(54)【考案の名称】固定ピン及び固定ピン着脱装置

(51)【国際特許分類】

E02F 3/36 ・・・構成部品

(73)【実用新案権者】株式会社北栄建設

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、アーム式建設機械のアームの端部にアタッチメントを取り付けるための固定ピン、及び、該固定ピンをアームの端部に対して着脱するための固定ピン着脱装置に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
アーム式の建設機械には、アームの先端にアタッチメントを付け替えて、掘削、搬送、積み上げ、破砕、切断等の種々の作業に使用するものがある。これらのアタッチメントは、固定ピンによりアームの先端に取り付けられている。
【0003】
具体的には、図5に示すように従来の固定ピン100は、軸棒状のピン本体101と、ピン本体101の一端に設けられたフランジ部102と、ピン本体101の他端に、軸方向と直交する方向に貫設されたピン孔部103とを有している。一方、アタッチメント50には、図6に示すように、一対のアタッチメント連結部51が間隔をあけて同方向に突設されており、一対のアタッチメント連結部51にはそれぞれアタッチメント孔部52が貫設されている。また、アーム式建設機械のアーム60の先端にも、アーム孔部61が貫設されている。アタッチメント50をアーム60に取り付けるには、一対のアタッチメント連結部51の間にアーム60を位置させ、アタッチメント孔部52及びアーム孔部61にピン本体101を挿通し、ピン本体101の先端がアッタチメント連結部51から突出した状態で、ピン孔部103に図示しない抜け止めピンを挿通する。
【0004】
上記構成の固定ピンのアームに対する着脱は、従前より、ハンマー等で固定ピンに打撃を加えることにより行っている。建設機械のアッタチメントは大型であるため、これを固定するための固定ピンのサイズも大きい。加えて、固定ピンには高強度が要求されるため一般的に金属製である。そのため、固定ピンは重量物であり、ハンマー等で打撃を加えて固定ピンを移動させるためには、大きな力を要し作業負担が大きい、繰り返し打撃を加えても固定ピンが移動しにくく着脱が困難なことが少なくない、という問題があった。
【考案が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本考案は、上記の実情に鑑み、アーム式建設機械のアームに対する着脱の際に移動させ易く、着脱の作業負担を軽減することが可能な固定ピン、及び該固定ピンを着脱するための固定ピン着脱装置の提供を、課題とするものである。

【効果】

【0023】
以上のように、本考案の効果として、アーム式建設機械のアームに対する着脱の際に移動させ易く、着脱の作業負担を軽減することが可能な固定ピン、及び該固定ピンを着脱するための固定ピン着脱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本考案の一実施形態である固定ピンの正面図である。
【図2】図1の固定ピンにおいて着脱できる構成を説明する図である。
【図3】図1の固定ピンのアームへの取り付けを説明する図である。
【図4】図1の固定ピンのアームからの取り外しを説明する図である。
【図5】従来の固定ピンの正面図である。
【図6】従来の固定ピンのアームへの取り付けを説明する図である。

