(54)【考案の名称】固有識別情報設定構造およびその構造に使用する子局ターミナルと情報付与装置

(73)【実用新案権者】株式会社 エニイワイヤ

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、共通のデータ信号線を介して親局との間で制御・監視信号の伝送を行なう子局ターミナルに対し、信号の伝送に必要となる、各子局ターミナルに固有の識別情報(以下、固有識別情報という)を設定するための構造と、その構造に使用する子局ターミナルと情報付与装置に関するするものである。なお、共通のデータ信号線とは、子局ターミナルの複数が並列に接続され、更に親局がそれら複数の子局と並列に接続される信号線である。

【従来の技術】

【0002】
単一の制御部と複数の被制御装置(制御部の指示に応じて動作する被制御部と制御部に情報を送信するセンサ部とで構成されるもの)を備える制御システムにおいて、配線の数を減らす省配線技術がある。例えば、特開2002−271878号公報には、制御部及びデータ信号線に接続される親局と、データ信号線及び対応する被制御装置に接続される複数の子局を備えた制御・監視信号伝送システムが開示されている。
【0003】
上記制御・監視信号伝送システムでは、電源を含むクロック信号の線路に、各クロックに対応する1つ(1ビット)の制御信号やセンサ信号(被制御装置からの入力信号)を重畳する信号伝送方式が採用されている。その一方で、制御部及び被制御装置における入出力信号は、通常、パラレル形式となるため、これらパラレル形式の信号を、シリアル形式の信号に変換する必要がある。そこで、制御部における入出力信号のパラレル/シリアル変換を行なう親局と、被制御装置における入出力信号のパラレル/シリアル変換を行なう子局が配置されている。
【0004】

【効果】

【0021】
本考案に係る第一の固有識別情報設定構造によれば、子局ターミナルに取付けられた情報付与部が、その記憶手段に記憶された固有識別情報を子局ターミナルに引き渡すので、情報付与部を子局ターミナルに取付けるのみで、子局ターミナルに対する固有識別情報の設定を容易に行なうことができる。また、情報付与部は、子局ターミナルと別体の端末装置に対しても固有識別情報を引き渡すため、子局ターミナルと別体の端末を使用して固有識別情報を容易に確認することができる。更に、子局ターミナルが正常に動作しなくなった場合にも、子局ターミナルと別体の端末装置を使用して固有識別情報を抽出することが可能となる。
【0022】
情報付与部から子局ターミナルへの固有識別情報の引き渡しは、無接触で行なわれても良く、或は有接触で行なわれてもよい。すなわち、子局ターミナルが、情報付与部と電磁波の授受を行い固有識別情報を受取る読取手段を備えていれば、無接触で行なわれることになり、この場合は、情報付与部として公知のICタグを転用できる利点がある。また、情報付与部の記憶手段が、子局ターミナルの内部回路に対し有線接続する接続手段を有するものであれば、固有識別情報の引き渡しは有線接続で行なわれることになり、従来の子局ターミナルに複雑な通信回路を加えることなく、僅かな変更を加えるのみで適用できる利点がある。
【0023】
また、情報付与部が、アンテナで受信した電磁波の電力で動作する報知応答手段を備え、固有識別情報を含む応答要請信号への報知応答をするものであれば、前記端末装置等から応答要請信号を発するのみで、固有識別情報の確認を極めて容易に行なうことが可能となる。
【0024】
本考案に係る第二の固有識別情報設定構造は、第一の固有識別情報設定構造における情報付与部の固有識別情報を視認可能に表示したものであり、従って、別体の端末装置に固有識別情報を引き渡すことなく視認可能に表示するものとなっている。第一の固有識別情報設定構造と同様に、情報付与部を子局ターミナルに取付けるのみで、子局ターミナルに対する固有識別情報の設定を容易に行なうことができ、また、情報付与部を取り外して固有識別情報を容易に確認することができる。更に、子局ターミナルが正常に動作しなくなった場合にも、取り外して固有識別情報を抽出することが可能となる。固有識別情報を視認可能に表示する記憶手段としては、例えば、複数のアレイで構成されるスイッチ構造が好適である。
【0025】
情報付与部は、子局ターミナルと別体でもよく、或は子局ターミナルと一体としてもよい。なお、本考案に係る子局ターミナルは、情報付与部が一体となったものである。
【0026】
情報付与部は、子局ターミナルと一体であっても、子局ターミナルに対し脱着可能であることが好ましく、その場合、情報付与部の交換を容易に行なうことができる。また、情報付与部の記憶手段として書き換え可能なものを採用する場合は、情報付与部を子局ターミナルから取り外し、作業性の良い場所で固有識別情報の書き換えを行なうことができる。そのため、固有識別情報の設定が容易であることに加え、修正作業を容易に行なうことも可能となる。
【0027】
本考案に係る第一の情報付与装置は、記憶手段と、アンテナと、アンテナで受信した電磁波の電力で動作する演算処理手段を備え、記憶手段は、記憶手段に記憶された固有識別情報に対応する子局ターミナルの内部回路に対する接続手段を有するので、本考案に係る固有識別情報設定構造を、従来の子局ターミナルにわずかな改良を加えるのみで適用する場合に好適である。
【0028】
また、本考案に係る第二の情報付与装置は、記憶手段と、アンテナと、前記アンテナで受信した電磁波の電力で動作する演算処理手段と、前記電力で動作する報知応答手段を備え、前記固有識別情報を含む応答要請信号への報知応答をするため、子局ターミナルの固有識別情報の設定操作を容易にすることに加え、特に固有識別情報の確認が重要となる場合に好適である。
【0029】
更に、本考案に係る第三の情報付与装置は、公知のスイッチ構造を利用した簡易な構造でありながら、本考案に係る固有識別情報設定構造に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本考案に係る固有識別情報設定構造を有する子局ターミナルの実施例のブロック図である。
【図2】同子局ターミナルが使用される制御・監視信号伝送システムの構成図である。
【図3】端末装置のブロック図である。
【図4】子局ターミナルの他の実施例のブロック図である。
【図5】子局ターミナルの更に他の実施例のブロック図である。

