(54)【考案の名称】軽量建材運搬機

(73)【実用新案権者】株式会社梶商会

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、建物の外壁材及び内装材等の板材(若しくはパネル材)を、その使用前に仮置きされた状態から外壁材及び内装材を作業者が実際の取付場所迄運搬するための運搬機に関する。

【従来の技術】

【0002】
従来、建築現場等において積層状態の壁パネルを上部のものから1枚ずつ把持して起立させ、建築物の所定位置に立掛け設置する場合、クレーン等を用いるのが一般的であったが、建築現場によっては、スペース的制約等からクレーン設置が困難な場合がある。このため、床面上で移動できる台車上に壁パネル取上げ用治具を設け、比較的狭い床面積でも容易に壁パネルを取上げて立掛け設置できるようにした壁パネル取付け装置が種々開発されている(例えば、特許文献1)。ここでは、板状態を保持する保持手段と、該保持手段を回動させる回動手段と、保持手段を俯仰させる俯仰手段と、保持手段を昇降させる昇降手段と、保持手段を前後進させる前後進手段と、保持手段を左右動させる左右動手段とを走行台車に設け、該走行台車を天井と床とに固定する固定手段を設け、前記諸手段の駆動操作手段を設けることが開示されている。
【0003】
しかしながら、クレーンがないからといっても、上記走行台車は種々の装置を保持するので、巨大化し、またコストも莫大なものになる。特に、他建材物及び副資材等が多数床等に仮置きされている、スペースの狭い場所では、実質使用できない。
【0004】
一方、建物の外壁材や内装材をエアー2輪台車や4輪台車というような構造体で運ぶことも提案されているが、上記外壁材や内装材は板状の部材であるため、台車への載置が容易でないばかりか、載置しても安定性が低く、一人で搬送することが難しい。更に、このようなエアー2輪台車や4輪台車は、上記の走行台車に比べればはるかに小さいが、やはり、雑然と物が置かれ得る現場では、大きすぎる場合がある。また、エアー2輪台車や4輪台車より小型のU型3輪台車という運搬機を使用する場合であっても、運搬機が小さくなった分だけ、大型の板材を搬送するには、不安定になりやすく、一人作業が困難である。
【0005】

【効果】

【0016】
本考案による、運搬システム及び運搬機は、以上のような特徴を有するため、小型かつ軽量であり、一人作業であっても板状の部材を所定の位置に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本考案の実施例の運搬機を示す斜視図である。
【図2】本考案の実施例の運搬機を示す側面図である。
【図3】本考案の実施例の運搬機を示す背面図である。
【図4】本考案の別の実施例の運搬機を示す側面図である。
【図5】本考案の別の実施例の運搬機を示す背面図である。
【図6】本考案の更に別の実施例の運搬機を示す正面図である。
【図7】本考案の更に別の実施例の運搬機を示す断面図である。
【図8】本考案の更に別の実施例の運搬機を示す背面図である。
【図9】本考案の実施例の運搬システムを示す模式図である。

