(54)【考案の名称】転写シールを利用した異形・3次元曲面対応シール

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、任意画像の印刷が可能な転写シールを利用した所望の位置に粘着が簡便な異形・3次元曲面対応シールに関する。
【0002】
普及しているインクジェットプリンターを用いて、好みで任意の画像や図柄、文字を印刷できる転写シールの印刷シートを利用して作製するシールで、湾曲面や若干の凹凸面を有する被着体にも歪みなく対応できる柔軟性があり、被着体に合わせてカットがしやすく、印刷面の画像が鮮明で丈夫な異形・3次元曲面対応シールに関するものである。

【従来の技術】

【0003】
従来、プリンターによって任意の模様が印刷可能な印刷シートと、この印刷シートを皮膚に貼付可能な貼着手段を装備する「タトゥーシール」(特開2000−160111号)や、一般家庭に普及しているインクジェットプリンターや複写機、水性又は油性の筆記用具を用いて、需要者が誰でも希望のオリジナルな転写シールを簡便に作成・使用できる転写シール用キットとその転写使用法(特開2001−199194号 特許第3266197号 平14.1.11)があった。
【0004】
従来技術による「タトゥーシール」・「転写シール」の商品名で市販される製品が備える転写目的の印刷用シートは、インク受容層である薄膜のシート基材に、水で湿らして分離できる離型吸水紙が積層一体化した構造である。
【0005】
希望の画像を被着体に転写したい場合は、これらの転写シールと両面粘着シートの組み合わせや、転写シール用キットで行っていた。
図6は、従来技術による係る市販製品が備える、転写シールとしての印刷用シート(1)と粘着シート(2)の模式断面図で、図中の矢印は、反転印刷面に粘着シートを張ることを示し、図7は、その転写シールを被着体(T)に貼り付けた状態の側面断面図である。
図6で示すように、従来技術による係る市販製品でシールを作成するには反転印刷面に粘着層を張って、被着体(T)に貼り付けることで行っている。
【0006】
需要者が手持ちのインクジェットプリンター等の機器で個々の嗜好を投影させた任意画像の印刷を当該印刷用シートに施し、係る市販製品が備える両面粘着シートを用いて目的の被着体(T)に貼着後、貼り付け状態にある印刷用シートを水で湿らして離型吸水紙(剥離紙)を分離することで、被着体(T)への貼着は薄膜のシート基材のみとなり、結果として、当該シート基材に印刷された任意画像が被着体(T)と一体化しているように見える薄い装飾体となる。
【0007】
特開2001−199194号「転写シール用キットとその転写使用法」では、粘着面に空気が封じ込められて、気泡による波打ち状態や皺寄り状態を改良するために、シート基材への4層のコーティングや空気抜き用の凸凹状の粗面化が行われている。
【0008】

【効果】

【0026】
本考案に係る異形・3次元曲面対応シールよれば次の技術的効果が得られる。
本考案では、シート基材の図案等印刷層に、硬化後に耐水性を有する柔軟な塗膜を形成するトップコートと称される乾性油を成分に含有する市販の透明ネイルエナメルによる第1透明膜層(A)と第2透明膜層(C)で挟み、積層することで、異形・3次元曲面への追随性に優れた柔軟性と、粘着体としての堅牢性を向上させている。
第1透明膜層(A)と第2透明膜層(C)で印刷層を挟むことで、柔軟性と十分な表面備えて表面保護を増大させている。
【0027】
更に、図案図柄印刷層であるシート基材下に、例えば塗装用のスプレー機材であるエアーブラシを手段に、不透明で白色の水性アクリル絵の具による均一で薄膜の塗着層(B)を形成することにより、目的の被着体(T)の色に影響されることなく任意画像本来の色彩が再現可能となり、小さくなるほど画像の鮮明さが求められる装飾体としての品質を所望の水準まで向上させている。
更に、第2透明膜層(C)の表面の上にトップコートとして第3透明膜層(D)を形成している。
【0028】
