(54)【考案の名称】楽譜速捲り動作補助用具

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図4

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、ピアノ等の鍵盤楽器、管楽器又は打楽器等の各種楽器用の譜面台に載置された楽譜を速捲り動作をするときの補助用具に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
例えば、ピアノ又はオルガン等の鍵盤楽器の演奏又はその練習を行っている場合に、譜面を暗譜していない限りは、演奏者は、比較的に分厚い楽譜本を上記楽器の譜面台に載置して使用している。曲の譜面の頁数が3頁以上に亘るときには、演奏者は、演奏中に自ら譜面捲りを行わなければならず、その度に演奏が中断してしまうという問題が生じる。
【0003】
この点を解消するためには、従来、ページ捲りをする補助者を傍に付けるか、又は、楽譜をコピーして、それらのコピーを譜面台上に横一列に並べることで、演奏又は演奏の練習が行われている。
【0004】

【効果】

【0010】
本考案の主題によれば、見開き状態の譜面の右頁の上縁右寄り部分に事前にゼムクリップが挟み込まれている場合には、演奏者は、演奏中に、当該右頁を捲って当該ゼムクリップを一方のクリップ部分の第1磁石の突出した表面に確実に且つ素早く付着させることができ、次の演奏頁を素早く且つ確実・容易に見開き状態とすることが出来る。そのため、譜面の捲り動作によって、演奏が中断される事態は生じない。しかも、第1磁石の表面は突出しているので、その間に生じる間隙を利用して、演奏者は、譜面中の繰り返し記号等に応じて、捲った後の頁を元の見開き状態に素早く且つ確実・容易に戻すことができ、この場合に於いても演奏の中断は生じない。
【0011】
本考案の主題に於いては、ピアノ・オルガン等の鍵盤楽器に於いても、演奏中の譜面の素早い捲り及び戻りの動作を可能とし得る。
【0012】
以下、本考案の様々な具体化を、添付図面を基に、その効果・利点とともに詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本考案の実施の形態1に係る楽譜速捲り動作補助用具のうちの第1及び第2補助用具の構造を模式的に示す図である。
【図2】本考案の実施の形態1に係る楽譜速捲り動作補助用具のうちの第3補助用具(第1ゼムクリップ)の構造を模式的に示す平面図である。
【図3】本考案の実施の形態1に係る楽譜速捲り動作補助用具のうちの第4補助用具(第2ゼムクリップ)の構造を模式的に示す側面図である。
【図4】本考案の実施の形態1に係る楽譜速捲り動作補助用具を用いて、ピアノの譜面台に配置された楽譜の速捲り動作を模式的に示す図である。

【0014】
(実施の形態1)
<本実施の形態に係る「楽譜速捲り動作補助用具」の全体構成>
【0015】
楽譜速捲り動作補助用具(楽譜クリップセット)は、演奏者自身による楽譜の速捲り動作を補助するための道具であり、大要、1)第1補助用具(図1参照)、2)第2補助用具(図1を援用する)、3)第3補助用具としての第1ゼムクリップ(ミニクリップとも言う)30(図2参照)、及び、4)第4補助用具としての第2ゼムクリップ40(図3参照)より成る。
【0016】
これらのうちで、第1補助用具に於ける「第1クリップ」は、少なくとも、現に見開き状態にある譜面のうちの左頁の上縁左寄り部分をバネ力によって挟み込むための構成要素であり、バネを介して互いに対向する一方のクリップ部分及び他方のクリップ部分を有する。同様に、第2補助用具に於ける「第2クリップ」は、現に見開き状態にある譜面の多くとも次頁以降の見開き状態の譜面の右頁の上縁右寄り部分をバネ力によって挟み込むための構成要素であり、バネを介して互いに対向する一方のクリップ部分及び他方のクリップ部分を有する。
【0017】
