(54)【考案の名称】太陽光発電システム

(51)【国際特許分類】

H01L 31/042

(73)【実用新案権者】ティー・エス・ビー株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、太陽光エネルギーを電力に変換する太陽光発電システムに関する。

【従来の技術】

【0002】
従来、太陽光により発電する太陽光発電パネルが知られている。太陽光発電パネルは、パネル内で複数のセルが直列に接続されており、各セルはPN接合された半導体素子により構成されている。そして、太陽光発電パネルがさらに複数枚接続されることで、発電システムが構成されている。
【0003】
このような太陽光発電パネルについては、安全性を高めようとする技術が開発されている。例えば、特許文献1記載の太陽光発電パネルは、太陽光発電セルとエネルギーを出力するコネクタとの間に連結されているスイッチを備え、スイッチにより太陽光発電パネルの設置中には接続を切り、設置後に接続することを可能にしている。これにより、電圧が印加されているプラグの接続、切り離しにより生じるアーク放電によりコネクタ、接続ボックス、他の電気部品がダメージを受けるのを防止している。
【0004】

【効果】

【0013】
本考案によれば、火災の際、複数の太陽光発電パネルの直列接続を切り離すことができ、放水による作業者の感電を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態の太陽光発電アレイを示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の太陽光発電システムおよびパワーコンディショナー本体を示すブロック図である。
【図3】(a)〜(c)それぞれ太陽光発電パネルの接続に対するスイッチの設け方の一例を示す図である。
【図4】太陽光発電パネルの接続に対するスイッチの設け方の別の例を示す図である。
【図5】第2の実施形態の太陽光発電システムを示すブロック図である。
【図6】第3の実施形態の太陽光発電アレイを示すブロック図である。
【図7】第3の実施形態の太陽光発電システムおよび直流接続箱を示すブロック図である。

