(54)【考案の名称】交流電源回路

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、交流電源回路に関する。

【従来の技術】

【0002】
負荷装置に内蔵される電子回路は、供給される電源が安定していることが、回路動作を安定させる上で重要である。すなわち、電子回路は、電源の供給能力が不足したとき、周波数特性の悪化、発振回路の発振周波数の変動、信号復調時の揺らぎなどが発生する。
ところが、通常の電源回路は、負荷変動に対する応答性に限界があり、急激な負荷変動が発生した際には、負荷装置に対して必要な電源を供給できない場合がある。負荷装置に対して必要な電源を供給できないと、上述した問題が発生してしまう。
【0003】
特許文献1には、負荷装置に安定して交流電源を供給するために、交流電源と並列に蓄電池を設け、負荷変動を監視して蓄電池の充放電を制御する構成についての記載がある。特許文献1に記載の構成の場合、蓄電池は直流で充放電を行うため、交流電源と接続するために、複雑な構成の回路が必要である。
【0004】

【効果】

【0009】
本考案によると、受動素子であるコンデンサを接続するだけのシンプルかつ安価な構成で、急激な負荷変動に対処できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本考案の一実施の形態の例による交流電源回路を示す構成図である。
【図2】本考案の一実施の形態の例による出力交流電源波形(図2A)と、コンデンサ有りのときの負荷変動時の例(図2B)と、コンデンサ無しのときの負荷変動時の例(図2C)とを比較した波形図である。