つぎに、第1ゼムクリップ30は、少なくとも、現に見開き状態にある譜面の右頁の上縁右寄り部分に嵌め込まれるミニクリップである。
【0018】
また、第2ゼムクリップ40は、後述する通り、その側面視構成がL字型又はT字型となるように先端を折り曲げられた構造を有する補助用具であり、見開き状態の譜面のうちで捲り対象譜面の右側縁中央又はその下部等の部分に嵌め込まれるゼムクリップの一種である。
【0019】
以下、図面を参照して、本実施の形態に係る楽譜速捲り動作補助用具の各構成要素の構造を記載する。
【0020】
<第1補助用具の構造>
図1は、本実施の形態に係る楽譜速捲り動作補助用具のうち、「第1補助用具」を構成する第1クリップ10及び第1磁石7の構造を模式的に示す図である。そのうち、図1(a)は、第1補助用具の平面図であり、図1(b)は、第1補助用具の背面図(立面図)であって、口を開けた状態での模式図であり、図1(c)は、口を閉じた状態での第1補助用具の右側面図に該当する。以下、図1を参照しつつ、第1補助用具の構造を詳述する。
【0021】
図1に例示されるように、第1クリップ10は基本的にバタフライ形クリップの構造を有しており、バネ3を介して互いに対向する一方のクリップ部分1及び他方のクリップ部分2を備える。ここで、一方のクリップ部分1及び他方のクリップ部分2は、例えば、プラスチックで構成されており、一方のクリップ部分1の表面1Sの上部には、指を当て易くするための僅かな深みの窪み部1RPが設けられている。なお、図示の便宜上、窪み部1RPの側面はハッチング表示されている。また、鉄芯4にはバネ3が巻き付けられており、バネ3の左右の各端部はそれぞれ一方のクリップ部分1の裏面1R及び他方のクリップ部分2の裏面2Rに接合されている。その上で、一方のクリップ部分1の裏面1Rに結合された支持部5及び他方のクリップ部分2の裏面2Rに結合された支持部6の各中央部は、共に鉄芯4により嵌合・貫通されることで、一方のクリップ部分1及び他方のクリップ部分2は鉄芯4を介して一体的に結合されている。ここで、参照符号2Sは、他方のクリップ部分2の表面を示す。後述する通り、演奏者は、演奏前に於いて、事前に、手の指で一方のクリップ部分1及び他方のクリップ部分2を挟んで押圧を加えることで、両クリップ部分1,2を口が空いた状態にして、楽譜本等を一方のクリップ部分1及び他方のクリップ部分2により挟み込む。
【0022】
図1では便宜上ハッチング表示されている1個の強力な第1磁石7は、例えばネオジウム磁石より成り、第1補助用具の特徴的部分を成す。即ち、第1磁石7は、第1クリップ10が現に見開き状態にある譜面のうちの左頁の上縁左寄り部分を挟み込んでいる状態に於いては演奏者から目視される一方のクリップ部分1の表面1Sの下部に配設されている。また、第1磁石7のうちで、第1磁石7の底面7BSから第1高さ(「所定の高さ」に該当。)H1までの部分は、一方のクリップ部分1の表面1S内に埋設されている。他方、第1磁石7の残部、即ち、第1磁石7の底面7BSから見て第1高さH1に該当する部分から表面7Sまでの第2高さH2までの部分は、一方のクリップ部分1の表面1Sより全体的に露出している。例えば、図1(a)に於いて、第1磁石7の横寸法は46mmであり、縦寸法は20mmであり、厚み寸法は6mmである。又、第1磁石7の表面7Sには、一方のクリップ部分1の表面上と同様に、装飾用のシールが貼付されてもよい。なお、強い磁力を発する磁石7としては、特許文献4の図1に例示されている構造の永久磁石(コの字型の鉄板のヨークで囲まれた永久磁石。)を用いてもよい。
【0023】
<第2補助用具の構造>