【0025】
以下、本考案の一実施形態である固定ピン1及び固定ピン着脱装置について図1乃至図4を用いて説明する。固定ピン1はアーム式建設機械のアーム60の端部にアタッチメント50を取り付けるために使用されるものである。ここで、アタッチメント50からは一対のアタッチメント連結部51が間隔をあけて同方向に突設されており、一対のアタッチメント連結部51にはそれぞれ円形のアタッチメント孔部52が貫設されている。また、アーム60の端部にも同様に円形のアーム孔部61が貫設されている。アタッチメント50は、一対のアタッチメント連結部51の間にアーム60を位置させ、アタッチメント孔部52及びアーム孔部61に固定ピン1を通すことにより取り付けられる。
【0026】
本実施形態の固定ピン1は、軸棒状で、アーム孔部61及びアタッチメント孔部52に挿通されるピン本体10と、ピン本体10の一端に設けられたフランジ部11と、フランジ部11に設けられた環状の第一連結部20aと、ピン本体10の他端であるピン先端部12に設けられた、太さがピン本体10以下でアーム孔部61及びアタッチメント孔部52に挿通される環状の第二連結部21aとを具備している。
【0027】
具体的には、ピン本体10は軸方向に対して直交する断面が円形であり、その直径はアーム孔部61及びアタッチメント孔部52の直径よりも小さい。これにより、ピン本体10をアーム孔部61及びアタッチメント孔部52に挿通することができる。フランジ部11はピン本体10の端部から同心の円盤状に張り出しており、その径はアーム孔部61及びアタッチメント孔部52よりも大きい。これにより、ピン本体10をアーム孔部61及びアタッチメント孔部52に挿通するときに、フランジ部11がアタッチメント連結部51に当接してストッパとして作用する。フランジ部11に設けられた第一連結部20aは、円環状である。一方、ピン先端部12に設けられている第二連結部21aも同様に円環状であるが、その外径は第一連結部20aより小さく、ピン本体10の外径以下である。これにより、ピン本体10を、第二連結部21a側からアーム孔部61及びアタッチメント孔部52に挿入することができる。更に、ピン本体10の長さは、一対のアタッチメント連結部51間の距離よりも長く設定されている。これにより、アーム孔部61を介してアタッチメント孔部52の一方から他方へと固定ピン1を挿通してアタッチメント50をアーム60に取り付けることができる。
【0028】
また、フランジ部11には、雄ネジ及び雌ネジの螺合により着脱可能に第一連結部20aに締結される第一締結部13が形成されていると共に、ピン先端部12には、雄ネジ及び雌ネジの螺合により着脱可能に第二連結部21aに締結される第二締結部14が形成されている。
【0029】
具体的には、固定ピン1はピン本体10に対して着脱可能な第一連結部材20及び第二連結部材21を具備しており、第一連結部20a及び第二連結部21aはそれぞれ第一連結部材20及び第二連結部材21の構成である。より詳細には、第一連結部材20は、円環状の第一連結部20aと、第一連結部20aが取り付けられた六角の頭部20bと、頭部20bに取り付けられた雄ネジ20cとからなる。同様に、第二連結部材21は、円環状の第二連結部21aと、第二連結部21aが取り付けられた六角の頭部21bと、頭部21bに取り付けられた雄ネジ21cとからなる。一方、フランジ部11には、雄ネジ20cと螺合する雌ネジ13cを有するナットが固着されており、これが第一締結部13を構成している。同様に、ピン先端部12には雄ネジ21cと螺合する雌ネジ14cを有するナットが固着されており、これが第二締結部14を構成している。かかる構成により、第一締結部13に雄ネジ20cを締結することによって第一連結部20aは「フランジ部11に設けられた」状態となり、第二締結部14に雄ネジ21cを締結することによって第二連結部21aは「ピン先端部12に設けられた」状態となる。
【0030】
更に、固定ピン1は、第一連結部20aが取り外された第一締結部13に、雄ネジ及び雌ネジの螺合により取り付けられる第一保護部材40と、第二連結部21aが取り外された第二締結部14に、雄ネジ及び雌ネジの螺合により取り付けられる第二保護部材43とを、具備している。
【0031】
具体的には、第一保護部材40は、第一連結部材20から第一連結部20aを除いた構成に相当し、第一締結部13と螺合可能な雄ネジ40cと六角の頭部40bとからなる。同様に、第二保護部材43は、第二連結部材21から第二連結部21aを除いた構成に相当し、第二締結部14と螺合可能な雄ネジ43cと六角の頭部43bとからなる。これにより、第一連結部材20及び第二連結部材21が取り外された状態の第一締結部13及び第二締結部14に第一保護部材40及び第二保護部材43をそれぞれ取り付けて、第一締結部13及び第二締結部14においてそれぞれ雌ネジ13c,14cが形成されている孔部を塞ぐことができる。従って、第一締結部13及び第二締結部14の孔部が土砂等によって塞がれ、次に第一連結部材20及び第二連結部材21を取り付ける際の妨げとなることを防止することができる。
