(54)【考案の名称】書籍の被覆部材及び書籍

(73)【実用新案権者】竹田印刷株式会社

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、耐水性に優れると共に、地球環境の保護に適した書籍の被覆部材及び書籍に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
一般に、書籍の読者の多くは、電車による通勤や通学時間を利用して読書時間を確保しているため、書籍をバッグ等に収納し持ち運びすることは日常茶飯事である。
そのため、例えば、読書する際に書籍の種類を周囲に隠したい場合や、持ち運びの際に書籍に傷や汚れが付着しないように、書籍にブックカバー等の被覆部材を付ける読者は多い。
【0003】
しかしながら、ブックカバー等の被覆部材は一般的に紙製であるため、飲食物と共にバッグ等に収納された際には、書籍の被覆部材が吸水し書籍に浸透することにより、書籍の被覆部材、書籍共にやがて形状が変化し外観が損なわれてしまうという不具合がある。
さらに、紙資源を使用しているため、森林伐採により自然界における二酸化炭素吸収量を減少させると共に、使用済みの書籍の被覆部材はゴミとして廃棄され、焼却時には二酸化炭素を発生させてしまう。
特に韓国では、ゴミ減量運動が起こり、書店でブックカバーを付ける習慣が無くなる等、地球環境に対する取り組みは全世界にまで及んでいる。
そのため、今日においては、耐水性に優れ、かつ地球環境の保護に適した書籍の被覆部材を利用することが要請されている。
【0004】
このような観点から耐水性等の機能性を有する書籍の被覆部材として以下のような従来技術が存在する。例えば、特許文献1には、無機充填材を配合した熱可塑性樹脂により形成することで、樹脂の有する耐水性と、紙の有する隠蔽性、風合、折曲性、筆記性等の機能を兼ね備えたブックカバーが開示されている。
【0005】
特許文献2には、ビニルや軟質合成樹脂等の水を弾く素材により形成することで、水辺や浴室等の水に濡れやすい環境で読書する場合であっても、本全体を水に濡れることから防止できるブックカバーが開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2は、いずれも、ブックカバーとしての機能性を確保するための原料選定に止まっており、耐水性には優れている一方、地球環境を保護するという今日の要請に応えられるものではなかった。

【効果】

【0019】
請求項1記載の考案にあっては、書籍の被覆部材は、無機化合物は炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、マイカ、二酸化チタン、珪藻土、赤色ピグメント及びドロマイトが配合されると共に、合成樹脂はポリエチレンからなるシートにより形成されている。
したがって、上記書籍の被覆部材の製造工程において、原材料にパルプ等の紙資源を一切使用しないため、森林資源を保護することで地球温暖化の促進を抑止し、延いては地球環境を保護することができる。
【0020】
また、一般的に、白い紙を抄くためには、パルプを漂白するために漂白剤を使用する必要がある。しかし、上記書籍の被覆部材は、原料自体の白色度が高いため、上記漂白剤を使用する必要がなく、かつ防カビ性及び抗菌効果が高いため、安心して衛生的に取り扱うことができる。
さらに、紙を抄く際には、上記漂白剤の他に、酸性及びアルカリ性溶液を使用し、使用した化学薬品を大量の水で洗い流す必要がある。しかし、上記書籍の被覆部材は、上記化学薬品を使用する必要がなく、また、廃水が排出されないため、水質及び大気を汚染することを防止し、延いては地球環境を保護することができる。
【0021】
また、上記炭酸カルシウムが配合されていることから、上記シートを抄く際及び焼却する際において、紙製の書籍の被覆部材よりも二酸化炭素排出量が軽減されるため、地球温暖化の促進を抑止し、地球環境を保護することができる。
さらに、上記炭酸カルシウムには、塩化水素を中和する働きがあるため、上記書籍の被覆部材以外の廃棄物と共に焼却処理した際には、発生した塩化水素に反応して中和反応を起こす。その結果、大気汚染物質の発生を防止することができ、地球環境を保護することができる。
【0022】
また、上記ポリエチレンが配合されていることから、上記書籍の被覆部材は、耐水性に優れているため、水に濡れても形状が変化し難い。その結果、水が書籍に浸透することはなく、書籍の外観を良好に維持することができる。
さらに、引張強度や耐衝撃性にも優れているため、紙製の書籍の被覆部材よりも耐久性を有しており、長期間の使用が可能である。
【0023】
請求項2から4記載の考案にあっては、上記書籍の被覆部材は、主原料として上記炭酸カルシウムが60.0〜73.5%の配合率で配合されていると共に、副原料として上記ポリエチレンが18.0〜40.0%の配合率で配合されている。
したがって、上記書籍の被覆部材は、太陽光が照射された場合には、カルシウム粉末に分解される。カルシウム粉末は、地殻で5番目に多く存在する元素であることから、廃棄時には、土壌に回帰されることになる。
その結果、請求項1記載の考案の効果に加えて、廃棄時において二酸化炭素を発生させることなく、また、海中では二酸化炭素と化合して炭酸カルシウムを主成分とする堆積岩を形成し、大気中の二酸化炭素量を調節することで地球温暖化の促進を抑止し、地球環境を保護することができる。
【0024】
請求項5記載の考案にあっては、上記書籍は、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、マイカ、二酸化チタン、珪藻土、赤色ピグメント、ドロマイト及びポリエチレンの成分により形成された表表紙被覆部と、背表紙被覆部と、裏表紙被覆部とを備えている。
したがって、上記書籍そのものが耐水性や高引張強度、耐衝撃性を有することから、請求項1から4記載の考案の効果に加えて、書籍を持ち運ぶ際や書籍を取り扱う際に、ハードな状態での使用に耐え、上記書籍の外観を良好に維持した状態で収納し持ち運びすることができる。

(57)【要約】

【課題】耐水性に優れると共に、製造時及び廃棄時において地球環境の保護に適した書籍の被覆部材及び書籍を提供する。【解決手段】書籍の表表紙を被覆する表表紙被覆部11と、表表紙に隣接した背表紙を被覆する背表紙被覆部12と、背表紙に隣接した裏表紙を被覆する裏表紙被覆部13とを備え、無機化合物及び合成樹脂が配合されたシートにより形成された書籍の被覆部材において、無機化合物は炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、マイカ、二酸化チタン、珪藻土、赤色ピグメント及びドロマイトが配合されると共に、合成樹脂はポリエチレンからなる。


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