第3透明膜層(D)は、被着体(T)の性質によっては、本考案の積層構造を備えた粘着体を目的の被着体(T)に貼着後に最上部の第2透明膜層(C)上に積層することもでき、又被着体(T)に貼着前に最上部の第2透明膜層(C)上に積層することもできるが、いずれの積層も、より一層の堅牢性の向上と、整えられた表面が光の反射を強め、装飾体としての艶を向上させる、美麗的効果がある。
また、前記の手段により前記シート基材(3)の表裏面に透明膜層を積層したことで、異形・3次元曲面、例えば半球面の様に2方向に曲率を有する形状等を有する各種被着体(T)、例えば3次元曲面である人体の爪といった被着体(T)への追随性に優れた柔軟性と、簡便に所望の位置に貼着できる優れた施工性と堅牢性がある。
爪などを装飾するシールとして使用するものでは、耐水性と柔軟性があり、貼着と剥離を数回繰り返すことができるという実用的効果もある。
本考案の実際の効果を示すために、図5として、本考案の転写シールを利用した異形・3次元曲面対応シールを、3次元曲面を有する形状で曲面のネイルチップ(つけ爪)に施した試作例の写真を示す。
曲面に歪みなく極めて鮮明に詳細に転写している。
図8では、上段に従来のシールの貼付状態を示し、下段に本考案のシールの貼付状態を拡大した比較写真を示すが、下段の写真に示す本考案のシールは厚みと柔軟性・こすれ耐久性・耐水性が増し、しわや破損のない貼付が可能になっている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は本考案に係る転写シールを利用した異形・3次元曲面対応シールの実施例1で、側面積層断面を示す模式図である。
【図2】図2は同じく実施例1の積層を拡大して示す模式説明図である。
【図3】図3は本考案に係る転写シールを利用した異形・3次元曲面対応シールの実施例1のひとつの作成工程の説明写真である。任意画像を転写した一品創作シールのような場合の手作業での作成工程を説明するものである。
【図4】図4は同じく本考案に係る転写シールを利用した異形・3次元曲面対応シールの実施例1を示す模式説明図であり、湾曲面の被着体(T)に貼り付ける状態を側面から見た状態の説明図である。
【図5】図5は、同じく本考案に係る転写シールを利用した異形・3次元曲面対応シールの試作品である実施例1を示す写真で、左側写真はネイルチップ(つけ爪)の曲面を示す写真、中央写真はネイルチップ(つけ爪)の凸状湾曲表面に貼付した正面写真、右側写真はネイルチップ(つけ爪)裏側の凹状湾曲面に貼付した正面写真である。
【図6】図6は従来技術の転写シールと粘着シートとの夫々の側面を示して、それらを合わせてシールを作成することを説明するための図で、画像等を転写した従来のシールを作成する手順を示す説明図である。
【図7】図7は従来の転写シールと粘着シートを用いて作成したシールを被着体(T)に粘着した状態の側面模式図である。
【図8】図8は従来のシールと本考案のシールを、同じ湾曲のネイルチップ(つけ爪)に施した場合の先端部分の状態を示す比較写真である。上段の写真は従来シール、下段の写真は本考案に係るシールの実施例1の写真である。

【0030】
以下、本考案に係る転写シールを利用した異形・3次元曲面対応シールを実施するための最良の形態及び実施例を図面の図1〜図5、図8に基づき詳細に説明する。
【0031】
従来の転写シールとなる印刷用シート(1)は、図6・図7に示すように薄膜のシート基材(3)に離型吸水紙である剥離紙(4)を積層している構成である。
反転印刷して使用するが印刷図柄を可視できるようにするために剥離紙は白色で、印刷や紙送りのための厚みを必要とする。
この構成では、目的の被着体(T)に貼付するときは剥離紙が上になるので印刷面上の任意画像が目視できなくなり、目的の被着体(T)における所望位置への貼付作業は、微調整が大変困難になる上、シール自体が極薄軟弱でかつ粘着剤があるため取り扱いが難しい面があり、貼付後に剥離しての再作業などは、薄膜であるシート基材(3)の破損を招きやすく、施工性の点で問題があった。
【0032】
