(54)【考案の名称】投光機器

(73)【実用新案権者】交和電気産業株式会社

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、高い光度で光を照射する投光機器に関する。

【従来の技術】

【0002】
野球場、サッカー場、屋外スポーツ施設、屋内スポーツ施設、トンネル、道路、橋脚、港、空港などの様々な施設において高い光度で光を照射する必要がある。このような場所においては、高い光度を有する投光機器が用いられる。一つの投光機器は、高い光度を有し、強い光を上記の施設において照射することができる。
【0003】
また、これら施設においては、複数の投光機器が用いられることもある。例えば、野球場やサッカー場などの屋外スポーツ施設においては、ナイター用設備として、多数の投光機器がマトリクス状に配置された照明装置が用いられる。マトリクス状に配置された投光機器から構成される照明装置が、野球場やサッカー場などのフィールドを照らすことができる。
【0004】
このような照明装置を構成する投光機器は、高い光度を必要とするので、従来においてはハロゲン電球が用いられていた。ハロゲン電球は、その規格に応じて高い光度の照射を可能とできるので、上記の施設における照明装置に適している。
【0005】
しかしながら、ハロゲン電球は、その寿命が短く、頻繁に交換を必要とするデメリットがある。また、消費電力も大きく、多数の投光機器を必要とする照明装置においては、多大な電力を消費してしまう。近年においては、我が国のみならず、様々な国において、化石燃料の高騰、原子力発電に対する逆風、再生可能エネルギーによる発電のコスト増などによって、電力料金が上昇する傾向を有している。
【0006】
このような電力料金の上昇傾向に対応して、消費電力の少ない投光機器が求められている。
【0007】
この状況において、ハロゲン電球ではなく、LED(発光ダイオード)を用いた投光機器が提案されている。LEDは、単体では光度が低いが、多数のLEDを集中的に配置することで、全体としての光度を高めることができる。例えば、多数のLEDをマトリクス状に配置することで、光度の高い投光機器を、LEDによって実現できる。
【0008】
このように多数のLEDを集中的に配置して、一つのハロゲン電球の代わりとすることで、光度の高い投光機器を実現できる。LEDは、一般的に知られている通り、ハロゲン電球などに比べると極めて消費電力が小さい。このため、多数のLEDを用いた投光機器は、ハロゲン電球で構成される投光機器よりも、その消費電力が小さい。加えて、製品寿命も長いので、投光機器のランニングコスト(機器そのものに要するコストおよび電力料金等のコスト)は、ハロゲン電球などを用いる場合よりも少なくて済む。
【0009】
このように、LEDを用いた投光機器が、次第に提案されるようになってきている。
【0010】
ここで、ハロゲン電球の場合には、発光に伴う熱は、光の照射方向に放射されて排出される。一方、LEDの発熱は、光の照射方向に排出されるのではなく、LEDが実装されている基板において発生する。このため、多数のLEDが実装される基板には、高い熱が発生することが多い。このような熱を排出するために、LEDを用いた照明器具にヒートパイプを組み込む技術提案がなされている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0011】

【効果】

【0022】
本考案の投光機器は、複数のLEDを実装した発光面を有する実装基板と、この実装基板の裏面に設けられた冷媒を封止した平板状の拡散部材と、拡散部材から延伸して拡散した冷媒を輸送する輸送部材と、この輸送部材と交差する放熱板によって、実装基板に発生する熱を、効率的に排出できる。
【0023】
実装基板に発生する熱を効率的に排出できることで、より多くのLEDを実装基板に実装できるので、投光機器は、より高い光度で光を照射できる。
【0024】
更に、排熱が確実であることで、LEDに高い電圧を付与することができる。この結果、投光機器は、より高い光度で光を照射できる。このような結果、様々な施設に用いることができ、修理や交換を低減しつつ、電力料金などのランニングコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本考案の実施の形態における投光機器の斜視図である。
