(54)【考案の名称】建物用基礎構造

(51)【国際特許分類】

E02D 27/01 ・浅い基礎

(73)【実用新案権者】ミサワホーム株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、建物用基礎構造に関する。

【従来の技術】

【0002】
近年、この種の建物用の布基礎は、建物の構築領域の地盤を連続的に掘削して形成された根切り部に、予め工場等でブロック状に成形されたプレキャストコンクリート製の基礎部材(以下、これをPC基礎と称す)を順次配列することにより造られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる特許文献1のPC基礎は、両端部が平面コ字形状の開口を有する連結部とされた形状をなしており、その本体部分を形成する第1部材と、この第1部材に接合されて連結部を形成する第2部材とで構成されている。この第2部材は平板形状に成形されており、第1部材の端部付近に厚み方向に突設された突部を介してボルト締結されることにより、PC基礎の端部に平面コ字形状の開口を有する連結部を形成するようになっている。そして、一対のPC基礎を、その連結部同士を突き合わせるように配列し、これら連結部間にコンクリートを打設して結合させることで布基礎を構築している。
【0004】

【効果】

【0025】
本考案によれば、予め工場等で成形されたプレキャストコンクリート製の基礎部材を順次配列して構築される建物用基礎構造において、コスト増を招くことなく、基礎部材同士の連結強度を容易に強化できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本考案の一実施形態に係る建物用基礎構造を構築する建物用基礎部材の連結部を示し、(a)はその要部を示す平面図、(b)はそのA−A線断面を示す断面図である。
【図2】建物用基礎の施工方法の説明に供する説明図である。
【図3】建物用基礎部材同士の連結における接合態様を種類別に示す表である。

【0027】
以下、本考案に係る建物用基礎構造の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1および図2に示すように、かかる建物用基礎構造としての布基礎1は、建物の構築領域で地盤を連続的に掘削(布掘り)して形成された根切り部(不図示)に、PC基礎10が順次配列されることによって構築されている。この根切り部のコーナー部および所定位置には、それぞれベース部30が設置されており、これらベース部30,30間にPC基礎10が架設されることによって、布基礎1が構築されるようになっている。
【0028】
このベース部30は、根切り部に載置される敷きモルタル21と、当該敷きモルタル21上に敷設されるプレキャストコンクリート製の底盤22(以下、これをPC底盤22と称す)とを有している。このPC底盤22はレベルプレートとも呼ばれ、補強鉄筋(図示せず)を内部に有して強化されたコンクリート板であるため、建築現場で補強鉄筋をこのベース部30上に配設する作業を省略できる。また、このPC底盤22は上面が滑らかな平面になっており、PC基礎10を架設するときに、この上面に位置合わせのための墨出しを行うことが可能となっている。
【0029】
また、このベース部30を根切り部に設置するときには、このベース部30の設置位置に敷きモルタル21の山を載置し、この敷きモルタル21の山を潰すようにしてPC底盤22を載置する。そして、このPC底盤22を掛矢等で叩いて所定の高さで上面がほぼ水平になるよう調整作業を行なう。なお、この作業は、水糸や水準器やレーザー光線による水準装置等を用いて水平レベルおよび高さを確認しながら行なう。
【0030】
次に、こうして設置されたベース部30,30間に架設されるPC基礎10について説明する。かかるPC基礎10は、予め工場においてブロック状に成形されたプレキャストコンクリート製の基礎部材である。このPC基礎10には、大別すると、長手方向の両端部に連結部11が形成されたものと、一方の端部には連結部11が形成され、他方の端部には側方に向けて突出した矩形状の突出部13(後述する図3参照)が形成されたものとの二種類がある。後者の突出部13を有するPC基礎10は、主に建物の隅部に配置される。
