(54)【考案の名称】コンプレッションインナーショーツ

(73)【実用新案権者】マクダビッドジャパン株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、着用者の骨盤、臀部、股関節の安定した動きをサポートするコンプレッションインナーショーツに関する。

【従来の技術】

【0002】
この種のショーツとしては、例えば、米国特許第6,430,752号公報に開示のものが知られている。米国特許第6,430,752号公報に開示のものは、発明名称「圧縮シヨーツ」に係り、「負傷した人に使用され」、「複数の伸縮自在素材の紐からなり、これらの紐を斜めに互いに逆方向に巻きシヨーツの形を作り、負傷した腹部、鼠径部、脚部の筋肉の望ましくない動きを抑える」ことを特徴とするとするものである(米国特許和文抄録文献番号:6,430,752参照)。
【0003】
図5は、米国特許第6,430,752号公報に図1(Fig.1)として開示される圧縮シヨーツの発明の一実施例を示す側部透視図である。図5において、105は、ショーツ、106は、ショーツ前部、107は、ショーツ後部、108は、左縫い目である(なお、符号は、先行技術であることを明らかにするために、本願出願人において、百番台の3桁に変更して説明した。)。
【0004】
図5から明らかなように、当該米国特許第6,430,752号公報に開示の圧縮ショーツは、「(a)ショーツ前部とショーツ後部、前記前後ショーツが左右の縫い目で互いに取り付けられ、(b)下向きに横切って前記左側継ぎ目の上部から前記右側継ぎ目の下部まで前方部に延びる第一の複数の繊維弾性帯と、(c)下向きに横切って前記右側継ぎ目の上部から前記左側継ぎ目の下部まで前方部に延びる第二の複数の繊維弾性帯と、(d)下向きに横切って前記左側継ぎ目の上部から前記右側継ぎ目の下部まで後部部分に延びる第三の複数の繊維弾性帯と、及び(e)下向きに横切って前記右側継ぎ目の上部から前記左側継ぎ目の下部まで後部部分に延びる第四の複数の繊維弾性帯、からなる」ものである(同クレーム1の記載等参照)。
【0005】
すなわち、当該米国特許第6,430,752号公報に開示の圧縮ショーツは、概略、次のような特徴を有するものである。
(a)負傷した人に使用。
(b)複数の伸縮自在素材の紐を斜めに互いに逆方向に巻いてショーツの形を作る。
(c)腹部、鼠径部、脚部の筋肉の望ましくない動きを抑える。
(d)左右の縫い目で連結。
(e)伸縮紐は左右上部から40〜50°の角度で下方向へ伸び、前部後部で交わる。
(f)個々の紐幅は2〜4インチ。
【0006】
このような(a)〜(f)の特徴を有する米国特許第6,430,752号公報に開示の圧縮ショーツではあるが、上記構成からなる米国特許第6,430,752号公報に開示の圧縮ショーツは、骨盤を前後から圧迫するだけの構造のものであり、また、固い素材の紐を巻き付けているため着用時にごわつき感などが生じる等の欠点を有する。
【0007】
このような欠点に対処するものとして、例えば、実用新案登録第3183358号公報に開示のものが知られている。実用新案登録第3183358号公報の開示は、考案名称「骨盤矯正用パンツ」に係り、「装着しやすくまた、装着感に優れた骨盤矯正用の下着を提供する」ことの発明解決課題において(同公報明細書段落番号0011参照)、「長手方向に伸縮自在の環状に構成されたゴムベルトと、前記ゴムベルトの下端に縫製された下腹部及び臀部を被覆する身頃部と、左右の大腿部を独立して通す脚筒部とを備え、前記ゴムベルトで画定された穿き口から左右両脚を脚筒部にそれぞれ通すことによって装着する下半身用下着であって、着用者の股部から臀溝に沿い、大転子に対応する位置を通って腹前部において前記ゴムベルトに連結される緊締部を有し、前記ゴムベルトは、腸骨の腸骨稜から寛骨臼までの間の領域を被覆する程度の幅寸法を有し使用者の骨盤を矯正可能な緊締力を持って骨盤周りに囲繞装着」とする構成により(同公報実用新案登録請求の範囲の請求項1の記載等参照)、「・・骨盤矯正機能を持たせ、さらに容易に装着できるようにすることができ、・・・臀部のプロポーション補正の機能を持たせることができ、・・また、・・腰の位置がずれることなく緊締部の位置ずれなどを起こすことがなく、・・また、・・発汗時のムレを抑制することができ、・・さらに、・・動作がしやすくなる」等の効果を奏するものである(同公報明細書段落番号0018〜0021参照)。
【0008】
図6は、同公報図4として開示される同公報開示の考案の下半身用下着の第1実施形態にかかる男性用ブリーフと骨盤との位置関係とを示す模式図である。図6において、201は、男性用ブリーフ、202は、身頃部、203は、ゴムベルト、250は、腸骨稜、251は、寛骨臼、252は、腸骨である(なお、符号は、上記同様、先行技術であることを明らかにするために、本願出願人において、二百番台の3桁に変更して説明した。)。すなわち、当該実用新案登録第3183358号公報に開示の骨盤矯正用パンツは、概略、次のような特徴を有するものである。
【0009】
(g)日常生活にて生じる骨盤のゆがみを正しい位置へ導く骨盤矯正用下着。
(h)ゴムベルト位置が腸骨稜の上端よりも低い位置からとし、身頃部(大腿部)寸法は一般のトランクスよりも短い。
(i)ゴムベルトは腸骨が外側へ開くことを抑制できる位置に配置され、腰部への係止用とともに骨盤サポートバンドとして機能する。
(j)ヒップアップ用緊締部は、後ろ身頃股部、盤溝、大転子、前身頃腹前部である。
このような(g)〜(j)の特徴を有する実用新案登録第3183358号公報に開示の骨盤矯正用パンツは、前記骨盤中央部と大腿付け根部のみのサポートに限られ、また、前記ゴムベルト203位置が前記腸骨稜250上端よりも低い位置に配されるため、スポーツ時のような激しい動きを伴う際の着用には向かないものである。
【0010】
本願考案者は、スポーツ時にも着用可能で、スポーツ時の着用でそれぞれの競技パフォーマンスをサポートするだけでなく、人体の股関節や鼠径部周辺を負傷した際のメディカルサポートとしても使用可能なコンプレッションインナーショーツについて、種々検討を重ねるうちに、怪我の予防や、怪我の際の緊急措置、アスレチック・リハビリテーション時、運動フォーム矯正等の目的で多用されるテーピング法に基づき、これらのテーピング法と同様の効果を期待でき、かつ、簡易に着用できる形状・構造のコンプレッションインナーショーツを案出するにいたった。
【0011】
すなわち、テーピング法とは、粘着非伸縮性テープや粘着伸縮性テープ、弾性包帯等を人の体の関節や身体部位に巻いたり貼ったりして、ケガの予防、再発予防、筋機能の改善、疼痛抑制、関節矯正等の効果を狙って行われる施術療法である。
特に、人体の股関節や鼠径部周辺に対する股関節テーピング法としては、次のような図7−図10に示すものが知られている。
【0012】
図7−図10は、人体の右股関節に対するテーピングの概略を示す図(図7は、巻き付け開始、図8は、腰巻き付け、図9は、大腿部再巻き付け、図10は、腰部巻き付け終了)であり、弾性包帯を右大腿部から巻き始め、腰まで巻き付けて人体股関節を固定する概略を示している。図7−図10において、260は人体、261は巻き付ける弾性包帯である。
【0013】