【図2】本考案の実施の形態における投光機器の正面図である。
【図3】本考案の実施の形態における投光機器の側面図である。
【図4】本考案の実施の形態における投光機器の底面図である。
【図5】本考案の実施の形態における投光機器の背面図である。
【図6】本考案の実施の形態における放熱機能を有する部分のみの斜視図である。

【0026】
本考案の第1の考案に係る投光機器は、複数の発光素子が実装される実装基板と、実装基板の裏面に熱的に接触して設けられる熱拡散プレートと、熱拡散プレートに接続して、熱拡散プレートから延伸する複数の管路と、複数の管路の少なくとも一部が貫通する複数の放熱板と、を備える。
【0027】
この構成により、投光機器は、高い光度の照射を行いながらも、発光素子による発熱を効率的に放出できる。
【0028】
本考案の第2の考案に係る投光機器では、第1の考案に加えて、熱拡散プレートは、金属製もしくは合金製の板部材である。
【0029】
この構成により、単純な構成かつ低コストの放熱機構を、投光機器は有することができる。
【0030】
本考案の第3の考案に係る投光機器では、第1の考案に加えて、熱拡散プレートは、冷媒を封止する内部空間を有し、複数の管路のそれぞれは、内部空間と連通して冷媒のやり取りを可能とする。
【0031】
この構成により、実装基板で生じる熱を、より効率よく管路に運搬して、放熱板で外部に放出できる。結果として、実装基板での熱の放出効率を向上させることができる。
【0032】
本考案の第4の考案に係る投光機器では、第1から第3の考案のいずれかに加えて、複数の発光素子の照射方向に設けられ、複数の発光素子の発光を集光する集光レンズを更に備える。
【0033】
この構成により、発光素子の光を集光して照射できる。
【0034】
本考案の第5の考案に係る投光機器では、第1から第4のいずれかの考案に加えて、複数の放熱板のそれぞれは、熱拡散プレートに略垂直に設けられ、複数の管路のそれぞれは、複数の放熱板の少なくとも一部に設けられた貫通孔を通じて、貫通する。
【0035】
この構成により、複数の管路は、直接的に放熱板に熱を伝導させることができる。
【0036】
本考案の第6の考案に係る投光機器では、第5の考案に加えて、複数の管路のそれぞれは、複数の放熱板の内、複数の放熱板を貫通する。
【0037】
この構成により、複数の管路のそれぞれは、複数の放熱板に熱を伝導できる。結果として、放熱効果を高めることができる。
【0038】
本考案の第7の考案に係る投光機器では、第5又は第6の考案に加えて、複数の管路のそれぞれは、複数の放熱板の異なる位置において、貫通する。
【0039】
この構成により、複数の管路は、複数の放熱板を効率よく活用できる。
【0040】
本考案の第8の考案に係る投光機器では、第1から第7のいずれかの考案に加えて、複数の管路のそれぞれは、熱拡散プレートから延伸する端部側から、複数の放熱板を貫通する。
【0041】
この構成により、管路は、放熱板を固定できる。
【0042】
本考案の第9の考案に係る投光機器では、第1から第8のいずれかの考案に加えて、複数の管路のそれぞれは、熱拡散プレートに対して異なる角度で延伸する。
【0043】
この構成により、複数の管路の設置密度を向上させて、放熱板でのほう熱効率を向上させることができる。
【0044】
本考案の第10の考案に係る投光機器では、第1から第10のいずれかの考案に加えて、複数の放熱板のそれぞれは、熱拡散プレートの表面に立設する。
【0045】
この構成により、放熱板は、管路と交差する構造を有して、管路からの熱を効果的に外部に放出できる。
【0046】
本考案の第11の考案に係る投光機器では、第1から第10のいずれかの考案に加えて、熱拡散プレートは、実装基板の熱を受けて、封止している冷媒を気化すると共に、気化冷媒を平面方向に拡散して複数の管路に排出し、複数の管路のそれぞれは、受けた気化冷媒を、管路の終端に向けて輸送する。
【0047】
この構成により、管路は、気化冷媒によって、熱を輸送して放熱板に伝導できる。
【0048】
本考案の第12の考案に係る投光機器では、第1から第11のいずれかの考案に加えて、複数の管路のそれぞれは、気化冷媒を輸送する際に、貫通している放熱板に気化冷媒の熱を伝導させ、複数の放熱板は、伝導された気化冷媒の熱を外部に放出する。
【0049】
この構成により、放熱板は、実装基板で生じた熱を、最終的に外部に放出できる。
