(54)【考案の名称】二輪型手押し車装置

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、人を乗せて後方から操作者が手で押して操作する二輪型手押し車装置に関する。

【従来の技術】

【0002】
老齢による筋力の低下又は怪我や病気により脚が不自由となって自分で歩けない者は車椅子を利用して移動する場合がある。一般的には車椅子は、フレームに着座部と背凭れ部が組み付けられ、フレームの左右外側には主輪が転動自在に設けられるとともに、主輪の前方側に前輪キャスタが転動自在に設けられたものが利用されている(例えば、特許文献1参照)。また、従来、車椅子等に関する技術について種々の提案がなされており、例えば、特許文献1には、段差や小石などの障害物があっても走行できることを目的とした車椅子の技術が開示されている。特許文献1の車椅子では、前輪に前方に突出したオーバーガードを設けるとともに、オーバーガードの上端に内向きギア付リングが設けられ、前輪のシャフトに前記内向きギア付リングかみ合う外向きギアリングが設けられている。走行時に障害物にオーバーガードが当たるとオーバーガードが持ち上がり内向きギアと外向きギアがかみ合い首振りを防ぐ。そのまま進むと障害物上にオーバーガードから車輪が乗り上げて、オーバーガードは自重で下がり内向きギアと外向きギアが離れ、車輪は首振り自在な状態に戻って、障害物を乗り越しするものであった。
【0003】

【効果】

【0013】
本考案の二輪型手押し車装置によれば、人が着座する車体の車軸周りの回転によって乗る人を前向き着座姿勢と着座姿勢のまま後傾されて上を向く姿勢とに変更可能な二輪型手押し車装置であって、所定の間隔をあけて左右両側に対向して配置される左右枠体を含む椅子形のフレームと、左右両側に配置され、フレームに車軸を介して転動自在に取り付けられ、進行時の支持車輪となる2個1対の車輪と、人が乗るようにフレームの左右枠体の間に架設されたシート部と、シート部の後方側に立設されてフレームに取り付けられる背面部と、フレームの後部側に取り付けられ操作者が背面部の後方から操作するためのハンドルと、を備え、フレームは、左右枠体のそれぞれの前部側をシート部よりも前方に突出させて前下がりに傾斜し下端を着地させて装置全体の前部を支持する態様と、前方側で補助者が前部を持って背面側の操作者と協働して持ち上げ移動する態様と、を選択的に行える持ち手部を形成した前下がり傾斜枠部を有することから、手押し車装置を停止させておく状態では、前下がり傾斜枠部を地面に着地させて前部を支持することにより、不意に車輪が動いて装置全体が前後に移動したりすることなく安定して停止状態を保持できるとともに、移動する際には車軸周りに車体を傾けるだけで簡単に移動させることができる。さらに、例えば階段などで装置を持ち上げて搬送する必要があるときは、前下がり傾斜枠部の持ち手部を介して確実に手で持つことができるので、安定してスピーディに搬送することができる。その結果、例えば、火事や地震等で緊急に移動する必要がある場合にも手押し車装置に人を乗せて円滑に搬送することができる。
【0014】
また、フレームの前部側にはシート部に着座する人の足を置く足置き部が設けられ、フレームの前下がり傾斜枠部は、シート部に着座した人が足置き部に足を置いた状態でその人の脚の両外側となる位置に設置される構成とすることにより、前下がり傾斜枠部の間にシート部に着座した人の脚を配置させて、該人の脚が外側に離脱するのを防止して、該脚の安定的な配置及び安全性を向上できる。
【0015】
また、フレームの左右枠体は、シート部に着座する人の肘と略同じ高さの位置で背面部側から前方に突出された肘掛けレールと、肘掛けレールの前端から前下がりに曲折され同着座する人の大腿部の位置に向けて傾斜された傾斜レールと、を含む構成とすることにより、利用する人がシート部に乗り降りする際に体が当たったり衣類が引っ掛かったりする邪魔な部分が無く、乗り降り動作をスムーズに行うことができる。さらに、人がシート部に着座した状態では必要に応じて腕をある程度伸ばして比較的リラックスした姿勢で傾斜レールの下部近傍を手で把持して体を安定させることもできる。