第2補助用具は、既述の通り、第1補助用具と同様の構造を有している。従って、第2補助用具の記載に関しては、図1の開示内容及び上記の第1補助用具に関する記載内容を援用する。そこで、第2補助用具を成す「第2クリップ」及び「第2磁石」の各々は、図1に於ける第1クリップ10及び第1磁石7の各々に該当する。以下の記載では、第2補助用具の第2クリップ及び第2磁石を、各々、第2クリップ20及び第2磁石7と記載することとする。また、第2クリップ20の一方のクリップ部分及び他方のクリップ部分の各々を、図1の参照符号を使用して、一方のクリップ部分1及び他方のクリップ部分2と記載する。勿論、第2補助用具に於いても、その構造の中核部を成す部分は、第2クリップ20の一方のクリップ部分1の表面1Sから露出した部分を有する第2磁石7である。
【0024】
このような突出した第2磁石を有する第2補助用具を用いる理由ないし観点は、譜面中に「繰り返し記号」等の譜面の戻し動作を必要とする指示が成されている場合の演奏に対しても対応可能とする点にある。即ち、譜面の戻し動作により譜面が元の見開き状態に戻されたときにおいても、以下に記載する、譜面の右頁の上縁右寄り部に嵌め込まれた第1ゼムクリップは素早く且つ確実に第1磁石7の突出表面に磁力により付着・固定され、しかも、第1磁石7の突出高さ(第2高さ)H2に応じた間隙が形成される。
【0025】
<第3補助用具の構造>
図2は、既述の「第3補助用具」に該当する第1ゼムクリップ30の構造を模式的に示す正面図である。第1ゼムクリップ30自体は、市場に於いて一般的に購入可能な文房具としてのゼムクリップであり、例えばプラスチックの色と合一の色を有する金属で以ってメタリック塗装が施されている。「第3補助用具」を成す第1ゼムクリップ30の数は、複数個である。
【0026】
本実施の形態に於いては、1個乃至3個の数の第1ゼムクリップ30が、楽譜速捲り動作を補助する道具として利用される(後述する図4を参照)。即ち、第1ゼムクリップ30の一つは、譜面台に載置された楽譜本のうちで、見開き状態にある譜面の右頁の上縁右寄り部分に嵌め込まれる。もう一つの第1ゼムクリップ30Aは、当該見開き状態の譜面の右頁の次々頁の上縁右寄り部分に嵌め込まれる。第3番目の第1ゼムクリップ30Bは、更に次々頁の上縁右寄り部分に嵌め込まれる。使用時に於いては、これらの3個の第1ゼムクリップ30,30A,30Bの位置は、互いにずらされる。
【0027】
<第4補助用具の構造>
図3(a)は、本楽譜速捲り動作補助用具のうちの「第4補助用具」に該当する第2ゼムクリップ40の構造を模式的に示す左側面図である。第2ゼムクリップ40の素材自体は、第1ゼムクリップ30の場合と同様に、市場に於いて一般的に購入可能な文房具としてのゼムクリップであるが、次の特徴的構造を備える。即ち、第2ゼムクリップ40は、鉛直な本体部に対して所定の角度(例えば90°前後。その他の角度でもよい。)で折曲がった一方の先端部40P1を有する。従って、左側面方向から第2ゼムクリップ40を眺めた場合には、一方の先端部40P1は略L字型の構造を呈する。斯かる構造の一方の先端部40P1は、隣り合った見開き状態の譜面の右頁同士の間に、演奏者の指を、余裕を以って挟み込むことが可能な寸法の間隙を作り出す。換言すれば、この間隙を作り出すことができるように、一方の先端部40P1の上記角度は設定される。なお、図3(b)は、後述する第2ゼムクリップ40の変形例の構造を模式的に示す左側面図である。
【0028】
本実施の形態に於いては、第1ゼムクリップ30の使用数に応じて、1個乃至3個の数の第2ゼムクリップ40が、楽譜速捲り動作を補助する用具として利用される。後述する図4を参照して、第1番目の第2ゼムクリップ40は、譜面台に載置された楽譜本のうちで見開き状態にある譜面の右頁の右側縁の所定箇所(例えば中央部又はその下部。)に嵌め込まれる。斯かる第2ゼムクリップ40の嵌め込みにより、所定の角度でL字状に折れ曲がった第2ゼムクリップ40の一方の先端部40P1は、当該見開き状態にある譜面の右頁と、次の見開き状態の譜面に於ける右頁との間に、指を挟み込み得る間隙を作り出す。つぎに、第2番目の第2ゼムクリップ40Aは、次の見開き状態の譜面の右頁の右側縁のうちで、第2ゼムクリップ40の嵌め込み位置に対してずれた所定の箇所に、嵌め込まれる。