(54)【考案の名称】シート状印刷物

(73)【実用新案権者】株式会社ウイル・コーポレーション

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、広告や宣伝のために配布されるチラシ、ブック状玩具、子供向け教材、雑誌や本の綴込み、又はダイレクトメールなどに使用される、取り外し可能なはがきやクーポンなどが付いたシート状印刷物に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
従来、チラシや本の綴込みなどのシートの一部が、取り外し可能なはがきとなっている印刷物が知られている。例えば特許文献1には、紙片を重ねて貼り合せた二層構造のはがきが、ミシン目から切り離せる構成が開示されている。
【0003】

【効果】

【0010】
このように構成された本考案のシート状印刷物は、両面に印刷が施された二枚の紙片を積層した二層構造を有し、前記紙片を積層しただけの非接合部と、前記紙片を積層して剥離可能に接着した接合部とを備えている。二層構造のシート本体の一方の層に、少なくとも一箇所にアンカット部を設けた切込部が設けられ、アンカット部を破断し、前記非接合領域の二層の合わせ面を開くとともに、接合部を剥離して二層の合わせ面を露出可能に構成されている。
【0011】
そして、分離領域として、残置領域とアンカット部を介して接続され切り離し可能に設けられた切離部と、接合部に剥離可能に設けられたシール部と、を有している。
【0012】
このため、はがき、クーポン、シールなどの取り外し可能な部分とともに、より多くの情報や図などを掲載することができるシート状印刷物を廉価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本考案の実施の形態のシート状印刷物としてのはがき付き印刷物の使用状態を説明する斜視図である。
【図2】シート本体の二枚の紙片が展開された状態であって、二枚の紙片の表面を示した説明図である。
【図3】シート本体の二枚の紙片が展開された状態であって、二枚の紙片の裏面を示した説明図である。
【図4】シート本体の二枚の紙片を積層した状態を示した説明図である。
【図5】はがき付き印刷物の完成した状態を説明する平面図である。
【図6】はがき付き印刷物が開いた状態の構成を説明する平面図である。

【0014】
以下、本考案の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態のシート状印刷物としてのはがき付き印刷物1の構成及び使用方法を説明するための斜視図である。
【0015】
このはがき付き印刷物1は、図1−図3に示すように、両面に印刷が施された二枚の紙片201,202を積層した二層構造のシート本体2で構成されている。このシート本体2は、紙片201,202を積層しただけの非接合部3と、紙片201,202を積層して剥離可能に接着した接合部4とを備えている(図1、図4等参照)。このようなシート本体2に、はがき部5、シール部6、クーポン部7、及び、起立部8が設けられている。なお、図2、図3では、はがき部5、シール部6、クーポン部7、起立部8、広告領域9A,9B、各種切取線や折目などとなる箇所又は領域を点線で表し、符号を付している。
【0016】
シート本体2の二枚の紙片201,202は、図2、図3に示すように、短辺21A,21Bと長辺21C,21Dとを有する略長方形(例えば、A4サイズの紙2枚分)に形成されている。シート本体2の各紙片201,202の第一面(以下「表面」と呼ぶ)201a,202a及び第二面(以下、「裏面」と呼ぶ)201b,202bには、必要に応じて広告、図、文字などの広告情報の印刷が施される。なお、図4,図6中の矢印は、シート本体2に印刷されたものではなく、シート本体2の折方向又は展開方向を示す矢印である。
【0017】
この略長方形の紙片201,202を積層することで、二層構造のシート本体2を形成している。紙片201からなる層を上層23とし、この上層23が積層され紙片202からなる層を下層24とする。図2、図3に示すように、下層24となる紙片202の表面202aの短辺21A,21B近傍には、接着剤を塗布することにより接着層27A,27Bが設けられている。紙片201及び紙片202は、この接着層27A,27Bを介して互いに接着されている。
【0018】
はがき部5とシール部6とは、中央の折目22を挟んでシート本体2の長辺21D側に並んで設けられている。起立部8は、はがき部5及びシール部6と直列して、長辺21C側に設けられている。クーポン部7は、はがき部5に隣接して短辺21B側に設けられている。
