(54)【考案の名称】発音指導用教材

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は発音指導用教材に関し、特に、発音時の口腔内の様子を示すための教材に関する。

【従来の技術】

【0002】
語学等において、発音方法を指導するためには、発音時の口腔内の様子を示すことが効果的である。従来、例えば語学教室等で、指導者は掲示板等に図5に示すような紙でできた口腔内の断面図を貼り付け、発音時の様子を被指導者に示していた。
【0003】
図5は、英語の「R」を発音する時の口腔内の様子を示している。図5に示すように、「R」の発音をする際は、上の歯と下の歯の間を少し空け、舌の先を上側に向ける。このように、発音する語によって異なる舌の位置や形状、上顎と下顎の位置関係等を示す必要がある。
【0004】
例えば、「R」の発音を教えた後、直後に「F」の発音を教えたい場合、複数の図を用意しておく必要がある。その場合、その時々で図を貼り替えると非常に効率が悪くなる。
【0005】
また、貼り替えずに済むように、事前に複数の図を貼り付けておくことも考えられるが、その場合は広い掲示板が必要になり、常に実施できるとは限らない。
【0006】
または、黒板やホワイトボード等に語毎に口腔内の様子を描く方法も考えられるが、指導者への負担が大きいうえに、非効率的である。これらの問題の解決手段として、下記のような技術が知られている。
【0007】
特許文献1では、透明板に口腔内の断面図を形成し、下顎部分を付け根が固定された揺動可能な部材とし、プロジェクタを用いて投射する方法が記載されている。これにより、下顎部分を動かすことで、表示する断面図の形状をスムーズに変化させることができる。
【0008】
特許文献2には、透明板に口腔内の断面図を形成し、赤いタオル生地で形成されたミトンを手に装着し、これを舌に見立てて口腔内の断面図に重ね、また動かすことで、口腔内の様子を示す方法が記載されている。この方法によれば、舌の形状を手で表すことができるため、ある程度柔軟な表現が可能となる。
【0009】
特許文献3には、発音時の音声及び唇、歯、舌等の動作の様子を表す正面動画及び斜視動画を性別や年齢層毎に保存しておき、音声の再生と共に保存した動画を再生するプログラム及び端末について記載されている。これにより、発音をする時の様子を視覚的・聴覚的に捉えることができ、学習の効率が向上する。
【0010】

【効果】

【0018】
本考案によれば、発音時の口腔内の様子を柔軟にかつ素早く変化させて表現することができ、指導を行う際に特別な場所や設備を要しない発音指導用教材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本考案の発音指導用教材の実施形態1の動作を示す図である。
【図2】本考案の発音指導用教材の実施形態1の図画が形成された状態を示す図である。
【図3】本考案の発音指導用教材の実施形態1の図画が形成された状態を示す図である。
【図4】本考案の発音指導用教材の実施形態1の動作を示す図である。
【図5】従来の発音指導用教材を示す図である。