【0050】
本考案の第13の考案に係る投光機器では、第11の考案に加えて、複数の管路のそれぞれは、複数の放熱板で放出されることで凝縮した冷媒を、熱拡散プレートに還流させる。
【0051】
この構成により、還流した冷媒が、再び実装基板からの熱を受け取ることができる。
【0052】
本考案の第14の考案に係る投光機器では、第1から第13のいずれかの考案に加えて、複数の管路の一部は、複数の放熱板の一方の側面から内部に向けて貫通し、複数の管路の一部は、複数の放熱板の他方の側面から内部に向けて貫通する。
【0053】
この構成により、放熱効率が向上する。
【0054】
本考案の第15の考案に係る投光機器では、第14の考案に加えて、複数の管路は、間隔をあけて並んでいる複数の放熱板の略半分までを貫通して終端する。
【0055】
この構成により、放熱効率が向上する。
【0056】
以下、図を用いて、本考案の実施の形態について説明する。
【0057】
(実施の形態)
【0058】
実施の形態について説明する。
【0059】
(全体概要)
図1は、本考案の実施の形態における投光機器の斜視図である。投光機器1は、種々の大きさを有している。例えば、投光機器1が、屋内施設に設けられる場合には、非常な大型であることは必要とはされない。この場合には、投光機器1は、全体が数10cm角程度の大きさを有していれば十分である。一方で、投光機器1が屋外スポーツ施設に用いられる場合(例えば、サッカー場や野球場などのナイター設備のために用いられる場合)には、投光機器1は、大型であることが好ましい。例えば、全体が50cm〜1m角程度の大きさを有していてもよい。
【0060】
このように、実施の形態における投光機器1は、使用される現場に合わせて、その大きさが変えられればよい。ただし、高い光度を有することが求められる現場において、好適に用いられる。
【0061】
投光機器1は、複数の発光素子2が実装される実装基板3、熱拡散プレート5、複数の管路6、複数の放熱板7と、を備える。更に、実装基板3に実装される発光素子3からの発光を集光させたり拡散させたりして、効率的に照明効果を得るために、カバー部4を備えていることも好適である。
【0062】
実装基板3は、複数の発光素子2を実装する。発光素子2は、LEDが用いられることが好適である。特に、実装基板上に、パッケージングされていないLEDチップ(以下、「LEDベアチップ」という)が、マトリクス状に配置されていることが好適である。LEDベアチップがマトリクス状に配置されていることで、実装基板3での実装が容易となりつつ、高い光度を生じさせることができる。複数の発光素子2は、実装基板3において電圧を受けて発光し、カバー部4で適度な集光と拡散をされて、対象領域を照射する。
【0063】
実装基板3は、このように複数の(多数の)発光素子2を実装する。ここで、LEDを始めとする半導体素子による発光素子は、電球などと異なり、発光面には大きな熱を発しないが、実装面に大きな熱を発する傾向がある。複数の発光素子2は、実装基板3の実装面(カバー部4側)に実装される。このため実装基板3の実装面には、複数の発光素子2による高い熱が付与される。この熱は、実装基板3の実装面(表面)から裏面に伝導される。すなわち、実装基板3の裏面は、高い熱を有するようになる。
【0064】
この実装基板3が有するようになる熱は、実装される発光素子2の個数の増加に比例して増加する。このため、投光機器1が、より高い光度を有することが求められる場合には、実装基板3に高い熱が発生する。実装基板3が高い熱を有するようになれば、発光素子2の不具合や故障が生じたり、投光機器1全体の不具合や短寿命化に繋がったりする。
【0065】
投光機器1は、スポーツ施設や公共施設などに用いられ、特に高所に設置される。このため、投光機器1に不具合が生じたり、発光素子2の一部に不具合が生じたりしても、修理や交換が困難である。このことにより、発光素子2の熱による投光機器1の不具合や故障を最小化することが必要である。
【0066】
熱拡散プレート5は、実装基板3の裏面に接続される。このため、発光素子2の裏面においては、実装基板3と熱拡散プレート5とが二重の層のように構成されている。
【0067】
(熱拡散プレートが板部材である場合)