【0019】
また、二層構造のシート本体2の、はがき部5、シール部6、クーポン部7及び起立部8以外の領域は、これらの利用方法、商品広告、講座情報などの広告情報を掲載する広告領域となっている。この広告領域は、中央の折目22を挟んで短辺21A側を広告領域9Aとし、短辺21B側を広告領域9Bとする。広告領域9A,9Bは、上層23と下層24とを積層しただけの非接合部3に形成される。
【0020】
この広告領域9A,9Bの上層23と下層24との合わせ面を開いて、シート本体2を展開することで、利用者は、紙片201の表面201aや紙片202の裏面202bに印刷された広告情報だけでなく、紙片201の裏面201bや紙片202の表面202aに印刷された広告情報も視認することができる。そのため、より多くの広告情報を掲載して利用者に提示することができる。なお、広告領域9A,9Bを開き易くするため、広告領域9A,9Bの上層23には、短辺21A,21Bのやや内側(接着層27A,27Bの内側)に、該短辺21A,21Bと平行なミシン目を入れて、広告領域9A,9Bの上層23を折り返す折目92A,92Bが形成されている。
【0021】
はがき部5は、上層23と下層24とを積層しただけの非接合部3の上層23に設けられ、取り外し可能な分離領域(切離部)としてのはがき本体51を有している。はがき本体51は、一方の面(例えば紙片201の表面201a)への印刷によって宛名面52(図2等参照)が形成され、他方の面(例えば紙片201の裏面201b)への印刷によって通信面53(図3参照)が形成される。はがき部5は、非接合部3の上層23のみに、はがき本体51の周縁に沿ってミシン目からなる切取線54が設けられることによって形成される。この切取線54のミシン目のアンカット部によって、はがき本体51はシート本体2と接続され、使用時は、この切取線54に沿って、はがき本体51を切り離すことができる。
【0022】
はがき本体51は、例えば第一種郵便物の定形郵便物に該当する長方形に成形される。定形郵便物の最小形状は、長辺が14cmで短辺が9cmであり、最大形状は長辺が23.5cmで短辺が12cmで厚さが1cmである。なお、重さは50g以下であればよく、下限値の制限はない。
【0023】
シール部6は、上層23と下層24とを積層して剥離可能に接着した接合部4に設けられている。シール部6は、はがき本体51の通信面53の上面に張り付けられ、個人情報などの秘匿情報を保護する長方形状の個人情報保護シール(以下、「保護シール」と呼ぶ)61と、保護シール61が剥離可能に接着される台紙62とを有している。図2に示すように、保護シール61は、上層23に設けられ、台紙62は下層24に設けられる。
【0024】
保護シール61は、シール部6の上層23に、保護シール61の形状に合わせて、切込み65を入れることにより形成されている。保護シール61の一方の面(紙片201の表面201a)には、「個人情報保護シール」の文字及び個人情報が視認できないような色や記号などが印刷されている。図2に示すように、保護シール61の他方の面(紙片201の裏面201b)には、剥離と再接着とが可能な粘着剤の塗布によって、粘着層63が設けられている(図3参照)。また、台紙62の一方の面(紙片202の表面202a)には、コーティング剤を塗布してコーティング層64が設けられている(図2参照)。
【0025】
なお、保護シール61と台紙62との合わせ面、すなわち、保護シール61の他方の面(紙片201の裏面201b)及び台紙62の一方の面(紙片202の表面202a)にも、文字や図などの広告情報を印刷することができる。保護シール61を台紙62から剥離した際に、これらの情報を視認することができる。したがって、より多くの広告情報を掲載して利用者に提供することができる。
【0026】
保護シール61は、全周縁が切込み65によって切り取られ、シート本体2の上層23から分離した状態で台紙62に接着されている。そのため、未使用時には台紙62から保護シール61が不測に剥がれることがないが、使用時には保護シール61を台紙62から容易に剥離することができる。
【0027】
シール部6の粘着層63とコーティング層64とは、印刷後の紙片201,202の該当領域にそれぞれに形成される。粘着層63に用いられる粘着剤には、例えばアクリル系粘着剤などの不溶性の糊が使用される。また、コーティング層64に用いられるコーティング剤には、例えばシリコーン樹脂を使用することができる。シリコーン樹脂には、溶剤型、無溶剤型、エマルジョン型などがあり、例えば、UVシリコーンが使用できる。