【0011】
[1.構成例]
以下、本考案の一実施の形態の例(以下、「本例」と称する。)を、図1および図2を参照して説明する。
図1は、本例の構成を示す図である。交流電源装置10は、例えば単相100V60Hzまたは50Hzの商用交流電源を電源ラインL1,L2に出力する。この電源ラインL1,L2に出力された商用交流電源が、負荷装置20に供給される。負荷装置20は、交流電源を直流低圧電源に変換する直流変換回路21を備え、この直流変換回路21で変換された直流低圧電源が、負荷回路22に供給される。
【0012】
交流電源装置10は、負荷装置20が定常状態で作動している際に必要な電流値の交流電源を供給する能力を備えるが、一時的な負荷変動に対処するための特別な構成は備えない。すなわち、電源回路として一般的な構成のものを使用する。このため、負荷装置20内の負荷回路22の作動状態が変化して、一時的な急激な負荷変動が発生した際には、負荷装置20が必要な電流値が、交流電源装置10が供給できる電流値を超える場合がある。
なお、負荷装置20内で交流電源を直流電源に変換するのは1つの例であり、例えば負荷回路22として交流モータなどの交流電源で作動するものを用意して、電源ラインL1,L2で供給された交流電源で負荷回路22を直接駆動してもよい。
【0013】
ここで本例においては、電源ラインL1またはL2に、負荷変動を吸収するためのコンデンサC1またはC2を接続する。
すなわち、例えば図1Aに示すように、電源ラインL1に直列にコンデンサC1を接続する。あるいは、図1Bに示すように、電源ラインL2に直列にコンデンサC2を接続する。
あるいはまた、図1Cに示すように、電源ラインL1に直列にコンデンサC1を接続し、電源ラインL2に直列にコンデンサC2を接続する。
図1では、コンデンサC1,C2は、それぞれの1個のコンデンサとして示すが、複数個のコンデンサを直列または並列に接続してもよい。
【0014】
これらのコンデンサC1,C2の容量値は、負荷に供給する電流に応じたものとする。
また、コンデンサC1,C2は、等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance:ESR)が低い、いわゆる低ESRコンデンサであるのが好ましい。さらに、コンデンサC1,C2は、等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance:ESI)が低い、いわゆる低ESIコンデンサであるのが好ましい。なお、等価直列抵抗と等価直列インダクタンスの双方が低いコンデンサを使用することが、より好ましい。
【0015】
[2.動作例]
図2は、交流電源装置10から負荷装置20に供給される交流電源の波形の例を示す図である。図2Aに示すように、交流電源装置10が出力する交流電源波形Vaは、規定の電圧で周波数も一定である。
この図2Aに示す交流電源波形Vaが負荷装置20に供給されることで、負荷装置20が作動する。ここで、例えば負荷装置20内の負荷回路22の作動状態が変化して、負荷変動があった場合を想定する。
【0016】
図2Bは、コンデンサC1またはC2が接続された図1の構成での、負荷変動時の交流電源波形Vbを示す。この負荷変動時の交流電源波形Vbは、コンデンサC1またはC2の作用で、図2Aに示す定常時の交流電源波形Vaとほぼ同じであり、電源電圧の低下がない。
【0017】
図2Cは、比較のために、コンデンサC1,C2をラインL1,L2に接続しない構成で、図2Bの例と同じ負荷変動があった場合の交流電源波形Vcを示す。
このコンデンサC1,C2を接続しない場合には、負荷装置20が要求する電力に対して、交流電源装置10から供給できる電力が一時的に不足し、交流電源波形Vcが定常時の交流電源波形Vaから低下した状態が発生する。負荷変動時の交流電源波形Vcが、定常時の交流電源波形Vaから低下する程度は、負荷変動の発生状態によっては、10%を越える電圧低下が発生することがある。
【0018】
このように、図1に示す構成とすることで、交流電源装置10として、瞬間的な負荷変動に対処できない一般的な構成の電源装置を使用した場合でも、コンデンサC1またはC2の作用で、負荷変動に対処できるようになる。
【0019】
ここで、図1の構成により負荷変動に対処できることについて、詳しく説明する。
図1に示したように、ラインL1またはL2に、コンデンサC1またはC2を接続したことで、コンデンサC1またはC2の出力端から負荷装置20に、交流電流が変位電流により供給される。この変位電流による交流電流で、負荷回路22に回路電流が流れるようになる。
ここで、負荷変動が発生して負荷回路22が必要とする電流が瞬間的に増加したとき、コンデンサC1またはC2の出力端から負荷装置20に、コンデンサC1またはC2に蓄積された電荷による電流が供給されるようになる。
ここでの瞬間的な増加は、例えば60Hzまたは50Hzの交流電源波形の1周期よりも短い期間に生じる増加のような、非常に短い期間での急激な増加である。
このコンデンサC1またはC2に蓄積された電荷による電流供給があることで、負荷回路22は、負荷変動時に必要な電流が得られ、安定して作動するようになる。例えば、負荷回路22が、何らかの高周波信号を発生させる回路である場合、その高周波信号処理を行うための発振回路の安定性を確保することができる。また、電源が安定することで、発生した高周波信号の周波数特性の電源変動による劣化を防ぐことができる。さらに、負荷回路22が信号を復調する機能を有する場合、信号復調時の揺らぎを減少できる効果を有する。
なお、コンデンサC1またはC2が放出した電気エネルギーは、負荷の状態が安定した後に、交流電源装置10から供給される交流電源で直ちに充電される。
【0020】
以上説明したように、本実施の形態の例によると、一時的な負荷変動に対処するための特別な構成を備えない交流電源装置を使用して、簡単かつ安価に、負荷変動時の安定した交流電源供給が可能になる。また、交流電源の供給能力が負荷変動に対処できるようになることで、負荷回路が常に安定して作動するようになり、周波数特性の拡大や発振周波数の安定性向上、復調信号の揺らぎ防止などの様々な効果が得られるようになる。
【0021】
10…交流電源装置、20…負荷装置、21…直流変換回路、22…負荷回路、C1,C2…コンデンサ、L1,L2…電源ライン、Va…出力交流電源、Vb…負荷変動時(コンデンサ有り)の交流波形、Vc…負荷変動時(コンデンサ無し)の交流波形

(57)【要約】

【課題】負荷の急激な変動に対処できる交流電源回路を得る。【解決手段】交流電源出力部から2本のラインに出力された交流電源を、負荷装置に供給する場合に、その2本のラインの一方または双方に1個または複数個のコンデンサC1またはC2を直列に接続する。このコンデンサC1またはC2を接続したことで、負荷装置が要求する電力に対して交流電源出力部が出力する交流電源の供給能力が一時的に不足したとき、コンデンサが保持している電荷により不足分を補完するようにした。


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