(54)【考案の名称】移動式電源供給装置

(51)【国際特許分類】

H01L 31/042

(73)【実用新案権者】株式会社トーア

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
この考案は移動式電源供給装置に関し、特にはソーラパネルを利用して発電可能な移動式電源供給システムに関する。

【従来の技術】

【0002】
従来の固定電源からの電力供給により点灯する屋外灯は、電力費の高騰や再生可能エネルギーの利用促進等の観点から見直されつつある。近年では、太陽光発電システムを利用した独立型の照明器具が屋外灯として設置されることが多くなっている。災害等により電力供給が断たれた場合にも、太陽光発電システムを利用した照明器具であれば、照明が可能であるため緊急時にも有用である。しかし、太陽光発電のためのソーラパネルは、効率よい発電のために支柱の高い位置に取り付けられることが多いことから、施工費用が高額となってしまう。
【0003】
また、太陽光発電システムにより発電した電気を蓄電池に充電し、その電力により光源を点灯る装置が提案されている(特許文献1参照。)。同文献の装置は出車表示等を行う出車表示装置である。この出車表示装置は、キャスタを設けた台板上に、支柱と、この支柱上部に設置した出車表示器と、支柱内部に蓄電池とを備えており、支柱表面に太陽電池が設けられている。小型の蓄電器に充電した電力を使用することから、キャスタを移動させることができ、出車表示装置を設置する場所が制限されない。また、太陽光発電システムにより蓄電池に充電された電力を使用するため、継続使用によるコストが小さくなる。
【0004】
しかし、特許文献1等に提案されている装置によると、大きさの点から常時移動性には不向きであった。また、太陽電池の向きを適切に変更しにくいため、発電効率を十分に高めることが難しかった。
【0005】

【効果】

【0012】
請求項1の考案に係る移動式電源供給装置は、手押し部を有する台車と、前記台車の台板から垂直に立設した支柱と、仰俯角に回動可能な仰俯角調整部を介して前記支柱の先端に設置されたソーラパネルと、前記ソーラパネルで発電した電力を充電する蓄電池と、前記ソーラパネルにおける発電及び前記蓄電池への充放電を制御する制御部とを備えたことから、陽光発電システムにより発電された電気をいったん蓄電することにより必要時に電力供給を可能とし、さらに移動を容易とすることによって利便性を高めることができる。
【0013】
請求項2の考案は、請求項1の考案において、前記台板に照明灯が設置され、該照明灯と前記蓄電池が接続されているため、外部の電力供給に依存することなく、任意の場所で照明として利用することができる。
【0014】
請求項3の考案は、請求項1又は2の考案において、前記ソーラパネルが、前記仰俯角調整部と仰俯角に直交する左右角に回動可能な左右角調整部を介して前記支柱の先端に配置されているため、ソーラパネルを左右に傾けることができ、太陽の位置に合わせてソーラパネルの向きを自在に設定し、発電効率を高めることができる。
【0015】
請求項4の考案は、請求項1ないし3の考案において、前記仰俯角調整部に季節ごとの太陽の仰角度を示す仰角指示部を備えるため、季節による太陽の仰角の目安がわかりやすくなる。
【0016】
請求項5の考案は、請求項1ないし4の考案において、方位磁石が備えられているため、ソーラパネルの方向合わせが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本考案の一実施例である移動式電源供給装置を示す側面図である。
【図2】図1の移動式電源供給装置の要部拡大図である。
【図3】図1のソーラパネルを仰角に傾けた状態を示す側面図である。
【図4】図3の移動式電源供給装置の要部拡大図である。
【図5】図3のソーラパネルを右に傾けた状態を示す側面図である。
【図6】図5の移動式電源供給装置の要部拡大図である。