その結果、第2ゼムクリップ40Aの一方の先端部40AP1は、次の見開き状態の譜面に於ける右頁と、更に次の見開き状態の譜面に於ける右頁との間に、指を挟み込み得る新たな間隙を作り出す。さらに、第3番目の第2ゼムクリップ40Bは、上記の更に次の見開き状態の譜面の右頁の右側縁のうちで、第2ゼムクリップ40,40Aの嵌め込み位置に対してずれた所定の箇所に、嵌め込まれる。その結果、第2ゼムクリップ40Bの一方の先端部40BP1は、上記の更に次の見開き状態の譜面に於ける右頁と、更に次の見開き状態の譜面に於ける右頁との間に、指を挟み込み得る、新たな間隙を作り出す。上記の通り、使用時に於いては、これらの3個の第2ゼムクリップ40,40A,40Bの位置は、互いにずらされる。
【0029】
上記のようなL字型形状の第2ゼムクリップ40,40A,40Bを用いている理由は、演奏中の楽曲が長いために、演奏中に譜面の捲り動作が2回又は3回必要となるケースに対して確実に対応可能とするためである。
【0030】
<楽譜速捲り動作補助用具を使用した楽譜速捲り動作の記載>
【0031】
図4は、本実施の形態に係る楽譜速捲り動作補助用具(7,10,20,30,40)を用いて、ピアノ200の譜面台100に載置された楽譜本BK1のうちで、見開き状態にある譜面FSの捲り対象の右側譜面シートS1,S2を演奏者が自ら速捲り動作する場合を模式的に示す図である。ここでは、楽器としては、鍵盤楽器として代表的なピアノ200が適用されるが、勿論、弦楽器、管楽器又は打楽器等の他の楽器に本楽譜速捲り動作補助用具が適用されてもよい。
【0032】
なお、図4に於いては、3つの第1ゼムクリップ30と3つの第2ゼムクリップ40が該当する頁に挟み込まれている状態が表されているが、以下では、記載の便宜上、2つの第1ゼムクリップ30と2つの第2ゼムクリップ40が該当頁に挟み込まれている場合について記載する。
【0033】
まず、演奏者は、比較的に分厚いピアノ演奏用の楽譜本(例えば「大人のピアノ楽譜本」厚さは約1cm)BK1を開いて、その見開き状態の譜面FSの前の全ページ部分、及び、その下敷き本となる非演奏対象本BK2(例えば(公序良俗違反につき、不掲載):指の練習本で厚みが約6mm)を、図1の第1磁石7付きの第1クリップ10により挟み込んで、楽譜本BK1をしっかりと支持して固定する。この場合、演奏者は、第1クリップ10に底部が埋設されて他部が突出する第1磁石7の表面7Sが演奏者側に向くように、第1クリップ10を配置する。また、非演奏対象本BK2は、楽譜本BK1の左側ページ部分の裏側に当接されて、楽譜本BK1とともに挟み込まれて固定される。その際、見開き状態の譜面FSの左頁S0とそれ以前の全譜面の上縁左寄り部分が、第1クリップ10により挟み込まれて支持・固定される。
【0034】
なお、演奏する曲の楽譜頁が、楽譜本の最後の方の頁であるときには、演奏者は、下敷き本を、楽譜本BK1の右側頁裏に当てた上で、第2クリップ20により挟み込むことで、楽譜本の右側残り部分を固定することになる。
【0035】
次に、演奏者は、譜面台100上に載置された楽譜本BK1の見開き状態の譜面FSの右頁S1の上縁右寄り部分に第1ゼムクリップ30を挟み込む。更に、次の見開き状態の譜面FS1の右頁S2をも演奏中に捲る必要性がある場合には、演奏者は、当該右頁S2の上縁右寄り部分にも第1ゼムクリップ30Aを挟み込む。この場合、第1ゼムクリップ30,30Aの各々が第2クリップ20の第2磁石7の表面上にも磁力により付着するように、演奏者は、第1ゼムクリップ30,30Aの挟み込み位置を相互にずらしてセッティングする。
【0036】
