき、前記作業要員が着ていた防護衣等を脱いでスクリーニングを受ける等の作業をするための組立式空間に関する。具体的には、着ていた防護衣・防護具を脱ぐための脱衣エリア,前記要員の汚染の有無をチェックするスクリーニングエリア,汚染が検出された作前記要員の除染をする除染エリアをまとめて仮設空間として設置するチェンジングエリア装置に関する。

【従来の技術】

【0002】
既設の原子力発電所などにおいて、中央制御室のような汚染されていないコールドエリアに対する改良工事やメンテナンス工事等の工事を施工するとき、或は、天災等による非常時の立入りなど、前記コールドエリアの周囲が汚染されたホットエリアである場合には、作業要員はホットエリアを経由してコールドエリアに入らざるを得ないため、当該コールドエリアに入る前に、前記ホットエリアで着用していた防護衣や防護具を脱いで、汚染検査(スクリーニング)を受け、汚染が有れば除染エリアで除染を受け、除染の後、新たな防護衣・防護具、或は、通常作業衣を着用してコールドエリアに入らなければならない。
【0003】
しかし、既設のコールドエリア、例えば中央制御室には、上記のような脱衣や着替えをしたり、汚染検査をしたり、除染をするいわゆるチェンジングエリアは設けられていないから、上記のような周囲がホットエリアの中にあるコールドエリアでの各種工事や非常時の立入り等においては、工事期間中や非常時対応中に使用し、工事終了後や非常時対応が終了すれば撤去する仮設のチェンジングエリアを設置する必要がある。
【0004】
上記チェンジングエリアは、仮設とはいえ脱衣エリア、スクリーニングエリア、除染エリアという複数の個別の機能を持つエリアを備えた設備であるから、設置形態が大がかりになり易い一方、工事終了後には早急に撤去しなければならないから、設置や撤去に多大な人手や時間を要するものであってはならない。
【0005】
【非特許文献1】「原子力防災基礎用語集」の「スクリーニング」の項 公益財団法人原子力安全技術センター発行(2012 年5月最終改訂)

【考案が解決しようとする課題】
【0006】
本考案は、仮設されるチェンジングエリアについての問題点に鑑み、設置および撤去が容易でありながら、ホットエリアに設置しても高いバリア性を発揮し、ホットエリアからコールドエリアに入退するためのスクリーニングや除染等を行うための組立式の仮設チェンジングエリア装置を提供することを、課題とする。

【効果】

【0014】
本考案は、バリア性を持った入口と出口を対面壁に有し、内部に脱いだ防護衣・防護具の回収部を備えた組立式空間の脱衣エリアと、バリア性を持った入口と出口を有し、前記脱衣エリアを通過した者が進入してその者の汚染状態を検査する検査手段を備えると共に、汚染が検出された者を除染エリアの入口に導く第1出口と非汚染者をコールドエリアに導く第2出口とを備えた組立式空間のスクリーニングエリアと、前記脱衣エリアとスクリーニングエリアの間にあって、前記スクリーニングエリアの第1出口に連通した入口とスクリーニングエリアの入口に通じた出口を有し、前記スクリーニングエリアで汚染が検出された者を除染する除染手段を備えた組立式空間の除染エリアとを具備してチェンジングエリア装置とすると共に、該エリア装置を、柱や梁などの骨材、継手、ファスナー付き壁面シート材、出入口付壁面シート材を主材として組立て仮設するようにしたから、使い勝手が良好なチェンジングエリアを容易に形成することができると共に、その組立て設置と用済み後の撤去を至って省力的になし得るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本考案チェンジングエリア装置の一例の概要を説明するための平面図。
【図2】図1のチェンジングエリアを形成する3つの空間を直列的に連設して形成した本考案チェンジングエリア装置の別例を説明するための斜視図。
【図3】各エリア空間に設けられるバリア性を持たせた出入口を有する壁面の一例の正面図。