そこで本考案では、図2で示すように転写シートである印刷用シート(1)の印刷面に当たるシート基材(3)の下に積層一体化された該離型吸水紙である剥離紙(4)を、目的の被着体(T)への貼着前に剥離し、上下から透明膜層で挟着し、さらに上面に透明膜層を積層形成することで、当該シート基材(3)に反転印刷(バックプリント)した任意画像を、前記シート基材(3)の裏面から所望の正画像として目視できるように構成した。
本考案の異形・3次元曲面対応シールは、正画像として目視しながらその正画像を目的の被着体(T)における所望位置へ合わせて配置することができるので、その貼着作業では、位置の微調整が簡便にできる。
【0033】
本考案に係る転写シールを利用した異形・3次元曲面対応シールを実施するための最良の形態は、次の1〜6の6層からなる形態のシールである。
1:シート基材(3)に形成された画像が反転印刷された印刷層(5)。
2:前記シート基材(3)の印刷層の上に形成した第1透明膜層(A)。
3:前記第1透明膜層(A)の上に形成した不透明白色又は不透明色彩色又は透明の塗着層(B)。
4:前記塗着層(B)の上に形成した粘着剤層(7)。
5:前記反転印刷した画像が正画像として目視できる当該前記シート基材の面を被覆する第2透明膜層(C)。
6:第2透明膜層(C)の上に形成した第3透明膜層(D)。
第1透明膜層(A)、第2透明膜層(C)、第3透明膜層(D)は、速乾性で、
乾性油を成分に含有する透明ネイルエナメルであるが、その組成である塗膜形成要素・可塑剤・溶剤は、その混合割合を各層の性能・役目に応じて調整している。
いずれの透明膜層も、被膜の強度(耐こすれ性)や光沢付与、画像の鮮明化のためのトップコートとしての透明層であるが、第1透明膜層(A)、第2透明膜層(C)は速乾度を強め、第3透明膜層(D)は固形化に優れ、耐こすれ性を強くするように組成を調整している。
【0034】
後述する実施例1を示す図1、図2のように、転写シールを利用した異形・3次元曲面対応シール(10)は、被着体(T)に貼着する面側から順に、粘着剤層(7)、不透明白色の塗着層(B)、第1透明膜層(A)、反転印刷された転写シール面の印刷層を前記第1透明膜層(A)に接したシート基材(3)、シート基材(3)の正画像が見える面に形成した第2透明膜層(C)、第3透明膜層(D)とからなる。
粘着剤層(7)は、剥離紙(9)でカバーされている。
【0035】
背面に白色塗着層(B)がある第1透明膜層(A)でカバーされた印刷された正画像の見えるシート基材(3)の上に第2透明膜層(C)を設けて、背面に白色塗着層(B)がある第1透明層(A)と第2透明層(C)でシート基材(3)を挟着している。
白色の塗着層(B)は、第1透明膜層(A)の平面に均一に塗着されて、任意の図柄の背面となり、図柄の鮮明化、浮き出しに有効になる。正画像の視認にも有用である。
塗着層(B)は、不透明白色が基本であるが、赤色や金色、銀色、金属色等様々な不透明色彩色、そして透明の層に形成することも可能ではある。
転写シールである印刷シート(1)へのインクジェットプリンターでの印刷インクでは、白色はプリント表現ができないので、塗着層(B)の白色彩は、実は極めて繊細に印刷画像に影響する。
剥離紙(4)を剥がし正画像が視認できるシート基材(3)の面に第2透明膜層(C)を形成し、さらにその上に第3透明膜層(D)を形成する。
画像の鮮明化と、正画像の可視化、曲面対応の柔軟性と被着体(T)への付着性を増し、全体の堅牢性を達成している。
【0036】
ここで図1〜図5 及び図8に示す実施例1について説明する。
実施例1は、被着体(T)が、湾曲した女性用のネイルチップ(つけ爪)である場合の、量産形態で作成される転写シールを利用した異形・3次元曲面対応シールである。
ネイルチップ(つけ爪)は、親指、人差し指、中指、薬指、小指と若干大きさや湾曲度の異なる模造形状を5個2セットの10個で構成される。
このネイルチップ(つけ爪)に、指ごとに異なる柄を連続的に印刷し転写する製作法が採用できる例である。