【0018】
本考案の移動式電源供給装置は蓄電池等を備え、さらにこの蓄電池への充電機能も備えた独立電源式の電源供給装置である。移動式電源供給装置10は、図1に示すように、手押し部71、台板72及びその下部に車輪73を有する台車70を備える。そこで、手押し部71を押すことにより簡単に移動することができる。台板72上にはソーラパネル20と、制御部50及び蓄電池60が備えられている。台板72下の車輪73には回動を制止するストッパー(図示せず)が取り付けられる。傾斜地に移動式電源供給装置10を設置する時に、台車70を安定して固定させることができる。
【0019】
ソーラパネル20は太陽電池21とその保持のための固定盤22から構成され、80cm×70cmの長方形の板状体である。そして、ソーラパネル20は台車70の台板72から垂直に立設する支柱30の上部に設置される。支柱30は60cm程度の高さにされる。ソーラパネル20の取付高が低くなるため、安定性が良くなる。また、ソーラパネル20の清掃がしやすくなることから、ソーラパネル20の太陽電池21表面の汚れによる発電効率の低下を防ぐことができる。
【0020】
図2は、図1に示す移動式電源供給装置10のソーラパネル20の裏面22の軸受け部23周辺を拡大した概略斜視図である。図2に示すように、支柱30とソーラパネル20の間には、ソーラパネル20を仰俯角Rに回動可能とする仰俯角調整部32を介在させ支柱30の先端31に設置される。さらにソーラパネル20を左右角r(図5,6参照)に回動可能とする左右角調整部33を介在させてソーラパネル20の固定盤22の軸受け部23に螺着されている。仰俯角調整部32と左右角調整部33は溶接等により固定される。仰俯角調整部32は支柱30の先端31に取付軸支部39により回動可能に軸着される。図示の例の取付軸支部39は、ボルトとナットの組み合わせとした。
【0021】
ここで、仰俯角Rとは、水平を基準とした上下方向の角度をいい、上向きの角度を仰角、下向きの角度を俯角という。ソーラパネル20の面方向と太陽光との対向角度を直角に近づけることにより、ソーラパネル20の太陽電池21に太陽光が直角に入射させることができる。すると、発電効率を高めることができる。太陽光の入光角度は季節ごとに変化するため、ソーラパネル20の仰角を適切に調整することにより、ソーラパネル20への太陽光の入射角度をほぼ直角にできる。
【0022】
太陽光の入射角は、夏至には高くなり冬至には低くなる。そのため、固定式の太陽光発電装置においては、平均的な太陽高度に合わせ、ソーラパネルの仰角を30度に設定されることが多い。本考案の移動式電源供給装置10のソーラパネル20では、請求項4の考案に規定し、図2に示すように、仰俯角調整部32に各月ごとの太陽の仰角度を示す仰角指示部80が備えられる。このため、太陽の位置の目安が判明しやすくなり、ソーラパネル20の角度調節は容易になる。結果的に、太陽光発電を効率的に行うことができる。また、仰俯角調整部32に指示線34を備えているため、より簡単に所望の角度への調節ができる。
【0023】
図3は、図1の移動式電源供給装置10のソーラパネル20が仰俯角調整部32により仰俯角Rに回動した状態を示す側面図である。図4は図3の軸受け部23周辺を拡大した斜視図である。仰俯角調整部32は支柱30の先端31に取付軸支部39により軸着されていることから、仰俯角R方向に回動可能である。このため、仰俯角調整部32の上部に取り付けられたソーラパネル20は仰俯角Rに対して角度調節が可能である。ソーラパネル20の向きを固定する場合には、取付軸支部39のボルトとナットを締め付けるだけでよく、簡単な作業で済む。
【0024】
さらに、仰俯角調整部32とともにソーラパネル20を仰俯角Rに直交する左右角rに回動可能にする左右角調整部33を介在させることにより、図5に示すようにソーラパネル20を左右に傾けることができる。本明細書において、左右角rは仰俯角Rに直交する角度を表す。左右角rは仰俯角調整部32の回動方向である仰俯角Rに対して直角方向の角度であり、左右角調整部33は仰俯角調整部32に対して直角に回動する。
【0025】
図6は図5の移動式電源供給装置10の軸受け部23周辺を拡大した概略斜視図である。請求項3の考案に規定し、図6に示すように、ソーラパネル20の固定盤22には軸受け部23が形成されている。軸受け部23は左右角調整部33と取付軸支部39を介して軸着されている。左右角調整部33によりソーラパネル20を左右角rに傾斜させることができるため、時間経過による太陽の方向の変化に合わせてソーラパネル20の向きを調節することができる。また、仰俯角R及び左右角rについてソーラパネルの20角度を自在に設定することができるため、設置箇所が限定される場合等、太陽光の入射角が制限される場合にもソーラパネル20を太陽の向きに合わせて微調整することができる。