【0015】
次に、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
[第1の実施形態]
図1は、太陽光発電アレイ100を示すブロック図である。太陽光発電アレイ100は、太陽光発電ストリング110(太陽光発電システム)、パワーコンディショナー120、交流集電箱130およびキュービクル140を備えている。
【0017】
太陽光発電ストリング110は、太陽光発電パネル111が直列に接続されて構成され、太陽光エネルギーを電力に変換する。太陽光発電パネル111は、太陽光発電モジュールとも呼ばれ、太陽光セルが複数個接続され、防水処理等が施され、金属フレームを付けてパネルとして形成されている。太陽光発電ストリング110には、太陽光発電パネル111の直列接続を切り離すためのスイッチが設けられている。
【0018】
パワーコンディショナー120は、太陽光発電ストリング110から流れる直流電流を交流に変換し家庭などの環境で使用できるようにするインバータの一種である。パワーコンディショナー120は、不安定な電圧や電流の入力を安定した出力に調整する機能を有している。なお、パワーコンディショナー120内に操作部を設け、上記のスイッチのON/OFFを制御できるように設計することが好ましい。
【0019】
交流集電箱130は、パワーコンディショナー120を経由した太陽光発電ストリング110の出力を交流で集電し、キュービクル140へ出力する。キュービクル140は、交流集電箱130からの出力電圧を、売電等を目的として系統に合致した電圧ヘ昇圧する。キュービクル140には、例えば、電圧等の測定、表示を行なう計器類、回路の開閉等を行なう開閉器類、過電流発生時の機器の保護、過電圧抑制等を行なう保護装置、電圧の変圧を行なう変圧器が収容されている。
【0020】
図2は、配線に直列接続を切り離すスイッチが設けられている太陽光発電ストリング110(太陽光発電システム)およびパワーコンディショナー本体120aを示すブロック図である。太陽光発電ストリング110は、複数の太陽光発電パネル111、接続線112およびスイッチ115を備えている。なお、接続線は、発電機能の直列接続を構成する線を指す。
【0021】
太陽光発電ストリング110は、複数の太陽光発電パネル111が接続線112により直列接続され、太陽光発電パネル111で太陽光エネルギーから変換された直流電圧を直列接続で高電圧にしパワーコンディショナー本体120aへ出力する。接続線112には、スイッチ115が設けられており、スイッチ115により、複数の太陽光発電パネル111による直列接続を切り離すことを可能にしている。
【0022】
操作部116aは、操作を受け付け、スイッチ115を制御するための制御信号を送出する。操作部116aが受け付けたON、OFFの操作が制御線116によりスイッチ115へ伝わることによりスイッチ115のON/OFFがなされる。これにより、火災の際、複数の太陽光発電パネル111の直列接続を切り離すことができ、放水による作業者の感電を防止できる。
【0023】
スイッチ115は、直列接続で累積された電圧が各区間で200V以下となるように複数の太陽光発電パネルによる直列接続を切り離す位置に設けられていることが好ましい。少なくとも家庭用電源の電圧より大きくならないように太陽光発電パネルによる直列接続を切り離すことで、火災の放水の際に人体に流れる電流を防止し、感電を防止できる。
【0024】
なお、スイッチ115は、直列接続で累積された電圧が各区間で100V以下となるように設けることがさらに好ましい。図2に示す例では、太陽光発電パネル111ごとにスイッチ115を設け、接続を切り離すことができるため、切り離された直列接続の各区間で累積された電圧は、数十V以下になる。
【0025】
スイッチ115は、太陽光発電パネル111の端子を接続する接続線112上に設けられ、接続線112に並列接続する制御線116が伝える信号により接続線112の切り離しおよび接続を行なう。これにより、外部からの制御で一度に複数個所の接続を切り離すことができ、操作を容易にすることができる。例えば、スイッチ115は、外部からの信号がHighLevelの時ONとなるように設計できる。なお、上記の例では、太陽光発電パネル111ごとに接続を切り離すスイッチ115を設けているが、複数の太陽光発電パネル111のストリングごとに設けてもよい。
【0026】
図3(a)〜(c)は、それぞれ太陽光発電パネル111の接続に対するスイッチの設け方の一例を示す図である。図3(a)〜(c)に示すいずれの例においても、太陽光発電パネル111内の太陽光セル117の接続構造については同様であり、太陽光発電パネル111は、複数個の太陽光セル117が2本の接続線117aにより直列に接続されている。太陽光セル117は、シリコンウェファーにPN接合を形成した半導体素子で、太陽光が当たると電流を発生させる。
【0027】
