(54)【考案の名称】錘設置位置を好適化したルアー

(73)【実用新案権者】株式会社 デュオ

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案はルアーに関するものであって、特に後方重心が好ましいルアーにおいて、理想的な後方重心を実現することのできる錘設置位置を好適化したルアーに係るものである。

【従来の技術】

【0002】
ブラックバス、シーバス等の魚を対象としたルアーフィッシングに用いられるルアーの一種に、その形状を小魚に模したプラグ・ミノーと呼ばれるものがある。
この種のルアー1′は図5に示すように、ボディ2′の頭部付近にラインアイ3′が具えられ、このラインアイ3′に接続されるラインLを引くことにより小魚の様な動きをしながら水中を進行するものである。また前記ボディ2′の胸鰭または腹鰭付近並びに尾鰭付近には、フックアイ4′が具えられ、このフックアイ4′にフック8′が接続されている。
【0003】
そして前記ラインアイ3′及びフックアイ4′をボディ2′に具えるための構造としては種々の形態が採られているが、このうち図5に示すように、前記ラインアイ3′及びフックアイ4′をワイヤフレーム5′の一部として形成し、このワイヤフレーム5′をボディ2′に対して埋設状態に設置するものがある。すなわち前記ボディ2′を、左右対称の右側片2R′と左側片2L′とを貼り合わせることにより形成するものであり、この際、右側片2R′と左側片2L′との接合面20′にそれぞれ形成された受入溝22′に前記ワイヤフレーム5′を受け入れて、このものを挟持状態として、ラインアイ 3′及びフックアイ4′をボディ2′から突出した状態とするものである。
このようなルアー1′にあっては、その重量が重いほどより遠くのポイントまでキャストすることができるものであり、このため中空室21′内には錘24′が配設されるが、錘24′の重量の上限値は、ボディ2′の材質や中空室21′の容積に依存するルアー1′の浮力とのバランスでおのずと制限されてしまう(特許文献1参照)。
更にボディ2′が細身のものの場合には、中空室21′の容積も小さくなるため、中空室21′内に反射板、ラトル、移動錘等を設置した場合であってもその機能を十分に発揮することができないという問題もあった。
【0004】
そこで本出願人は、従来のルアーとボディのアウトラインを同一としながらも、中空室の容積を大きく設定することができ、ボディの低重心化を可能として、ルアーアクションを安定させることができ、更にボディの内部設計の自由度を高めることのできる、新規な中空室の容積増大を可能にしたルアーを既に開発しており、この考案によって上記問題点は解決されている。なお前記本出願人による発明は特許出願されるとともに、登録に至っている(特許文献2参照)。
【0005】
ところでトップウォータープラグの一種であるダイビングペンシルといわれるタイプのルアー1′は図4(a)に示すように、アクションが加えられていないときには頭部が水上に突出した状態で浮くものであり、ロッドアクションが加えられることによって頭部から水中にダイブして潜航し、スプラッシュ(泡を出す)を起こしながら水中でパニックダートを起こして、対象魚にアピールするものである。このようなパニックダートを良好に演出するためには、ダイブ動作をうまく行う必要があり、このため頭部をできるだけ高所に位置させるべく、重心をできるだけ後方に位置させる(後方重心)ことが好ましい。
このように後方重心が好ましいルアー1′においては、錘24′をなるべく後方にすることが求められるため、図5に示すように中空室21′の最後部に設置するか、もしくはボディ2′後部に埋め込むことが考えられる。しかしながら、尾鰭付近にはフックアイ4′が位置するため、このフックアイ4′を避けるためにボディ2′最後部の好適な位置に錘24′を設置することは事実上不可能であり、現実には中空室21′の最後部に設置する形態が採られていた。
【0006】

【効果】

【0010】
まず請求項1記載の考案によれば、右側片と左側片とによって挟持状態とされるワイヤフレームに対して錘が一体化されているため、正面視で中心部分に錘を位置させることができる。このためルアーのスイムアクションを癖のない安定したものとすることができる。
またワイヤフレームに対して錘が一体化されているため、ルアー組立時における錘の組み込み工程を省略することができ、製造コストを低減することができる。
更にまた錘が位置する部位のボディ強度を向上させることができる。
更にまたボディの内部設計の自由度を高めることができるため、中空室内に反射板、ラトル、移動錘等を設置した場合にはその機能を十分に発揮することができる。
この結果、良好な釣果が期待できるものであり、ルアーの商品価値を高めることができる。
【0011】
また請求項2記載の考案によれば、従来不可能であったボディの最後部に錘を位置させることを実現することができ、アクションが加えられていないときに、略垂直の状態で頭部が水上に突出した状態で浮くことができる。このため頭部は最高所に位置することとなり、ロッドアクションが加えられることによって水中にダイブする際に、より大きなモーメントが作用し、ルアーを最適な深度に送り込み理想のパニックダートを展開するとともに、より多くの空気を巻き込んで多量のスプラッシュを起こすことができる。この結果、良好な釣果が期待できるものであり、ルアーの商品価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本考案のルアーを示す縦断側面図及びA−A横断面図である。
【図2】ボディの左側片を示す側面図及びワイヤフレームを示す側面図である。
【図3】ボディへのワイヤフレーム及び錘の組み付けの様子を示す斜視図である。
【図4】従来のルアー及び本考案のルアーが、ロッドアクションによってダイブする様子を示す説明図である。
【図5】従来のルアーを示す縦断側面図及び横断面図である。