【効果】

【0016】
本考案によれば、次のような効果を有する。
(1)スポーツ時にも着用可能で、スポーツ時に着用しても固定部にズレが生じることがなく、むしろ、それぞれのスポーツのパフォーマンスをサポートすることができる。
(2)人体の股関節や鼠径部周辺を負傷した際には、当該位置を固定するメディカルサポートとして機能し、メディカルサポートの効果を発揮することができる。
(3)股関節が緩むことによるブレを抑制することができ、このために左右から股関節に圧迫をかけることができる。
(4)大転子部に他部位よりも強く圧迫を掛けることができ、骨盤・股関節の安定をサポートできる。
(5)着用に違和感が少なく、また、各部位に対し、包み込むようなフィット感覚が得られる。
(6)骨盤全体と大腿部を覆うことにより広範囲のサポートを可能とする。
(7)テーピング法の知識や技術がない者でも履くだけでその効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、実施例1に係るコンプレッションインナーショーツ1の正面概略図、
【図2】図2は、同背面概略図、
【図3】図3は、左側面概略図、
【図4】図4は、人体骨位置との関係で、本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1が人体各骨位置に対し、どのような圧迫力を加え、人体骨位置を固定ないし安定させる概略を示す人体骨位置対応図、
【図5】図5は、米国特許第6,430,752号公報に図1(Fig.1)として開示される圧縮シヨーツの発明の一実施例を示す側部透視図、
【図6】図6は、実用新案登録第3183358号公報に図4として開示される同公報開示の考案の下半身用下着の第1実施形態にかかる男性用ブリーフと骨盤との位置関係とを示す模式図、
【図7】図7は、人体の右股関節に対するテーピングの概略図(巻き付け開始)、
【図8】同(腰巻き付け)、
【図9】同(大腿部再巻き付け)、
【図10】同(腰部巻き付け終了)。