実施例1では、転写シール(1)を準備し、そのシート基材(3)に、インクジェット記録方式のプリンターで任意の画像が反転印刷された印刷層(5)を作成する。
印刷層(5)はシート基材(3)の離型吸水紙である剥離紙(4)のない一面に印刷された表層部を指す。
印刷されていない部分は保護層(6)となる。
印刷層(5)は、例えば各ネイルチップ(つけ爪)の大きさ合わせた形状で、各ネイルチップ(つけ爪)にいろんな花柄を反転して描いた図柄や写真で、パソコンによるソフトやコピー&ペーストで一度にセット単位で多数を描いたものである。
シート基材(3)に貼付されている離型吸水紙である剥離紙(4)を剥がした面からは、正画像が視認できる。
【0037】
前記シート基材(3)の印刷層(5)の上層に、トップコートとして乾性油を成分に含有する市販の透明ネイルエナメルよる第1透明膜層(A)を形成する。
トップコートは、ニトロセルロースと樹脂からなる塗膜形成要素・脂肪族多塩基酸のエステルなどの可塑剤・溶剤が主要成分で、成分調整で、耐こすれ性や柔軟性、密着性を調整している。
トップコートには、常温で揮発する香り成分を溶剤とともに数%混合することで、近づくと香る程度の微芳香を付与できる。
下層面を保護することが、トップコートの主な役割になる。
【0038】
そして前記第1透明膜層(A)の上層に、不透明で白色の水性アクリル絵の具の塗着層(B)を形成する。
塗着層(B)は、顔料をアクリル樹脂エマルションで練り上げたもので、第1透明膜層への塗布に良好な、乾燥前は親水性でありながら、乾燥後は耐水性の被膜を形成する白色不透明層である。
なお、塗着層(B)は、カラー画像の鮮明化のための背景色であるので、大半の場合は白色である。
さらに、実施例1では示していないが、塗着層(B)は、被着体(T)の地色の関係から白色以外に赤色や金色、銀色、金属色等様々な不透明色彩色、半透明淡色そして透明の層に形成することも可能である。
塗着層(B)の色合いは、印刷画像と被着体(T)の地色で適宜選択できる。
【0039】
前記塗着層(B)の色調は、不透明な水性アクリル絵の具で無毒性の蛍光物質を含ませたものでも可能である。
蛍光物質は、蛍光塗料、蓄光塗料などで、アクリル樹脂に混合して、画像背景に多様な変化を作出できる。
画像が蛍光するなどの対応シールもできる。
【0040】
第1透明膜層(A)は、前記印刷層(5)の上にトップコートとして乾性油を成分に含有する市販の透明ネイルエナメルを均等に塗着した構成である。
トップコートは、界面活性剤の効果を持つ溶剤成分を含むことで、水性アクリル絵具で描かれた部分に影響を与えることなく、保護膜を形成する。
本考案では、このトップコートとしての第1透明膜層(A)、第2透明膜層(C)、第3透明膜層(D)の柔軟性能が、シール(10)の、被着体(T)の形状・異形・曲面への対応性能を左右するので、塗膜形成要素・可塑剤・溶剤の割合調合で、各層(A)(C)(D)の性能を調整している。
同時に塗る厚みの調整も行われる。
【0041】

この構成によれば第1透明膜層(A)は、均等平滑で凹凸なく形成される薄い膜層であり、シート基材(3)の印刷面の表面に傷や歪みが生じるのを防止すると共にその印刷面の画像を歪みなく視認させることができる。
更に第1透明膜層(A)は、塗着層(B)の白色面全体を、均等化した透過率で視認できる。
第1透明膜層(A)は無色透明で、塗着層(B)の白色を部位によって濃淡に見えないように均等に透視できる薄膜であるから、前記シート基材(3)の任意画像の色彩と図柄が、その画像のどの部位でもはっきり視認できる。
【0042】
塗着層(B)の塗着方法は、塗装用のスプレー機材であるエアーブラシによって不透明で白色の水性アクリル絵の具を前記第1透明膜層(A)に吹き付け塗着する。
塗着層(B)は、薄く不透明白色に、第1透明膜層(A)に吹き付け均一に面塗装して形成する。塗着面にムラが無いように丁寧に白色面を形成する。
【0043】
前記不透明で白色の水性アクリル絵の具の塗着層(B)の上層には、両面粘着シートによる粘着剤層(7)を形成する。
