(54)【考案の名称】多段式ロッカー装置

(73)【実用新案権者】株式会社フジ

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図4

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、例えば学校等のパーソナルロッカーシステムとして複数段に積み重ねて使用するプラスチック製の多段式ロッカー装置に関する。

【従来の技術】

【0002】
近年、児童生徒の備品等を収容保管する多段式のロッカーが学校等の教育機関に普及している。このようなロッカーとしては、例えば特許文献1に開示されているように、プラスチックにより一体成形された床面パネルと背面パネルと左側面パネルと右側面パネルと前面ドアパネルと天井パネルとから組み立てられ、天井パネルは角帽状に形成し且つビス止等により背面パネルと左側面パネルと右側面パネルに固着してなるプラスチック製タイプのロッカーが提供されている。
【0003】
また、特許文献2に開示されているように、プラスチックにより一体成形された底板と裏板と二つの側板と上板と扉とから組み立てられた下段の棚単位において、当該下段の棚単位の上板を、上段の棚単位の底板として兼用すべく当該上板上面に、上段の裏板と二つの側板とを嵌合しフック等により相互を係止固定するための嵌合溝を設けた自由組立可能な棚単位のプラスチック製タイプのロッカーが提供されている。
【0004】

【効果】

【0013】
本考案によれば、パーソナルロッカーシステムとして、使用時には複数段に積み重ねて使用可能とし、使用後にはロッカーとしての当初の使用形態を損なわずに各個別に持ち帰ることを可能にする。
【0014】
すなわち、本考案においては、下段の棚ユニットの天板上面に形成された嵌合溝と、上段の棚ユニットの底板下面に形成された嵌合溝との双方に跨って嵌合され両棚ユニットを互いに支持固定可能としたジョイント部材を備えているので、使用後には上下段の棚ユニットを分離し、各嵌合溝からジョイント部材を取外すだけでロッカーとしての当初の使用形態を損なわずに各個別に持ち帰ることができる。
【0015】
特に、本考案に係る多段式ロッカー装置を利用することで、パーソナルロッカーシステムを容易に構築することができる。このパーソナルロッカーシステムとは、入学時に生徒は自分専用のロッカーを購入し、在学中はパーソナルロッカーとして自分の名前を記入して使用すると共に、卒業時にはメモリアルボックスとして自宅に持ち帰ることができるものとしたシステムである。また、このシステムにおいては、進級時ではロッカーごと楽に移動可能となっており、しかも卒業後に自宅に持ち帰ったロッカーは販売店等へリサイクルとして引取ることも可能である。このようなパーソナルロッカーシステムとして、本考案に係る多段式ロッカー装置を利用することができる。
【0016】
前記嵌合溝は、上下段における背板と左右二つの側板との取付位置に対応すべく、天板上面および底板下面それぞれの後縁と左右縁に形成されているので、下段の棚ユニットに対する上段の棚ユニットの支持が強固なものとなり、外部からの衝撃や地震動等による上段ロッカーの転落を未然に防止することができる。
【0017】
前記嵌合溝に嵌合するジョイント部材の上下両面の各中央には、当該嵌合溝の内部中間に形成した仕切壁状のリブに係合すべく凹部を有するので、上下段の棚ユニット相互の位置ずれを確実に防止することができる。
【0018】
前記上下段の棚ユニットを各個別に持ち帰るに際し、前記ジョイント部材を取外した後の嵌合溝を塞ぐための蓋体を備えているので、各個別に持ち帰った棚ユニットそれぞれの外観上の見栄えが向上し、使用済品としてのイメージを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本考案を実施するための一形態を示す上段の棚ユニットの正面図である。
【図2】同じく棚ユニットを上下二段に積み重ねて使用している状態の正面図である。
【図3】同じく棚ユニットを上下二段に積み重ねて使用している状態の斜視図である。
【図4】同じく下段の棚ユニットの天板および上段の棚ユニットの底板およびジョイント部材それぞれを組み立てる状態の分解斜視図である。
【図5】同じく上段の棚ユニットを組み立てる状態の分解斜視図である。
【図6】同じく天板または底板の構成例を示し、(a)は平面図、(b)は底面図である。
【図7】同じく底板または天板に、背板と左右二つの側板を組み付け固定するためのフック機構部の一例を示し、(a)は係止前の状態の断面図、(b)は係止後の状態の断面図である。
【図8】棚ユニットを上中下三段重ねにした状態の使用例を示す正面図である。

