(54)【考案の名称】水中軸受診断装置

(51)【国際特許分類】

F04D 13/00 ポンプ装置 系

F04D 29/046

(73)【実用新案権者】株式会社石垣

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図3

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は立軸ポンプの水中軸受の摩耗を計測する装置に係り、立軸ポンプを分解することなく非接触にて監視・診断する水中軸受診断装置に関する。

【従来の技術】

【0002】
従来、立軸ポンプは据付床から吊下げて床下方の水槽内の水を排水している。立軸ポンプは図1で示すように、下端の羽根車を回転させることで水を吸込ベルから揚水して上部の吐出エルボより吐出する。羽根車を垂下している主軸は適所に軸受で軸支しており、揚水部はゴムやセラミックス等で形成された水中軸受が用いられている。水中軸受は長時間使用していると摺動部(水中軸受および軸スリーブ)が摩耗してくる。水中軸受あるいは軸スリーブの摺動部が摩耗した状態で立軸ポンプを運転すると、主軸が揺動しながら回転するので異常振動が発生し、最終的には様々な部品の故障を引き起こす。
【0003】
立軸ポンプは定期的に引き上げて点検を行う。その際に、立軸ポンプを分解して水中軸受の摺動部の摩耗量を点検する。次回の引き上げ点検までの摩耗量を予測して、補修あるいは交換が行われる。立軸ポンプの引き上げ点検は、立軸ポンプを据付けている機場により予め点検周期を設定している。
【0004】
しかし、環境の変化により水中軸受の摩耗量が、計画時あるいは竣工時に予想していた摩耗量より多くなることがあり、予め設定した点検周期では摩耗量が許容値を超えることがある。水中軸受の点検には立軸ポンプを引き上げた後、分解する必要があり、多大な手間と経費及び作業時間を要する。また、点検周期を短くしても環境の変化により摩耗量が減少し、交換の必要がない状態で立軸ポンプを引き上げ分解する可能性がある。そこで、立軸ポンプを引き上げ分解することなく、内部の水中軸受の摺動部に関する摩耗量をリアルタイムに監視・診断する装置が望まれていた。
【0005】
回転軸の変位を変位測定器で測定することにより、水中軸受の摩耗量を正確に監視し、水中軸受けの摩耗の傾向や水中軸受けの交換時期などを推定する方法が引用文献1に開示されている。また、変位計側部の周囲をセラミックス材で形成したキャップで被覆することで、計側部表面の摩耗や破損を防止し、高い測定精度にて水中軸受の摩耗量を測定する変位計ユニットが引用文献2に開示されている。
【0006】

【効果】

【0012】
本考案における水中軸受診断装置は、計測ユニットが故障してもポンプ本体を分解することなく、外部から計測ユニットを着脱することができる。監視位置が水中軸受の近傍であるため、リアルタイムで立軸ポンプの主軸の振れ回りを高精度で監視ができる。また、主軸の振れ回りのデータは陸上に送信して処理(監視・診断)を行うことができる。さらに、既存のポンプにも簡易な改良で計測ユニットの取付が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本考案に係る立軸ポンプの縦断面図である。
【図2】同じく、計測ユニットの縦断面図である。
【図3】同じく、揚水管に計測ユニットを取り付けた状態の拡大図である。
【図4】同じく、吐出ボウルに計測ユニットを取り付けた状態の拡大図である。
【図5】同じく、計測ユニットを取り付けた状態の平面図である。
【図6】同じく、立軸ポンプを改造して計測ユニットを取り付けた状態の平面図である。