【0016】
また、車軸は、側面視でフレームの背面部が取り付けられた位置よりも前方側であってシート部の下方に設定された構成とすることにより、前方に向けて前下がり傾斜枠部を突出した構造であっても、車体の前後のバランスによりフレームを車軸周り後方への回転操作を軽い力で行なうことができ、良好な操作性を実現できる。
【0017】
また、フレームの車軸が取り付けられた位置よりも後方側には、フレームが車軸周りに後方側へ傾倒するのを規制するように着地支持する状態と、フレームを該車軸周りに後方側へ傾倒できるように退避した状態と、に選択的に切り換えられる後部スタンド装置が設けられた構成とすることにより、例えば装置後方に操作者が支持していない状態で車体が車軸周りに後方に回転して転倒するのを防止でき、安全性を向上できる。転倒防止が不要な際には退避させて装置を円滑に操作できる。
【0018】
また、フレームには前方側への移動を補助するための牽引用索条が取り付けられた構成とすることにより、例えば、坂道を移動する場合などに、後方から押す操作者と協働して補助者が牽引用索条を介して牽引して前方への移動を補助できる。
【0019】
また、シート部の下面側に牽引用索条を出し入れ可能に収容する収容袋が設けられた構成とすることにより、通常は牽引用索条を収容袋内に収納して邪魔にならないようにでき、必要な際にはすぐに取り出して牽引することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本考案の一実施形態に係る二輪型手押し車装置の側面図である。
【図2】図1の二輪型手押し車装置の一つの車輪を省略した斜視図である。
【図3】図1の二輪型手押し車装置の正面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】図4の一部拡大説明図である。
【図6】図1の二輪型手押し車装置の作用説明図である。
【図7】図1の二輪型手押し車装置に人を乗せて走行する際の作用説明図である。
【図8】図1の二輪型手押し車装置を持ち上げて搬送する際の作用説明図である。
【図9】図1の二輪型手押し車装置を索条を介して牽引する際の作用説明図である。

【0021】
以下、添付図面を参照しつつ本考案の二輪型手押し車装置の実施の形態について説明する。本考案の二輪型手押し車装置は、左右に走行用車輪を配した二輪構成で、利用する人を着座姿勢で乗せて操作者が後方側から押して操作する手押し車である。図1ないし図9は、本考案の二輪型手押し車装置の一実施形態を示している。図1、図2、図3に示すように、本実施形態において、二輪型手押し車装置10は、椅子形のフレーム12と、フレーム12に取り付けられる2個1対の車輪14と、シート部16と、背面部18と、操作用のハンドル20と、を備えており、フレーム12は前下がり傾斜枠部22を有している。本実施形態では、二輪型手押し車装置10は、例えば、利用する人を乗せて介助者等が後方から押して操作する介助用手押し型車椅子で構成した例で説明する。なお、二輪型手押し車装置10は車椅子の構成に限らず、例えば、乳幼児や子供を乗せて移動するベビーカーやバギー等、その他任意の二輪型手押し車の形態でもよい。
【0022】
図1、図2、図3に示すように、フレーム12は、手押し車装置を構成する各部材が組み付けられる車体における機枠であり、所定の間隔をあけて左右両側に対向して配置される左右枠体24、24を含む。本実施形態では、フレーム12の左右枠体24は、例えば、その間に人が入れる程度の間隔(例えば、利用者が大人であれば約40cm程度の間隔)をあけて配置されている。図4にも示すように、左右枠体24は、例えば、金属製のパイプや杆を所定の形状に縦横に組み付けて構成されている。左右枠体24は、例えば、上下に略平行に配置された2本の横枠部24a、24bと、前後に離隔して配置され横枠部24a、24bどうしを接続している2本縦枠部24c、24dと、横枠部24a、24bと縦枠部24c、24dで囲まれた枠内側で前後中間位置にH字状に組み付けられて固定された車軸取付枠部25と、を含む。横枠部24a、24bは、前方側の縦枠部24cより前方に向けて突出されている。