【0031】
具体的にPC基礎10は、上端面に建物を載置して支持するもので、内部に図示しない補強用の鉄筋が埋設されてコンクリートによって所定の厚さで直方体状に形成されている。このように形成されていることから、図2に示すように、ベース部30、30間に架設されると、根切り部の地盤から所定間隔をあけて所定空間を形成した状態で設置されることとなる。
【0032】
また、PC基礎10の両端部に形成されている連結部11は、肉厚が厚くなって、長手方向の外方に向けた開口11aを有することにより平面コ字形状に成形されてなる。かかるPC基礎10,10同士を直線状に接合するときには、それぞれの連結部11,11を対向させて設置する。このとき、これら連結部11,11を突き合わせることによって形成される開口11a,11aの空間内には、接合用の配筋材3(以下、これを接合筋3と称す)が上方から挿入配置される。これにより、連結部11,11間における連結強度の強化を図るようになっている。そして、その後、現場打ちコンクリート(不図示)が打設され、このコンクリートの養生によって、隣接するPC基礎10,10同士を強固に連結するようになっている。なお、接合筋3の詳細については後述する。
【0033】
因みに、ここでは便宜上図示省略するが、PC基礎10の下方には、当該PC基礎10を地盤に対し鉛直に支持しながら設置するためのフーチング部が、当該PC基礎10と一体または別体で設けられている。前者の場合、フーチング部は、PC基礎10と同様に予め工場等にてPC基礎と一体に成形される。また、後者の場合、フーチング部は、上述した根切り部のベース部30,30間に配筋材を配設し、この配筋材上にPC基礎10を載置した後、現場打ちコンクリートによって、PC基礎10の下方に別体で成形される。
【0034】
ここで、上記フーチング部がPC基礎10と一体で成形される場合、当該PC基礎10の下端部には、下方へ向けて先細りとなる不図示の傾斜面(テーパ)が形成されていることが好ましい。このテーパは、PC基礎10を地盤に固定する際、当該PC基礎10の下方に一体で設けられるフーチング部に、PC基礎10の一方の側面側からコンクリートを打設したとき、このコンクリートが他方の側面側へと流れ込み易くするためのものである。すなわち、例えば、建物の内側からコンクリートを打設すれば、外側にもコンクリートが流れ込むこととなる。よって、外側からのコンクリート打設作業を省略できる。これにより、PC基礎10における建物の外側面が、打設したコンクリートによって汚されることを未然に防止できるようになる。加えて、テーパを設ける分、PC基礎10の軽量化を図ることができるため、施工に使用するクレーン等の重機を小型化できるなど施工性にも優れている。
【0035】
また、上記フーチング部がPC基礎10と別体で成形される場合、当該PC基礎10の下端部には、上記テーパに替えて、下方に向けた切欠状の窪みからなるシアーキーが形成されていることが好ましい。このシアーキーは、PC基礎10の下端側における両側面にそれぞれ長手方向に沿って設けられることが好ましい。これにより、コンクリートを打設して硬化させることでPC基礎10を地盤に固定した後、当該PC基礎10に鉛直方向下方への力が作用した場合、かかるシアーキーによって打設コンクリートに対する引っ掛かりができるため、剪断力に対する抵抗力が増す効果が期待できる。
【0036】
さらに、建物の構築領域において隅部となる出隅位置に設置されるPC基礎10は、出隅側に位置する一方の端部に突出部13を有していることが好ましい。この突出部13は、基礎出隅のコーナー部において、他方のPC基礎10における連結部11と直角に接合されるため、一方のPC基礎10の出隅側の端部に出隅に沿って長手方向の軸に直角に突出して形成されるものである。
【0037】
その結果、この突出部13によって、出隅側の端部に直角な外面角部13a(後述する図3のL−1タイプ参照)が形成されることとなり、この外面角部13aは上記一方のPC基礎10を設置した状態で、出隅角部に相当することとなり、この外面角部13aを基準とすることにより、容易に対角寸法を測定することが可能となる。
【0038】