【0014】
図1は本考案に係る立軸ポンプの縦断面図である。立軸ポンプ1は、据付床2に据付けたソールプレート3に設置する吐出エルボ4と、吐出エルボ4の下部に揚水管5,6、吐出ボウル7及び吸込ベル8を水槽9内に垂下して構成されている。揚水管5は、外環のケーシング5aと内環のハブ5bとを放射状に連結する複数のリブ10で構成している。吐出ボウル7は、外環のケーシング7aと内環のハブ7bとを放射状に連結する複数の案内羽根11で構成している。
なお、水槽9内に垂下している立軸ポンプ1のコラム長に伴って揚水管5,6を適宜連設し、垂下する高さを調整する。
【0015】
立軸ポンプ1内には駆動機(図示せず)に連結した主軸12の下端に羽根車13を取り付けている。羽根車13の外周端は吸込ベル8の内面に近接させている。主軸12の中間部は揚水管5に設けたハブ5bに嵌合された水中軸受14に、下部は吐出ボウル7のハブ7bに嵌合された水中軸受14によって回転自在に支持されている。この主軸12と水中軸受14との摺動部分には超硬合金で作られている軸スリーブ15が嵌装されており、一方軸受部には炭化ケイ素(SiC)等で作られたセラミック軸受を使用している。本実施例では、超硬合金の軸スリーブ15が摩耗するため定期的な交換が必要となる。
【0016】
吐出エルボ4から突出した主軸12は水封装置16で軸封され、その上方にてスラスト軸受17により軸支されている。スラスト軸受17に関する部品は、主軸12の振れ回りに影響を与えるような摩耗がない。したがって、立軸ポンプ1は上方のスラスト軸受17を起点にして振れ回るため、主軸12の振れ回りの変位量を測定するには下方の水中軸受14部近傍が望ましい。
【0017】
吐出ボウル7のハブ7bに嵌合された水中軸受14及び揚水管5に設けたハブ5bに嵌合された水中軸受14の近傍には、計測ユニット18を配設している。計測ユニット18は、それぞれ吐出ボウル7および揚水管5の外部から着脱可能で、測定時には回転部の主軸12近傍に端部を対向した状態で固定されている。
【0018】
吐出エルボ4のフランジ4aは、立軸ポンプ1内部に配設されている計測ユニット18に接続するケーブル19を据付床2上に導くための開口部4bを有している。据付床2上でケーブル19は制御装置20に接続されており、主軸12の振れ回りに関するデータはリアルタイムに制御装置20に送信される。
【0019】
図2は計測ユニットの縦断面図である。計測ユニット18は、ケース21に収納された変位センサ22と、ケース21に連結する保護管23と、保護管23の端部に固定する取付フランジ24とで構成されている。変位センサ22にはケーブル19を接続しており、保護管23の内部を通って取付フランジ24から延出している。
【0020】
変位センサ22は、内部のコイルに高周波磁界を発生させ、この磁界内に測定対象物(磁性金属)があると、電磁誘導によって対象物表面に磁束の通過と垂直方向の過電流が流れて、コイルのインピーダンスが変化する現象を利用して距離を測定する過電流式を用いている。対象物とセンサの間に非磁性体(水、樹脂、セラミックス等)が存在しても、その測定精度に影響がないという特徴を持つ。
【0021】
ケース21は、一方を閉塞した円筒状で他方の開口部から変位センサ22を着脱自在に収納する。水中軸受14を内挿するハブ5b,7bと嵌合する。ハブ5b,7b側の開口に容易に挿入するために、端部に面取りあるいはテーパを施してもよい。材質は樹脂、セラミックス等の公知の非磁性体で形成されており、変位センサ22の測定に影響を与えないものであれば限定しない。
【0022】
保護管23は、リブ10や案内羽根11の内部に挿入するため、樹脂や軽金属等の管で構成している。既設の立軸ポンプ1の改造等で、流路内に配設する場合はステンレス等の強度部材で構成し、水流による水圧およびスラリー等の懸濁物による破損や摩耗を防止できる材質が望ましい。保護管23の長さは立軸ポンプ1の口径に合わせて適宜調整する。
【0023】
取付フランジ24は、中央に保護管23内部と連通する開口25を形成し、立軸ポンプ1の外周面に設けた取付座26に着脱自在に固着する。ケーシング5a,7aの点検路27と嵌合するので、凸部24aにOリングを外挿する溝24bを有している。また、取付座26と取付フランジ24との間にパッキン等を挟着して水封してもよい。本実施例では取付フランジ24と保護管23を別部品として構成しているが、取付フランジ24と保護管23を一体的に形成してもよい。
【0024】
保護管23の内部を通って取付フランジ24から水槽9内に抜出されたケーブル19は、上方の吐出エルボ4のフランジ4aに有している開口部4bを貫通して据付床2上に導かれている。水槽9内のケーブル19は適宜ケーブルカバー28等で保護してもよい。
【0025】
図3は揚水管に計測ユニットを取り付けた状態の拡大図である。揚水管5の外壁のケーシング5aから内環のハブ5bまでリブ10内部を経て点検路27を形成している。点検路27のケーシング5a外方には取付座26を有しており、取付フランジ24の凸部24aと嵌合した後ボルト等で固着する。取付座26の内周部と凸部24aに外挿したOリングとで水封される。計測ユニット18のケース21は、端部が主軸12に嵌装している軸スリーブ15近傍まで挿入される。リブ10の内周部とケース21に外挿したOリングとで水封される。