熱拡散プレート5は、2つのパターンの構成を有している。一つには、熱拡散プレートは銅やアルミニウムなどの熱伝導率の高い金属や合金で形成された板部材である。この板部材の熱伝導性によって、熱拡散プレート5は、実装基板3から伝導される熱を拡散して、熱拡散プレート5に接続して延伸する複数の管路6に伝導する。
【0068】
この場合には、実装基板3は、発光素子2の熱を受けて熱を有するようになる。熱拡散プレート5は、実装基板3と熱的に接触しているので、この実装基板3の熱を受ける。熱拡散プレート5は、この実装基板3の熱の伝導により高温となる。高温となって熱拡散プレート5は、複数の管路6に熱を伝導する。この場合には、複数の管路6内部は冷媒を封止しており、この伝導される熱で気化した冷媒が、延伸する複数の管路6内部を移動する。移動の中で、複数の管路6は、気化冷媒の有する熱を、放熱板7を介して外部に放出する。放出されることで、冷媒は凝縮されて、液体となった凝縮冷媒が、複数の管路6内部を還流するようになる。
【0069】
熱拡散プレート5が、金属や合金の板部材であることで、実装基板3からの熱を簡便に複数の管路6に伝導させて、複数の管路6の内部に封止されている冷媒の気化と凝縮の繰り返しにより、熱を外部に放出できる。
【0070】
なお、熱拡散プレート5が、板部材である場合にも、後述するように、複数の管路6の構造や機能は、熱拡散プレートが内部空間を有する場合と同様である。
(熱拡散プレートが内部空間を有して冷媒を封止している場合)
【0071】
もう一つには、熱拡散プレート5は、内部空間を有する板状の部材であり、内部空間に凝縮と気化を行える冷媒を封止している。冷媒は、不凍液やアルコールなどが用いられるのが適当である。この場合には、この封止している冷媒の気化による拡散で、気化冷媒が、熱拡散プレート5の内部空間からその内部空間と連通する内部通路を有する複数の管路6へ移動して、熱が、熱拡散プレート5から効率的に複数の管路6に移動する。
【0072】
この場合には、実装基板3は、発光素子2の熱を受けて熱を有するようになる。熱拡散プレート5は、実装基板3と熱的に接触しているので、この実装基板3の熱を受ける。熱拡散プレート5は、この実装基板3の熱の伝導により高温となる。高温となることで、内部空間に封止している冷媒が気化する。熱拡散プレート5は、板状の部材であるので、内部空間も平板状である。このため、気化した冷媒は、熱拡散プレート5の内部空間を拡散する。
【0073】
複数の管路6は、熱拡散プレート5から延伸する。複数の管路6は、熱拡散プレート5の内部空間と繋がっている。すなわち、熱拡散プレート5の内部空間と管路6の内部とは連通した状態である。このような構造により、熱拡散プレート5の内部空間を拡散した気化した冷媒(以下、「気化冷媒」という)が、連通部分を介して、複数の管路6のそれぞれに導入される。
【0074】
複数の管路6のそれぞれは、内部の空間を通じて、気化冷媒をその先端まで拡散できる。複数の管路6のそれぞれは、熱拡散プレート5から延伸して、一定の距離まで伸びたところで終端される。また、複数の管路6のそれぞれは、熱拡散プレート5から延伸した後で、屈曲して後述する複数の放熱板7の少なくとも一部を貫通する。
【0075】
熱拡散プレート5の裏面から、熱拡散プレート5に立設するように、複数の放熱板7が取り付けられている。複数の放熱板7のそれぞれは、相互に適当な間隔を有した状態で立設しており、立設方向は、熱拡散プレート5に交差する方向である。交差においては、略垂直でもよいし、垂直でなくてもよい。
【0076】
複数の管路6のそれぞれは、熱拡散プレート5から延伸して、途中で屈曲する。この屈曲によって、熱拡散プレート5に交差する方向で立設する複数の放熱板7に貫通できるようになる。ここで、複数の放熱板7は、その一部に貫通孔9を有しており、この貫通孔9に嵌合するようにして、複数の管路6のそれぞれが放熱板7を貫通する。
【0077】
管路6内部を移動する気化冷媒は、延伸する先端まで到達する間に、貫通している放熱板7での放熱を受けて冷却される。管路6は、貫通孔での直接的な放熱板7との接触と、貫通した後で、複数の放熱板7が立設している空間に延びている間接的な接触と、によって、管路6内部を移動する気化冷媒の熱を、放熱板7に伝導できる。
【0078】
複数の放熱板7が、熱拡散プレート5に立設していることで、管路6から放熱板7に伝導された熱は、複数の放熱板7同士の間で対流を生じさせる。この対流によって、複数の放熱板7は、管路6から伝導された熱を外部に放出できる。この放出によって、気化冷媒が有している熱が、放熱板7によって外部に放出される。
