(54)【考案の名称】位置表示灯付発信機

(73)【実用新案権者】株式会社横井製作所

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、消防設備として建物等に設置されている自動火災報知設備や非常警報設備、屋内消火栓設備等に使用される発信機の改良に係り、特に、発信機自体に発信機の位置を表示するための灯火機能を設け、発信機の視認性を向上させると共に、設置に必要なスペースを縮小できるようにした位置表示灯付発信機に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
一般に、建物等に設置されている自動火災報知設備や非常警報設備、屋内消火栓設備等の消防設備には、火災発生時において押釦スイッチを押すことで火災の発生を防災センターや建物の管理室等に設置されている受信機に知らせる発信機が設けられている。
【0003】
前記発信機は、消防法令の規定で定められている、位置を表示するための灯火(位置表示灯)を設けなければならない。
【0004】
従来の位置表示灯は、発信機とは別にその上部に設置したり、或いは、発信機と並列に設置したりしており、法令上も位置については数値化した離隔距離が定められていないことから、発信機との位置関係が統一されていない。
【0005】
図4は従来の発信機21及び位置表示灯22を設置した屋内消火栓設備20を示し、図4(A)は発信機21と位置表示灯22を並列に設置した屋内消火栓20、図4(B)は発信機21の上部に位置表示灯22を設置した屋内消火栓設備20、図4(C)は発信機21のみを設置し、位置表示灯22を壁に設置した屋内消火栓設備20である(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0006】
ところで、火災発生時においては、防災設備に設けた発信機21により速やかに通報を行う必要があるが、非常電源を使用した位置表示灯は、夜間や停電時に点灯しているものの、図4に示すように発信機21の位置を直接示しているわけではないため、通報に手間取ることがあった。
【0007】
特に、図4(C)の屋内消火栓設備20のように、位置表示灯22の位置が発信機21から大きく離れた位置にあり、且つ煙が充満している場合には、避難者が発信機21の位置を確認するのに手間取り、発信機21の押釦スイッチを迅速に押せないことがあった。
【0008】
また、従来の発信機21と位置表示灯22とは、それぞれ別々の位置に設置されているため、発信機21と位置表示灯22を設置するのに広い設置スペースを必要とすると云う問題があった。
【0009】
尚、特開2011−86224号公報(特許文献3)には、発信機の内部に応答表示灯を設け、発信機の認識性を向上させることかできるようにした発信機が記載されている。
【0010】
即ち、前記発信機は、図示していないが、発信機に設けたスイッチ操作部を透明又は半透明とすると共に、スイッチ操作部の内部にLED等の応答表示灯を設け、当該応答表示灯を常時点灯状態とすることによって、応答表示灯からの光をリング状のライトガイドを通して透光性のゴム部材で作られた枠部材全体をリング状に光らせ、これにより発信機の位置を認識できるようにしている。
【0011】
しかし、前記発信機においては、内部に応答表示灯を1灯しか設けていないため、応答表示灯を常時点灯させていても、枠部材全体を均一に光らせることができず、視認性に劣ると云う問題があった。
【0012】
また、応答表示灯は、通常は消灯しており、発信操作がされたときに点灯して操作者に発信操作が行われたことを知らせるためのものであるので、現在広く一般に使用されている応答表示灯の表示と異なる場合には、このことを予め周知しておかなければ、誤った使用をされることも考えられる。
【0013】

【効果】

【0018】
本考案の位置表示灯付発信機は、円形皿状のカバーを赤色に着色された透光性部材により形成すると共に、カバーの外周縁部の内方にカバーの外周縁部を環状に発光させる発光器具を配設し、カバーの外周縁部を位置表示灯として機能させる構成としているため、発信機の位置を明確に示すことができ、視認性を大幅に向上させることができる。
【0019】
また、本考案の位置表示灯付発信機は、カバーの外周縁部が位置表示灯として機能するため、独立した位置表示灯を必要としない。その結果、本考案の位置表示灯付発信機は、位置表示灯を設置していたスペースが不要となり、設置に必要なスペースを縮小することができる。
【0020】
更に、本発明の位置表示灯付発信機は、発光器具が、電気回路を組み込んだ環状の基板と、基板の前面に取り付けた複数の発光ダイオードから成る発光体とから構成されているため、寿命が大幅に伸びると共に、高信頼性、低消費電力、低発熱性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本考案の実施の形態に係る位置表示灯付発信機の正面図である。
【図2】位置表示灯付発信機の概略縦断面図である。
【図3】位置表示灯付発信機が発光した状態を示す正面図である。
【図4】従来の発信機及び位置表示灯を設置した屋内消火栓設備の正面図である。