【0016】
次に、本考案チェンジングエリア装置の実施の形態例について、図を参照して説明する。
【0017】
図1のチェンジングエリアCA1において、1は脱衣エリア、2は前記脱衣エリア1に接続して配置された除染エリア、3は前記除染エリアに接続して配置されたスクリーニングエリア、4は、前記スクリーニングエリア3において汚染されていないと判定された者(非汚染者)の出口3aが、クリーンエリアCLを介して入口4aに接続された中央制御室(以下、コールドエリア4ともいう)である。ここで、前記中央制御室4は放射性物質に汚染されていないからコールドエリアであるが、前記各エリア1〜3は汚染されたホットエリアである。なお、前記中央制御室4の入口4aと兼用した出口は、クリーンエリアCLを介して後述する退域通路9のバリア性の入口に接続されている。
【0018】
前記3つのエリア1〜3は、一例として、原子力発電所内の中央制御室4の内部工事等のために、この中央制御室4の外部にある汚染された他の域(ホットエリア)から中央制御室4(コールドエリア4)に作業要員が出入りするとき、その作業要員が着けていた防護衣・防護具の脱衣、脱衣した前記要員の汚染検査、汚染が検出された前記要員の除染をすることができるようになったチェンジングエリアCA1を形成している。
【0019】
このため、上記各エリア1〜3は、図2に模式的に示す柱,梁,根太などのフレーム材として使用する、例えば紙管やプラスチック管、或は金属製のパイプ材や型材などによる骨材5と、各骨材5を接続するための二方継手,三方継手,四方継手などの継手6と、これらの骨材5と継手6により直方体状の枠(フレーム)に壁面として取付けられるシート材であって、図示しないが、一例として四周に線ファスナ又は面ファスナの構成部材の一方の部材(又は、他方の部材、若しくは、両方の部材)を各辺に周設した難燃性のシート材7とを主要部材として組立てられ、組立てられた各エリア1〜3が、図1又は図2のように相互に連関接続されて、チェンジングエリアCA1又は同CA2に構成される。
【0020】
図3において、8は前記各エリア1〜3の壁面に入口又は出口として形成されるバリア性の出入口である。この出入口8は、図3の例では、壁面に対してロールスクリーンタイプの上下方向で巻上げ引降しができる第1シート8aと、当該壁面に対して観音開きタイプで左右に開閉される第2シート8bと第3シート8cとを、全部乃至一部を重複して設けることにより、放射線に対するバリア性を確保している。バリア性は第1シート8aを設けないで一部重複させる第2シート8bと第3シート8cによっても確保することができる。
ここで、上記入口(又は出口)8を形成する第1〜第3シート8a〜8cは、その全部又は一部を透明シートで形成することが望ましい。出入口8を通して内外の様子を視認できるからである。
【0021】
図1に例示したチェンジングエリアCA1では、除染エリア2を脱衣エリア1とスクリーニングエリア3の間に配置している。その理由は、コールドエリア4に入る作業要員の全員についてスクリーニングエリア3のサーベイメータSv等の検出器で汚染の有無を検査しても、除染エリア2で除染の必要がある者は検査を受けた員数以下であることが殆んどである点に鑑み、汚染されていないとスクリーニングエリア3で判定された要員はそのままコールドエリア4に入ることができるようにするためである。図1の各エリア1〜3に矢印で作業要員の動線を示した。動線の先頭に付した丸囲み数字は、前記作業要員の動く順序の一例として示したものである。
【0022】
図1の例では、除染エリア2を脱衣エリア1とスクリーニングエリア3の間に配置しているが、脱衣エリア1を出た要員の動線(次に行くべきエリア)は、スクリーニングエリア3であるから、図1に示したチェンジングエリアCA1では、除染エリア2を、脱衣エリア1とスクリーニングエリア3を結ぶ線(要員の動線)に沿って2分し、一方の分割エリア21を除染機器Cmを配備した除染スペース21とし、他方の分割エリア22を脱衣エリア1とスクリーニングエリア3の間を連絡する通路兼待機スペース22としている。前記脱衣エリア1においてDbは脱いだ防護衣・防護具を種類別に収容する回収容器である。また、図1の各エリア1〜3に示した白抜き矢印は作業要員の動線を示したもので、矢印の頭に付した丸囲み数字は前記要員の動く順序の一例を示したものである。