【0028】
クーポン部7は、割引券や優待券などの複数のクーポン71を有している。クーポン71は、クーポン71の形状に合わせて、上層23にミシン目からなる切取線72を入れることにより形成されている。各クーポン71は、この切取線72のミシン目のアンカット部によりシート本体2と接続されているが、使用時には、この切取線72のミシン目に沿って、各クーポン71を切り離すことができる。なお、クーポン部7とはがき部5との境界のはがき本体51の切取線54は、クーポン71の切取線72にもなっている。
【0029】
各クーポン71の一方の面(紙片201の表面201a)には、例えば、各クーポン71の種類などが印刷され、他方の面(紙片201の裏面201b)には、例えば、割引率や優待率、割引や優待の内容などが印刷されている。利用者は、シート本体2からクーポン71を切り取って、使用先の店舗やスクールなどに持ち歩くことができる。
【0030】
また、下層24において、上層23に形成されたはがき部5及びクーポン部7が積層される領域(紙片202の表面202a)にも、文字や図などの広告情報を印刷することができる。はがき本体51及びクーポン71を切り取ることで、下層24の当該領域に印刷された広告情報を視認することができる。したがって、より多くの広告情報を掲載して、利用者に提示することができる。この下層24の当該領域も、広告領域9Bを構成している。
【0031】
起立部8は、図1、図4などに示すように、シート本体2の中央の折目22を挟んで、上層23の略中央に形成されている。起立部8は、上層23と下層24とを積層しただけの非接合部3に設けられている。
【0032】
起立部8は、シート本体2から立体的に立上る起立片81と、起立片81を支持する基部82と、を有している。起立片81を形成するため、上層23には、起立片81の周縁に沿って略V字形の起立用折目83と略四角形の起立用切込84とが設けられている。また、基部82は、下層24の所定の範囲に接着剤を塗布して設けられた接着層85(図2参照)を介して、下層24に接着されている。起立用折目83、起立用切込84、接着された基部82により、起立片81がシート本体2から切り離されたり、浮き上がったりすることなく起立可能となる。
【0033】
また、起立用折目83は、シート本体2の折目22とのなす角が鈍角となるように形成される。この起立用折目83は、ミシン目などで折れ易くしたものであっても、折る位置を線で示したものであっても、凹溝を設けて線を示したものであっても、いずれでもよい。
【0034】
また、起立用切込84は、起立用折目83の両端部を結ぶように略四角形に切り込まれる。この結果、起立用折目83を起点にして起立片81を起こす方向に折り曲げると、起立用切込84によって外形が形成される起立片81を起立させることができる。
【0035】
さらに、起立片81には、シート本体2の中心の折目22周辺に接合用折目86が設けられている。この接合用折目86は、起立用折目83と略直交する方向に向けて形成される。この接合用折目86も、ミシン目などで折れ易くしたものであっても、折る位置を線で示したものであっても、凹溝を設けて線を示したものであっても、いずれでもよい。
【0036】
そして、起立片81の接合用折目86及び中央の折目22を折り曲げて、二等辺三角形状となった中央周辺の表面201aを互いに接着剤で接着して中央接合部87とする。この結果、図1に示すように、起立片81を壁のように略台形の立体形状にすることができる。
【0037】
起立片81の両面(表面201a,裏面201b)には、文字や図などの広告情報が印刷されるが、特に重要な情報などを印刷することが好ましい。起立片81が起立することで、これらの重要情報を、利用者に印象付けて提示することができる。また、下層24において、起立片81が積層される領域にも、文字や図などの広告情報を印刷しておく。これにより、起立片81が起立したときに、当該領域が露出して、当該領域に印刷された広告情報を利用者に提示される。当該領域も、広告領域9A,9Bを構成している。
【0038】
また、起立用切込84に連続して、基部82の両側であって、基部82と広告領域9A,9Bとの境界には、ミシン目からなる切取線88A,88Bが形成されている。この切取線88A,88Bをミシン目とすることにより、アンカット部で広告領域9A,9Bの上層23と基部82とが接続され、広告領域9A,9Bの上層23が長辺21C側で不測に浮き上がったり、めくれたりするのを防ぐことができる。広告領域9A,9Bの上層23と下層24との合わせ面を開くときには、切取線88A,88Bのアンカット部を破断することで、容易に開くことができる。