【0022】
以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3は本考案の実施の形態に係る位置表示灯付発信機1を示し、当該位置表示灯付発信機1は、消防設備として建物等に設置されている自動火災報知設備や非常警報設備、屋内消火栓設備等に設けられており、火災発生時に避難者が操作することにより火災の発生を防災センターや建物の管理室等に設置されている受信機に知らせるものである。
【0023】
即ち、前記位置表示灯付発信機1は、取付板2と、取付板2に設けられ、押釦3aが前面側(図2の左側)を向く押釦スイッチ3と、取付板2にその前面側(図2の左側)を覆うように取り付けられ、押釦スイッチ3用の操作穴4aを形成した円形皿状のカバー4と、カバー4の操作穴4aに対向して配置され、操作穴4aを内方側から開閉する保護カバー5と、操作穴4aを閉じるように保護カバー5を付勢する圧縮コイルスプリング6と、取付板2の前面側に設けた応答確認灯7(応答表示灯)と、取付板2の背面側(図2の右側)に取り付けられ、電子部品が実装されるプリント基板(図示省略)を有すると共に、電源等に接続される端子台8等を備えており、前記カバー4を赤色に着色された透光性部材により形成すると共に、カバー4の外周縁部の内方にカバー4の外周縁部を環状に発光させる発光器具9を配設し、カバー4の外周縁部を位置表示灯として機能させたものである。
【0024】
具体的には、前記取付板2は、合成樹脂板(又は金属板)により形成されており、環状の円板部2aと、円板部2aの内周縁部に連設されて背面側(図2の右側)へ突出する断面形状が凹状の収納部2bとから成る。
【0025】
この取付板2は、例えば、凹状の収納部2bが屋内消火栓設備の消火栓ボックス10の前面に形成した取付穴10aに収納された状態で消火栓ボックス10の前面にネジ(図示省略)等により取り付けられている。
【0026】
前記押釦スイッチ3は、取付板2の収納部2b内に収納されて端子台8のプリント基板に接続されており、スイッチ本体3bから押釦3aが出退自在に設けられ、押釦3aが引き出し状態のときにはOFFの状態となり、また、押釦3aが押し込み状態のときにはONの状態となり、押釦3aの押し込み力を解除すると、自動的に引き出し状態になってOFFの状態となるようになっている。
【0027】
前記カバー4は、赤色に着色された透光性部材により円形皿状に形成されており、その中心部には、押釦スイッチ3の押釦3aに対向する押釦スイッチ3用の操作穴4aが形成されている。
【0028】
また、カバー4は、その外周縁部の内方に環状の隔壁4bが一体的に形成されており、当該隔壁4bとカバー4の外周壁とで発光器具9を収納する環状の収納空間Sを形成している。この隔壁4bは、必ず要るものではなく、省略しても良いことは勿論である。
【0029】
そして、カバー4は、取付板2の円板部2aに取付板2の前面側(図2の左側)を覆うように取り付けられており、操作穴4aが押釦スイッチ3の押釦3aに対向するようになっている。
【0030】
尚、この実施の形態に於いては、カバー4は、赤色に着色されたポリカーボネートやアクリルなどの樹脂板形成されている。
【0031】
前記保護カバー5は、透明又は半透明な合成樹脂板(ポリカーボネート樹脂板やアクリル樹脂板)により円形のキャップ状に形成されており、その外周面には、外方へ突出するアーム部材11が設けられている。
【0032】
また、保護カバー5は、アーム部材11の一端部が取付板2の円板部2aに支持軸12を介して揺動自在に支持されており、支持軸12を支点にして揺動することによって、カバー4の操作穴4aを内方側から開閉できるようになっている。
即ち、保護カバー5は、閉鎖位置(図2の実線位置)と開放位置(図2の一点鎖線位置)とに亘って開閉自在となっている。
【0033】
更に、保護カバー5は、保護カバー5と押釦スイッチ3のスイッチ本体3bとの間に介設した圧縮コイルスプリング6の弾性力にカバー4の操作穴4aを内方側から塞ぐように付勢保持されている。
【0034】