その次に、演奏者は、第1ゼムクリップ30,30Aと同様に、捲る必要性のある譜面FSの右頁S1の右側縁の所定位置(例えば中央部。)に第2ゼムクリップ40を挟み込む。このとき、第2ゼムクリップ40の、例えばL字型に折れ曲がった一方の先端部40P1は、次に捲る必要性のある譜面FS1の右頁S2側に向いて配置されて当該右頁S2に当接する。その結果、右頁S1と次の右頁S2との間に、右頁を捲る人の指を挿入することが十分に可能な間隙が形成される。その上で、演奏者は、次の見開き状態の譜面FS1の右頁S2の右側縁の所定箇所にも、2番目の第2ゼムクリップ40Aを挟み込む。このとき、第2ゼムクリップ40Aの、例えばL字型に折れ曲がった一方の先端部40AP1は、次に捲る必要性のある譜面FS2の右頁S3側に向いて配置されて当該右頁S3に当接する。その結果、右頁S2と次の右頁S3との間にも、右頁を捲る人の指を挿入することが十分に可能な間隙が形成される。しかも、2番目の第2ゼムクリップ40Aの一方の先端部40AP1は右頁S3の表面に当接し且つ右頁S2の「重り」としての機能を奏するので、見開き状態の譜面FSの右頁S1を演奏者が捲っても、次の右頁S2が当該捲り動作時に生ずる風によって捲り上がることは無く、且つ、更に次の右頁S3も上記捲り動作による影響(浮き上がり又は横ずれ等)を受けることはない。
【0037】
上記のとおり、両ゼムクリップ30,40のセッティングを終えた段階で、演奏者は、捲り対象の譜面の右頁S1,S2を順次に右側から左側へと手捲りして、右頁S1,S2の第1ゼムクリップ30,30Aが第1クリップ10の第1磁石7の突出した表面7Sに付着するのを確認する。続いて、演奏者は、逆に、左頁S0の上縁左寄り部に密着した第1ゼムクリップ30A,30が、捲ったページを順次に元の見開き状態に戻す動作により、右頁側の第2クリップ20の第2磁石7の突出表面7Sに付着するのを確認する。
【0038】
これらの事前の作業を経て、演奏者は、譜面台100上に載置された楽譜本BK1の見開き状態の譜面を見て演奏を開始する。
【0039】
ピアノの演奏中に於いて、見開き状態の譜面FSの右頁S1を捲る段階に来た場合に、演奏者は、素早く、次の右頁S2との間に十分な間隙を有している右頁S1の一部分を指で掴んで、その状態のまま当該右頁S1を捲って、右頁S1の上縁右寄り部にある第1ゼムクリップ30を、突出している第1磁石7の表面7Sに当てる。そうすると、瞬間的に、第1磁石7が生成する磁場によって、当該右頁S1上の常磁性体である第1ゼムクリップ30は磁化されて、突出した第1磁石7の表面7Sに付着され、その結果、当該右頁S1は、瞬間的に素早く且つ確実・容易に、裏返されて捲られた状態のままで、第1磁石7の表面7Sに付着されて支持・固定される。
【0040】
この場合、第1磁石7の表面7Sは第2高さH2だけ第1クリップ10の表面1Sよりも突出しているため、第1クリップ10の表面1Sと第1磁石7の表面7Sに付着されている右頁S1の表面との間には、空隙が生じている。この空隙の空間を利用して、演奏者は、指を当該空隙に挿入することで、容易に且つ瞬間的に、付着されている右頁S1を第1磁石7の表面7Sから引き離すことが可能である。従って、演奏者は、見開き状態にあった譜面FSの右頁S1の速捲り動作の実現のみならず、次頁又は次々頁の譜面中に「繰り返し記号」、「ダカーポ記号」又は「ダルセーニョ記号」が音符と共に記載されているために捲った譜面S1を元の状態に戻す作業が必要な場合に於いても、演奏を中断させることなく、瞬間的に素早く且つ確実・容易に、第1磁石7の表面7S上の右頁S1を元の状態に戻して、繰り返しの演奏を続けることが出来る。
【0041】
演奏者は、演奏が進んで、次の見開き状態にある譜面FS1の右頁S2の速捲り動作が必要となった段階で、右頁S2の一部分を指で掴んで、その状態のまま当該右頁S2を捲って上縁右寄り部の第1ゼムクリップ30Aを第1磁石7の表面7Sに当てる。この場合、第1ゼムクリップ30Aの配設位置は、第1ゼムクリップ30の配設位置よりもシフトされている。この場合に於いても、瞬間的に、右頁S2の上縁右寄り部に挟まれている第1ゼムクリップ30Aは磁化されて、突出した第1磁石7の表面7Sに付着され、その結果、右頁S2もまた、瞬間的に素早く且つ確実・容易に、裏返されて捲られた状態のままで、第1磁石7の表面7Sに付着されて支持・固定される。