【0079】
気化冷媒は、放熱板7を通じて外部に熱を放出すると、冷却される。気化冷媒が冷却されると凝縮して液体に戻る。この凝縮した冷媒(以下、「凝縮冷媒」という)は、複数の管路6のそれぞれにおいて管路6の先端から熱拡散プレート5に還流する。
【0080】
複数の管路6のそれぞれは、内部が細管となっていたりウィック構造を有していたりすることで、毛細管現象を生じさせて冷媒を還流させることができる。もちろん、複数の管路6の内部は、気化冷媒の拡散路と凝縮冷媒の還流路とを、分離した構造を有していてもよい。
【0081】
管路6を還流した凝縮冷媒は、再び熱拡散プレート5の内部空間に戻り、熱拡散プレート5において、実装基板3からの熱の受熱に用いられる。熱を受けた凝縮冷媒は、再び気化して気化冷媒となり、熱拡散プレート5から複数の管路6に拡散される。更に複数の管路6内部を気化冷媒が移動して熱を輸送し、気化冷媒が、放熱板7において冷却されて凝縮冷媒となる。この凝縮冷媒は、再び管路6から熱拡散プレート5に還流する。このような動作を繰り返すことで、投光機器1は、実装基板3で発生する熱を外部に放出できる。
【0082】
ここで説明した、複数の管路6での気化冷媒の移動と凝縮冷媒の還流、および気化冷媒の有する熱の複数の放熱板7を介した外部への放出のメカニズムは、熱拡散プレート5が板部材である場合でも、冷媒を封止する内部空間を有する冷媒拡散構造を有する場合でも同じである。
【0083】
実装基板3で発生する熱を放出できることで、実装基板3(および発光素子2)の熱の上昇を抑えることができ、発光素子2や投光機器1そのものの不具合や短寿命化を防止できる。
【0084】
次に、各部の詳細について説明する。
【0085】
(発光素子)
発光素子2は、LEDなどを用いる。実装基板3に実装されて、必要な電圧や電気信号を受けることができるように、実装基板3において配線を設けられている。この配線を通じて、複数の発光素子2のそれぞれに電圧や制御信号が付与される。電圧を受けることで、発光素子2が発光する。
【0086】
図2は、本考案の実施の形態における投光機器の正面図である。正面から見た状態により、発光素子2が、実装基板3の実装面(表面)に実装されている状態が示される。
【0087】
実装基板3には、複数の発光素子2がマトリクス状に配置される。マトリクス状に多数の発光素子2が配置されることで、高い光度で照射することができる。もちろん、マトリクス状以外の形態で配置されてもよい。いずれにしても、複数の発光素子2であって必要とする照度にあわせた個数の発光素子2が実装されることが好適である。
【0088】
また、上述したように、発光素子2がLEDである場合には、ベアチップで実装されることも好ましい。ベアチップで実装されることで、実装面積の削減と個別のパッケージを省略して、配置された複数のLEDベアチップをまとめて覆う封止材により、LEDベアチップの光度を減少させずに、全体の光度を活用できるからである。
【0089】
また、複数の発光素子2の照射方向に設けられ、複数の発光素子2の発光を集光する集光レンズ8が更に備えられることも好適である。集光レンズ8によって、複数の発光素子2からの発光が、一定方向に集光されて、一つの投光機器1からの光が、より高い光度となって照射されるようになるからである。
【0090】
例えば、多数の投光機器1を並べた照明装置(スポーツ施設のナイター設備のようなもの)では、一つ一つの投光機器1は、集光度が高いことで、照明装置全体での照射光度が大きくなる。このような場合には、投光機器1は、発光素子2の発光方向において、集光レンズ8を有することが好適である。
【0091】
あるいは、集光レンズではなく、発光素子2の発光を拡散する拡散レンズが備えられても良い。拡散レンズによって、発光素子2からの発光が拡散して、広い範囲で照射される。例えば、少ない投光機器1が用いられる場合には、少ない投光機器1で広い範囲が照射されることが求められる。
【0092】
この場合には、拡散レンズによって、発光素子2の光が拡散されながら周辺が照射される。
【0093】
また、複数の発光素子2は、その全体が樹脂などの素材で封止されることも好適である。この樹脂の封止においては、樹脂が蛍光体を含んでおり、発光素子2から照射される光が蛍光体によって所定の色度を有することができる。