【0032】
加えて、固定ピン1は、第二連結部21aに着脱可能に取り付けられると共に、太さがピン本体10以下でアーム孔部61及びアタッチメント孔部52に挿通される線状の延長部材46を、具備している。
【0033】
延長部材46は、線状部材の一端に第二連結部21aと着脱可能に連結できる部材を備え、他端が環状となったものである。本実施形態では、線状部材はワイヤ47であり、第二連結部21aと着脱可能に連結できる部材としてシャックル48を備えている。シャックル48において最も幅広の部分の長さは、ピン本体10の直径以下である。これにより、延長部材46はアーム孔部61及びアタッチメント孔部52を通過可能である。
【0034】
次に、本考案の一実施形態である固定ピン着脱装置について図3及び図4を用いて説明する。
【0035】
本実施形態の固定ピン着脱装置は、固定ピン1と、第一連結部20aに連結され、或いは第二連結部21aに取り付けられた延長部材46に連結される被連結部32、被連結部32が端部に取り付けられた線状の連結部材31、連結部材31が巻き掛けられた支軸、及び、支軸を回転させることにより連結部材31の巻き上げ及び繰り出しを行う回転機構を備えた牽引装置30と、を具備している。
【0036】
具体的には、牽引装置30は、被連結部32としてのフックと、被連結部32が一端に取り付けられた連結部材31としてのチェーンと、第一支軸(図示しない)周りに回転し連結部材31が巻き掛けられている第一滑車(図示しない)と、第二支軸33周りに回転し第二チェーン(図示しない)が巻き掛けられている第二滑車(図示しない)と、第二支軸33を回転させるレバー35と、第一滑車及び第二滑車を支持している装置本体34を備えている。第二滑車は第一滑車より大径であり、それぞれと同心の二つの歯車が噛合っていることにより、連動して回転する。また、装置本体34には、係着部36としてのフックが取り付けられており、環状の被係着部91を有するコンクリートブロック等の重量物90に係着部36を引掛けることにより、装置本体34を固定する。
【0037】
かかる構成により、レバー35の操作によって第二滑車を回転させ第二支軸33周りに第二チェーンを巻き上げると、これに伴い第一滑車が回転し、連結部材31が第一支軸周りに巻き上げられる。第二滑車は第一滑車より大径であるため、第二支軸周りに第二チェーンを巻き上げる距離は、連結部材31によって被牽引物を移動させる距離より長くなるが、この長さの比に反比例した小さな力で、被牽引物を牽引することができる。ここで、本実施形態の第一支軸が本考案の「支軸」に相当し、第一滑車、第二滑車、これらを噛合わせる歯車、第二チェーン、及びレバー35が、本考案の「回転機構」に相当する。なお、レバー35によって第二支軸33を回転させる構成は、ラチェット機構を備えている。
【0038】
本実施形態の固定ピン着脱装置を使用した固定ピン1の取り付けについて図3を用いて説明する。
【0039】
固定ピン1をアーム60に取り付ける場合は、第二連結部材21をピン本体10に取り付けておく。第二連結部材21の雄ネジ21cの第二締結部14への締結は、六角の頭部21bを六角レンチで回転させることにより容易に行うことができる。この状態で、アーム孔部61及びアタッチメント孔部52を介して第二連結部21aに牽引装置30を間接的に連結し、牽引装置30を使用して固定ピン1を第二連結部21a側に牽引する。具体的には、アーム孔部61を介してアタッチメント孔部52の一方から他方へ挿通させた延長部材46のシャックル48を、ピン本体10に取り付けられた第二連結部21aに引掛けると共に、牽引装置30の被連結部32を延長部材46の環状となった他端に引掛ける。これにより、第二連結部21aと牽引装置30が間接的に連結される。そして、レバー35の操作によって上述のように連結部材31を巻き上げることにより、延長部材46を介してピン本体10をアーム孔部61及びアタッチメント孔部52内に牽引し、固定ピン1をアーム60に取り付けることができる。なお、延長部材46の一方の端部に牽引装置30または第二連結部21aを連結した状態で、延長部材46を他方の端部側からアタッチメント孔部52及びアーム孔部61に挿通しても良いし、延長部材46をアタッチメント孔部52及びアーム孔部61に挿通した後でその両端に牽引装置30及び第二連結部21aを連結しても良い。また、延長部材46の線状部材をアタッチメント孔部52及びアーム孔部61に挿通した後で、その端部にシャックル48を取り付けても良い。
【0040】