【0018】
以下、図面を参照しつつ、本考案の実施例について詳しく説明するが、これは本考案を理解するために記述されるのであって、本考案の範囲を限定するものではない。
【0019】
図1から図3は、本考案の実施例の運搬機を示す斜視図、側面図、及び背面図である。運搬機10は、側面視において、ほぼ直角三角形(例えば、直角二等辺三角形)を呈する三角柱(短辺側を下に倒した態様)の斜辺に対応するこの三角柱の側面を開口し開放した開口部を持つ本体を備え、その中に隅空洞を備える。また、この本体の図中の側部に1対の回動可能な車輪34、36を備える。該本体は、前記開口部が水平から約45度の角度で上向きに開口する。図中この本体の底板12には、回動自在に保持する車軸45を、該本体の底板12に備えられた1対の軸受け突起44、46の各々に設けられた軸受け(ベアリング)に挿通して備える。前記車輪34、36は、この車軸45に支持されて備えられる。本体は、この底板12の両側部に略垂直に立ち上がる側板14、16を備える。更に、底板12の背面側の辺からほぼ垂直に立ち上がる背板18を備える。
【0020】
これら、底板12、側板14、16、及び背板18は、それぞれの交わる辺において、溶接されてもよく、或いは、曲げによりこのような辺を形成してもよい。これらの底板12、側板14、16、及び背板18は、金属製(鉄製、鉄系合金製、ステンレス製)であってもよく、いわゆるエンジニアリングセラミックス、及び高分子材料(合成樹脂を含む)からなってもよい。これらの底板12、側板14、16、及び背板18は、中身の詰まった板状の形状をしているが、軽量化等を目的に、1又は複数個所に穴をあけておくことができる。或いは、各板の板面を実質的に確保できるのであれば、フレーム材、或いは、当て木のような小片かならる部材を適宜組み合わせて用いることができる。
【0021】
これらの底板12、側板14、16、及び背板18の内側(開口部側)には、それぞれライニング部材22、24、26、28が取り付けられている。このライニング部材22、24、26、28は、後述するように挿入される板状の部材の角部を確実に保持し、また、部材を損傷しないようにクッションとして機能する。そのため、例えば、エラストマーのような有機材料で作成されることが好ましい。また、クッション性を重視する場合は、発泡材料を用いることもできる。
【0022】
前記車輪34、36は、開口部を正面に見る位置からみれば、左右対称にそれぞれ備えられてよい。また、それぞれの車輪34、36の外周面は、図2に示すように、底板12よりも下側にBだけ突出しており、背板18よりも背面側にAだけ突出している。このように、底板12又は背板18の少なくとも一方よりも下側又は背面側に突出することが好ましい。これら底板12又は背板18が床等に直接接触しないようにするため、車輪34、36の外周の外周面が少なくとも一方又はそれぞれが突出することが好ましい。車輪34、36は、空気入りのタイヤであることが好ましい。それぞれの軸受けは、ボールベアリングであることが好ましい。また、一本の車軸に両車輪34、36が固定される必要がないことも言うまでもない。それぞれの車輪が独立に回転自在に備えられることが好ましい。また、運搬機として安定的に機能できるのであれば、車輪は別様の構成であってもよい。例えば、1つの車輪だけであってもよく、側板の外側以外の場所に備えられてもよい。両側板の間に備えられてもよい。
【0023】
図4及び図5は、本考案の別の実施例の運搬機を示す側面図及び背面図である。運搬機100は、図1から図3に示すのとほぼ同じ構造及び形状を備える。唯一の違いは、背板19の略中央やや下側に、矩形の開口部21を備え、側面視で下向きV字形状のてこ部材110を備えることである。このてこ部材110は、背板19側に突出する押し板112と、V字形状の交わり部に配される回転軸115と、この回転軸を受ける軸受け(ベアリング)を持つ、前記開口部21を水平方向に横切って等価な水平位置に配される1対の背板突起114、116と、V字形状の他方の押し部材である押し片118とを備える。これにより、後述するように、前記運搬機100の本体に挿入される板状の部材の側面を押し、当該運搬機100の脱装を容易にすることができる。
【0024】
図6から図8は、本考案の更に別の実施例の運搬機を示す正面図、断面図、背面図である。運搬機150は、図1から図3に示すのとほぼ同じ構造及び形状を備える。即ち、側面視において、ほぼ直角三角形(例えば、直角二等辺三角形)を呈する三角柱の斜辺に対応する側面を開口し開放した開口部を持つ本体を備え、その中に隅空洞を備える。該隅空洞は、該本体を構成する底板172、該底板の両側辺に略垂直に立ち上がる側板154、156、該底板172の背面側辺に略垂直に立ち上がる背板178により規定される。尚、この実施例においては、ライニング部材が設けられていない。
【0025】
この本体の図中の側部に1対の回動可能な車輪184、186が備えられる。該本体は、前記開口部が水平から約45度の角度で上向きに開口する。前記底板172及び前記背板178が結合される角部には、前記車輪184、186を指示する車軸195を挿通するベアリング部194が備えられる。前記車輪184、186の夫々の外周面の最下部(床に接触する部分)は、前記底板172の下面より下側に突出している。前記底板172の下面から第1スタンド部材173が略垂直に下方に延び、前記車輪184、186の夫々の外周面の最下部と同様に床に接触することができる。この第1スタンド部材173は、本体が車軸195の周りを回転し図7の断面図において右下に傾くことを、防止することができる。このように、前記第1スタンド部材173は、自重を支え、前記底板172の受け面を略水平に保持することが可能である。この受け面は、必ずしも水平である必要はないが、後述するように、対象となる矩形の板状の部材の下方の何れかの角部に装着する際に、当該運搬機が簡単に移動しない(逃げない)だけ十分に水平であることが好ましい。即ち、当該運搬機に、前記矩形の板状の部材の下方の何れかの角部を仮置きしたときに、該角部が前記底板172の受け面を滑り、当該運搬機が移動しないことが好ましい。前記底板172及び前記背板178は樹脂で構成されてよいが、それらの隅空洞の反対側には、リブ155が立てられており、重量増を防止しつつ、それぞれ前記底板172及び前記背板178の機械的強度を補強する。