【0094】
また、封止されることで、発光素子2の保護が図られる。また、上述した集光レンズ8や拡散レンズなどと組み合わされて、より適切な集光や拡散が実現される。
【0095】
このように、複数の発光素子2が実装されることで、投光機器1は、高い光度で、光を照射できる。
【0096】
(実装基板)
実装基板3は、複数の発光素子2を実装面に実装する。実装のために必要な配線も有している。例えば、発光素子2に電圧と制御信号を付与するための配線を、実装基板3は、有している。配線は、独立した導電線による配線でもよいし、いわゆるプリント基板などのように、実装基板3の表面、裏面、内層にプリントされた配線であってもよい。
【0097】
実装基板3は、その表面に複数の発光素子2を実装する。複数の発光素子2は、ランダムであってもマトリクス状であってもよいが、実装基板3において高い光度で発光できる態様で実装されることが好ましい。このため、図2に示される実装領域21に、複数の発光素子2が実装されることが好ましい。
【0098】
実装基板3は、カバー部4の根元に位置することが好ましい。図3は、本考案の実施の形態における投光機器の側面図である。図3に示されるように、投光機器1は、カバー部4を有する。カバー部4は、発光素子2からの発光を集光させる役割および発光素子2や実装基板3の防水、防風の役割を有する。
【0099】
このため、実装基板3は、カバー部4の根元に位置することが適当である。言い換えれば、実装基板3からカバー部4が突出している状態が適当である。また、実装基板3は、その裏面を露出した上で、熱拡散プレート5の表面に、熱的に接触することが好ましい。特に、熱的な接触度を向上させるために、実装基板3の裏面と熱拡散プレート5の表面が面的に接触していることが好ましい。
【0100】
なお、接触においては、相互の熱抵抗を下げるために、グリースなどの熱的接合材によって接触されることも好適である。また、構造的な接続を実現するために、実装基板3と熱拡散プレート5と、ネジなどで接続されることが好ましい。
【0101】
実装基板3の裏面には、表面に実装された発光素子2の発熱が伝導される。この裏面に伝導された熱を、熱拡散プレート5に伝導する。
【0102】
(熱拡散プレート)
熱拡散プレート5は、上述したように、金属や合金の板部材である場合と、内部空間を有し、この内部空間に冷媒を封止した冷媒拡散構造を有する場合との2通りがある。熱拡散プレート5の外形は、いずれの場合も板状の部材であり、板状を有することで、同じく板状の部材である実装基板3と面的に接触できる。この面的な接触により、熱拡散プレート45は、実装基板3からの熱を効率的に受け取ることができる。
【0103】
また、熱拡散プレート5は、その平面方向の面積が、実装基板3の平面方向の面積以上であることが好ましい。この態様により、熱拡散プレート5は、実装基板3の熱を面的に効率的に受け取ることができるからである。図3では、熱拡散プレート5の平面方向の面積が、実装基板3の平面方向の面積よりも大きい状態を示している。
【0104】
(冷媒拡散構造の場合)
熱拡散プレート5は、冷媒を封止可能な内部空間を有している。内部空間は、気化した冷媒を効率的に拡散できるように、放射状の拡散路を有していることも好適である。あるいは、放射状以外であっても、複数の管路6のそれぞれに気化冷媒を誘導可能な拡散路を有していることも好適である。
【0105】
加えて、熱拡散プレート5は、複数の管路6から還流する凝縮冷媒を保持する領域を、その内部空間に備えていることも好適である。ここで、凝縮冷媒が、実装基板3と満遍なく接触できるように、凝縮冷媒を保持する領域が広がっていることも好適である。
【0106】
熱拡散プレート5は、封止している冷媒を気化させて、気化冷媒を複数の通路6に拡散させる。この拡散によって、熱拡散プレート5は、実装基板3に発生する熱を、放出できる。
【0107】
(管路)
複数の管路6は、熱拡散プレート5から延伸する。熱拡散プレート5が板部材である場合には、複数の管路6のそれぞれは、熱拡散プレート5と単純に接続されている。表面で接続されてもよいし、板部材に凹部が設けられ、複数の管路6のそれぞれの端部がこの凹部に入り込んで、接続されてもよい。
また、熱拡散プレート5が、冷媒を封止した内部空間を有する冷媒拡散構造を有する場合には、複数の管路6の内部通路は、熱拡散プレート5の内部空間と連通している。このため、内部において、熱拡散プレート5から管路6に、連通する。