固定ピン1を取り付けた後、第二連結部材21をピン本体10から取り外し、第二連結部材21が取り外された第二締結部14に第二保護部材43を取り付ける。第二保護部材43も六角の頭部40bを有するため、工具を使用して容易に取り付けることができる。これにより、固定ピン1をアーム60に取り付けた状態ではアタッチメント孔部52から突出することとなる第二連結部21aに土砂やコンクリート破片等の被処理物が当たり、破損することを防止することができる。加えて、第二締結部14において雌ネジが形成されている孔部が土砂等によって塞がれ、次に第二連結部材21を取り付ける際の妨げとなることを防止することができる。なお、図3では、第一締結部13に第一保護部材40が取り付けられている状態を図示している。このように、固定ピン1のアーム60への取り付けの際には、不要である第一連結部材20をピン本体10から取り外し、第一保護部材40を取り付けておくことにより、環状の第一連結部20aの破損等を防止することができる。
【0041】
次に、本実施形態の固定ピン着脱装置を使用した固定ピン1の取り外しについて図4を用いて説明する。
【0042】
固定ピン1をアーム60から取り外す場合は、第一連結部20aに牽引装置30を直接的に連結し、牽引装置30を使用して固定ピン1を第一連結部20a側に牽引する。具体的には、第一締結部13に第一保護部材40が取り付けられている場合は、これを取り外し、第一連結部材20が取り付けられた状態とする。そして、被連結部32を第一連結部20aに引掛けることにより、第一連結部20aと牽引装置30とが連結される。第一連結部20aは大きな円環状であるため、被連結部32が大きな部材であっても引き掛け易い。この状態で、牽引装置30においてレバー35を操作して連結部材31を巻き上げ、ピン本体10がアーム孔部61及びアタッチメント孔部52から完全に抜け出るまで牽引する。これにより、固定ピン1をアーム60から取り外すことができる。なお、図4では、第二締結部14に第二保護部材43が取り付けられている状態を示している。
【0043】
以上のように、本実施形態の固定ピン1及び固定ピン着脱装置によれば、固定ピン1を牽引装置30で牽引する作業により、アーム60に対する固定ピン1の着脱を行うことができる。牽引装置30では、上記のように連結部材31を介して固定ピン1を移動させる距離より、長い距離で第二チェーンを巻き上げなければならないが、その距離の比に反比例した小さな力で第二チェーンを巻き上げることができるため、小さな力で容易に固定ピン1を牽引することができる。加えて、牽引装置30はレバー35によって第二支軸33を回転させる構成であるため、てこの原理により、更に小さな力で固定ピン1を牽引することができる。加えて、レバー35により第二支軸33を回転させる構成はラチェット機構を備えている。従って、一回転させるよりも小さな角度範囲でレバー35を往復回動させる容易な操作によって、連結部材31を連続して巻き上げることができる。
【0044】
以上、本考案について好適な実施形態を挙げて説明したが、本考案は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本考案の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0045】
例えば、上記の実施形態では、レバー35の操作による手動の牽引装置を例示したが、電動の牽引装置を使用することもできる。これにより、アームに対する固定ピンを着脱する作業をより容易に行うことができる。
【0046】
1 固定ピン
10 ピン本体
11 フランジ部
12 ピン先端部
13 第一締結部
14 第二締結部
20a 第一連結部
21a 第二連結部
30 牽引装置
31 連結部材
32 被連結部
40 第一保護部材
43 第二保護部材
46 延長部材
50 アタッチメント
52 アタッチメント孔部
60 アーム
61 アーム孔部

(57)【要約】

【課題】アーム式建設機械のアームに対する着脱の際に移動させ易く着脱の作業負担を軽減することが可能な固定ピン、及び固定ピン着脱装置を提供する。【解決手段】アーム式建設機械のアームの端部にアタッチメントを取り付けるための固定ピン1を、軸棒状で、アーム端部に貫設されたアーム孔部及びアタッチメントに貫設されたアタッチメント孔部に挿通されるピン本体10と、ピン本体の一端に設けられたフランジ部11と、フランジ部に設けられた環状の第一連結部20aと、ピン本体の他端であるピン先端部12に設けられた、太さがピン本体以下でアーム孔部及びアタッチメントに挿通される環状の第二連結部21aとを具備する。フランジ部およびピン先端部には、雄ネジ及び雌ネジの螺合により着脱可能に第一連結部に締結される第一締結部13と、第二連結部に締結される第二締結部14がそれぞれ形成されていることが好ましい。


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