下方側の横枠部24aは上方側の横枠部24bよりも長く前方に延長され、横枠部24a、24bの前端を結ぶ線は傾斜している。後方側の縦枠部24dは、上方側の横枠部24bの高さ位置よりもさらに上方に向けて延長されており、その延長部分24eは後方にやや傾斜され、上端側にハンドル20が一体的に接続されている。さらに、左右枠体24は、後述のように、上方側の横枠部24bから上方に離隔した位置で後方側の縦枠部24cの延長部分24eの上下中間位置から前方に向けて突出される肘掛けレール26と、肘掛けレール26の前端から前下がり傾斜した傾斜レール28と、傾斜レール28の下端から前方に突出した把持レール30と、把持レール30の前端から地面側に前下がり傾斜して横枠部24a、24bの前端に固定される前下がり傾斜枠部22と、が設けられている。
【0023】
図3、図4に示すように、左右に対向配置される左右枠体24は、リンク杆どうしを中間位置で交差しその交差部分を枢軸34を介して回動自在に枢支した正面視X字状のリンク32を介して連結される。したがって、フレーム12は、リンク32により、左右枠体24どうしを近接、離間させて左右幅方向に折り畳み、展開自在な構成となっている。リンク32は、例えば、左右枠体24の間に挟まれた位置で前後に離隔して2個配置されている。リンク32は、それぞれのリンク杆の下端が左右枠体24の下側の横枠部24aに固定されたブラケット36に枢支軸を介して回転自在に枢支されている。リンク32のそれぞれのリンク杆の上端側には、前後方向に向けて所定の長さで設けられ、上側の横枠部24bと略平行に配置された支持杆38が一体的に固定されている。左右枠体24を離隔してリンク32を左右に開くと、リンク杆の上端に固定される支持杆38が左右枠体24の上側の横枠部24bに固定された上方に凹部を有する受部40に嵌合状に係止することにより、左右枠体24が所定の間隔で保持される。一方、支持杆38を横枠部24bの受部40から離脱させてX字状のリンク32を閉じる方向に変形させると、左右枠体24どうしを左右幅方向に自在に移動できる。
【0024】
図2、図3に示すように、シート部16は、人が着座姿勢で乗るための座席であり、左右枠体24の間に架設されている。本実施形態では、シート部16は、例えば、布等の可撓性素材からなり、フレーム12の左右枠体24の上側の横枠部24bに固定された受部40に支持されて左右に対向配置される支持杆38に左右両端部を図示しないビス等で固定され、ある程度張りがあるように架設されて人が乗るように上面側に座面を形成している。シート部16の後方側において、フレーム12の縦枠部24dの上方への延長部分24eには、シート部16に着座した人の背もたれとなる背面部18が取り付けられる。背面部18は、例えば、シート部16と同様に布等の可撓性素材からなり、フレーム12の左右枠体24の縦枠部24dの延長部分24eに左右両端を図示しないビス等で固定され、シート部16に対して所定の角度で立設された状態で設置されている。フレーム12の前部側には、シート部16に着座する人が足を置くための足置き部42が設けられている。足置き部42は、例えば、布等の可撓性素材からなり、左右枠体24の下側の横枠部24aにおいて前方の縦枠部24cよりも前方に突出した部分に左右両端側をビス等により該横枠部24a前部に固定されて、左右枠体24間の下部側に架設されている。さらに、左右枠体24の前方の縦枠部24cの間には足が後方側に脱落するのを防止するようサポート部44が架設されている。サポート部44は、例えば、布等の可撓性素材からなり、前方の縦枠部24cに左右両端側をビス等により固定されている。
【0025】