【0108】
以下では、熱拡散プレート5が冷媒拡散構造を有する場合について説明する。
【0109】
熱拡散プレート5は、実装基板3の熱を受けて封止している冷媒を気化して気化冷媒とする。熱拡散プレート5は、この気化冷媒を平面方向に拡散する。この平面方向への拡散によって、内部空間に連通して接続している複数の管路6に、気化冷媒を移動(排出)する。こうして、気化冷媒が、複数の管路6内部に入り込み、複数の管路6のそれぞれは、気化冷媒を、その終端に向けて輸送する。
【0110】
この輸送の結果、終端に届く間に、後述する放熱板7で放熱によって、複数の管路6のそれぞれは、気化冷媒を凝縮して凝縮冷媒とする。この凝縮冷媒は、終端から熱拡散プレート5に向けて、還流する。
【0111】
複数の管路6は、熱拡散プレート5から延伸して、先端において終端される。ここで、複数の管路6は、熱拡散プレート5の裏面から延伸しても良い。図4は、本考案の実施の形態における投光機器の底面図である。図4から明らかな通り、複数の管路6のそれぞれは、熱拡散プレート5の裏面から延伸している。
【0112】
裏面から延伸することで、熱拡散プレート5の内部空間との連通部分を広く取ることができ、熱拡散プレート5が拡散する気化冷媒を、より多く複数の管路6のそれぞれが受けることができる。また、裏面に接続されることで、熱拡散プレート5と複数の管路6との構成が容易となる。
【0113】
あるいは、複数の管路6のそれぞれあるいは一部は、熱拡散プレート5の側面から延伸してもよい。熱拡散プレート5は、周辺に向けて気化冷媒を拡散する。このため、複数の管路6が、熱拡散プレート5の側面に接続されて連通していることで、周辺に向けて拡散された気化冷媒が、容易かつ確実に複数の管路6に移動されるからである。
【0114】
複数の管路6は、熱拡散プレート5から延伸した後で、屈曲されて複数の放熱板7の少なくとも一部を貫通する。特に、図4に示されるように、複数の放熱板7が、熱拡散プレート5に交差する方向に立設していることで、複数の管路6のそれぞれは、この放熱板7に交差する方向に屈曲することで、複数の放熱板7を貫通できる。
【0115】
複数の放熱板7は、熱拡散プレート5に略垂直に設けられることもよい。略垂直に設けられることで、投光機器1全体の構造が簡略化されると共に強度や耐久性を十分に有することができるようになるからである。
【0116】
また、複数の放熱板7の少なくとも一部は、貫通孔9を有する。複数の管路6のそれぞれは、この貫通孔9を貫通する。このとき、貫通孔9は、複数の管路6のそれぞれの径と同一径を有して嵌合できることが好ましい。嵌合できることで、複数の管路6は、複数の放熱板7と熱的に直接的に接触できる。この直接的な接触により、複数の管路6は、気化冷媒が輸送する熱を、放熱板7に伝導させることができるからである。
【0117】
また、貫通孔9は、複数の放熱板7の様々な位置に設けられることも好適である。加えて、平行して並ぶ複数の放熱板7のそれぞれに貫通孔9が設けられることが好適である。複数の放熱板7のそれぞれに貫通孔9が設けられることで、ある管路6が、複数の放熱板7を連続的に貫通できる。
【0118】
この連続的な貫通によって、管路6を移動する気化冷媒が輸送する熱が、平行して並ぶ複数の放熱板7のそれぞれに伝導するようになる。こうして、管路6は、複数の放熱板7を利用して、気化冷媒で輸送する熱を外部に放出できる。より放出効率が向上する。
【0119】
また、図4に示されるように、複数の管路6のそれぞれは、複数の放熱板7の異なる位置で貫通することも適当である。図4では、放熱板7の側面の一方において、延伸方向において異なる3箇所の位置で、管路6が貫通している。異なる位置で貫通することで、複数の管路6のそれぞれが輸送する熱が、放熱板7の面方向における様々な場所を活用して伝導されるようになるからである。もちろん、放熱板7からの熱の放出においても、様々な場所が活用されることで、放熱効果が高まるメリットがある。
【0120】
また、図4に示されるように、複数の管路6の一部は、熱拡散プレート5から延伸して複数の放熱板7の一方側から、放熱板7を貫通し、複数の管路6の残りは、熱拡散プレート5から延伸して複数の放熱板7の他方側から、放熱板7を貫通することも好適である。