粘着剤層(7)は、前記塗着層(B)への貼着に良好な粘着力を有し、水分によって粘着力が低下しない柔軟な粘着材質から成り、シート基材(3)に形成した図案等の印刷層(5)に、第1透明膜層(A)及び塗着層(B)を順次積層したことで、当該図案層が水分に触れて滲んでしまうといったトラブルを防止している。
その結果、目的の被着体(T)への貼着前に、適宜水分を与え、当該シート基材(3)から離型吸水紙(4)を剥離することが可能となっている。
【0044】
被着体(T)に接合するために、塗着層(B)の上層に粘着剤層(7)を設けているが、その材質としては水気がある場所での使用や用途であるので、耐水性の接着剤を用いるのが好ましい。
耐水性があればボンドや工作用のりなど特には限定されない。
粘着剤層(7)には、剥離紙(9)が付設されている。
因みに請求項に、粘着剤層(7)の剥離紙(9)を記載していないのは、その記載の有無で技術的範囲を広狭相違させない趣旨である。
【0045】
反転印刷した任意画像が正画像として目視できる当該前記シート基材(3)の印刷層(5)の裏面に、前記第1透明膜層(A)と同様組成の、トップコートとして乾性油を成分に含有する市販の透明ネイルエナメルの第2透明膜層(C)を形成する。
シート基材(3)は、第1透明膜層(A)と第2透明膜層(C)で挟着された構成になる。
【0046】
さらに、前記第2透明膜層(C)の上層に、前記第1透明膜層(A)、第2透明膜層(C)と同様組成の、トップコートとして乾性油を成分に含有する市販の透明ネイルエナメル等を用いた第3透明膜層(D)が形成される。
第2透明膜層(C)の乾燥後に、第3透明膜層(D)が塗布積層される。
これらが、6つの層が一体となったかたちで構成されている。
【0047】
次に本考案に係る転写シールを利用した異形・3次元曲面対応シールの製作過程の一例を示す図3(工程写真)を用いて、その工程を説明する。
この製作過程は、例えばネイルチップ(つけ爪)の側面に貼る一枚の写真を用いた一点物シールの製作例である。
【0048】
工程1:まず被着体(T)にシール貼着したい画像をパソコンのピクチャーファイルから選択する。
シールにしたい画像を選んだら、パソコンに取り込み、画像加工ができるソフトで、必要な調整を画像に施す。
工程2:転写シートである印刷シート(1)にインクジェットプリンター(染料インクタイプ)で、反転印刷する。
工程3:当該印刷された選択図を任意の大きさにカットする。
「印刷した画像」+「周囲余白1cm」を目安に、印刷シート(1)をカットする。
工程3−1:カットした後、トップコートとして第1透明膜層(A)を形成する。
余白部分を含め全体にトップコート(調整された透明ネイルエナメル)を塗布、吹付などで塗る。
工程4:前記第1透明膜層(A)の面の上にエアーブラシにより白色絵の具を吹付けて塗着層(B)を形成する。
第1透明膜層(A)であるトップコートが乾いたら、エアーブラシを使い、カットしたシート全体に、水性アクリル絵の具の白色を吹き付ける。均一な白色面を形成する。
工程5:前記塗着層(B)に粘着フィルムを貼付けて粘着剤層(7)を形成する。
吹き付けた絵の具が乾いたら、その白色面の塗着層(B)上に、粘着フィルムとして市販の糊フィルムを貼る。
糊フィルムは、あらかじめ作業中の印刷シート(1)より、やや大きめにカットして準備しておく。
貼り付け後は、そのフィルム上を柔らかい布でこすり、印刷シート(1)とよく密着させる。
工程6:シート基材(3)の剥離紙(4)を次の手順で外す。
糊フィルムを貼り付けた印刷シート(1)を水に浸け、印刷シート(1)の剥離紙(4)部分を外す。
印刷画像は第1透明膜層(A)で被覆されているが、万が一水分に影響を受ける場合があるので、数秒浸けたら取り出し、ペーパーで余分な水分を取り除いたら、また水に浸けるという作業を3〜4回繰り返す。
印刷シート(1)の表面部に残った水分はライト照明の熱などを利用して、素早く乾燥させる。
工程7:剥離紙(4)を外した後は、その表面にトップコート塗布して前記第2透明膜層(C)を形成する。
剥離紙(4)に接していた印刷シート(1)表面部に、トップコートを塗る作業である。