図3(a)〜(c)に示す例は、太陽光セル117を受光面側から見た状態を表しており、太陽光セル117の受光面から裏面へと接続される2本の接続線117aには、受光面上に広く先端の一方が接続するように設けられた多数の細線の他方が接続されており、電流が集められている。一方、太陽光セル117の裏面は、受光する必要がないため全面に一様な電極が設けられている。なお、接続線117aは2本の方が効率が良いが、1本でもよい。
【0028】
バイパスダイオード113は、直列接続された所定数の太陽光セル117ごとに端子118同士を接続するように設けられている。バイパスダイオード113は、一部の太陽光セル117に不具合が発生してもその不具合部分を回避して電流を流すためのバイパスとして機能する。これにより、不具合の被害が太陽光発電パネル111全体に及ぶのを防止できる。
【0029】
ジャンクションボックス114は、太陽光発電パネル111と一体で設けられており、太陽光発電パネル111の端子118に接続線112ケーブルを接続するためのコネクタの機能を有する。ジャンクションボックス114は、太陽光発電パネル111の裏面に配置されていることが好ましい。
【0030】
太陽光セル117は光が当たっていれば、常に発電状態にある。このような状態では、火災等で太陽光発電ストリング110の一部、または、太陽光発電パネル111の一部の電極(活部)が露出した場合に、消火のための放水で、水を介して放水作業者が感電する。スイッチ115a〜cを設けることで、上記のような事態を阻止し、太陽光発電ストリング110の出力電圧、または太陽光発電パネル111の水がかかりうる区間の出力電圧を低下させることができる。
【0031】
太陽光発電ストリング110は、通常、複数枚の太陽光発電パネル111を直列に接続して形成され、数百ボルトの電圧を発生させる。このような太陽光発電パネル111内部、または太陽光発電パネル111同士の接続部に、外部信号でON/OFFできるスイッチを設ける。
【0032】
その結果、太陽光発電パネル111単体、または、小規模の太陽光発電ストリング110(出力電圧が100V以下)に直列接続を切り離すことにより、太陽光発電ストリング110の出力電圧を低下させることができる。
【0033】
太陽光発電パネル111単体での出力電圧は、場合により異なるが通常は数十ボルト以下であり、この状態であれば、放水によって感電することはなく、一般家屋の火災と同じに扱うことができる。
【0034】
図3(a)に示す例では、スイッチ115aが太陽光発電パネル111の端子部分に設けられており、接続線112と並列接続されている制御線116によりスイッチ115aのON/OFFが制御される。また、スイッチ115aを制御する制御線116は、太陽光発電パネル111の電力取り出し用のケーブルと一体に設けられており、制御線116と接続線112とが同じケーブルで太陽光発電パネル111に接続されている。スイッチ115aがOFFされると、太陽光発電パネル111ごとにそれらの直列接続が切り離される。
【0035】
図3(b)に示す例では、スイッチ115bが太陽光発電パネル111の端子部分に設けられており、接続線112と並列接続されている制御線116によりスイッチ115bのON/OFFが制御されている。これらの点では図3(a)に示す例と同様である。ただし、接続線112と制御線116とは、それぞれ異なるケーブルで太陽光発電パネル111に接続される。
【0036】
図3(a)、(b)に示す例では、接続線112が、ジャンクションボックス114内に設けられることで、太陽光発電パネル111の端子に接続可能なコネクタとして形成できる。これにより、従来用いられている太陽光発電パネル111にジャンクションボックス114により接続線112を端子に接続することで容易に太陽光発電パネル111による直列接続を切り離せるシステムを構成できる。
【0037】
図3(c)に示す例では、4つのスイッチ115cのそれぞれが太陽光発電パネル111内において複数の太陽光セル117の直列接続ごとに設けられており、スイッチ115cがOFFされると、複数の太陽光セル117の直列接続ごとに接続が切り離される。したがって、この場合には図3(a)、(b)に示す例より切り離される直列接続の区間が短くなり電圧は低くなる。この場合にも、接続線112に並列接続されている制御線116によりスイッチ115cのON/OFFが制御される。また、接続線112と制御線116とは、異なるケーブルで太陽光発電パネル111に接続されているが、同じケーブルで接続してもよい。
【0038】
図3(a)〜(c)に示す例では、スイッチ115a〜115cが太陽光発電パネル111と一体にもうけられており、太陽光発電パネル111が直列に接続されたときに制御線116はデージーチェーンで接続できる配線設備を備えていることが好ましい。これにより、規模に応じて太陽光発電パネル111を設けることができる。
【0039】
図4は、太陽光発電パネル111の接続に対するスイッチの設け方の別の例を示す図である。図4に示す例では、スイッチ115dが、太陽光発電パネル111およびジャンクションボックス114の外に設けられている。接続線112と並列接続されている制御線116によりスイッチ115dのON/OFFが制御され、スイッチ115dがOFFされると、太陽光発電パネル111ごとに直列接続が切り離される。