しかも、この場合に於いても、第1クリップ10の表面1Sと第1磁石7の表面7Sに付着されている右頁S2の表面との間には、空隙が生じているので、同様に、演奏者は、右頁S2の戻り動作を、瞬間的に素早く且つ確実・容易に実行することが出来る。如何なる場合に於いても、演奏の中断状態が生じることが防止され得る。勿論、戻り動作後の見開き状態の譜面中に「コーダー記号」がある場合にも、演奏者は、素早く、移動すべき譜面の捲り動作を同様に素早く且つ確実に行うことが出来る。
【0042】
なお、曲が長くなる程に、その譜面の頁数・捲り回数・戻り回数に応じて、第1ゼムクリップ30及び第2ゼムクリップ40の数を増やせばよい。
【0043】
(変形例1)
第2ゼムクリップ40の構造を、図3(b)に例示されるようなT字型クリップに置換してもよい。この場合、一方の端部40P1とは反対方向にL字型形状に折り曲げられて延在する他方の端部40P2は、第2ゼムクリップ40の右頁の右側縁に挟み込まれた状態に於いては、前頁の見開き状態の譜面の右頁に向けて折曲がった端部となる。例えば、図4に例示される第2ゼムクリップ40Aに対して本変形例が適用された場合には、第2ゼムクリップ40Aは、本右頁の前頁の表面及び次頁の表面の両方に当接して支持する「重り」機能を奏することとなり、両頁間の間隙をより安定的に広げることが出来る。その結果、演奏者は、捲る対象の右頁をより容易く指で掴んで安定的に素早く捲ることが可能となる。
【0044】
(付記)
以上、本考案の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本考案の適用可能な局面を例示したものであって、本考案はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正及び/又は変形例を、この考案の範囲から逸脱することのない範囲内で考えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本考案は、ピアノ等の各種楽器の譜面台上に置かれた楽譜の速捲り動作を補助するための道具に適用して好適なるものである。
【0046】
1 一方のクリップ部分
2 他方のクリップ部分
3 第1バネ
7 第1磁石(第2磁石)
H1 第1高さ(所定の高さ)
H2 第2高さ
1S 一方のクリップ部分の表面
10 第1クリップ
20 第2クリップ
30,30A,30B 第1ゼムクリップ
40,40A,40B 第2ゼムクリップ
40P1 第2ゼムクリップの一方の先端部
40P2 第2ゼムクリップの他方の先端部
S1,S2 捲り対象の譜面
FS,FS1 見開き状態の譜面
100 譜面台


(57)【要約】

【課題】演奏者は、ピアノ等の楽器の演奏中に、自らの手で、譜面台上に載置された楽譜本の譜面を素早く且つ確実に捲ることを可能にし、演奏の中断を防止する楽譜速捲り動作補助用具を提供する。【解決手段】譜面台100上の楽譜本BK1の、見開き状態にある譜面FSの左側頁及びそれ以前の全頁の上縁左寄り部分を、別の本BK2とともに、クリップ10で挟み込む。クリップ10の表面1S内には磁石7が埋設されており、表面7Sは、表面1Sより突出している。譜面FSの右頁S1及び次の見開き状態の譜面FS1の右頁S2等の各上縁右寄り部をゼムクリップ30等で挟み込む。譜面FSから見て3番目の見開き状態の譜面の右頁以降の譜面をクリップ20で挟み、各譜面S1等の側縁中央部をゼムクリップ40等で挟み込む。演奏中、右頁S1を素早く捲ると、当該頁S1は隙間を空けて磁石7の表面7Sに付着し、隙間に指を入れて譜面S1を素早く元の見開き状態に戻すことも出来る。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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