【0020】
以下、図面を参照して本考案の実施の一形態を詳細に説明する。
本考案に係る多段式ロッカー装置は、例えば学校等の教育機関におけるパーソナルロッカーシステムとして利用可能な例えばABS樹脂等のプラスチック製材によって形成されている。このパーソナルロッカーシステムとは、入学時に生徒は自分専用のロッカーを購入し、在学中はパーソナルロッカーとして使用すると共に、卒業時にはメモリアルボックスとして自宅に持ち帰ることができるシステムである。
【0021】
多段式ロッカー装置は、図2、図3および図4に示すように、例えば二個の棚ユニットA、Bを上下二段に積み重ね可能となっており、これら各棚ユニットA、Bは、プラスチックにより一体成形された底板1、背板2、左側板3、右側板4、前面扉5、天板6それぞれから組み立てられる。なお、図1には、上段の棚ユニットBのみが示されている。
【0022】
下段の棚ユニットAにおける底板1の高さ巾は、上段の棚ユニットBにおける底板1の高さ巾よりも若干大きくなっており、しかも下段の棚ユニットAにおける底板1の下面四隅には滑り止め用のマット部材7が付設されている。また、前面扉5には、例えばダイヤル錠付きの取っ手8を有し、その外面は学年ごとに互いに異なる色、例えばブルー、グリーン、オレンジ、イエロー、レッド等の色を呈することで、学年に合わせてカラーチェンジができるようにしてある。
【0023】
図4、図5および図6に示すように、棚ユニットA、Bにおける各底板1の上面後縁には、背板2の下端に突設した嵌合突起2aを嵌め込むための嵌合溝1aが形成され、各底板1の上面左縁には、左側板3の下端に突設した嵌合突起3aを嵌め込むための嵌合溝1aが形成され、各底板1の上面右縁には、右側板4の下端に突設した嵌合突起4aを嵌め込むための嵌合溝1aが形成されている。
【0024】
また、これらに対応して、棚ユニットA、Bにおける各天板6の下面後縁には、背板2の上端に突設した嵌合突起2aを嵌め込むための嵌合溝6aが形成され、各天板6の下面左縁には、左側板3の上端に突設した嵌合突起3aを嵌め込むための嵌合溝6aが形成され、各天板6の下面右縁には、右側板4の上端に突設した嵌合突起4aを嵌め込むための嵌合溝6aが形成されている(図6(b)参照)。
【0025】
図4、図5および図6に示すように左右側板3、4の上下両端における前後対称位置、すなわち中間の嵌合突起を介して前後両側位置には、後述するフック機構部11が設けられ、このフック機構部11を介して、底板1上面に左右側板3、4の下端が固定され、天板6下面に左右側板3、4の上端が固定される。また、前面扉5の一側端における上下対称位置には支軸9が一体形成されており、この支軸9を底板1および天板6それぞれの角部に貫設した軸孔10に装着することで、前面扉5は支軸9を支点として閉鎖および前方に開かれるものとしてある。
【0026】
フック機構部11は、図7(a)に示すように、天板6下面の嵌合溝1aに嵌合される左側板3上端の嵌合突起3aおよび右側板4上端の嵌合突起4aそれぞれの前後両側に引き入れ口12を穿設し、移動用レバー13aとフック頭部13bとによって略L字型を呈し且つ引き入れ口12に中間括れ部13cが水平スライド自在となって装着されて成るフック部材13を備えている。また、天板6下面の嵌合溝1aの前後両側には、フック部材13のフック頭部13bを引き入れ口12を介して受け入れるための空間14が形成され、この空間14の一端側、例えば嵌合溝1aの前後両縁部側には係止板15が設けられている。そして、移動用レバー13aを空間14の内側開放位置から一方向にスライドさせることで、図7(b)に示すようにフック頭部13bを係止板15の外面に対して押し付け、これにより天板6に左右側板3、4がしっかりと固定されるようになっている。なお、底板1上面の嵌合溝1aに嵌合される左側板3下端の嵌合突起3aおよび右側板4下端の嵌合突起4aそれぞれにおけるフック機構部11も上記した構成と同様なのでその詳細な説明は省略する。
【0027】
図3、図4および図5に示す符号16は、棚ユニットA(B)を横に並んで合体させるための回転ツマミであり、例えば左方の棚ユニットAの右側板4の四隅に形成した取付孔部17と、右方の棚ユニットAの左側板3の四隅に形成した取付孔部17とを互いに合致させ、これに回転ツマミ16を一方側から挿入し、他方側から回転ツマミ16挿入端に施錠板(図示せず)を嵌合させることで固定されるものとなっている。
【0028】