【0026】
図4は吐出ボウルに計測ユニットを取り付けた状態の拡大図である。吐出ボウル7の外壁のケーシング7aから内環のハブ7bまで案内羽根11内部を経て点検路27を形成している。ハブ7b内面から軸スリーブ15近傍まで座を延設するとケースの固定が容易となる。点検路27のケーシング7a外方には取付座26を有しており、取付フランジ24の凸部24aと嵌合した後ボルト等で固着する。取付座26の内周部と凸部24aに外挿したOリングとで水封される。計測ユニット18のケースは、端部が主軸12に嵌装している軸スリーブ15近傍まで挿入される。案内羽根11の内周部とケース21に外挿したOリングとで水封される。
【0027】
計測ユニット18をリブ10あるいは案内羽根11の内部に形成する点検路27に挿入すると、水流による水圧およびスラリー等の懸濁物による破損や摩耗がなく、水流に含まれるし渣等の絡み付きがない。
【0028】
計測ユニット18は一体的に構成しているので、揚水管5および吐出ボウル7の外方から点検路27に計測ユニット18を挿入して容易に固着するとともに、外方に計測ユニット18を引き抜くことで容易に取り外すことができる。計測ユニット18の交換に、立軸ポンプ1の引き上げおよび分解を必要としない。
【0029】
図5は計測ユニットを取り付けた状態の平面図である。計測ユニット18は、リブ10および案内羽根11の配設枚数に応じて、主軸12を中心に互いに直行するように配置すると、X方向、Y方向の主軸12の変位量を正確に測定できる。リブ10および案内羽根11の配設枚数から直行に配置できない場合は、直行に近い角度で計測ユニット18を配置し、X方向、Y方向成分に換算してもよい。
【0030】
図6は既設の立軸ポンプを改造して計測ユニットを取り付けた状態の平面図である。既設の立軸ポンプ1を改造して計測ユニット18を取り付ける場合は、外壁のケーシング5a,7aから内環のハブ5b,7bまで直線状に貫通する点検路27を開口する。リブ10や案内羽根11の内部に点検路27を形成できないので、計測ユニット18の保護管23の材質をステンレス等の強度部材で構成する。
【0031】
図1に示すように、揚水管5および吐出ボウル7に配設した計測ユニット18のケーブル19が、吐出エルボ4のフランジ4aに有する開口部4bから陸上に抜出されて制御装置20に接続している。立軸ポンプ1のケーシング5a,7aから上方の開口部4bまでにケーブル19を保護するケーブルカバー28を配設してもよい。
【0032】
計測ユニット18から主軸12の振れ回りの測定値を受信した制御装置20は、主軸12のX方向、Y方向の変位量を算出する。変位量と立軸ポンプ1の稼働時間から数年後に摩耗するであろう想定値を算定し、次回の定期検査まで想定値が予め定めた基準値を超えるようであれば、適切な時期に摩耗した部品を交換する。また、定期検査直前の変位量が十分に基準値を下回っていた場合は、検査時に水中軸受14を交換する必要がないので、水中軸受14部を分解する必要がない。
また、測定値が基準値を超えるようなことがあれば、制御装置20を介して警報を発してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本考案に係る水中軸受診断装置は上記のように構成しており、立軸ポンプを据付けた状態で水中軸受の摩耗量を測定できる。また、変位センサをユニット化して立軸ポンプの外部から着脱可能に構成しているので、装置の故障時に容易に交換可能である。大型のコラム下が長い立軸ポンプに適用すると著しい効果を奏することができ、取り扱いが容易に高精度な水中軸受の摩耗量の診断ができるものである。
【0034】
1 立軸ポンプ
2 据付床
5 揚水管
5a,7a ケーシング
5b,7b ハブ
7 吐出ボウル
9 水槽
10 リブ
11 案内羽根
14 水中軸受
18 計測ユニット
19 ケーブル
20 制御装置
21 ケース
22 変位センサ
23 保護管
24 取付フランジ
27 点検路

(57)【要約】

【課題】立軸ポンプを分解することなく、立軸ポンプの外部から水中軸受の近傍に着脱可能に挿着することができる計測ユニットを備えた水中軸受診断装置を提供する。【解決手段】据付床に取り付けて水槽内に垂下し、下方を水中軸受14により回転自在に軸支した立軸ポンプにおいて、外壁のケーシング5aから内環のハブ5b,5bまで貫通する点検路27を有し、ケースに収納された変位センサと、ケースに連結する保護管と、保護管の端部に固定している取付フランジとで計測ユニット18を構成し、計測ユニット18をケーシング5aの外方から点検路27に着脱自在に挿着するもので、計測ユニット18が故障してもポンプ本体を分解することなく、外部から計測ユニット18を着脱することができる。


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