【0013】
以下本考案の錘設置位置を好適化したルアーについて、図示の実施例に基づいて具体的に説明する。なお以下に示す実施例に対しては、本考案の技術的範囲内における技術的改変を適宜加えることも可能である。
【0014】
図中符号1で示すものが本考案の錘設置位置を好適化したルアー1(以下、ルアー1と称する。)であり、このものは魚体を模して形成されるとともに、その表面に適宜塗装等の装飾が施されたボディ2に対し、頭部付近にラインアイ3を具え、一例として腹鰭部、胸鰭部及び尾鰭部の三カ所にフックアイ4を具え、更に前記フックアイ4にリング7を介在させてフック8を具えて成るものである。
そして前記ラインアイ3にスイベルSを介在させてラインLが接続されるものであり、このラインLが引かれることにより、ルアー1は水中で現実の小魚のような動きをするものである。
なお本考案のルアー1は、トップウォータープラグの一種であるダイビングペンシルといわれるタイプのものであり、アクションが加えられていないときには頭部が水上に突出した状態で浮くものであり、ロッドアクションが加えられることによって頭部から水中にダイブして潜航し、スプラッシュ(泡を出す)を起こしながら水中でパニックダートを起こして、対象魚にアピールするものである。
以下これらルアー1を構成する諸部材について詳しく説明する。
【0015】
まず前記ボディ2は、合成樹脂あるいは木材等、高浮力素材により形成された左右対称の右側片2Rと左側片2Lとを貼り合わせて形成されるものであり、図2(a)に示すようにこれら二片の接合面20のうちボディ2の底面部分、具体的には頭部から尾鰭部にかけて、後述するワイヤフレーム5を受け入れるための受入溝22が形成される。
なお前記接合面20の適宜の個所あるいは全域に凸条及び凹溝を形成した場合には、右側片2Rと左側片2Lとの位置合わせを容易に行うことができる。
また前記受入溝22の周辺部であり、前記ラインアイ3及び/またはフックアイ4を取り付ける部分の前後には、ピン孔23が形成される。なお受入溝22に対するワイヤフレーム5の受け入れ態様については後ほど詳しく説明する。
更にまたボディ2の内部は中空室21とされるものであり、この実施例ではリブ21aによって区画された複数の中空室21が連続して形成されるようにした。もちろん図4に示した従来のルアー1′のように、ボディ2の内部をリブ21aによって区画することなく、その全域を中空室21とすることもできる。
なお中空室21内には、必要に応じて反射板、ラトル、移動錘等を、固定状態あるいは移動可能に設けるようにしてもよい。
そしてこの実施例では、ボディ2の最後部に位置する尾鰭付近(尾鰭の付け根部分)に錘受入部22aが形成されるものであり、この錘受入部22aは、後述する錘24の形状に合わせて形成されるものである。
もちろん錘24の位置は、ボディ2の所望の位置に設定することができるものであり、これに合わせて錘受入部22aの設置個所が設定される。
【0016】
次に前記ワイヤフレーム5について説明すると、このものは図2(b)に示すように、ステンレス等の防錆性素材から成る金属線を適宜曲げ加工することにより、その一部に円形状あるいは半円形状のラインアイ3及びフックアイ4を形成して成るものである。またこのワイヤフレーム5におけるラインアイ3及び/またはフックアイ4の前後の部分には、半円形状の屈曲部50が形成される。
更にこのワイヤフレーム5の適宜の個所には、一例として鉛が素材とされる錘24が具えられるものであり、この実施例では、錘24が、ワイヤフレーム5の一部を鋳込んだ状態に設けられるようにした。またこの実施例では、ボディ2の最後部に位置する尾鰭付近に形成されたフックアイ4に隣接する個所(尾鰭の付け根部分)が、錘24に鋳込まれた状態とされるものであり、フックアイ4の前後の金属線が互いに接触または近接する部分が、錘24中に埋没状態となるようにした。
なお割ビシタイプの錘24をワイヤフレーム5に噛ませることにより、ワイヤフレーム5が錘24に鋳込まれた状態と、外観上、同様の形態になるようにしてもよい。
また前記錘24の重量は、ボディ2の材質や中空室21の容積に依存するルアー1の浮力等に応じて適宜決定される。
更にまたこの実施例では、前記錘24がワイヤフレーム5を鋳込んだ一体部品化された状態で、組立工程に搬入されるものとする。
【0017】
続いて前記ボディ2に対するワイヤフレーム5の組み付け態様について説明する。図3に示すように、まず右側片2Rまたは左側片2Lのいずれか(この実施例では左側片2L)のピン孔23に対してピン9を挿入する。
次いで、このピン9に対して屈曲部50が係合するようにして、ワイヤフレーム5を受入溝22に、錘24を錘受入部22aにそれぞれ嵌め込む。このとき、前記錘24はワイヤフレーム5を鋳込んだ一体部品化された状態となっているため、ワイヤフレーム5の嵌め込みと、錘24の嵌め込みとを、同時に行うことが可能である。