【0018】
本考案に係るコンプレッションインナーショーツを実施するための一実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【0019】
図1−図3は、本考案に係るコンプレッションインナーショーツを実施するための一形態の実施例1を示す図であり、そのうち、図1は、実施例1に係るコンプレッションインナーショーツ1の正面概略図、図2は、同背面概略図、図3は、左側面概略図である。
図1−図3において、符号1は、本実施例1に係るコンプレッションインナーショーツ、2は、本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1の本体部、3は、同帯状部、3aは、3層サポート部、4は、ゴムベルト、5aは、正面縫い目、5bは、背面縫い目である。
【0020】
図1−図3から明らかなように、実施例1に係るコンプレッションインナーショーツ1は、通気性に優れた伸縮性を有する素材からなる全体がショーツ形状の前記本体部2で構成される。したがって、実施例1に係るコンプレッションインナーショーツ1の前記本体部2は、着用時には人体の各部の形状に応じて伸縮して、高いフィット感を得ることができる。
【0021】
また、前記帯状部3は、前記本体部2と同様に通気性に優れた伸縮性を有する素材で構成され、前記本体部2よりも伸長性の小さい帯状の13.5〜16cm幅の布からなり、当該帯状部3が人体の腰部、大転子部、大腿上部、鼠径部、臀部、下腹部を覆うように巻き付け可能に形成される。
【0022】
すなわち、本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1の前記帯状部3は、前記背面縫い目5bから左右の臀部及び左右の各大腿部の外側を通って股下内側に抜け、さらに、股下内側から左右の各大腿部の外側及び臀部を通って前記正面縫い目5aに連なるように巻き付けられる。そして、当該帯状部3は、前記背面縫い目5bで前記本体部2に同幅で縫い付けられ、前記本体部2の前記正面縫い目5aに連なるまで当該帯状部3の両幅が前記本体部2に縫い付けられる。
【0023】
この結果、本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1の当該帯状部3は、人体の大転子部外側近傍で二重に巻き付けられる構造となる。つまり、人体大転子部近傍では、伸縮性のある前記本体部2が、1層目を形成し、その上に布状の伸縮性のある帯状部3が二度巻き付けられて、3層構造の前記3層サポート部3aが形成される構造となっている。
【0024】
すなわち、本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1は、前記本体部2のみの部分が1層構造を呈し、前記帯状部3が一度通っている人体の下腹部、鼠径部、臀部は、2層構造を、そして、布状の前記帯状部3が交差する大転子部外側近傍は3層構造の前記3層サポート部3aが形成される構造となる。これは、人体の各部位に対して圧迫力を異にする3層構造設計のコンプレッションインナーショーツ1ということができ、さらに、3層構造の前記3層サポート部3a近傍の部位の圧迫力が最も大きいことを意味する。これは、上述してきたような股関節や鼠径部の負傷時にアスレチックトレーナーが用いるテーピング法の考えに基づくものである。
【0025】
なお、本実施例1に係るコンプレッションインナーショーツ1では、前記帯状部3は、前記本体部2と同様に通気性に優れた伸縮性を有する素材で構成され、前記本体部2よりも伸長性の小さい帯状素材を使用したが、これは、前記本体部2と同等の伸長性の帯状素材であっても、前述の(1)〜(7)の効果を奏することができる限り、伸張性の相違は問われない。
【0026】
図4は、人体骨位置との関係で、本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1が人体各骨位置に対し、どのような圧迫力を加え、人体骨位置を固定ないし安定させる概略を示す人体骨位置対応図である。図4において、符号1〜5は、図1-図3に示す本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1及びその各部位であり、その余の6は、腰椎、7は、仙骨、8は、尾骨、9は、恥骨、10は、座骨、11は、腸骨稜、12は、腸骨、13は、大転子、14は、大腿骨である。
【0027】
図4から明らかなように、本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1では、前記本体部2よりも伸長性の小さい帯状の前記帯状部3が二重に形成される前記3層サポート部3aにより前記大転子13外側近傍が強く圧迫されることとなる。これは伸縮性の違いにより、本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1を人体にぴったりと密着させて着用することにより実現される。