工程7−1:第2透明膜層(C)が乾燥した時点で第3透明膜層(D)を形成する。
また第3透明膜層(D)は、被着体(T)の性質によっては、工程7迄の積層構造を備えた粘着体を目的の被着体(T)に貼着後に第2透明膜層(C)上に第3透明膜層(D)を積層することもできる。
第3透明膜層(D)は、保護膜としての性能が求められる。
この段階で、6層からなる転写シールを利用した異形・3次元曲面対応シールが形成される。
工程8:工程7−1で6層に形成したシールは、糊フィルム側の剥離紙をはがして、被着体(T)に貼り付けて使用される。
【0049】
シールが薄すぎて扱いにくいという課題は、第1透明膜層(A)、第2透明膜層(C)、第3透明膜層(D)の形成時に、その調整されたトップコートを塗り重ねることでシールの厚みが微妙に増し、取り扱いが楽になる。
なお、第3透明膜層(D)を形成するときに、図示していないが別途用意した小ビーズや花柄片等の立体的装飾片を包み込んで立体的に付設したものも提供できる。
さらに、前記第1透明膜層(A)、第2透明膜層(C)、第3透明膜層(D)の一つ以上に、常温で空気中に揮発する香り成分を練り込み或いは混合して、微かに芳香する異形・3次元曲面対応シールも提案できる。
このような工程で、一点物でも6層を形成して、柔軟で画像の鮮明な転写シールを利用した異形・3次元曲面対応シールが作成できる。
【0050】
従来の薄膜であるシールは、図6、図7で示すように、目的の被着体(T)が異形・3次元曲面等である場合には、柔軟性が不十分でその形状に馴染み難く、十分馴染みえないまま貼付した状態で印刷用シート(1)に積層された離型吸水紙(4)を剥離すると歪みが生じていた。
前述のように任意画像の印刷をした薄膜のシート基材(3)に、図8上段の従来シールの貼付写真のように曲面のしわ、弛み、または浮き上がりや破損等が生じてしまい、所望の仕上がり得られないという問題があった。
【0051】
そこで本考案では、シート基材(3)の上層には第2透明膜層(C)と第3透明膜層(D)を重ねて塗着した構成とした。
第3透明膜層(D)を、前記第2透明膜層(C)上にさらに積層することにより、画像の全周囲の囲繞により一層の堅牢性の向上と、全体に均等な柔軟性があり、整えられた表面が光の反射を強め、装飾体としての艶を向上させ、美麗的効果が向上している。
図5に示す本考案に係る試作品シール写真のように、本考案に係るシールの画像は従来にない鮮明さがあり、つけ爪の小さな面でも髪の毛や羽毛までもが視認できる。
凸状曲面でも凹状曲面でも画像の輪郭や色調が背景色とは区別されてしっかり視認できる。
しかも、本考案のシールは、図8の下段の写真のように、曲面に対応して湾曲し、曲面に馴染み、しわや割れができずに綺麗に貼着できる。
【0052】
本考案に利用できる両面粘着シートについて説明する。
市販製品には、貼着手段である両面粘着シートの色が、無色透明タイプと白色タイプの2種類の製品があり、前記の本考案の作成手順に沿って第1透明膜層(A)と塗着層(B)を備えた図案層に積層する粘着剤層(7)としての両面粘着シートは、任意色のアクリル絵の具により形成した当該塗着層(B)の発色をより確実にする背景色としての目的で、白色タイプを備える製品を選択することにより、その効果が期待できる。
【0053】
また、前記の、本考案に使用できる市販製品が任意画像の印刷機器として指定するインクジェット記録方式のプリンターが備える専用インクの、透過性を有し、白色の印刷が不可能である性質が原因による、任意画像本来の色彩が再現できない問題については、塗着層(B)の色味色彩を工夫して対応する。
本考案における貼布目的の被着体(T)の地色が、白色、もしくは白色に近い色を有する場合には、前記の本考案の作製手順における、係る印刷用シートの第1透明膜層(A)を積層した印刷面全体に、塗装用のスプレー機材であるエアーブラシを用いて不透明で白色の水性アクリル絵の具を吹き付けて不透明白色の塗着層(B)を形成する段階(工程4)を、例えば透明アクリルを用いて塗着して透明な塗着層(B)を形成し、更に、粘着層(7)として無色透明タイプの両面粘着シート選択することにより、被着体(T)の地色を活用出来る場合がある。