【0026】
この運搬機150は、開口面に垂直な面に対して略対称であり、前記底板172と前記背板178は、同様の機能を備えている。即ち、図7の断面図において、当該運搬機150が略90度左側に回転した場合、前記第1スタンド部材173と同じ機能及び構造を備える第2スタンド部材179が前記背板178に対して備えられる。即ち、後述する運搬時において、前記底板172と前記背板178は、互いに置換可能に用いられることができる。
【0027】
この運搬機150に、図1から図3の第1実施例のようにライニング部材を備えてもよく、また、図4及び図5の第2実施例のように、脱装手段である脱装部材を構成するてこ部材110を備えてもよい。
【0028】
図9は、本考案の運搬システムを図解する模式図である。図中、複数の板状の部材302が、並んでいるように示されているが、これは1つの板状の部材302が、それぞれ如何に状態を変化させながら運搬されるかを示すものである。従って、実際には、板状の部材302が、1つずつ、仮置きされた板状の部材の群300の位置から、右から左へと運搬され、最終的に、既に配置されている壁部材301(区別のためハッチングされているが、断面を示すものではない)の隣に、整列して配置される。
【0029】
本考案の運搬システム200は、レールとして使用される梁部材202と、この梁部材202に沿ってほぼ水平に移動可能な昇降装置204と、この昇降装置202により昇降可能な吊り下げ装置210と、これら昇降装置202及び吊り下げ装置210により板状の部材302が床面から離脱するところを、その下側の何れか一方の角部に装着される運搬機10(或いは100。以下同じ。)と、から構成される。前記吊り下げ装置210は、前記昇降装置202により巻き取られ得るチェーン部212と、その下端に備えられるフック部214と、かかるフック部214に投げ縄様に引っ張れば輪が締まるように掛けられたベルト216とからなる。板状の部材302は、その側面が粗面であるため、かかるベルト216が引っかかり易く、右から2番目の状態にあるように、昇降装置202を操作することにより、チェーン部212を巻き取ると、板状の部材302が床面から浮上する。この時、運搬機10を図中の矢印のように押すことにより、板状の部材302の図中右下角部に装着する。昇降装置202を更に操作し、ベルトの締結位置を板状の部材302の図中左側に偏らせることにより、若干左上に板状の部材302を持ち上げる。この時、作業者は、例えば、昇降装置202のリモコンにより片手でも操作できるので、他方の手で、この板状の部材302を支え、運搬機10に主要な荷重がかかるようにする。従って、運搬機10の取付から搬送状態にするまで、一人で行うことができる。このような斜めの状態にして、板状の部材302を左へと搬送する。このとき、昇降装置204は、梁部材202をレールとして、それに沿って移動する。従って、特に外部動力を用いることなく、上記作業者が左へと板状の部材302を押す又は引くことにより、容易に移動できる。
【0030】
所定位置まで、移動したら、そこで水平移動を停止し、昇降装置202を操作し、板状の部材302を若干下方に移動する。このようにして、他方の角部(ここでは、図中左側の角部)を所定の位置に仮置きするようにし、該左側角部を支点とし手で右側が持ち上がるように側片を押し、運搬機10を取り外す。このとき、図4及び図5に示すてこ部材110を使用することもできる。このてこ部材は、簡単な構造をしているので、作業者が履いている安全靴で押すことで容易に操作することができる。
【0031】
10、100、150 運搬機 12、172 底板
14、16、154、156 側板 18、19、178 背板
21 開口部 22、24、26、28 ライニング部材
34、36、184、186 車輪 45、195 車軸
44、46 軸受け突起 110 てこ部材
112 押し板 114、116 背板突起 118 押し片
200 運搬システム 202 梁部材 204 昇降装置
210 吊り下げ装置 300、301 302 板状の部材

(57)【要約】

【課題】狭い現場においても、板状の部材を容易に設置場所まで移動し、所定の位置に配置することができる軽量建材運搬機を提供する。【解決手段】対象となる矩形の板状の部材の下方の何れかの角部に装着される運搬機10である。角部が挿入される開口部と、開口部に挿入される角部を収納する隅空洞と、隅空洞を規定する一対の側板14,16と、側板を下辺及び背辺でそれぞれ接続する底板12及び背板18と、底板の下面に設けられ、一対の側板と対応するように備えられる一対の軸受け突起と、軸受け突起の軸受けに挿入される車軸と、車軸の両端に取り付けられ、一対の側板の外側に、対応するように備えられる一対の車輪34,36とからなる。一対の車輪の外周面は、底板及び背板の少なくとも一方の下方及び背面側に突出する。


【パテントレビュー】

あなたの意見を伝えましょう:


【インターネット特許番号リンク】

インターネット上にあるこの特許番号にリンクします(発見しだい自動作成):