図4、図6に示すように、下段の棚ユニットAの天板6上面および上段の棚ユニットBの底板1下面それぞれの後縁と左右縁には、細長の嵌合溝21が形成され、これら嵌合溝21は、上下段における背板2と左右側板3、4との取付位置に対応すべく形成してある。そして、これら天板6上面と底板1下面との嵌合溝21の双方に跨ってジョイント部材31が嵌合され、上下段の両棚ユニットA、Bを互いに支持固定できるようになっている。すなわち、このジョイント部材31は略矩形箱型に形成されており、幅方向の両側面のうち一方側が天板6上面の嵌合溝21に嵌め込まれ、幅方向の両側面のうち他方側が底板1下面の嵌合溝21に嵌め込まれるものとなっている。また、嵌合溝21の内部中間には仕切壁状のリブ22が形成され、これに対応してジョイント部材31の幅方向両側面中央には互いに内側に括れるよう凹部32が上下対称に形成されており、ジョイント部材31の嵌合時には、リブ22が凹部32に係合することで天板6に対する底板1の前後左右のずれ込みを防止している。
【0029】
図5、図6(a)に示すように、上下段の棚ユニットA、Bを各個別に持ち帰るに際して、上記した天板6上面の嵌合溝21からジョイント部材31を取外した後にこの嵌合溝21を塞ぐための蓋体41を備えている。すなわち、この蓋体41は、嵌合溝21の開口面積に対応すべく細長板状となった平板部42と、平板部42の長手方向両側から垂下され、互いに内側へ向けて撓曲自在となる係止爪片43と、平板部42の下面長手方向に沿って垂下した補強リブ44とを備えて成る。この蓋体41両側の係止爪片43に対応して嵌合溝21内側の前後端壁には、図6(a)に示すように、被係止孔部23が形成され、嵌合溝21に蓋体41を装着した際には、両係止爪片43が互いに内方に撓みつつ挿入され、被係止孔部23に係止爪片43が嵌合することで嵌合溝21に蓋体41が固定保持されるようになっている。
【0030】
なお、上記した本実施形態においては、上下二段の棚ユニットA、Bによって構成されているが、これに限らず、図8に示すように、棚ユニットA、B、Cを上中下三段重ねにして使用しても良い。この場合においても上記した本実施形態の場合と同様の作用効果が得られる。もちろん、四段重ね以上で使用しても良い。また、本考案に係る多段式ロッカー装置は、学校等の教育機関に限らず、パーソナルロッカーシステムとして利用可能であれば、その他の用途としても使用することができる。
【0031】
次に、以上のように構成された形態についての組立の一例について説明する。
【0032】
先ず、底板1に対し、背板2、左側板3、右側板4、前面扉5それぞれを取付け、これらの上に天板6を組み付ける。このとき底板1および天板6は、左右側板3、4それぞれのフック機構部11によって固定される。このように上下段の棚ユニットA、Bを予め組み立てておく。
【0033】
図2、図3および図4に示すように、下段の棚ユニットAの上に上段の棚ユニットBを載せる。このとき、下段の棚ユニットAの天板6上面と上段の棚ユニットBの底板1下面との各嵌合溝21の双方に跨ってジョイント部材31が嵌合され、このジョイント部材31を介して下段の棚ユニットAと上段の棚ユニットBとの相互が一体となって固定される。
【0034】
上下段の棚ユニットA、Bを各個別に持ち帰る際には、下段の棚ユニットAの上から上段の棚ユニットBを分離し、天板6上面の嵌合溝21からジョイント部材31を取外した後にこの嵌合溝21を蓋体41で塞げば良い。こうして、使用後にはロッカーとしての当初の使用形態を損なわずに各個別に持ち帰ることができる。三段以上の棚ユニットの場合も同様である。
【0035】
なお、図中4の天板6上の底板1と図5の底板1とは別々のものではなく、理解を容易にするために、図5の上段の棚ユニットBの構成部材を全て図示したものである。
【0036】
A 下段の棚ユニット
B 上段の棚ユニット
1 底板
1a 嵌合溝
2 背板
2a 嵌合突起
3 左側板
3a 嵌合突起
4 右側板
4a 嵌合突起
5 前面扉
6 天板
6a 嵌合溝
7 マット部材
8 取っ手
9 支軸
10 軸孔
11 フック機構部
12 引き入れ口
13 フック部材
13a 移動用レバー
13b フック頭部
13c 中間括れ部
14 空間
15 係止板
16 回転ツマミ
17 取付孔部
21 嵌合溝
22 リブ
23 被係止孔部
31 ジョイント部材
32 凹部
41 蓋体
42 平板部
43 係止爪片
44 補強リブ

(57)【要約】

【課題】使用時には複数段に積み重ねて使用可能とし、使用後にはロッカーとしての当初の使用形態を損なわずに各個別に持ち帰ることを可能としたプラスチック製の多段式ロッカー装置を提供する。【解決手段】プラスチックにより成形された底板1と背板2と左右二つの側板3、4と天板6と前面扉5とから組み立てられて成る複数の棚ユニットAを上下段に積み重ね可能とした多段式ロッカー装置であって、下段の棚ユニットAの天板6上面に形成された嵌合溝21と、上段の棚ユニットの底板1下面に形成された嵌合溝21との双方に跨って着脱自在に嵌合され両棚ユニットを互いに支持固定可能としたジョイント部材31を備えている。また、上下段の棚ユニットを各個別に持ち帰るに際し、ジョイント部材31を取外した後の嵌合溝21を塞ぐための蓋体を備えている。


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