次いで右側片2Rを、ピン孔23に対してピン9が挿入されるように左側片2Lに近づけ、最終的に両者を貼り合わせるものであり、このときワイヤフレーム5及び錘24は、右側片2Rと左側片2Lとに形成された受入溝22及び錘受入部22aにそれぞれ受け入れられて挟持状態とされる。
なお屈曲部50にピン9を係合させることにより、ワイヤフレーム5の固定及び強度維持が図られるものである。
なお前記ピン9の代わりに、右側片2Rまたは左側片2Lの一方の接合面20におけるピン孔23に、ピン9が挿入された状態と同じ形態で一体的に形成された係合突起(図示省略)を用いることもできる。
なおまた右側片2Rと左側片2Lとの接合面20は、接着剤や超音波溶着によって固着されるものである。
【0018】
この状態でワイヤフレーム5の側周面並びにラインアイ3及びフックアイ4は、図1に示すようにボディ2の外縁部から突出した状態となる。なおボディ2の外縁部からのワイヤフレーム5の突出範囲は、図1に示したようにワイヤフレーム5の横断面の約半周とした状態や、横断面の半周以下とした状態、あるいは横断面のほぼ全周とした状態等、適宜設定することができる。
【0019】
次いで前記フックアイ4にリング7を介在させてフック8を取り付けてルアー1が完成する。この状態でボディ2の最高部に位置するフックアイ4に取り付けられたフック8は尾鰭に見立てられるものであり、ボディ2の中間部に位置するフックアイ4に取り付けられたフック8は胸鰭または腹鰭に見立てられるものである。
なお実際の使用時にはラインアイ3にラインLが結び付けられるが、ラインLの撚れを防ぐために撚り戻しを一体的に具えたスイベルSを介在させるのが好ましく、これによりルアー1の交換も容易に行うことができる。
【0020】
本考案のルアー1は、一例として上述したように構成されるものであり、従来不可能であったボディ2の最後部である尾鰭の付け根部分に錘24を位置させることが可能となり、これにより、理想的な後方重心を実現し、所望のスイムアクションを行わせることができるものである。
具体的には図4(b)に示すように、アクションが加えられていないときには頭部が水上に突出した状態で浮くものであり、ロッドアクションが加えられることによって頭部から水中にダイブして潜航し、スプラッシュ(泡を出す)を起こしながら水中でパニックダートを起こして、対象魚にアピールするものである。
この際、本考案のルアー1は、ボディ2の最後部である尾鰭の付け根部分に錘24が位置しているため、アクションが加えられていないときに、略垂直の状態で頭部が水上に突出した状態で浮くことができる。このため本考案のルアー1の頭部は最高所に位置することとなり、ロッドアクションが加えられることによって水中にダイブする際に、図4(a)に示す既存のルアー1′よりも大きなモーメントが作用し、より深く遠くまで潜航して最適な深度に送り込むことができ、より多くの空気を巻き込んで多量のスプラッシュを起こすこして理想のパニックダートを展開することができる。
またロッドアクションによる慣性力が消滅したときには、ルアー1は浮上するものであり、この際、略垂直状態で水面に到達するため勢いよく水上に飛び出すこととなり、対象魚に対してアピールすることができる。
また右側片2Rと左側片2Lとによって挟持状態とされるワイヤフレーム5に対して錘24が一体化されているため、正面視で中心部分に錘24を位置させることができ、ルアー1のスイムアクションを癖のない安定したものとすることができる。
更にまたワイヤフレーム5に対して錘24が一体化されているため、ルアー1の組立時における錘24の組み込み工程を省略することができ、製造コストを低減することができる。
更にまた錘24が位置する部位のボディ2の強度を向上させることができる。特に尾鰭付近のボディ2は、対象魚によるバイト時に銜えられた状態となり、歯による衝撃が加わることになるが、この際のボディ2の損傷を著しく低減することができる。
そしてこれらの相乗的な効果により、良好な釣果が期待できるものであり、ルアー1の商品価値を高めることができる。
【0021】
1 ルアー
2 ボディ
2L 左側片
2R 右側片
20 接合面
21 中空室
21a リブ
22 受入溝
22a 錘受入部
23 ピン孔
24 錘
3 ラインアイ
4 フックアイ
5 ワイヤフレーム
50 屈曲部
7 リング
8 フック
9 ピン
L ライン
S スイベル

(57)【要約】

【課題】ボディの最後部に錘を位置させることを可能とし、理想的な後方重心を実現し、所望のスイムアクションを行わせることのできる、新規な錘設置位置を好適化したしたルアーを提供する。【解決手段】ラインアイ3及びフックアイ4はワイヤフレーム5の一部として形成され、このワイヤフレーム5は、右側片2Rと左側片2Lとの接合面20に形成した受入溝22に受け入れられて挟持状態とされるものであり、錘はワイヤフレーム5の一部を鋳込んだ状態に設けられている。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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