【0040】
図4に示す例では、太陽光発電パネル111間の接続線112の途中にスイッチ115dが設けられている。したがって、現在用いられている太陽光発電アレイ100に容易にスイッチ115を含む配線を取り付けることができる。
【0041】
[第2の実施形態]
上記の実施形態では、太陽光発電パネル111ごと、または複数の太陽光セル117の直列接続ごとにスイッチが設けられているが、太陽光セル117内に素子構造としてスイッチを設けてもよい。図5は、太陽光セル内にスイッチが設けられている太陽光発電パネル211を示すブロック図である。
【0042】
図5に示すように、太陽光発電パネル211は、接続線217aによる太陽光セル217の直列接続で形成されている。太陽光セル217は、シリコンウェファーにPN接合を形成した半導体素子であり、半導体素子内部に発電部217bとともにスイッチ215dが設けられている。
【0043】
太陽光セル217は、操作部216aから制御線216を介してOFFの制御信号がスイッチ215dに伝達されると、スイッチ215dは太陽光セル217ごとに太陽光セル217の直列接続を切り離す。これにより、太陽光発電パネル111内のスイッチで太陽光セルの直列接続を切り、切り離した区間の電圧を低下させることができる。
【0044】
[第3の実施形態]
上記の実施形態の太陽光発電アレイでは、太陽光発電ストリングにより発生した直流電流をまず交流に変換した後、集電してキュービクルに出力するが、太陽光発電ストリングにより発生した直流電流をまず集電し、その後段で直流電流を交流に変換してキュービクルに出力する太陽光発電アレイであってもよい。
【0045】
図6は、太陽光発電アレイ300を示すブロック図である。太陽光発電アレイ300は、太陽光発電ストリング110(太陽光発電システム)、直流接続箱320、直流集電箱325、パワーコンディショナー330およびキュービクル140を備えている。
【0046】
直流接続箱320は、太陽光発電ストリング110で生じた直流電流を直流集電箱325へ出力している。直流集電箱325は、直流接続箱320を経由した太陽光発電ストリング110の出力を直流で集電し、パワーコンディショナー330へ出力する。パワーコンディショナー330は、入力された直流電流を交流に変換し家庭などの環境で使用できるようにし、キュービクル140へ出力する。キュービクル140は、出力電圧を目的に合致した電圧ヘ昇圧する。
【0047】
図7は、配線に直列接続を切り離すスイッチが設けられている太陽光発電ストリング111(太陽光発電システム)および直流接続箱320を示すブロック図である。太陽光発電ストリング110は、複数の太陽光発電パネル111、接続線112およびスイッチ115を備えている。
【0048】
太陽光発電ストリング110は、太陽光発電パネル111で太陽光エネルギーから変換された直流電圧を直列接続で高電圧にし直流接続箱320へ出力する。接続線112には、スイッチ115が設けられており、操作部116aからの操作に応じてスイッチ115により、複数の太陽光発電パネル111による直列接続を切り離すことを可能にしている。
【0049】
なお、以上の実施形態では、太陽光発電ストリングを本考案の太陽光発電システムとして説明しているが、太陽光発電アレイまたは太陽光発電パネルを本考案の太陽光発電システムと捉えることも可能である。
【0050】
100 太陽光発電アレイ
110 太陽光発電ストリング
111 太陽光発電パネル
112 接続線
113 バイパスダイオード
114 ジャンクションボックス
115、115a〜115d スイッチ
116 制御線
116a 操作部
117 太陽光セル
117a 接続線
118 端子
120 パワーコンディショナー
120a パワーコンディショナー本体
130 交流集電箱
140 キュービクル
211 太陽光発電パネル
215d スイッチ
216 制御線
216a 操作部
217 太陽光セル
217a 接続線
217b 発電部
320 直流接続箱
325 直流集電箱
330 パワーコンディショナー

(57)【要約】

【課題】火災の際、複数の太陽光発電パネルの直列接続を切り離すことができ、放水による作業者の感電を防止できる太陽光発電システムを提供する。【解決手段】太陽光エネルギーを電力に変換する太陽光発電システム110であって、直列に接続された複数の太陽光発電パネル111と、複数の太陽光発電パネル111による直列接続に対して切り離しまたは接続を可能にするスイッチ115と、を備え、スイッチ115は、特定の制御信号を受けたときに動作する。これにより、火災の際、複数の太陽光発電パネル111の直列接続を切り離すことができ、放水による作業者の感電を防止できる。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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