【0039】
以上のように構成されたはがき付き印刷物1において、はがき本体51、保護シール61及びクーポン71は、シート本体2から取り外し可能な分離領域である。この分離領域以外の残される領域、すなわち、起立部8及び広告領域9A,9Bを含む領域が、残置領域である。
【0040】
次に、図面を参照しながら本実施形態のはがき付き印刷物1の製作方法及び使用方法について説明する。
【0041】
まず、ロール紙からシート本体2を引き出し、両面印刷機(図示せず)によってシート本体2となる紙片201,202の表面201a,202a及び裏面201b,202bに印刷を行う。すなわち、はがき部5、シール部6、クーポン部7、起立部8及び広告領域9A,9Bとするのに必要な印刷は、この工程ですべて行う。
【0042】
印刷後に、リワインダー装置(図示せず)によって巻き取られたシート本体2をオフライン加工機(図示せず)にセットし、再び引き出された印刷済みのシート本体2の紙片202に対して、図2に示すように、表面202aの所定の範囲にUVシリコーンを塗布してコーティング層64を形成する。そして、コーティング層64をUV硬化させた後に、紙片202の表面202aの所定の範囲に接着剤を塗布して、接着層27A,27B,85を形成する。
【0043】
一方、オフライン加工機の印刷済みのシート本体2の紙片201に対して、図3に示すように、紙片201の裏面201bの所定の範囲に粘着剤を塗布して、粘着層63を形成する。
【0044】
シート本体2の粘着層63とコーティング層64とを設けた領域とが、接合部4となる。接合部4以外の領域には、粘着層やコーティング層を設けないことで、非接合部3が形成される。したがって、粘着剤を全面に塗布した後に、上塗り印刷やコーティングなどによって粘着力を取り除く方法などに比べて、粘着剤などの使用を必要最小限に抑えることができ、廉価な実施が可能となる。
【0045】
次に、シート本体2を積層して接着する工程に移行する。まず、はがき付き印刷物1ごとに切断されたシート本体2の下層24となる紙片202の上面に、上層23となる紙片201を積層し、接着層27A,27Bを介して紙片201,202を互いに接着し、二層構造のシート本体2を形成する。
【0046】
また、紙片201,202の積層により、粘着層63とコーティング層64とを貼り合わせることで、シール部6が形成される。また、上層23の所定領域を接着層85に接着することで、起立部8の基部82が形成される。
【0047】
次に、図4に示すように、上層23と下層24とが積層された状態のまま、ダイカッタで上層23のみに切込みやミシン目を入れる工程に移行する。この工程では、はがき部5となる領域では、はがき本体51の形状に合わせて、切取線54となる箇所にミシン目を入れる。このとき、はがき部5とシール部6との境界又ははがき部5とクーポン部7との境界は、ミシン目ではなく、切込みを入れて分離してもよいが、この境界部分もミシン目、又は、少なくとも一箇所にアンカット部を入れて切込みを入れることで、はがき本体51が下層24から不測に外れたり、浮き上がったりするのを防ぐことができる。
【0048】
また、クーポン部7となる領域では、クーポン71の切取線72となる箇所にミシン目を入れる。さらに、広告領域9Aとシール部6との境界の上層23に、ミシン目を入れて切取線66を形成する。この広告領域9Aとシール部6との境界は、切込みを入れて互いに切り離してもよいが、ミシン目の切取線66とすることで、アンカット部で広告領域9Aとシール部6とが接続され、広告領域9Aの上層23が長辺21D側で不測に浮き上がったり、めくれたりするのを防ぐことができる。
【0049】
また、起立部8の起立用折目83となる箇所にミシン目を入れ、起立用切込84となる箇所に切込みを入れる。また、必要に応じて接合用折目86にもミシン目を入れる。さらに、起立用切込84に連続して、基部82と広告領域9A,9Bの上層23との間の切取線88A,88Bとなる箇所にミシン目を入れる。なお、起立用切込84となる箇所は、切込みではなくミシン目を入れてもよく、起立部8の形成時にミシン目を破断して起立用切込84を形成することもできる。また、各切取線88A,88B,66,54と一貫してミシン目を入れる作業を行うことが可能となる。
【0050】