【0026】
本考案の移動式電源供給装置10は外部に電源を供給する機能ほかに、同装置10自体に備えられた電気機器にも電源供給可能である。図示例の装置10には、照明機能が備えられ、照明装置としても利用される。すなわち、請求項2の考案に規定され、図1等に示すように、台板72の上部に照明灯40が設置され、この照明灯40に蓄電池60が配線接続される。照明灯40の発光部41には公知の電球やLED照明器具が備えられる。特に、LED照明器具は消費電力が少ないため、長時間の点灯に都合よく好ましく用いられる。
【0027】
照明灯40の発光部41が照らす範囲を広げるため、台板72に照明支柱42が取り付けられる。照明支柱42の高さは適宜ではあるものの、安定性の点からおおむね2ないし3mの高さである。照明支柱42は伸縮調節可能に形成してもよい。発光部41は、上下左右に角度変化可能に取り付けられているため、台車の動きが制限される場所等でも適切に照らすことができる。また、照明支柱42を回転可能に形成すれば、発光部41が照射できる範囲をより広くすることができる。このように、移動式電源供給装置10自体が照明灯40を備えているため、常設または臨時の街路灯等の照明機器としても利用することができる。
【0028】
本実施例においては、ソーラパネル20の太陽電池21で発電された電力は蓄電池60に充電される。そこで、蓄電池60からの外部装置(図示せず)への電力供給に加え、前出の照明灯40の発光部41への電力供給も行われる。この蓄電池60としては、鉛蓄電池、Liイオン電池、Ni−Cd電池等の各種の充放電可能な電池が用いられる。実施例では、充放電が容易であり安価かつ調達容易なことから、定格電圧12V、蓄電容量22Ah、最大充電電流6.6Aの鉛蓄電池が用いられる。
【0029】
照明灯40は、日中、ソーラパネル20により発電された電力の充電した蓄電池60から電力を使用するため、外部の電力源からの電力供給を必要としない。よって、移動式電源供給装置10は任意の場所に動かされて配置され、電源供給装置として利用される。特に、電源確保が難しい場所に適する。また、移動式電源供給装置10自体も照明機能を備えるため、緊急時、非常時等の屋外作業に好都合である。図1等の符号95は電気コードである。
【0030】
制御部50は、図1等に示すように、台板72上に設置され、ソーラパネル20の太陽電池21による発電量の制御、蓄電池60への充放電の制御が行われる。他に、照明灯40の点灯の制御、直流(DC)から交流(AC)への変換、交流電源の周波数(50/60Hz)の変換等の各種制御が行われる。従って、蓄電池60に充電された電力により、直流電源となる他、多くの電気製品に見られる交流電源としても活用される。例えば、照明、通信、情報機器等の非常電源として価値がある。図示しないが、蓄電池60にはAC100V用のコンセント、ヒューズ等が備えられる。なお、制御部50と蓄電池60とを一体化してもよい。
【0031】
一連の説明からよく理解されるように、ソーラパネル20の角度や向きは太陽光の入射角度に対応してきめ細かく調整することができる。そこで、より的確に方位を判断できるようにするため、請求項5の考案に規定するように、方位磁石90が備えられる。方位磁石90の設置場所は特段限定されないものの、方位の見やすさを考慮して、手押し部71に近い台板72上に設置される。このため、常に南中する方向を意識して台車70を動かしソーラパネル20の角度を調整しやすくなる。
【0032】
10 移動式電源供給装置
20 ソーラパネル
21 太陽電池
30 支柱
32 仰俯角調整部
33 左右角調整部
40 照明灯
41 発光部
50 制御部
60 蓄電池
70 台車
71 手押し部
72 台板
80 仰角指示部
90 方位磁石
R 方位角
r 左右角

(57)【要約】

【課題】太陽光発電システムにより発電された電気をいったん蓄電することにより必要時に電力供給を可能とし、さらに移動を容易とすることによって利便性を高めるともに、ソーラパネルの角度を簡便に調整することができる移動式電源供給装置を提供する。【解決手段】手押し部71を有する台車70と、台車の台板72から垂直に立設した支柱30と、仰俯角に回動可能な仰俯角調整部32と、仰俯角と直交する左右角に回動可能な左右角調整部33を介して支柱の先端に設置されたソーラパネル20と、ソーラパネルで発電した電力を充電する蓄電池60と、ソーラパネルにおける発電及び蓄電池への充放電を制御する制御部50と、方位磁石90とを備え、さらに台板に照明灯40を設置する。


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