フレーム12の左右両側には進行時の支持主輪となる2個1対の車輪14が配置される。本実施形態では、車輪14は、フレーム12を間に挟むように左右枠体24の両外側に配置されている。車輪14は、例えば、従来周知の車椅子の車輪と同じものであり、フレーム12の左右枠体24の車軸取付部25に車軸46を介して転動自在に取り付けられている。フレーム12と車輪14との取り付け構成により二輪型手押し車装置10は、図6に示すように、フレーム12の車軸46周りの回転によって、乗る人を前向き着座姿勢(図6の二点鎖線)と、着座姿勢のまま後傾されて上を向く姿勢(図6の実線)と、に変更可能となっている。車軸46は、側面視で背面部18が取り付けられるフレーム12の後方側の縦枠部24dの位置よりも前方側であってシート部16の下方側に設定されている。例えば、車軸46は、側面視でフレーム12の前後の重量バランスが取れる重心を通る鉛直線上の位置かその位置より若干後方にずれた位置に設定される。これにより、車軸46周りのフレーム12のモーメントを比較的小さく構成することができ、車軸46周りにフレーム12を回転させる動作を比較的軽い力で行える。その結果、例えば、シート部16に人が着座した状態でも、フレーム12を車軸46周りに回転させて人を前向き着座姿勢と、着座姿勢のまま後傾されて上を向く姿勢)と、の変更を簡単に行える。なお、車軸46は、例えば、車輪14が正面視でハ字状に配置されるように設定されている。
【0026】
ハンドル20は、フレーム12の後部側にフレーム12と一体的に設けられており、操作者が背面部18の後方側から操作する操作手段である。本実施形態では、ハンドル20は、各左右枠体24の縦枠部24dの上方への延長部分24eの上端から後方に向けて逆L字状に曲折されて設けられている。ハンドル20には、ゴム等のグリップが取り付けられている。
【0027】
図1、図7に示すように、本実施形態では、肘掛けレール26と傾斜レール28と把持レール30と前下がり傾斜枠部22とは、例えば、一本のパイプ材又は杆部材を所定形状に曲折して形成されて、横枠部24a、24b及び縦枠部24dに固定されている。肘掛けレール26は、シート部16に着座する人M1の肘ELと略同じ高さの位置に設定されている。肘掛けレール26は、例えば、側面視で背面部18からシート部16の前後中間位置程度までの前後長さで形成されている。傾斜レール28は、肘掛けレール26の前端から前下がりに曲折されシート部16に着座する人M1の大腿部THの位置に向けて傾斜されている。傾斜レール28の下端は、例えば、側面視でシート部16の前端位置より若干後方側で、シート部16の座面よりもやや高い位置に設定されている。把持レール30は、傾斜レール28の下端から前方に向けて曲折されて突出され、肘掛けレール26の高さ位置から段下がりしてシート部16に近い高さ位置に設けられている。このように、肘掛けレール26の前端側に傾斜レール28を設けたことにより、利用する人がフレーム12の前部側からシート部16に乗り降りする際に、体が当たったり衣類が引っ掛かったりする邪魔な部分が無く、乗り降り動作をスムーズに行うことができる。さらに、シート部16に着座した人は、必要に応じて腕をある程度伸ばした状態で傾斜レール28の下部や把持レール30を手で把持することもでき、比較的リラックスしてシート部16に乗ることができる。
【0028】
図1、図2に示すように、フレーム12の前下がり傾斜部22は、左右枠体24のそれぞれの前部側をシート部16の前端位置よりも前方に突出させて前下がりに傾斜して形成されているとともに、下部側に補助者が手を把持できる持ち手部48を形成している。この前下がり傾斜部22は、下端部22Uを着地させて装置全体の前部を支持する態様(図1参照)と、前方側で補助者が前部を持って背面側の操作者と協働して持ち上げ移動する態様(図8参照)と、を選択的に行える前部支持手段兼持ち上げ移動時の把持手段として機能する。前下がり傾斜部22により、下端部22Uを着地させると装置の前部を支持するので従来の4輪構成の車椅子と比較してブレーキが無くても安定して停止させておくことができる。前下がり傾斜枠部22に形成された持ち手部48により、持ち上げ搬送を行う際には、前方側の補助者は確実にフレーム12を掴み持つことができる。前下がり傾斜枠部22は、左右枠体24の長さが異なる2つの横枠部24a、24bの前端に固定されている。前下がり傾斜枠22の下端部側22Uは、略U字状に後方側に向けて曲折され、着地する部分がアールをつけて湾曲形成されている。前下がり傾斜部22のU字の延長端部は、下側の横枠部24aに固定されている。前下がり傾斜部22は、例えば、着地して前部を支持する状態で、シート部16が略水平か若干後ろに傾斜するような長さで形成されている。前下がり傾斜枠部22は、シート部16に着座した人M1が足置き部42に足を置いた状態でその人M1の脚LGの両外側となる位置に設置されている。本実施形態では、前下がり傾斜枠部22は、側面視で、シート部16の前端よりも前方に突出した位置で足置き部42上を斜めに交差するように設けられている。すなわち、前下がり傾斜枠部22の間にシート部16に着座した人の脚が配置されるように設定されている。これにより、前下がり傾斜枠部22が該人の脚が外側に離脱するのを防止し安全性を向上できる。