また、広告領域9A,9Bの上層23の折目92A,92Bとなる箇所にミシン目を入れる。さらに、この折目92A,92Bに沿って、広告領域9A,9Bの上層23に、粘着剤を塗布して粘着層91A,91Bを形成する。なお、この粘着層91A,91Bは、広告領域9A,9Bの一方のみであっても、上層23の接着が可能である。ここまでは、印刷、シート本体2の裁断、積層に至るまで一貫した工程で行うことができる。
【0051】
次に、起立部8を形成する工程に移行する。まず、起立用折目83を折り曲げ、この起立用折目83を起点として起立片81を起立させる。その後、起立用切込84を折り曲げて、二等辺三角形状となった中央周辺の表面201aを互いに接着剤で接着することで、中央接合部87を形成する。このように、中央接合部87によって上層23の中央を接着しても、図5に示すように、中央の折目22を介してはがき付き印刷物1を閉じることができる。
【0052】
最後に、二層構造のシート本体2を、折目22で折り重ね、短辺21Aと短辺21Bとを互いに近接して配置し、粘着層91A,91Bを接着して上層23の表面201aの積層面を互いに貼り合わせることで、図5に示すように、もとの紙片201,202のほぼ2分の1のサイズ(例えば、A4サイズ)のはがき付き印刷物1を形成することができる。このように二枚の紙片201,202を用いて二層構造のシート本体2とすることで、A4サイズほぼ4枚分の面積の印刷面を得ることができる。
【0053】
また、最上層に配置された下層24の短辺21Bの下端付近に、その位置から剥離することを示す目印25が印刷されている。なお、はがき付き印刷物1を開き易くなるように、シート本体2を折目22で折り重ねたときに、図4に示すように、短辺21Aと短辺21Bとが1cm程度ずれるような寸法合わせとする。また、粘着層91A,91Bによって上層23の表面201aを互いに貼り合わせることにより、利用者に届くまで、はがき付き印刷物1が不測に開くのを防ぐことができる。
【0054】
このようにして製作されたシート状のはがき付き印刷物1は、ダイレクトメールとして利用者に配布される。そのため、例えば、図5に一点鎖線で囲った宛名領域26に、利用者の宛名が印刷される。宛名領域26は、図5では長辺21C側の片隅に設けているが、これに限定されることはなく、中央に設けてもよいし、長辺21D側に設けてもよい。また、宛名の印刷に代えて宛名シールを添付することもできる。宛名以外の領域には、社名や広告情報などを掲載することができる。
【0055】
このはがき付き印刷物1を受け取った利用者は、シート本体2の最上層や最下層の外面(紙片202の裏面202b)に露出した部分に印刷された文字、図などの広告情報を視認する。これらの広告情報に関心を持った利用者は、さらに情報を収集するために、目印25部分を保持して最上層を最下層から引き剥がして、図1に示すように、はがき付き印刷物1を開く。この場合、短辺21A,21Bに沿って設けられた粘着層91A,91Bの接着を剥がすことで、最下層と最上層とを簡単に分離して、はがき付き印刷物1を開くことができる。
【0056】
すると、中央接合部87によって折り畳まれた起立部8の起立片81が、起立用折目83を起点にして起立用切込84から自然に起き上る。また、起立片81の起立により、下層24の起立片81が積層していた領域が露出する。
【0057】
このようにして起立片81が、シート本体2の中央に立体的に現れることで、利用者に印象付けることができ、利用者の興味を引くことができる。利用者は、起立片81の両面(紙片201の表面201a及び裏面201b)に印刷された広告情報や、下層24の露出部分(紙片202の表面202a)の広告情報を視認することができる。
【0058】
また、はがき付き印刷物1を開くことで、図1に示すように、はがき部5、シール部6、クーポン部7及び広告領域9A,9Bも露出する。広告領域9A,9Bなどに印刷されたはがき部5の利用方法などを読んで、関心を持った利用者は、切取線54であるミシン目に沿って、はがき本体51を切り離すことができる。
【0059】
はがき本体51の通信面53に必要事項を記載したら、シール部6の台紙62から保護シール61を剥離し、通信面53に張り付けることで、秘匿情報を保護することができる。したがって、利用者は安心して商品やカタログ申し込みなどを行うことができ、申込みの意欲を高めさせることができる。
【0060】
また、保護シール61を剥離することで、利用者は、台紙62の一方の面(紙片202の表面202a)に印刷された広告情報を視認することができる。したがって、台紙62の一方の面、さらには保護シール61の他方の面(紙片201の裏面201b)にも広告情報を印刷することができ、より多くの広告情報を掲載することができるとともに、利用者に対して、より多くの情報を提供することができる。