【0121】
両方の側面から、複数の管路6の一部と残部が貫通することで、放熱板7を有効活用して、熱を放出できる。
【0122】
また、両方の側面から複数の管路6が貫通する場合には、図4に示されるように、一方の側面からは、複数の放熱板7の半分程度までを貫通し、他方の側面からは、複数の放熱板7の半分程度までを貫通することが好適である。
【0123】
すなわち、複数の放熱板7には、その側面方向の両方から、内部の半分程度までに、複数の管路7が貫通する。このような貫通によって、複数の放熱板7を効率的に用いながら、複数の管路6は、輸送する熱を放出できる。
また、複数の管路6のそれぞれは、熱拡散プレート5を基準にそれぞれ異なる角度で、延伸することも好ましい。図3には、複数の管路6のそれぞれの角度が異なる態様が示されている。
【0124】
それぞれの角度が異なることで、複数の管路6の数および設置密度を向上させつつ、放熱板7での放熱効率を上げることができる。
【0125】
(放熱板)
複数の放熱板7は、貫通孔9を貫通する複数の管路6から直接的もしくは間接的に熱を受ける。この受けた熱を、複数の放熱板7同士の空間における対流によって、外部に放出する。この放出によって、気化冷媒が輸送する熱が、外部に放出される。
【0126】
複数の管路6のそれぞれを移動する気化冷媒は、放熱板7での放熱によって、冷却される。この冷却によって、気化冷媒は凝縮して凝縮冷媒となる(すなわち、液体)。凝縮冷媒は、複数の管路6のそれぞれを還流して、熱拡散プレートに戻る。熱拡散プレート5には、こうして常に凝縮冷媒が供給されて、実装基板3からの熱を受けることができる。
【0127】
図5は、本考案の実施の形態における投光機器の背面図である。図5は、投光機器1の背面から見た状態を示しており、熱拡散プレート5に立設している複数の放熱板7が平行して並んでいる状態がわかる。複数の放熱板7は、このように、熱拡散プレート5に交差するように(略垂直でもよい)、適当な間隔で並ぶように立設されればよい。
【0128】
なお、放熱板7同士の間隔は、一定でなくても良く、放熱効率を向上させるのに最適な間隔であればよい。
【0129】
また、図6は、本考案の実施の形態における放熱機能を有する部分のみの斜視図である。図6に示される部分(以下、「放熱部材」という)は、熱拡散プレート5、複数の管路6および複数の放熱板7を有している。放熱部材は、光の照射部分に取替え可能に接続される。このため、放熱部材のみが製造されて、その後に、種々の照射部材に取り付けられて、フレキシブルに投光機器1が製造されることでもよい。
【0130】
また、複数の放熱板7のそれぞれは、熱拡散プレート5の表面に立設してもよいし、熱拡散プレートから一定距離離れたところから立設されてもよい。後者の場合には、複数の管路6が貫通することで、放熱板7が固定される。
【0131】
放熱板7は、管路6からの熱伝導を受けて、外部に熱を放出する。この放出によって、実装基板3で発生する熱が、外部に放出される。ここで、放熱板7が、実装基板の裏面に設けられることで、投光機器1の照射を邪魔することなく、放熱できる。また、より熱の発生が生じる実装基板3の裏面の熱を、短経路で外部に放出できる。
【0132】
このように、実施の形態における投光機器1は、多数の発光素子2を実装している場合でも、その熱を効率的に放出できる。結果として、発光素子2や実装基板3の不具合や故障を未然防止できる。
【0133】
以上、実施の形態で説明された投光機器は、本考案の趣旨を説明する一例であり、本考案の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
【0134】
1 投光機器
2 発熱素子
3 実装基板
4 カバー部
5 熱拡散プレート
6 管路
7 放熱板
8 集光レンズ
9 貫通孔

(57)【要約】

【課題】LEDに十分な電力を付与して高い光度を発揮できると共に、LED基板に生じる熱を確実に排出できる投光機器を提供する。【解決手段】本考案の投光機器1は、複数の発光素子2が実装される実装基板3と、実装基板3の裏面に熱的に接触して設けられる熱拡散プレート5と、熱拡散プレート5から延伸する複数の管路6と、複数の管路6の少なくとも一部が貫通する複数の放熱板7と、を備える。


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