【0029】
図4に示すように、フレーム12において車軸46が取り付けられた位置よりも後方側には、後部スタンド装置50が設けられている。後部スタンド装置50は、フレーム12が車軸46周りに後方側へ傾倒するのを規制するように着地支持する状態と、フレーム12を該車軸46周りに後方側へ傾倒できるように退避した状態と、に選択的に切り換え可能に構成されている。本実施形態では、例えば、後部スタンド装置50は、各左右枠体24の後方の縦枠部24dの下端側に固定された基部54に枢支連結されるL字スタンド52を含む。L字スタンド52は、一端を基部54に枢支連結して略90度の範囲で回動できるように設けられており、図4の一点鎖線で示すように他端側を地面に近接させるように下方に向けて回動した状態でロック装置55により保持される。この状態で車体を車軸周りに後傾させようとすると、L字スタンド52の他端側が車軸46から後方に離隔した位置で着地支持されるので車体フレーム12が車軸46周りに後方側へ傾倒するのを規制することができる。一方L字スタンド52は、ロック装置55を解除して上方に向けて回動させると退避状態となり車体フレーム12を車軸46周りに後方側へ自在に傾倒できる。
【0030】
図1、図2、図5に示すように、フレーム12の前部側には索条56を取り付ける索条取付環58が設けられている。索条56は、図9に示すように、二輪型手押し車装置10を前方側へ移動を牽引補助するための牽引用索条である。本実施形態では、索条56は、例えば、数mの長さで両端に着脱係止用の金具が取り付けられた鎖体からなる。例えば、二輪型手押し車装置10を坂道などで走行する場合に、後方から押して操作する介助者M2と協働して前方の補助者M3が索条56を介して前方に牽引して移動することができる。索条取付環58は、例えば、略コ字状に曲折された金属杆からなり、フレーム12の左右枠体24の前方の縦枠部24cに固定されている。索条56は両端の金具を介して索条取付環58に着脱自在に取り付けられる。図5に示すように、シート部16には索条56を収納する収納袋56設けられており、索条56は、通常は、シート部16の下面側に設けられる収容袋60に収納される。収納袋60は、索条56を出し入れ可能に収容する索条収納手段であり、例えば、シート部16と同様の布で設けられ、前方側を開口してシート部16の下面に縫製等により一体的に設けられている。収納袋60の前方側の開口部分には、開口を開閉する蓋部62が設けられ、シート部16の前端側に面ファスナ64等の着脱部により着脱自在に固定される。索条56を使用する際には、収納袋60の蓋部62を開放した状態で開口側から取り出される。
【0031】
次に、図7、図8、図9を参照しつつ本実施形態に係る二輪型手押し車装置10の作用を説明する。例えば、図7に示すように、高齢者や怪我人等の利用する人M1は二輪型手押し車装置10にシート部16に着座し背面部18に背をもたれかけて前を向いた着座姿勢で乗る。図1に示すように、手押し車装置を停止させておく状態では、フレーム12の左右の前下がり傾斜枠部22の下端22Uが地面に着地されて前部を支持した態様となり装置全体が前後に不意に移動したりすることなく安定して停止状態が保持される。利用する人M1が二輪型手押し車装置10に乗り降り動作する際には、フレーム12において、肘掛けレール26の前端から前下がり傾斜して傾斜レール28を設けた構成であるので、体が当たったり衣類が引っ掛かったりする邪魔な部分が無く、乗り降り動作をスムーズに行うことができる。