そして、この突出部13の前端面からは、接合筋3の一方の端部側が突出して(すなわち、接合筋3の他方の端部が突出部13の前端面内に埋設され)ており、この接合筋3を、対向して配置される他方のPC基礎10の連結部11に挿入し、この連結部11にコンクリートを打設、養生し固化したときに、PC基礎10,10同士がしっかりと結合されるようになっている。
【0039】
なお、PC基礎10は、予め工場で表面が処理された状態となっている。また、PC基礎10の全体形状としては、長手方向における少なくとも一方の端部が上記連結部11とされていれることを除いて各種形状のものを適用可能とする。
【0040】
ここで、本実施形態の場合、図1(a)および(b)に示すように、PC基礎10は、開口11aを含む平面コ字形状の連結部11に対し、当該連結部11の厚み方向に貫通される貫通手段33を備えている。この貫通手段33は、ボルト33aや不図示のナット等からなり、連結部11の開口11a内に配置された接合筋3のうち、少なくとも一対の横配筋31,31間における上方側であって、当該上方側の横配筋31における水平方向の両端部間に位置するように配置される。この場合、連結部11には、前述した位置に応じて一方の側面11b側から開口11a内へ貫通する貫通孔34が貫設されていると共に、他方の側面11c側の開口11a内における上記貫通孔34の延長線上には、貫通孔34を貫通して配置されるボルト33aと螺合するナット(不図示)を埋設するための穴35が穿設されている。
【0041】
因みに、本実施形態におけるPC基礎10の場合、開口11a内の他方の側面11c側には、対向する一方の側面11bに向けて突出する複数(この場合、3つ)の凸部24aが、当該開口11aの内方側から上記外方側に亘って延在するように設けられている。このため、開口11a内の他方の側面11c側において、凸部24a以外の部位(例えば、隣接する凸部24a,24aによって挟まれた当該凸部24a,24aを連結する部位など)は、凸部24aよりも窪んだ底面部24bとなっている。従って、上述のごとく打設されたコンクリートが、凸部24aと底面部24bとによる凹凸に絡まり、凸部24aが形成されない場合と比較して上方への抜けが抑制される分、連結部11,11間の連結強度を増すことができる。
【0042】
また、これら凸部24a…は、上記開口11aの内方側から外方側へ向けた両側部および、これら両側部を結ぶ開口11aの入口部分に位置する最外部に、上記一方の側面11b側に対峙する天面25a側から底面部24b側へ向けて下り方向のテーパ状に傾斜する傾斜部25b,25cが設けられていることが好ましい。さらに、これら凸部24a…は、開口11aの内方側から外方側へ向けて先細りとなるように、当該開口11aの外方側よりも内方側が幅広に設定されていることが好ましい。加えて、これら凸部24a…は、開口11aの内方側から外方側へ向けて厚みが薄く(突出量が少なく)なるように、上記天面25a自体が底面部24b側へ向けて下り方向に傾斜していることが好ましい。
【0043】
このように、凸部24a…に各種傾斜を設けることで、開口11a内に打設されるコンクリートが流れ込み易くなり、気泡ができることなく細部にまで行き渡らせることが可能となる。すなわち、コンクリートの打設作業における作業効率を格段と向上させることができる。しかも、凸部24a…は、上述のように先細りとなるように、開口11aの外方側よりも内方側が幅広に設定されているので、PC基礎製造時に連結部11を成形する作業において、当該開口11aを形成するための型枠が抜け易くなる分、作業性が向上し、製造効率の向上を図ることができる。
【0044】
また、これらPC基礎10を連結する際に、連結部11,11を突き合わせることによって形成される開口11a,11aの空間内に上方から挿入配置される接合筋3は、連結部11の開口11a内における垂直方向の上下に離間した位置に配置され、各々水平方向に延在する一対の横配筋31,31と、これら一対の横配筋31,31間に配置され、当該横配筋31,31同士を垂直方向に連結する縦配筋32と、を有している。
【0045】
このとき、接合筋3は、少なくとも上方側の横配筋31における連結部11の開口11a内に位置する端部が、縦配筋32側に向けて曲折されてなるフック状の引掛部31aとされ、貫通手段33が、引掛部31a近傍に配設されていることが好ましい。