そして、保護カバー5は、カバー4の操作穴4aから押釦スイッチ3側へ押し込まれ、押釦スイッチ3の押釦3aを押し込んで押釦スイッチ3がONの状態になったときに、取付板2の円板部2aに設けた復旧用釦(図示省略)に係止されて開放位置で保持されるようになっている。
【0035】
また、保護カバー5は、復旧用釦を操作すると、保護カバー5と復旧用釦との係止が外れ、圧縮コイルスプリング6の弾性力により開放位置から閉鎖位置へ揺動するようになっている。これと同時に押釦スイッチ3も、OFFの状態に復帰することになる。
【0036】
前記応答確認灯7は、取付板2の収納部2b前面側に設けられて端子台8のプリント基板に接続されており、通常は消灯している。この応答確認灯7は、押釦スイッチ3が押されて発信操作がされたときに点灯し、操作者に発信操作が行われたことを知らせるためのものである。
【0037】
前記発光器具9は、カバー4の外周縁部の内方に形成した環状の収納空間Sに配設されており、カバー4の外周縁部を環状に発光させて位置表示灯として機能させるものである。
【0038】
即ち、発光器具9は、電気回路を組み込んだ環状の基板9aと、基板9aの前面に取り付けた複数の発光ダイオードから成る発光体9bとから構成されており、取付板2の円板部2aの前面側に取り付けられてリード線(図示省略)を介して端子台8のプリント基板に接続され、押釦スイッチ3の押し込みに関係なく、常時点灯状態となっている。
【0039】
また、発光器具9への給電には、非常電源(図示省略)が使用されており、停電時等でも発光器具9へ給電できるようになっている。
【0040】
尚、図示していないが、前記位置表示灯付発信機1には、受信機側との通話を行う電話線ジャックが設けられており、消防士が携帯している受話器を電話線ジャックに接続して受信機と通信することができるようになっている。
【0041】
而して、上述した位置表示灯付発信機1は、図3に示すように透光性部材により形成した円形皿状のカバー4の外周縁部をカバー4の内方に配設した発光器具9により環状に光らせるようにしているため、発信機の位置を明確に示すことができ、発信機の正面からは勿論のこと、発信機の側方からも明確に視認することができ、視認性を大幅に向上させることができる。
【0042】
また、この位置表示灯付発信機1は、カバー4の外周縁部が位置表示灯として機能するため、独立した位置表示灯を必要としない。その結果、この位置表示灯付発信機1は、位置表示灯を設置していたスペースが不要となり、設置に必要なスペースを縮小することができる。
【0043】
更に、この位置表示灯付発信機1は、発光器具9の発光体9bに複発光ダイオードを使用しているため、寿命が大幅に伸びると共に、高信頼性、低消費電力、低発熱性に優れたものとなる。
【0044】
1は位置表示灯付発信機
2は取付板
2aは環状の円板部
2bは凹状の収納部
3は押釦スイッチ
3aは押釦
3bはスイッチ本体
4はカバー
4aは操作穴
4bは隔壁
5は保護カバー
6は圧縮コイルスプリング
7は応答確認灯
8は端子台
9は発光器具
9aは環状の基板
9bは発光体(発光ダイオード)
10は消火栓ボックス
10aは取付穴
11はアーム部材
12は支持軸
Sは環状の収納空間

(57)【要約】

【課題】発信機自体に発信機の位置を表示するための灯火機能を設け、発信機の視認性を向上させると共に、設置に必要なスペースを縮小できるようにした位置表示灯付発信機を提供する。【解決手段】取付板2と、取付板2に設けられ、押釦3aが前面側を向く押釦スイッチ3と、取付板2にその前面側を覆うように取り付けられ、押釦スイッチ3用の操作穴4aを形成した円形皿状のカバー4と、カバー4の操作穴4aに対向して配置され、操作穴4aを開閉する保護カバー5とを備え、消防設備に使用する発信機において、カバー4を赤色に着色された透光性部材により形成すると共に、カバー4の外周縁部の内方にカバー4の外周縁部を環状に発光させる発光器具9を配設し、カバー4の外周縁部を位置表示灯として機能させる。


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