【0031】
図1〜3を参照しながら、本考案に係る第一の固有識別情報設定構造を採用した第一の子局ターミナルの実施例について説明する。
まず、子局ターミナルが使用されている制御・監視信号伝送システムの構成について説明する。この制御・監視信号伝送システムは、図2に示すように、制御部5から隔れて配置されている被制御装置1を制御するためのものとなっている。制御部5には親局4が接続され、更に、親局4には共通のデータ信号線DP、DN(以下、共通データ信号線DP、DNとする)が接続されている。そして、子局ターミナル2の複数の各々が、被制御装置1の各々に対応して配置されるとともに、共通データ信号線DP、DNに接続されている。
【0032】
制御部5は、コンピュータ等であり、制御データ53を送出する出力ユニット51と、被制御装置の動作に関する監視データ54を受取る入力ユニット52を有する。そして、これら出力ユニット51と入力ユニット52が親局4に接続されている。
【0033】
親局4は、子局ターミナル2から送出された監視信号の監視データ54を制御部5に引き渡すとともに、所定のタイミング信号に基づき一連のパルス状信号を生成し、この信号を共通データ信号線DP、DNに送出している。以下、共通データ信号線DP、DNに送出される一連のパルス状信号を、伝送クロック信号というものとする。
【0034】
被制御装置1は、被制御部11と、被制御部11に関する監視を行なうセンサ部12とで構成されている。被制御部11とセンサ部12としては、例えば、アクチュエータと、そのシリンダ内ロッドの所定の位置に組み込まれた磁石の磁気量を検出する磁気センサが挙げられるが、これに限定されるものではなく、部品棚における取出指示表示と取出完了レバーなど、その他の構成であってもよい。
【0035】
子局ターミナル2は、筐体に、図示しないカードスロットを有している。そして、このカードスロットには、本考案の情報付与部に相当するICタグ3が着脱自在に挿入されている。また、子局ターミナル2は、ICタグ3の読取手段21を備え、更に、内部回路としてマイクロコンピュータ・コントロール・ユニットであるMCU23を備えている。
【0036】
ICタグ3は、アンテナ31と、ICチップ32を内包した公知の製品のものである。ICチップ32は、アンテナ31で受信した電磁波の電力で動作する演算処理手段としての機能と、子局ターミナル2に関するアドレス情報、型式情報、仕様情報等の固有識別情報を記憶する記憶手段としての機能を果たすものとなっている。
【0037】
読取手段21は、誘導アンテナ22を有し、ICタグ3と電磁波の授受を行い、ICチップ32に記憶された固有識別情報を受取るものとなっている。また、読取手段21は、MCU23の入出力部SIOに接続されており、ICタグ3から得た固有識別情報をMCU23に引き渡すものとなっている。なお、ICタグ3として、ICチップ32がデータの書き換えを許容するものを採用した場合には、MCU23から出力されたデータを、読取手段21を介してICチップ32に書き込むことも可能となっている。図1において、読取手段21の誘導アンテナ22と、ICタグ3のアンテナ31との間の矢線は、電磁波の授受を表している。
【0038】
MCU23は、図1に示すように、CPU、RAM、FROMを備え、FROMには子局ターミナル2で行なわれる一連の処理に必要なプログラムと、読取手段21から引き渡された固有識別情報が記憶される。また、RAMには、センサ部12から端子INDを介して得た検出データが記憶される。そして、CPUの演算機能を用いて、検出に必要な情報を得るための処理が行なわれるものとなっている。ただし、FROMは、書き換えが可能な不揮発性のメモリである。
【0039】