この場合、連結部11の開口11a内に配置された接合筋3が、この開口11a内から抜け出ようとしても、当該貫通手段33が引掛部31aに引っ掛かったり、上下一対の横配筋31,31に当接したりすることで、当該開口11a内から抜け出ることを未然に防止できる。
【0046】
また、貫通手段33は、連結部11に配置された接合筋3のうち、一対の横配筋31,31間における上方側および下方側の各横配筋31,31における水平方向の両端部間にそれぞれ配設されていることが好ましい。この場合、連結部11の開口11a内に配置された接合筋3が、この開口11a内から抜け出ようとしても、当該開口11a内の上下に一対で設けられた横配筋31,31と貫通手段33とが当接することで、当該開口11a内から抜け出ることを確実に防止できる。
【0047】
さらに、接合筋3は、上方側および下方側の横配筋31,31における連結部11の開口11a内に位置する端部が、それぞれ縦配筋32側に向けて曲折されてなる引掛部31aとされ、貫通手段33が、上方側および下方側の各引掛部31a近傍にそれぞれ配設されていることが望ましい。
【0048】
この場合、連結部11の開口11a内に配置された接合筋3が、この開口11a内から抜け出ようとしても、上方側および下方側の各引掛部31aに貫通手段33が引っ掛かることで、当該開口11a内から抜け出ることをより確実に防止できる。しかも、このとき、貫通手段33と各引掛部31aとがより近接した位置関係であれば、連結部11の開口11a内において接合筋3が動いたり、位置がずれたりすることも防止できる。よって、接合筋3を連結部11の開口11a内に最適な状態で配設することができ、当該接合筋3によるPC基礎10同士の連結強度を最大限に発揮させることができる。
【0049】
加えて、接合筋3は、一対の横配筋31,31間の水平方向における所定の離間した位置に一対の縦配筋32,32が配置され、貫通手段33が、少なくとも一対の縦配筋32,32間に配設されていることが望ましい。
この場合、連結部11の開口11a内において、接合筋3が水平方向に移動することも抑制できる。
【0050】
このように、かかるPC基礎10では、連結部11の開口11a内に接合筋3を配置してから当該連結部11に貫通手段33を配設することが可能となっているため、PC基礎10の連結部11に対して連結強度の強化を図る接合筋3を配置することが容易となる。
このとき、連結部11は当該PC基礎10の長手方向の外方に向けた開口11aを有することによって平面コ字形状に成形されている。つまり、連結部11は従来と比して開口11aが平面コ字形状に一体で成形されている。従って、連結部が第1部材と第2部材とをボルト締結するように別体成形された従来品と比較して部品点数を低減でき、コストを抑えることができる。しかも、一体成形されている分、ボルト締結するための作業工数も削減できる。
【0051】
また、PC基礎10は開口11aを含む平面コ字形状の連結部11に対し、当該連結部11の厚み方向に貫通される貫通手段33を備えているので、連結部11の開口11a内にコンクリート4を打設することによって、当該開口11aの厚み方向に生じる剪断応力に対して効果的な補強を図ることができる。
【0052】
ここで、かかるPC基礎10,10同士の連結における接合態様について、図3を参照しながら説明する。なお、ここでは、便宜上、貫通手段33の図示は省略する。また、以下に説明するPC基礎10の接合態様は一例であって、これに限られるものではない。
図3に示すように、PC基礎10,10同士の接合態様としては、大きく分けてI形接合,L形接合,T形接合,X形接合の4種類が挙げられる。
【0053】
PC基礎10,10同士を直線上に連結するI形接合には、上記連結部11,11同士を対向させるI−1タイプと、連結部11と上記突出部13が設けられる端部とを対向させるI−2タイプとがある。前者の場合、連結部11,11同士が対向することによって、開口11a,11によって形成される空間に接合筋3がインサートされ、連結強度が向上されている。また、後者の場合、接合筋3の一方の端部側が突出部13を有するPC基礎10の端部内に埋設され、接合筋3の他方の端部側が対向するPC基礎10の連結部11の開口11a内にインサートされ、連結強度が向上されている。