【0020】
<実施形態1の構成>
本考案の発音指導用教材の実施形態1について説明する。図1に示すように、発音指導用教材100は板状部材であるホワイトボード101を有し、その表面上に厚紙等によって形成された呼気の通路を示す呼気通路表示手段である呼気通路表示部104が接着されている。また、呼気通路表示部104は、ホワイトボード101に予め画像として印刷しておいても良い。
【0021】
また、上顎部表示手段である上顎部102及び下顎部表示手段である下顎部103は、薄いマグネットを切り抜いて人の口腔部の下顎部分の断面図の形に形成したものである。図1の矢印が示すように、上顎部102及び下顎部103はマグネットで貼り付けられているため、任意の方向へ移動させることが可能である。
【0022】
上顎部102、下顎部103及び呼気通路表示部104の表面は、滑らかな素材でコーティングするようにしても良いし、通常の素材をコートフィルムでコーティングするようにしても良い。コーティングの素材としては、PP(ポリプロピレン)等の水性ペン150のインクが付着した際に容易に拭き取れるものが望ましい。
【0023】
また、ホワイトボード101の大きさは、手で持ったまま水性ペン150で図を描ける程度の大きさが望ましい。1つの例として、縦約50cm、横約30cm程度としても良い。ただし、使用者や場所等の条件によって最適な大きさは異なる。
【0024】
<実施形態1の動作>
図2に示すように、下顎部103を任意の場所へ移動させ、図画形成手段である水性ペン150で任意の図画を描くことができる。水性ペン150で描かれた図画は、専用のクリーナ等の図示しない図画消去手段を使用することによって、消去することができる。
【0025】
図2は、「R」を発音する際の口腔内の様子を示す例である。この時、図2の201に示すように、水性ペン150によって、現在表示している文字である「R」を上部に書き、「R」を発音する時の舌の形状202を下顎部103の上側に描く。
【0026】
図3は「R」以外の文字の発音を示す場合の発音指導用教材100の図である。図3の(a)及び(b)は、舌の形状を変化させることで、「TH」及び「L」の発音を示している。
【0027】
図3の(c)は、下顎部103の位置を移動させ、上顎部102の前歯と下顎部103の唇が接するようにして、「F」の発音を示している。図3の(c)に示すように、水性ペン150で、注目するべき箇所に矢印を描き強調するようにしても良い。
【0028】
また、図4に示すように、上顎部102の位置を移動させても良い。図4の(a)では、呼気通路表示部104の170で示す部分が開いているが、図4の(b)では上顎部102を右方向へ移動させ、170で示す部分を閉じている。
【0029】
<実施形態1の効果>
前述の通り、ホワイトボード101の表面上に水性ペン150で図画を描いても、図画消去手段によって容易に消去できるため、何度も図画を形成し直すことが可能である。そのため、表示したい文字に合わせて、上部の文字や舌の形状を柔軟にかつ素早く変化させることができる。
【0030】
また、図3の(d)は日本語の「ん」を発音する時の口腔内の様子を示したものである。このように、英語等の特定の言語に限らず、あらゆる言語の発音時の口腔内の様子を示すことが可能である。
【0031】
図3の(c)では、強調したい箇所に矢印を描いているが、このように、水性ペン150によって描かれる図画は文字や舌の形状に限られない。このため、被指導者に合わせた図画を描くことが可能である。また、図2等に示すように、歯茎部分とその他の部分で異なる色を使用することで、口腔内の様子がより分かりやすくなっている。
【0032】
また、上顎部102、下顎部103及び呼気通路表示部104の表面をPP等でコーティングすることで、水性ペン150のインクが通常の使用において、若しくは誤って付着してしまった場合でも、インクを容易に取り除くことができる。
【0033】
さらに、上顎部102を動かすことで、呼気の通路を開いたまま発音する様子と、呼気の通路を閉じて発音する様子を表現することができる。呼気の通路の開閉は、通常の語学指導等においては余り意識されないが、音声学の指導を行う場合等には呼気の通路の開閉を示す必要がある。
【0034】
実施形態1の発音指導用教材100は、主として語学教室や学校において行われる語学指導に使用されることが想定されている。その他にも、聾学校の発音指導、英語教員の指導、海外企業の社員への日本語指導等、様々な場面で活用できる。
【0035】
また、実施のためにコンピュータ、プロジェクタ、ディスプレイ等の特別な設備や装置を準備する必要がないため、特許文献1及び特許文献3に比べて容易に実施することができる。
【0036】
なお、上記の実施形態は、本考案の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本考案を限定するものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0037】
例えば、実施形態1では上顎部及び下顎部の両方を移動可能としているが、下顎部のみを移動可能としても良い。前述の通り、通常の語学の指導においては、下顎のみ移動できれば十分である場合が多く、上顎部を移動できないようにすることで、上顎部の位置が安定するというメリットがある。
【0038】
図2等においては、歯茎の部分の色が境界線を境に変化しているが、例えば、グラデーションにより少しずつ色が変化するようにしても良い。また、図2等に示しているデザインは1つの例であり、図2及びその他の図面で示したデザインに限定されるものではない。
【0039】
100 発音指導用教材
101 ホワイトボード
102 上顎部
103 下顎部
104 呼気通路表示部
150 水性ペン

(57)【要約】

【課題】発音時の口腔内の様子を柔軟にかつ素早く変化させて表現でき、指導を行う際に特別な場所や設備を要しない発音指導用教材を提供する。【解決手段】ホワイトボード101と、ホワイトボードの表面上に備えられた、人の口腔部の上顎部分の断面図を表示する上顎部表示部102と、ホワイトボードの表面上に備えられた、人の口腔部の下顎部分の断面図を表示する下顎部表示部103と、舌の形状等を描くための水性ペンと、を有する発音指導用教材であって、上顎部表示部及び下顎部表示部は、ホワイトボードの表面上の任意の場所に移動させることができる。


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