【0028】
すなわち、人体下肢の動作に重要な役割を果たす股関節は、図4に示すような前記腰椎6、仙骨7、尾骨8、腸骨12、恥骨9、坐骨10からなり、体幹や下肢を連結し体全体を支える重要な部位であり、股関節が不安定となったり骨盤にゆがみが発生すると、身体のバランスが崩れ十分なパフォーマンスを発揮できないばかりでなく腰痛等の身体の不調を招くことなる。
【0029】
そこで、本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1では、3層となっている前記3層サポート部3で、前記大転子部14をしっかり圧迫し、股関節のずれやゆがみを抑制し、人体下肢のスムーズな動きをサポートすると共に、本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1では、通気性に優れ、吸汗速乾素材を使用することにより運動時にムレを感じず快適に着用でき、かつ、不快感や過剰な体温上昇などによるパフォーマンスの低下を抑制するようにしたものである。
【0030】
なお、上述してきた前記米国特許第6,430,752号公報(特許文献1)に開示の圧縮シヨーツは、単に骨盤を前後から圧迫するだけものであるが、本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1では、骨盤が開かないように、また、股関節が緩むことによるブレ(ズレ)を抑制することができるため、人体の左右からの圧迫力をかけることができる構造ということができ、大転子部位を圧迫する際の作用ないし機能が異なる。
【0031】
また、同実用新案登録第3183358号公報(特許文献2)に開示の骨盤矯正用パンツは、上述してきたように、骨盤中央部と大腿付け根部のみのサポートしかできないのに対し、本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1では、骨盤全体と大腿部を覆うことにより広範囲のサポートを可能とし、この点からもスポーツ時のような激しい動きを伴う際の着用においてもズレ等が生じることはない点でも、上述すると同様に人体を圧迫する作用ないし機能が異なると言うことができる。
【0032】
また、本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1は、テーピング法の理論から派生した構造、形状のものであるが、単に弾性包帯を巻き付けるに過ぎないテーピング法では、スポーツ等の激しい動きに対して、結局、弾性包帯位置にズレが生じることがあるが、本実施例1に係る前記コンプレッションインナーショーツ1では、激しい動きに対してもズレが生じにくく、テーピング法から出発するものではあるが、テーピング法より遙かに優れた作用・機能を有するということができる。テーピング法の知識や技術がない者でも履くだけでその効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本考案は、着用者の骨盤、臀部、股関節の安定した動きをサポートするコンプレッションインナーショーツに利用される。
【0034】
1 コンプレッションインナーショーツ
2 本体部
3 帯状部
3a 3層サポート部
4 ゴムベルト
5a 正面縫い目
5b 背面縫い目
6 腰椎
7 仙骨
8 尾骨
9 恥骨
10 坐骨
11 腸骨稜
12 腸骨
13 大転子
14 大腿骨
105 ショーツ
106 ショーツ前部
107 ショーツ後部
108 左縫い目
201 男性用ブリーフ
202 身頃部
203 ゴムベルト
250 腸骨稜
251 寛骨臼
252 腸骨
260 人体
261 巻き付ける弾性包帯


(57)【要約】

【課題】テーピング法の考えを取り入れ、スポーツ時にも着用可能で、スポーツ時に着用することでそれぞれの競技パフォーマンスをサポートするだけでなく、人体の股関節や鼠径部周辺を負傷した際のメディカルサポートとしても使用可能なコンプレッションインナーショーツを提供する。【解決手段】通気性に優れた伸縮性を有する素材からなる全体がショーツ形状の本体部2と、当該本体部と同様に通気性に優れ、かつ、本体部よりも伸長性の小さい又は同等の帯状素材が、当該本体部の背面縫い目から本体部の左右の人体臀部及び左右の人体大腿部の外側を通って人体股下内側に抜け、さらに、人体股下内側から左右の人体大腿部の外側及び人体臀部を通って正面縫い目5aに連なって形成されることを特徴とする。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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