【0061】
一方、クーポン部7に関心を持った利用者は、切取線72であるミシン目に沿って、クーポン71を切り離し、使用することができる。また、各クーポン71の他方の面(紙片201の裏面201b)に印刷された情報や、クーポン71が積層された広告領域9Bの一方の面(紙片202の表面202a)に印刷された情報を読むことができ、クーポン71のさらに詳細な情報を知ることができる。なお、クーポン71を互いに切り離すことなく、クーポン部7の周縁に沿ってクーポン部7全体を切り取ることもでき、クーポン部7のみを店舗やスクールなどに持ち歩き、必要に応じてクーポン71を切り離して使用することもできる。
【0062】
さらに、広告領域9A,9Bにおいて、シール部6、クーポン部7、起立部8と接続する切取線66,88A,88B,54などのミシン目のアンカット部を破断し、折目92A,92Bから折り返して広告領域9A,9Bを開くことができる。これにより、広告領域9A,9Bの上層23と下層24との合わせ面、すなわち、広告領域9A,9Bの上層23の他方の面(紙片201の裏面201b)と下層24の一方の面(紙片202の表面202a)に印刷された広告情報を、利用者が視認することができる。
【0063】
なお、図6では、シート本体2からはがき部5、クーポン部7を切り取らないで、シート本体2を展開した状態を示す。この場合、広告領域9A,9Bと基部82との間の切取線88A,88B及びはがき部5とシール部6との間の切取線54のミシン目のアンカット部を破断して、折目92A,92Bから上層23を折り返すことで、図6に示すようにシート本体2を展開することができる。
【0064】
この展開状態で、利用者は広告領域9A,9Bの上層23と下層24との合わせ面(紙片201の裏面201b及び紙片202の表面202a)に印刷された広告情報を視認することができる。また、はがき本体51の通信面53やクーポン71の他方の面(紙片201の裏面201b)に印刷された広告情報も視認することができる。また、保護シール61を台紙62から剥離することにより、保護シール61の他方の面(紙片201の裏面201b)や台紙62の一方の面(紙片202の表面202a)に印刷された広告情報を視認することもできる。
【0065】
次に、本実施の形態のはがき付き印刷物1の作用について説明する。
【0066】
以上のように構成された本実施の形態のはがき付き印刷物1は、二枚の紙片201,202を積層した二層構造であり、シール部6が形成された接合部4と、はがき部5、クーポン部7、起立部8、広告領域9A,9Bが形成された非接合部3とが、ミシン目のアンカット部で接続されている。また、分離領域のはがき本体51やクーポン71は残置領域とミシン目のアンカット部で接続されている。分離領域の保護シール61は、粘着層63により台紙62に接着されている。
【0067】
そのため、配布時などの意図しない時機に非接合部3が開いたり、浮き上がったり、めくれたりするのを防ぐことができる。さらに、分離領域の不測の脱落も防ぐことができ、利用者の好きなときに容易に分離領域のはがき本体51、クーポン71、保護シール61などを取り外すことができる。また、非接合部3には粘着剤やコーティング剤を使用しないため、材料費を低減してシート状印刷物を廉価に実施することができる。
【0068】
そして、ミシン目のアンカット部を破断して、非接合部3に設けられた広告領域9A,9Bの上層23と下層24との合わせ面を開くことができ、この合わせ面に印刷された広告情報を利用者に提示することができる。また、接合部4に設けられた保護シール61を剥離することで、その裏面や台紙62に印刷された広告情報も利用者に提示することができる。さらに、非接合部3に設けられたはがき本体51やクーポン71を切り離すことで、これらの裏面や下層24に印刷された広告情報も利用者に提示することができる。このように、紙片201,202の両面を有効に利用して、二層構造のシート本体2の印刷面積をより広く確保することができ、より多くの広告情報を掲載することが可能なシート状印刷物を実現することができる。
【0069】
また、シート本体2の中央に設けた起立部8の起立片81が、シート本体2から起立することで、起立片81に印刷した広告情報を立体的に見せて、利用者に強く印象付けることができる。
【0070】
