(54)【考案の名称】光ケーブル

(73)【実用新案権者】日星電気株式会社

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、主に放射能の除染作業の結果確認に使用される、光ケーブルに関する。

【従来の技術】

【0002】
2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第1原子力発電所の事故により、放射能漏れが発生し、周辺地域に放射能汚染の被害が発生した。現在、放射能を除去する除染作業が進められている。
【0003】
除染作業後の残留放射能を測定する方法として、非特許文献1、2に記載されたような、シンチレーションファイバを使用した線量測定器が試験的に使用されている。これは放射線に反応してシンチレーションファイバが発光する特性を利用したものであり、シンチレーションファイバの発光による光信号を光電変換器で電気信号に変換し、放射線量を測定する。
【0004】
この線量測定器を使用して放射線を計測する際、非特許文献1に記載されたように、検出部(シンチレーションファイバ)を台車で移動させて計測するという方法が行われることがある。このような使い方をする際、台車の移動に伴ってシンチレーションファイバに振動が発生する。
【0005】
特許文献1、2に記載されているように、光ファイバに振動が発生すると、光ファイバを通る信号光にノイズが発生することが知られている。
検出部を台車で移動させる放射線計測方法においてこの振動によるノイズは避けられず、特に微弱な放射線を計測する際、得られた信号が放射線によるものかノイズによるものか判別が困難であり、計測の障害となっている。
【0006】
また、特許文献3に記載されたように、シンチレーションを利用した放射線計測器において、振動に起因する構成部品同士の摩擦によって静電気が発生し、静電気が放電する際に発する放電光がノイズとして検出される現象も知られている。
先述のように、地上を光ケーブルで掃引する放射線計測方法は光ケーブルに振動が発生し、シンチレーションファイバとこれを収容する保護管との間で摩擦が発生して静電気が帯電し、その放電光がシンチレーションファイバに伝搬することによるノイズも計測の障害となっている。
【0007】
【非特許文献1】日本原子力研究開発機構 福島技術本部 平成24年5月28日付プレスリリース「プラスチックシンチレーションファイバを用いた線量測定器の実用化(商品化)に向けて」
【非特許文献2】日本原子力研究開発機構 福島技術本部 平成24年6月7日付プレスリリース「プラスチックシンチレーションファイバ(PSF)を用いた放射線量測定器とステッキ型放射線量測定器(γプロッタH)の放射線測定試験を公開」

【0008】

【効果】

【0012】
本考案の光ケーブルにあっては、以下に記載した優れた効果が期待できる。

(1)光ケーブル内において、シンチレーションファイバが保護被覆で覆われ、さらに保護管に収容されているため、光ケーブルに発生した振動がシンチレーションファイバに伝わりにくくなり、ノイズが低減される。

(2)シンチレーションファイバが保護被覆で覆われるため、摩擦によって発生する静電気の放電光がシンチレーションファイバに伝搬されず、静電気によるノイズが低減される
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本考案の光ケーブルの断面図である
【図2】本考案の光ケーブルの他の実施例の断面図である
【図3】本考案によるノイズ低減効果を示すグラフである

【0014】
以下、本考案の基本的構成を、添付図面を参照しながら説明する。
図1において、1が本考案の光ケーブル、2はシンチレーションファイバ、3は保護被覆、4は保護管、5は外装管である。
本考案で特徴的なことは、シンチレーションファイバ2に保護被覆3を設けたものを、保護管4に通した上で、光ケーブル1の外装管5に通したことである。
【0015】
シンチレーションファイバ2は保護被覆3で覆われ、さらに保護管4に通されているため、光ケーブル1に振動、すなわち外装管5に衝撃等が発生しても、その振動・衝撃が直接シンチレーションファイバ2に伝達されることがなくなり、シンチレーションファイバ2自体の振動が抑制される。結果、シンチレーションファイバ2に発生するノイズが低減され、微弱な放射線による信号をより明確に検出することができる。
【0016】
加えて、シンチレーションファイバ2は保護被覆3で覆われているため、振動によって保護被覆3と保護管4の間で摩擦が生じ、静電気が発生し、これが放電しても、その放電光がシンチレーションファイバ2に伝搬することが無いため、静電気によるノイズも低減される。
【0017】
本考案に使用するシンチレーションファイバ2は1本だけでも良いし、必要に応じて複数本使用しても良い。
複数本使用する場合は、図2に示したように、それぞれのシンチレーションファイバ2に保護被覆3を設けたものを束ね、1本の保護管4に通して光ケーブル1を構成する。
【0018】
保護被覆3の材料は特に限定されるものではなく、従来使用されているものの中から適宜選択して使用すれば良いが、本考案においてはポリエチレンを使用するのが特に好ましい。
ポリエチレン被覆によって十分な振動緩和効果が得られ、安価な材料であるため光ケーブルのコスト上昇を抑えることができる。
【0019】
保護管4の材料は弾性材料とするのが好ましい。弾性材料とすることで高い振動緩和効果が得られる。
【0020】
弾性材料は特に限定されるものではなく、従来使用されているものの中から適宜選択して使用すれば良いが、本考案においてはシリコーンゴムを使用するのが特に好ましい。
高い弾性を有するシリコーンゴムを使用することで、より効果的に振動緩和効果を得ることができる。
【0021】
以下、本考案の光ケーブルの実施例を示す。
【0022】
コア径1.9mm、クラッド外径2mmのシンチレーションファイバに外径が3mmとなるようポリエチレン製の保護被覆を施し、20mに切り出したものを7本準備した。
【0023】
保護管として内径10mm、肉厚1mmのシリコーンゴムチューブを準備し、準備した7本の保護被覆付きシンチレーションファイバを束ねて保護管に通した。
【0024】
外装管として、PVCを被覆し、内径16mm、外径21mmとなったステンレス製のスパイラル管を準備し、これにシンチレーションファイバを通した保護管を通し、両端に信号処理器接続用のコネクタを設けて全長20mの光ケーブルを作成した。
【0025】
以上のように作成した光ケーブルを市販の信号処理器に接続し、振動試験を行った。
振動試験の方法として、光ケーブルの一部を超音波洗浄機に浸漬し、超音波によって強制的に振動させ、発生するノイズを検出する方法を使用した。
【0026】
全長20mの光ケーブルの、中間部にあたる4〜16mの範囲を超音波洗浄機に浸漬し、超音波振動を与えた。
比較サンプルとして、作成した本考案の光ケーブルから保護被覆と保護管を省略した光ケーブルも作成し、同様に振動試験を行った。
【0027】
図3に示すように、比較サンプルは超音波振動を与えると、振動の影響を受けやすい場所で大きいノイズが発生したが、本考案を使用した光ケーブルはこのノイズの値が小さくなり、保護被覆と保護管による振動の抑制効果が得られていることが確認できた。
【0028】
以上の例は、本考案の一例に過ぎず、本考案の思想の範囲内であれば、種々の変更および応用が可能であることは言うまでもない。例えば、本考案の光ケーブルは、計測の目的に応じて途中で分岐させて構成しても良い。
【0029】
1 光ケーブル
2 シンチレーションファイバ
3 保護被覆
4 保護管
5 外装管


(57)【要約】

【課題】放射線計測に用いられるシンチレーションファイバを使用した光ケーブルにおいて、計測作業時などに発生する振動を抑制し、ノイズを低減することで、放射線計測精度を向上させる光ケーブルを提供する。【解決手段】保護被覆3を有するシンチレーションファイバ2を保護管4に通し、さらにこれを外装管5に通して光ケーブル1を構成することで、シンチレーションファイバに伝わる振動を軽減させる。


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