さらに、シート部16に着座した人M1は、腕をある程度伸ばして比較的楽な状態で傾斜レール28の下部や把持レール30を手で把持することもできる。なお、人M1が乗り降りする際には、必要に応じて後部スタンド装置50を図4の一点鎖線で示す位置でロックさせて端部を着地支持させておくことでフレーム12が車軸46周りに後傾しないようにすると安全である。シート部16に人M1が乗った状態で後部スタンド装置50を退避させる。図7に示すように、例えば、平坦面などを通常走行する際には、介助者M2が装置の後方からハンドル20を手で握って押して操作する。この移動の際には、フレーム12を車軸46周りに少し後傾させて前下がり傾斜枠部22の下端22Uを中空に浮かした状態で保持させて移動操作される。車軸46の位置がフレーム12の後方の縦枠部24dより前方側に配置されているので、車体の車軸46を支軸とする前後の重量バランスによりフレーム12の後傾操作を軽い力で行なうことができ、良好な操作性を得ることができる。さらに、前下がり傾斜枠部22は、人M1の脚LGの両外側に配置されるので、不自由な脚が外側に離脱するのを良好に防止できる。
【0032】
例えば、階段などの移動で持ち上げて搬送する必要がある場合には、図8に示すように、介助者M2の他に車体のフレーム12の前部側を持つ補助者M3が搬送を補助する。介助者M2は、装置の後方のハンドル20を手で掴み、前方の補助者M3は、前下がり傾斜枠部22の下端側の持ち手部48を手で掴み、介助者M2と補助者M3とで協働して人M1が乗った二輪型手押し車装置10を持ち上げて搬送移動することができる。装置前方側の補助者M3でも前下がり傾斜枠部22を介して確実に手で持つことができるので、安定して階段等を移動できる。これにより、例えば火事や地震等の災害等で緊急移動する必要がある際にスピーディに搬送することができる。また、例えば、坂道を移動する際には、図9に示すように、シート部16の下面側の収納袋60から索条56を取り出して、介助者M2が後方から前方に向けて押して操作するとともに、補助者M3が索条56を介して前方に牽引しながら協働して比較的楽にかつスピーディに移動することができる。
【0033】
以上説明した本考案の二輪型手押し車装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した本考案の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本考案の二輪型手押し車装置は、例えば、自分で歩行が困難な怪我人、病人、高齢者、乳幼児等を乗せて通常の車輪走行を行えるとともに、人を乗せた状態で装置全体を持ち上げて階段などを搬送する際にも良好に利用できる。
【0035】
10 二輪型手押し車装置
12 フレーム
14 車輪
16 シート部
18 背面部
20 ハンドル
22 前下がり傾斜枠部
24 左右枠体
26 肘掛けレール
28 傾斜レール
46 車軸
48 持ち手部
50 後部スタンド装置
56 索条
60 収納袋


(57)【要約】

【課題】車体を持ち上げて搬送できるとともに、安定的に停止状態を保持できる二輪型手押し車装置を提供する。【解決手段】左右両側に対向して配置される左右枠体24を含むフレーム12と、左右両側に配置されフレーム12に車軸46を介して転動自在に取り付けられ、進行時の支持車輪となる1対の車輪14と、フレーム12の左右枠体24の間に架設されたシート部16と、シート部16の後方側に立設されてフレーム12に取り付けられる背面部18と、操作者が背面部18の後方から操作するためのハンドル20とを備え、フレーム12は、左右枠体24のそれぞれの前部側をシート部16よりも前方に突出させて前下がりに傾斜し下端を着地させて装置全体の前部を支持する態様と、前方側で補助者が前部を持って背面側の操作者と協働して持ち上げ移動する態様と、を選択的に行える前下がり傾斜枠部22を有する二輪型手押し車装置10から構成される。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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