【0054】
PC基礎10,10同士をL字状に連結するL形接合には、連結部11と突出部13とを対向させるL−1タイプと、連結部11と当該連結部11や上記突出部13が設けられていない端部の側部とを対向させるL−2タイプとがある。前者の場合、接合筋3の一方の端部側が突出部13内に埋設され、接合筋3の他方の端部側が対向するPC基礎10の連結部11の開口11a内にインサートされ、連結強度が向上されている。また、後者の場合、PC基礎10の端部内に接合筋3の一方の端部側が埋設され、接合筋3の他方の端部側が対向するPC基礎10の連結部11の開口11a内にインサートされ、連結強度が向上される。なお、このようなL形接合は、建物の隅部に配置されている。
【0055】
複数のPC基礎10…をT字状に連結するT形接合には、以下の4タイプがある。まず、連結部11,11同士を対向させ、これら対向する連結部11,11間に、もう一つの連結部11を直交させるT−1タイプがある。この場合、対向する連結部11,11同士の開口11a,11による空間に接合筋3がインサートされると共に、この接合筋3に直交して、もう一つの連結部11の開口11a内に一方の端部がインサートされた接合筋3の他方の端部が係合されることで、連結強度が向上されている。
【0056】
次に、連結部11と上記突出部13が設けられる端部とを直線上に対向させると共に、当該突出部13ともう一つの連結部11とをL字状に対向させるT−2タイプがある。すなわち、このT−2タイプは、上述したI−2タイプとL−1タイプとを組み合わせたものである。この場合、PC基礎10の端部内に接合筋3の一方の端部側が埋設され、接合筋3の他方の端部側が対向するPC基礎10の連結部11の開口11a内にインサートされると共に、もう一つの接合筋3における一方の端部側が突出部13内に埋設され、この接合筋3の他方の端部側が対向するPC基礎10の連結部11の開口11a内にインサートされることで、連結強度が向上されている。
【0057】
また、PC基礎10の端部以外の部位に連結部11を直交させるT−3タイプがある。この場合、PC基礎10内に接合筋3の一方の端部側が埋設され、接合筋3の他方の端部側が、直交するPC基礎10の連結部11の開口11a内にインサートされることで、連結強度が向上されている。
さらに、上述したT−3タイプにおけるPC基礎10の端部以外の連結部11が直交する仕口部分に窪み部10aが設けられ、当該窪み部10aに上記直交する連結部11を嵌合させるT−4タイプがある。この場合、PC基礎10の窪み部10a内に接合筋3の一方の端部側が埋設され、接合筋3の他方の端部側が、上記直交するように嵌合されるPC基礎10の連結部11の開口11a内にインサートされることで、連結強度が向上されている。
【0058】
複数のPC基礎10…をX字状(すなわち、十字状)に連結するX形接合には、以下の3タイプがある。まず、PC基礎10の端部以外の部位の両側に、それぞれ連結部11を直交させるX−1タイプがある。すなわち、このX−1タイプは、上述したT−3タイプを2つ組み合わせたものであり、さらに換言すれば、2つの連結部11,11が対向配置される上述したI−1タイプの当該連結部11,11間に、他のPC基礎10が介在された形状をなしている。この場合、対向配置されるPC基礎10,10の各連結部11,11の開口11a,11内に接合筋3,3の一方の端部が各々インサートされ、これら接合筋3,3の他方の端部が、それぞれPC基礎10内に埋設されることで、連結強度が向上されている。このとき、対向配置される連結部11,11のうちの一方が、直交する仕口部分に窪み部10aが設けられ、当該窪み部10aに当該直交する連結部11を嵌合させる、すなわちT−4タイプと、上記T−3タイプとを組み合わせたX−2タイプもある。
【0059】
また、上述のT−2タイプに更にPC基礎10を加え、上記突出部13に連結される連結部11に対向するように、当該突出部13の反対側に新たなPC基礎10の連結部11を連結させるX−3タイプがある。この場合、新たに加えられたPC基礎10は、その連結部11における開口11a内に接合筋3の一方の端部側がインサートされ、他方の端部側が上記突出部13の反対側となる端部内に埋設されることで、連結強度が向上されている。