MCU23における処理を説明すると、まず、入力端子CKから入力される、共通データ信号線DP、DNの伝送クロック信号の1周期毎に割り当てられたアドレスをカウントする。そして、MCU23はそのカウントにより得られたデータ値(以下アドレスカウント値という)が、固有識別情報の一つである自局アドレスと一致すると、伝送クロック信号のタイミングに応じて、RAMに保持している検出データに相応する信号を自局の監視データ信号の重畳タイミングとして、出力端子OUTからトランジスタTRのベースへ出力する。具体的には、検出データが”on”(センサ部12が検出対象を検出したことを示す内容)であれば、トランジスタTRがonとなり、電流が流れることで電圧が降下し、電圧レベルが0V近辺となり、その信号が共通データ信号線DP、DN上に伝送される。また、MCU23は、アドレスカウント値が自局アドレスと一致する伝送クロック信号のタイミングで得られる制御データに応じた信号を、パラレル出力端子OUTDを介して被制御部11に出力する。
【0040】
ICタグ3のICチップ32に記憶されている固有識別情報は、子局ターミナル2と別体の端末装置6によって確認することができる。端末装置6は、誘導アンテナ61、入力部62、表示部63を備え、また、これらの制御を行なうMCU65を有している。なお、これらの構成は、いずれも公知の部品や回路で構成することができるため詳細な説明は省略し、以下、この端末装置6を使用して子局ターミナル2の固体識別情報を確認する方法について説明する。
【0041】
図3に示す端末装置6を使用して子局ターミナル2の個体識別情報の確認を行なうには、端末装置6の全体を子局ターミナル2に向い合わせて配置するだけでよい。このとき、誘導アンテナ61が、ICタグ3のアンテナ31と電磁波の授受を行い、固有識別情報を受取る。図1において、端末装置6と、ICタグ3のアンテナ31との間の矢線は、電磁波の授受を表している。受取った情報は、MCU65を介し表示部63に表示されるため、極めて容易に固有識別情報を確認することができる。しかも、ICタグ3のICチップ32は、端末装置6の誘導アンテナ61から発せられる電磁波の電力で動作するため、子局ターミナル2が正常に動作しなくなった場合にも、固有識別情報を抽出することが可能となる。
【0042】
ICタグ3は、また、報知応答手段として、表示素子33を備えている。この表示素子33は、アンテナ31で受信した電磁波の電力で動作するものとなっており、この表示素子33による応答を利用して固有識別情報を確認することができる。その場合は、まず、端末装置6の入力部62から、確認対象となる子局ターミナル2の固有識別情報を入力してから、装置全体を子局ターミナル2に向い合わせて配置する。このとき、誘導アンテナ61から発せられる電磁波は固有識別情報を含む応答要請信号となる。応答要請信号を受けたICタグ3では、ICチップ32が応答要請信号に含まれる固有識別情報と、自局に記憶されている固有識別情報の照合を行なう。そして、双方が一致すれば、応答要請信号への報知応答として表示素子33を点灯させる。表示素子33は、ICチップ32と同様に、端末装置6の誘導アンテナ61から発せられる電磁波の電力で動作するため、子局ターミナル2が正常に動作しなくなった場合にも、固有識別情報の確認を行なうことが可能となる。
【0043】
なお、応答要請信号への報知応答の方法は表示素子33の点灯に制限されるものではない。端末装置6の誘導アンテナ61から発せられる電磁波の電力で動作し、作業者が認識できるものであれば、その他の手法(音など)を採用することもできる。
【0044】
ICタグ3として、ICチップ32がデータの書き換えを許容するものを採用すれば、端末装置6を使用して、固有識別情報を書き込むこともできる。その場合、書き換えたい固有識別情報は、端末装置6の入力部62から入力すればよい。この際、ICタグ3を子局ターミナル2から取り外し、作業性の良い場所で固有識別情報の書き換えを行なうことができるため、固有識別情報の修正作業を容易に行なうことも可能となる。
【0045】
また、ICタグ3として、子局ターミナル2の内部回路に対し有線接続する接続手段を有するものを採用すれば、子局ターミナル2の読取手段21を省略することができる。図4に、ICタグと子局ターミナルの内部回路が有線接続される場合の実施例を示す。なお、図4において、図1〜3に示す実施例と実質的に同一の部分には同符号を付し、その説明を省略または簡略化するものとする。