また、はがき本体51、保護シール61、クーポン71などの分離領域を、上層23に設け、折目22から二層構造のシート本体2を、上層23を内側にして折り畳み、上層23の互いに対峙した端縁近傍を剥離可能に接着している。そのため、配布時などの意図しない時機に、広告領域9A,9Bが開いたり、分離領域が外れたりするのを良好に防ぐことができる。また、起立部8を設けた場合、折り畳時は起立片81がはがき付き印刷物1の内側に収容され、折り畳みを解除した時に、広告情報が印刷された起立片81が自然に起立することとなり、利用者により強い印象を与えることができる。
【0071】
以上、図面を参照して、本考案の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本考案の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本考案に含まれる。
【0072】
例えば、前記実施の形態では、シート本体2を紙片201,202として説明したが、これに限定されるものではなく、合成樹脂などのシート、膜、薄板など、厚みが薄い面状材であればシート本体2にすることができる。
【0073】
また、前記実施の形態では、分離領域をはがき本体51、保護シール61、クーポン71として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、招待券などを分離領域に設けてもよい。
【0074】
また、前記実施の形態では、はがき本体51とクーポン71とは、切り取り可能な切離部として形成されているが、これに限定されることはない。はがき本体51及びクーポン71の他方の面(紙片201の裏面201b)に粘着層を形成し、下層24に形成したコーティング層に剥離可能に接着し、シール状のはがき本体51及びクーポン71とすることもできる。
【0075】
さらに、前記実施の形態では、はがき本体51、保護シール61、クーポン71、起立部8などを、長方形や台形に形成しているが、これに限定されるものではない。使用目的やデザインなどに応じて、正方形や他の多角形状、又は半円形状やドーム形状、若しくは、花形、星形など、デザイン化した形状とすることもできる。
【0076】
また、起立部8は、基部82を接着してシート本体2から分離することのない残置領域としているが、これに限定されるものではない。例えば、起立片81にクーポンや招待券、はがきなどを印刷して、起立用折目83などから切り離し可能、又は基部82を剥離可能とすれば、立体的に飛び出してきたクーポン等に興味を示した利用者が、切り離して利用するという行動に結び付けることができる。また、起立部8の形成位置が、シート本体2の中央に限定されることはなく、使用目的やデザイン性などに応じて適宜の位置に形成することができる。
【0077】
さらに、前記実施の形態では、ダイレクトメールとして配布されるはがき付き印刷物1を使用する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、新聞の折込み広告、住戸の郵便受けに投函される広告、街頭や店頭で配布される広告、又は雑誌や本の綴込みなどに本考案のシート状印刷物を使用することができる。
【0078】
1 はがき付き印刷物(シート状印刷物)
2 シート本体
201,202 紙片
201a,202a 第一面(表面)
201b,202b 第二面(裏面)
23 上層
24 下層
3 非接合部
4 接合部
51 はがき本体(分離領域、切離部)
54 切取線(切込み)
61 保護シール(分離領域、シール部)
66,72 切取線(切込み)
71 クーポン(分離領域、切離部)
8 起立部
83 起立用折目
84 起立用切込

(57)【要約】

【課題】はがき、クーポン、シールなどの取り外し可能な部分とともに、より多くの情報や図などを掲載することが可能なシート状印刷物を廉価に提供する。【解決手段】取り外し可能な分離領域と残される残置領域とがシート本体2に形成されるはがき付き印刷物1である。シート本体2は、両面に印刷が施された二枚の紙片201,202を積層した二層構造を有し、紙片201,202を積層しただけの非接合部3と、紙片201,202を積層して剥離可能に接着した接合部4とを備える。二層構造のシート本体2の上層23に設けられたミシン目のアンカット部を破断し、非接合部3の上層23と下層24との合わせ面を開くとともに、接合部4を剥離して上層23と下層24との合わせ面を露出する。分離領域として、非接合部3に切り離し可能に設けられたはがき本体51、クーポン71と、接合部4に剥離可能に設けられた保護シール61と、を設ける。


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