【0060】
以上、説明したように、本実施形態の布基礎1を構築するPC基礎10によれば、PC基礎10の連結部11に配設される接合筋3が、連結部11の開口11a内における垂直方向の上下に離間した位置に配置され、各々水平方向に延在する一対の横配筋31,31と、これら一対の横配筋31,31間に配置され、当該横配筋31,31同士を垂直方向に連結する縦配筋32と、を有している。また、PC基礎10は開口11aを含む平面コ字形状の連結部11に対し、当該連結部11の厚み方向に貫通される貫通手段33を備えており、この貫通手段33は、連結部11に配置された接合筋3のうち、少なくとも一対の横配筋31,31間における上方側であって、当該上方側の横配筋31における水平方向の両端部間に位置するようにした。従って、このPC基礎10では、連結部11に接合筋3を配置してから当該連結部11に貫通手段33を配設することができるため、PC基礎10の連結部11に対して、連結強度の強化を図る接合筋3を配置することが容易となる。
【0061】
このとき、連結部11は当該PC基礎10の長手方向の外方に向けた開口11aを有することによって平面コ字形状に成形されている。つまり、連結部11は従来と比して開口11aが平面コ字形状に一体で成形されている。従って、連結部11が第1部材と第2部材とをボルト締結するように別体成形された従来品と比較して部品点数を低減でき、コストを抑えることができる。しかも、一体成形されている分、ボルト締結するための作業工数も削減できる。
【0062】
また、PC基礎10は開口11aを含む平面コ字形状の連結部11に対し、当該連結部11の厚み方向に貫通される貫通手段33を備えているので、連結部11の開口11a内にコンクリートを打設することによって、当該開口11aの厚み方向に生じる剪断応力に対して効果的な補強を図ることができる。
かくして、このPC基礎10では、コスト増を招くことなく、PC基礎10,10同士の連結強度を容易に強化できる。
【0063】
なお、本考案は、上述した実施形態に限定されることなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜、種々の改良および設計の変更が可能である。
【0064】
例えば、上述した実施形態においては、接合筋3が上下一対の横配筋31,31と、これら一対の横配筋31,31間に設けられ、これら横配筋31,31同士を連結する一対の縦配筋32,32とによって構成する場合について図示して説明したが、本考案はこれに限られることはない。すなわち、接合筋3において、縦配筋32は横配筋31,31間に設けられていれば、1本であっても一対であっても、またはそれ以上設けられていても良い。
【0065】
1…布基礎(建物用基礎構造)
10…PC基礎(建物用基礎部材)
11…連結部
11a…開口
13…突出部
21…敷きモルタル
22…PC底盤
24a…凸部
24b…底面部
25a…天面
25b,25c…傾斜部
30…ベース部
3…接合筋(接合用の配筋材)
31…横配筋
31a…引掛部
32…縦配筋
33…貫通手段
33a…ボルト
34…貫通孔
35…穴

(57)【要約】

【課題】建物用基礎構造において、コスト増を招くことなく、PC基礎同士の連結強度を容易に強化できるようにする。【解決手段】長手方向の端部が外方に向けた開口11aとなる平面コ字形状の連結部11を有するPC基礎10を順次配列し、この連結部11の開口11a内に、垂直方向の上下に離間した位置に配置され、各々水平方向に延在する一対の横配筋31,31と、これら横配筋31,31同士を垂直方向に連結する縦配筋32とからなる接合筋3を配置する。このとき、連結部11の開口11a内に配置された接合筋3のうち、少なくとも一対の横配筋31,31間における上方側であって、その水平方向の両端部間の位置に、連結部11の厚み方向に貫通する貫通手段33を配設するようにして、隣接するPC基礎10,10同士を連結するようにした。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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