【0054】
透明な塗着層(B)と透明タイプの両面粘着シートを組み合わせることで、係る市販製品が備える印刷用シートの印刷面に当たる無色透明なシート基材に印刷した任意画像以外の部分は無色透明になるので、目的の被着体(T)への貼着作業前に、当該基材シートに印刷した任意画像の周囲余白等の装飾に必要のない所望部分を簡便にカットすることができ、かつ被着体(T)の地色が視認でき、無駄な貼着面を取り除くことで、目的の被着体(T)への貼着作業がより簡便になる効果も期待できる。
【0055】
但し、工程4の段階で、不透明白色絵の具に替えて透明アクリルにするのは、画像の色彩と被着体(T)の地色が一色たりとも重ならない場合や、画像が多色カラーで被着体(T)が、均質な白色、もしくは白色に近い色を有する場合に限り可能な代替手段である。
しかも、一概に色彩が重複しない場合や白色の場合と言っても、色彩には多数の種類や段階があり、相互に干渉し合うので画像の鮮明化にはかなり難しい選択になる。
塗着層(B)に白色以外の色や透明を選択するときは、特に被着体(T)の地色を生かしたい場合に限定される。
【0056】
前記の本考案の作製手順における、係る塗着層(B)を形成する段階(工程4)において、白色塗材を透明塗材等にするという代替は、その組成を異質なものにしない限り、本考案の特性である柔軟性、施工性、堅牢性を著しく損なう弊害を伴うことはない。
【0057】
前記の通り、本考案では、市販製品が備える両面粘着シートの色は、その都度、適宜選択ができることから、特に限定はされない。
【0058】
また、従来技術による既に万人向けの画像が印刷済みの状態で市販されているネイルや模型等を用途とする装飾用シールにおいても、前記の本考案の作製手順を応用することにより、本考案の所望の位置に粘着が簡便な異形・3次元曲面対応シールを作成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本考案の任意画像の印刷が可能な転写シールを利用した所望の位置に粘着が簡便な異形・3次元曲面対応シールは、曲面や粗面でもしっかりと貼着できるので、人体の爪、爪に貼るネイルチップ(つけ爪)、小型携帯機器のボタン、機器に設けられたブランド用立体小突起、といった比較的小型で厳密に貼布位置が定められた被着体(T)に適用できる。
しかもパソコンソフトによって任意の画像を選択できるので、細密な芸術作品で一点創作品や、従前できなかった極微細な画像、写真の再現シールが可能である。
更に、印刷シートへの、各層の塗布加工は、積層技術の応用であるので、量産することもでき、大きさの制限を受けることもなく、シールを利用する分野を広げることができる。
【0060】
(1) 印刷用シート(転写シール)
(2) 粘着シート
(3) シート基材
(4) 剥離紙(離型吸水紙)
(5) 印刷層
(6) 保護層
(7) 粘着剤層
(10) 異形・3次元曲面対応シール
(9) 剥離紙
(A) 第1透明膜層
(B) 塗着層
(C) 第2透明膜層
(D) 第3透明膜層
(T) 被着体

(57)【要約】

【課題】任意画像の印刷が可能な転写シールを利用し、柔軟性と堅牢性のある異形・3次元曲面対応シールを提供する。【解決手段】被着体に貼着する面側から順に、粘着剤層7、不透明白色又は不透明色彩色又は透明の塗着層B、第1透明膜層A、反転印刷された転写シール面の印刷層5を第1透明膜層に接したシート基材3、シート基材の正画像が見える面に形成した第2透明膜層C、及び第2透明膜層の上に形成した第3透明膜層Dとからなる。反転印刷層のシート基材を、背面に不透明又は透明な塗着層がある第1透明膜層と第2透明膜層で挟着し、さらに第2透明膜層の上に第3透明膜層を設けることで、画像の鮮明化と、正画像の可視化、曲面対応の柔軟性と堅牢性を達成した。


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