【0023】
図1のチェンジングエリアCA1において、前記脱衣エリア1の出口1bと除染エリア2における待機スペース22の入口22a、前記待機スペース22の出口22bとスクリーニングエリア3の入口3a、スクリーニングエリア3において汚染が検出された者が進む出口3bと除染エリア2における除染スペース21の入口21a、除染スペース21の出口21bと待機スペース22の入口22cは、それぞれ先に述べたバリア性の出入口8によって形成されている。なお、1aは脱衣エリア1への入口である。バリア性の形態は、図3は一例であってこの形態に限られるものではない。
【0024】
図1のチェンジングエリアCA1においては、コールドエリア4の入口4aと兼用した出口とに通じたクリーンエリアCLを介して入口9aが連結された退域通路9が、前記3つのエリア1〜3に沿って平行に形成されている。この通路9の出口9bは、前記脱衣エリア1の入口1aと同面に形成されている。前記通路9の出入口9a,9bも、前述の出入口8と同じバリア性の出入口として形成されている。
【0025】
また、上記のチェンジングエリアCA1では、一例として、スクリーニングエリア3について複数個の局部給排気ダクトEIdが形成されている。各ダクトEIdには、給排気手段(図示せず)がチェンジングエリアCA1の内部(各エリア1〜3)に与圧をかけるように接続される。また、各エリア1〜3の境界(出入口)、図示した例では脱衣エリア1の入口1aの外側、待機スペース22の出口22b、スクリーニングエリア3の出口3b、クリーンエリアCLの入口には、粘着マットBmを敷設して、靴底等に付着している放射性物質を転写付着させて当該物質のエリア内への侵入、エリア内での拡散を防いでいる。
【0026】
本考案チェンジングエリア装置は以上の通りであって、ホットエリアに入域していた者がそこを退域して次の工事等の作業要員として中央制御室等のコールドエリアでの作業のために該コールドエリアに入域するとき、当該コールドエリアに入る前に、前記ホットエリアで着用していた防護衣・防護具を脱いでスクリーニングを受け、汚染されていれば除染できるように組立式で仮設チェンジングエリアを形成すると共に、そのエリアの形成には、柱や梁などの骨材と、該骨材の継手と、これらにより組立た直方体空間フレームに張設する壁面となるシート材を主要部材として用いるから、組立,撤去のいずれにおいても省力的に施工できるので、高い利便性が得られる。
【0027】
CA1,CA2 チェンジングエリア
1 脱衣エリア
2 除染エリア
21 除染スペース
22 待機スペース
3 スクリーニングエリア
4 中央制御室(コールドエリア)
5 骨材
6 継手
7 シート材
8 シールド性の出入口
9 退域通路

(57)【要約】

【課題】設置および撤去が容易でありながら、ホットエリアに設置しても高いバリア性を発揮し、ホットエリアからコールドエリアに入退するためのスクリーニングや除染等を行うための組立式の仮設チェンジングエリア装置を提供する。【解決手段】バリア性を持った入口と出口を対面壁に有し、内部に脱いだ防護衣・防護具の回収部を備えた組立式空間の脱衣エリア1と、バリア性を持った入口と出口を有し、脱衣エリアを通過した者が進入してその者の汚染状態を検査する検査手段を備えると共に、汚染が検出された者を除染エリア2の入口に導く第1出口と非汚染者をコールドエリア4に導く第2出口とを備えた組立式空間のスクリーニングエリア3と、脱衣エリアとスクリーニングエリアの間にあって、スクリーニングエリアの第1出口に連通した入口とスクリーニングエリアの入口に通じた出口を有し、スクリーニングエリアで汚染が検出された者を除染する除染手段を備えた組立式空間の除染エリアとを具備する。


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