【0046】
この子局ターミナル20は、筐体の外部に図示しないホルダーが設けられている。そして、そのホルダーにICタグ30が着脱自在に収容されている。ICタグ30が内包するICチップ32からは、アンテナ31とは別の信号線34が延びており、その端部は、子局ターミナル2の筐体に設けられた端子を介し、子局ターミナル2のMCU23に接続されている。そして、MCU23は、この信号線34を介し、ICチップ32とデータの授受を行うものとなっている。このような子局ターミナル20は、読取手段を持たなくともICタグ30との固有識別情報の授受を行うことができるため、従来の子局ターミナルにわずかな改良を加えたものを転用できる。
【0047】
なお、この実施例においてICタグ30は、子局ターミナル2の筐体外部に取付けられているが、図1〜3に示す実施例のように、筐体に設けられたカードスロットに挿入されるものであってもよい。その場合、ICタグ30の信号線34が子局ターミナル2のMCU23に接続するための端子部は、カードスロットの内部に設ければよい。
【0048】
上記実施例においては、本考案の情報付与部としてICタグ3、或はICタグ30が採用されているが、これをスイッチ構造に代えることも可能である。図5に、情報付与部をスイッチ構造とした場合の実施例を示す。なお、図5において、図1〜4に示す実施例と実質的に同一の部分には同符号を付し、その説明を省略または簡略化するものとする。
【0049】
図5に示す子局ターミナル29の情報付与部39は、MCU23に対し着脱自在とされているスイッチ構造38で構成されている。この場合、スイッチ構造38で設定された固有識別情報のMCU23への引き渡しは、有線接続で行なわれることになる。なお、子局ターミナル29と別体の端末装置6に固有識別情報を引き渡す機能は有さないものの、スイッチ構造38で設定された情報であれば、子局ターミナル29が正常動作していない場合であっても、これを視認することができる。更に、情報付与部39を、子局ターミナル29から取り外すことができるため、視認や設定を行なうにあたり作業性の良い場所で、それら作業を容易に行なうことができる。
【0050】
上記何れの実施例においても、一つのターミナルにおいて被制御部11への制御データの出力と、センサ部12からの監視データの受け入れの双方が処理されているが、一つのターミナルがどちらか一つの処理のみを行なうものとしてもよい。例えば、被制御部11への制御データの出力処理のみを行なう子局出力ターミナルと、センサ部12からの監視データの受け入れ処理のみを行なう子局入力ターミナルの2種類のターミナルとしてもよい。
【0051】
1 被制御装置
2、20、29 子局ターミナル
3、30 ICタグ
4 親局
5 制御部
6 端末装置
11 被制御部
12 センサ部
21 読取手段
22、61 誘導アンテナ
23、65 MCU
28 アドレス設定スイッチ
31 アンテナ
32 ICチップ
33 表示素子
38 スイッチ構造
39 情報付与部
51 出力ユニット
52 入力ユニット
53 制御データ
54 監視データ
62 入力部
63 表示部

(57)【要約】

【課題】子局ターミナルの固有識別情報の設定操作や確認操作を容易にし、また、子局ターミナルが正常に動作しなくなった場合にも固有識別情報の抽出を可能とする、固有識別情報設定構造およびその構造に使用する子局ターミナルと情報付与装置を提供する。【解決手段】記憶手段と、アンテナと、アンテナで受信した電磁波の電力で動作する演算処理手段を備えた情報付与部が、記憶手段に記憶された固有識別情報に対応する子局ターミナル2に取付けられる。そして、情報付与部が、子局ターミナルおよび子局ターミナルと別体の端末装置6に、固有識別情報を引き渡す。情報付与部を子局ターミナルに着脱自在とし、固有識別情報を視認可能に表示してもよい。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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